仕事人、護り人になる   作:ユイトアクエリア

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日常

貰った部屋員カードを見ながら、名前を眺める。

 

蒼藍 怜人(そうらん れいと)......合月 カノン......暗空 奏多(あんくう かなた)......」

 

俺のいる部屋は俺を含めて3人。

他の男子部屋も2-4人程度、女子部屋は5-6人なので、妥当な数と言えるだろう。

その中で怜人と組めたのはでかい。

 

......知り合いが一人もいないと、いろいろと怖そうだからな。

なんか、カーストとか。

 

「お、カノンお帰り~」

「あぁ」

 

部屋に帰ると、部屋着にを着ていた怜人と、いまだ制服の奏多がいた。

 

「暗空さん、だっけ?着替えないのか?」

「あぁ......僕は寒がりでね」

「......なるほど」

 

どうやら、嘘をついてでも着替えたくない事情があるらしい。

何で嘘かわかるか?

人間、目線がものを言うんだよ。

目は口ほどに何とやら、だ。

まぁ、無駄に詮索することもないので、放っておく。

 

「そろそろ6時半だ、行こうぜ」

「わかった」

「了解」

 


 

夕食のためホールに入ると、すでにほとんどの生徒が席についていた。

急ぎ足で自席を見つけ、座る。

 

程なくして、学年主任がマイクを持って登場した。

 

「皆、明日は今日よりも疲労が溜まるだろう。この夕食をしっかりと食べ、明日に備えるように。それでは......」

 

手を合わせる。

全ての生物に感謝を込める食事前の儀式だ。

 

「いただきます」

 

しっかりと呟く。

 

しかし、初日の夕食からすき焼きとは、相当豪華だ。

しかも、この行事はただのオリエンテーションだというのに。

 

「カノン、驚いてんのか?」

 

隣の怜人がからかってくる。

 

「あぁ、うん。正直ビビってる」

「だよなぁ。けど、中学ぐらいになったら慣れたから、カノンも平気だよ」

「......そうだと、良いんだけどな」

 

しかし、このすき焼き、うまい。

なんというか、食材が違う気がする。

 

「......うま」

「だよな!やっぱ泊りの何がいいって、夕食がうまいことなんだよ!」

 

怜人のテンションがよくわからない。

けど、こいつは楽しんでるようだ。

隣で黙々と食ってる奏多も、よく見れば頬が少し吊り上がっている。

 

「でもやっぱさ、こうやってダチと食う飯だからかな?」

「......ダチ?」

「そ!ダチ!友達だって意味ぐらい、分かるだろ?」

 

それはもちろん理解している。

と言うことは、怜人は俺を友達と言ったのか?

 

「そうだって!あれ、そう思ってたの俺だけ?」

「あぁ、いや......何というか。友達って呼ばれるのに慣れなくてな」

 

嘘じゃない。

任務の遂行には仲間は邪魔でしかなかった。

 

「じゃあ、俺たち今日から友達!部屋メンも、班のやつら全員ひっくるめて!」

「......わかった。友達、か」

 

まぁ、こういうのも、悪くない。

 

 

 

 

 

 

 

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