踏みつけられるザミラの頭部が悲鳴をあげる、教室にいる殆どの生徒達は空気そのものが重くなった様な重圧と恐怖で動けなくなっていた、平然としているのは教師陣と彼を知る者達だけ
サーシャ「いい加減にしなさい!!」
叫ぶサーシャに反応しザミラを踏みつけたまま振り返る
サーシャ「私の為って言ってくれたのは嬉しいしありがたいけど、そんな事でいちいち問題起こしてたらきりが無いわ、もう十分だから」
サーシャがそう言うとウィリアムはザミラをじっと見た後蹴り飛ばす様に足を離す
ザミラ「ガハッ!!、はぁ、はぁ、はぁ、貴様、覚えておけよ、このままで済むと思うな!!」
捨て台詞を吐いて教室を出るザミラ
エミリア「ちょ、ちょっと待ってください!!ザミラ学院長!!、まだ私も話したい事が!!」
そう言いながらエミリアは教室を出ていったザミラを追いかけていく
アノシュ達はその光景をじっと見ていた
アノシュ「どう思う?、ミーシャ」
ミーシャ「どっち?」
アノシュ「両方、だな」
アノシュがそう言うとミーシャはそっと本人に気付かれぬ様にウィリアムに魔眼を向ける
ミーシャ「ウィリアム以外の根源が見える」
アノシュ「やはりか、以前はあんな物見えなかったがな、隠していたのか、或いはこれも異変の影響か」
そう言う2人の魔眼にはウィリアムの根源を囲む様に、そして漂う様に動いている1つの根源が見えていた、しかもその根源は何かしらウィリアムの根源に働きをかけている
アノシュ「何とも奇妙だな、根源は1つだが、その周りを漂っている物は3つだ、まるで根源と体が3つ揃って初めて完成するようだ、いや、それでも足りないかも知れんな、もしこの3つをウィリアムから取り出した場合、それで漸く人の形を保てる、辛うじてだがな」
ミーシャ「見たことある」
アノシュ「何時だ?」
ミーシャ「アンクが来た時、同じ様な状態だった、1つの体に2つの根源と他に2つの何かがあった、それもあんな感じだった」
レイ「まるで僕と正反対だね」
レイは笑顔でそう言う、勿論冗談だ
ミサ「でも変ですよね?、根源が1つしか無いのに3つ揃って体が出来るなんて、しかも、それでも足りない何て」
アノシュ「まぁ、今は漸く様子を見る他あるまい」
午前中の授業が終わり昼休み、一行は昼食を取るべくガイラディーテの町を歩いていた
エレオノール「やっぱりガイラディーテに来たなら名物の勇者焼きを食べておいた方がいいと思うぞ!!、前はちょっと時期が外れて無かったけど今なら何処でも食べられるぞ!!」
ウィリアム「へぇ~、何を焼くんだ?」
ウィリアムも時間が空き落ち着いたのか、何時もの調子を取り戻し一同は内心ホッとしていた
ゼシア「勇者の肉、です」
エレオノール「フフ、ゼシアの冗談だぞ」
ゼシア「ゼシアは冗談、好きです」
ウィリアム「へぇ~、じゃあ出てくるのはゼシアの肉か」
ウィリアムがそう言うとゼシアが固まり
ウィリアム「だって勇者の肉ならゼシアは勇者として生まれたんだから、ゼシアの肉だよな」
続けてウィリアムがそう言うとブルブルと震え出した
エレオノール「あちゃ~、冗談はウィリアム君が1枚上手だったぞ」
ゼシア「負け、ました」
ミサ「あはは、それで本当は何なんですか?」
エレオノール「牛肉だぞ、猛角牛っていう猛獣を狩ってくるんだ、そしてここがガイラディーテで一番美味しい勇者焼きを出すんだぞ!!」
エレオノールが足を止めた店の看板を見上げるとそこには肉の味と書かれていた
ウィリアム「店名どストレートだな」
エレオノール「何時もは並んでるんだけど今日は空いてるから直ぐ食べられるかも、行こっか」
皆が店に入っていく、ウィリアムとアノシュも中に入ろうとした時
エミリア「もう!!、何で空かないんですか!?」
少し遠くからエミリアのそんな叫びが聞こえてきた
ガイラディーテの町の空、雲1つ無い空に浮かぶ1人の人影、空を飛ぶこと自体はこの世界では珍しい事でも無く、見つけても誰も気にしない、故に彼は堂々と町を行く一行をじっと見つめている、最も例え騒がれようと彼は気にしないのだが、いずれにしろ彼はじっと店に入ろうとする一行を見ていた
アンク「よりにもよって奴が現れるとはな~、あいつのコアメダルはあの時完全に破壊したと思ったが、面倒な事になったなぁ」
アンクはその眼をウィリアムに向け鋭く睨むとそこには
ムカデ
ハチ
アリ
3枚の毒虫を象ったコアメダルが彼の眼に映った
ウィリアムの体内、そこに突如生まれた3枚のコアメダル、そこから生まれた怪物は少しずつ、だが確実に力を蓄えていた、その名はゴーダ、かつて火野映司の欲望から生まれた怪物
ゴーダ「フフフ、良いぞ、もっとだ、もっと力を使え、そうすれば今度こそ俺は映司の欲望に相応しい力を手に入れられる、あの時はオーズの力のみを手に入れて最強になったと思っていた、だが違う、今度こそ俺は真に最強の力を手に入れる、オーズは勿論あの魔王の力も!!、全てのライダーの力を!!!!」
彼の名はゴーダ、グリードの中で最も欲深く、最も欲望の名に相応しい者