それでは本番スタート!!
ウィリアムが眠りに着いた後、アノシュ達はレノの誘いでアハルトヘルンの更に奥へと進む、道中眠っていたウィリアムはレイが担ぎ運ぶ
レノ「彼、大丈夫なの?いきなり眠っちゃったけど」
アノシュ「あいつは入りたてで良く分かってはいないがな、どうやら本気を出すと身体が着いていけず戦いの後眠ってしまうらしい」
レノ「へぇ~、世界には変わった力があるんだね」
そんな話をしながら進んでいるとティティ達が現れ何やら慌てているようだった
ティティ「レノー!!」
ティティ「おばあちゃんが」
ティティ「おばあちゃんがいなくなっちゃう」
ティティ「大変だよ~」
ティティ「潰えるよ~」
レノはまるで分かっていた様に何かを覚悟すると
レノ「皆でお見送りしよう」
とティティ達に言う、何の事か分からないアノシュ達は黙ってレノの後ろを着いていく、すると1本の古い大樹が姿を表しその周りを様々な精霊が囲っていた、レノはそっと大樹に手を触れる
レノ「おばあちゃん」
レノが話しかけると大樹に顔が現れた
???「良く戻ったね、レノ」
レノは悲しげに頷くと大樹はアノシュ達に目を向けた
???「どうやら今日は可愛らしいお客さんがいるようだねぇ。お名前は?」
アノシュ「アノシュ・ポルティコーロだ」
???「良い名前だねぇ、アノシュ、私はミゲロノフ。大戦の樹木ミゲロノフ。人間に大戦を生き抜く知恵を授ける精霊だよ」
ミゲロノフの名乗った大木は一通り目をやると再びアノシュを見た
ミゲロノフ「こちらへおいでアノシュ、連れの人達も名前を教えておくれ、私に触れると良い」
皆名前を告げた後ミゲロノフを触れる、ミゲロノフは最初ミーシャとサーシャに語りかけた
ミゲロノフ「ミーシャ、サーシャ、あんた達はその身に力の半分しか宿していない。1つにお戻り。そうすれば本来の魔力に目覚めるだろう、それにサーシャ、恐れる必要は無いよ、その子はあんたが思う様な事にはしないさ」
サーシャ「そう、ね、分かってる、ちゃんと分かってるわ」
ミゲロノフ「そうだろうね、でもその信頼が壊れることを恐れているあんたが死ぬ事よりも、その子の戦いを今まで見てきたんだろう?、それなら大丈夫さ」
サーシャ「………………」
ミゲロノフ「さて、エレオノール。あんたは新しい魔法を覚えると良い自分が戦うより他の人を応援する方が得意かもしれないね。自分が何に向いてるのか、よーく考える事だよ」
エレオノール「うん、ありがとう」
ミゲロノフ「ゼシア、あんたには素晴らしい素質がある、勇者の素質だ、それから鏡の魔法が得意みたいだねぇ」
ゼシア「………………??」
エレオノール「大丈夫、今度教えて上げるからね」
ミゲロノフ「レイ、あんたのお手本はそこにいるシン坊やだよ。彼の剣があんたを導き、そしていつか、違う場所へたどり着くだろうね」
レイ「………はい」
ミゲロノフ「リィナ、あんたは戦いには向いてない。自分のなすべき事をお探し、心のままにね」
リィナ「はい」
そしてアノシュには
ミゲロノフ「ああ、無いね、アノシュ、あんたには授ける知恵は何もない、たまにいるんだよ、私にも見えない者がねぇ、ただ素晴らしい力を持っている事は分かるよ。大したものだ。あるいは私の知恵など、あんたには必要ないと言うことかもしれないねぇ」
そして最後ウィリアム
ミゲロノフ「ああ、この子が起きたら言っておくれ、あんたは素晴らしい素質がある、王の素質だ、けどその力は絶対に使ってはいけないよ、この子も周りもただではすまないからね、他にも危うい素質が幾つもある、あんた達この子を守ってあげな」
レイ「彼は守られる程弱くはないと思うけど」
ミゲロノフ「力と言う意味においてはそうさ、けど心は違う、良いかい、この子を1人にしてはいけないよ、この子が孤独になれば王の素質を始め彼の中に眠る多くの素質は彼を殺すだろう」
その時ミゲロノフが光を放ち始めた
ミゲロノフ「おや、時間のようだね」
アノシュ「潰えるのか?」
ミゲロノフ「ああ、そうさね、私は潰える。2度と蘇ることもないだろう」
アノシュ「噂と伝承が途絶えると言うことか?」
ミゲロノフ「ふふふ、どうやら戦い以外なら教えることがあったようだ、噂と伝承が途絶える他にももう1つ、精霊が潰えることがあるそれが自らの伝承に背いたときなのさ」
ミゲロノフが更に続ける
ミゲロノフ「大戦の樹木ミゲロノフは人間に大戦を生き抜く知恵を授ける精霊、魔族を倒すためにね。けれども私は魔族に、暴虐の魔法に協力した。魔族を倒さず人間と彼らが共に生きるために知恵を絞ったんだよ」
ミゲロノフ「ふふふ、良いんだよアノシュ、そんな顔しなくとも。あんたは魔族だが何にも悪くない。それに私は十分生きた。もうまっぴらだったのさ。誰かを殺す知恵を授けるなんてねぇ、魔王には感謝してるよ。こんな私が平和のために知恵を絞れたんだから、こんなに嬉しい最期はないよ」
レノ「おばあちゃん」
レノはミゲロノフを抱き締める
レノ「ごめんね、私がわがまま言ったから」
ミゲロノフ「あんたのせいじゃないよレノ、それにね、どうせ大戦の樹木なんて戦いが終われば忘れられる。遅かれ早かれ私は潰える運命だったのさ、あんたにもいつか選ばなきゃいけない時が来るこれは、精霊の宿命何だよ。精霊として噂と伝承を守るかそれとも背き大切なものを守るか」
レノ「どうすればいいのかな?」
ミゲロノフ「迷った時にはね自分の心に聞くと良い心は何時だって自分の物だよ。あんたは賢い子だそろそろ気付くだろうねぇ、それにもし、どうしても駄目なら」
レノ「駄目なら?」
ミゲロノフ「あの子達を頼ると良い、あんなことを言ったばかりだけれど、この子達ならあんたの願いを叶えてくれる」
ミゲロノフが幹で指したのはアノシュと未だに眠ったままのウィリアムだった
ミゲロノフ「良いかいレノ、守りたいものを守るんだよ。私は満足してる、きっともうすぐ平和がやってくるんだから」
ミゲロノフは更に発光を強めやがて徐々に光が収まるとそこにはまるで最初から何もなかったように綺麗に消えていた