転生してもメガネで冴えない小デブなのでヤケクソ 作:リデルJr.
「……ケプコンケプコン。いやはやこれは失礼した、真冬の姫君。その心意気、実に天晴れである! この剣豪将軍が直に認めようでないかっ!! ……なにっ、まさか組織からの追っ手がもう来たというのかっ!? ここに居れば無用の犠牲者が増えてしまう。ならばここは……。かたじけない、どうも追手が来たようでな。しばし、さらばっ!!」
ふははと哄笑しながらコートを翻し颯爽と立ち去る我。カッコいい。
「なら走って帰れよ……」「結局何しに来てたんだし……」「はぁ。理解不能ね……」等々の捨て台詞(主観と客観の逆転により発生する言語理解の反転現象)が背後から聞こえてきたが、我には関係ない。なぜならば、我こそは剣豪将軍の生まれ変わりであるからしてっ! ふはっ、ふははははっっ!!
横にスライドするタイプのドアを音を立てて閉め、そのまま高笑いしながら旧校舎を出た。陸上部野球部サッカー部ラグビー部テニス部その他運動部員の掛け声がデブの高笑いを打ち消し、正気に戻った。
正気に戻ると同時に頭が真っ白になった。そして嫌な予感が次々と浮かんだ。多分今頃はあの教室で『あのデブキモかったよね』とか『ちょっと臭かった』とか『明日皆にデブの奇行を言いふらしちゃおう!』とか言ってたりするんだろうな。あー、学校辞めたい……。
運動部の気勢と反比例するようにトボトボと校門を出たところで、友人の部内ハーレムに比肩するレベルのとんでもない美少女に追い抜かれた。ピンと伸びた背筋はその気丈さが表れており、キリリと引き締まった
背に揺れる鬣を眺めながら良いものを見れたということで気力は回復。デブは単純なのだ、仕方ないね。復活記念にサイゼで豪遊し、腹拵えを済ませて帰宅した。因みに注文はザ・テンプレのミラノ風ドリアと辛味チキンとペペロンチーノ。1人だと汲みに行くのがちょっと恥ずかしいから、ドリンクバーは要りまへん!
自室でネットサーフィンをしていると、SNSにメイドコス体験が出来るメイドカフェ『エンジェル……』を見つけた。そしてしょうもないカップルのしょうもない自撮りを見ているうちに時間は過ぎ、翌日の学校の準備を済ませて寝た。