今回は新羅を拾ったドワーフ夫婦の名前、その他の街のドワーフ達の名前。
そしてドワーフ達に新羅の身元を明かします。
そして新羅はこの世界にどう対応するのか。
そして今回は動きが少ないのであまりセリフと文章の切り替えがすくねぇです。
それではどうぞ。
通りすがりのドワーフ、『グビン』に拾われ10年。この世界の言葉を覚えて5年が経った。
「なんと言う世界だ…御伽話にしかなかった物がここに存在している」
元いた世界に存在しなかった生命体『ドワーフ』がいた時点ですでに実感していたものが魔法でより深まった。
そして新羅はこの世に生を受けたことをよりワクワクしていた。
「俺の知らない『戦争』がここですることができる。魔法?魔具?いいじゃあないか。
嗚呼嗚呼、早くデカくならんかなぁ。早く早く、戦えるようになりてぇなぁ」
そしてグビンと『ザリア』夫妻は心配していた。
喋れるようになった新羅は時たま
字が読めるようになった新羅は戦記や歴史書ばかりを読む。
動けるようになった新羅は持っていた銃や刀の整備、鍛錬ばかりしていた。
友がいないわけではないがずっとそればかり。不思議なヤツだった。
しかしとても親孝行な子供だ。グビンの工房では道具の整備や素材運びを手伝い、ザリアの家事や畑仕事、ヤギの世話を手伝い。
物事を頼めば「いいよ」、苦手なことも渋い顔しながらも「いいよ…」と請け負う。
街での評判もいい。
いい子なのだ。
しかし時々、しょーもないミスをする。
お使いに行くと買うものを忘れる。
メモをしてもメモを忘れる。
料理をすると生姜とニンニクを間違える。
手を滑らせて割った皿は数知れず。
風呂を沸かせると水を入れている事を忘れて溢れさせる。
そしてなによりよく躓くしよくぶつける。ドワーフの家具が合わないと言うのもあるがそれにしてもよく躓くよくぶつける。
テーブルの角に膝の皿をぶつける。
階段で登ったと思ったら足りずぶつける。
降りてても足を滑らせて尻餅をつく。
自分の足に躓く。
絨毯を歩いても絨毯ごと滑る。
あとバランスを崩しやすい。
普段はむしろとてもいいのだ。片足で1日を過ごせるほどいい。
しかしなんの前触れもなく突然バランスを崩す。
だが大きな怪我は一切しない。普通骨折するような怪我でもけろりとしていた。
それでもグビンとダリアは新羅を愛し誇りに思っていた。
そして新羅の10になる誕生日(新羅を拾った日)、2月19日。とうとうグビンはずっと不思議だったことを、とうのとうとう聞いた。
「なぁガバル(この世界での名前)、ずっとお前に聞きたかったことがあるんだ」
「なんだい、オヤジ」
「お前は一体何者なんだ?お前と初めてあった日、お前は俺たちとは何か違うものを感じていた。
けれどもそれがなんなのか、教えてくれないか?」
「…それは母ちゃんもかい?」
「ああ、2人で決めたことさ」
「わかった、そんな顔されちゃ仕方ねぇ、2人からの頼み事だ。俺は断らんよ」
さあなにから話したもんかと1つため息をついて話始め、2人は黙って聞いていく。
「単刀直入に言うと俺はこの世の人間じゃない。言うなれば転生者ってヤツだ。
神の法に逆らう事を無理矢理通して、仲間の手を振り払ってここに来た。ここに来させてもらった。
俺は元々軍人だった。俺の生きてた頃に戦争があってなぁ、人を沢山殺した。
戦争は怖かった。苦しかった。敵も仲間も、どんどん死んでいった。
ありゃまさに地獄だ、いや地獄と言う言葉も足りなかった。
ずっと空腹だった。ずっと喉が渇いていた。
敵から身を隠すための洞窟では1匹のコウモリを一緒にいた仲間10人で分け合った。
『もう死ぬから』と自分の血を仲間に分けたやつもいた。
死んだ仲間の肉を食べたこともあった。
けど、ここで俺らが諦めたら、国はどうなる?国民はどうなる?
女子供は犯され、殺され、家畜のような生活をさせられるかもしれない。
俺らの家族が皆殺しにされるかもしれない。
そんな事は絶対にさせちゃならん。そんな事、絶対にあっちゃならん。
だから俺は殺した。殺しに殺し、殺しまくった。
そこで俺は狂っちまったんだろうな。
そんな戦争が楽しい事だと思うようになったんだ。
多分そうでもしないと俺は俺じゃなくなる、これしかなかったんだ。
しかし結果は負けた、俺も捕まった。
まぁ国民にはなにもされなかったからよかった。
本当に…よかった…。
そしてそこから75年間。俺は友と共に本を書き、自分らの戦場に残った仲間の骨を拾い、石碑を建てた。
俺らはそれしか出来なかった。
そして死んだ。
けど俺はただ死ぬのは嫌だった、俺の死に場はそこじゃなかった。
だから俺はここに来た。
そしてあなた達が拾ってくれた。
本当に、ありがとう」
これで終い。
もう話せる事はなにもない。
雰囲気は暗かったがすっきりした、この2人に隠し事はあまりしたくなかったから。
この2人も安心した、やっと子供のことが聞けたから。
「…そうか」
「ところであんた、名前はなんて言うんだい?」
「新羅だ、新羅 錐輝。あの服に書いてあったのが名前だ」
「シラギ…そうか、お前は新羅と言うのか」
「ああ、向こうでも俺は捨て子でな、その時の紙に書いてあったんだと」
「お前そこでも捨てられてたのか…」
「うん…だけどそのときは独り身のとっつぁんだったからな、こんな綺麗な母ちゃんはいなかったよ」
「はっはっは!こんのガキめよくわかってんじゃねぇか。そうだとも、こいつは俺の選んだ女だ!世界一の女に決まってる!」
「そんな世界一の女置いといてエルフの酒場でベロベロになってくる大バカはどこのどいつだい?」
「そんなことよりガバルいや新羅よ、お前いくつで死んだのだ?」
「そんなこと聞くか普通…100歳だよ」
「ほう人間にしちゃよく生きたな」
「ちゃんと動いて食って寝てたからな」
「人間は比較的短命だ、息子とは少しでも永くいたいもんさ」
「それもそうか」
そしてまた1つ、グビンは聞きたかった事を思い出した。
「あぁそうだ新羅」
「なんだいオヤジ?そして俺のことは錐輝でいいよ、俺の世界だとそっちはラストネームなんだ」
「そうなのか?まぁともかく、お前と一緒に落ちていた刀ありゃなんだ?この街1番の研師『ヴィロス』が目ん玉ひんむくほど研ぎ澄まされた刃、間違いなく国宝クラスの大業物だぞ」
「ああ〜…それ俺が研いだんだ」
「なに!?」
「使ってく内になんか切れ味悪くなってたんで『研屋に出すと高いし時間かかるしなぁ〜』って思ってさぁ、一応ノウハウはあったから自分で納得いく切れ味にまで研いだんだ」
「それで国宝クラスの大業物かい?はっはっはっは!アタシ達は良い息子を持ったもんだよ!」
「い、いやう〜ん喜ぶべきか喜ばざるべきか…ま、まぁそれよりあの銃のような物はなんだ?火ばさみもなけりゃフリントもねぇ」
「いやあれは銃で合ってるよ、ただ時代が進んでるんだ」
「やはりか」
「うん、火薬と弾が一緒になってるんだ」
「あの箱に入ってたものか?どうりで火薬の匂いがしたわけだ」
「そうそう筒の中に火薬が入っててケツの方に雷管、まぁフリントみたいなモンだ。そいつをぶっ叩けば火花が散って中の火薬に引火、先端の弾が発射するってワケだ」
「なるほど」
これで聞くこと言うことは無くなった。
これからどうしたものか。
取り敢えず街仲間内には新羅が転生者であることを公表はする。
問題はそこからだ。
ドワーフだ皆善良な訳ではない。新羅の銃を知って悪用しようという輩もいるだろう。
そこで新羅には1つ考えがあった。
「なあオヤジ」
「なんだ?」
「俺が出て行くのはありか?」
「無しだよバカタレ」
「ですヨネ美しいお母様…」
第三話完ッ!
とまあね、新羅くん(こう書くと白菊みたいだよねw)の冒険の試みは頓挫しまして、しましてよ。
いくつくらいから冒険にぶっ出そうか?そうじゃなくても徴兵ってことで戦争に参加させることもできるんだけどさぁ?
取り敢えず15~17くらい?
まぁその時はその時考えます…
ちなみに新羅くんのしょーもないミス、あれモデルは僕です。
なんかよく物にぶつけるんですよねぇ…バランスもよく崩すし…物忘れ酷いし…魚卵調理の時に生姜とニンニク入れ間違えるし(よく見ずともチューブの色でわかる)…
そしてあの戦時中のエピソードも事実です。軽く調べるだけでも戦争のクソ具合がよくわかります。
そら新羅くんもああなりますよ。仲間の肉食ってよくヴィーガンにならんかったなコイツ。
と言うわけでこの回もこれにて御開き。
それでは第4話でお会いしましょう。
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