魔王学院でライダーになったが……   作:寝心地

143 / 171
神の真意

アノス「霊神人剣を奪いさえすれば、本物の勇者を倒せると思ったか?」

 

 

 

レイとミサの映る魔法を消しアヒデにアノスはそう言う、しかしアヒデは深くため息を付き何でもない様に返す

 

 

 

アヒデ「不適合者アノス・ヴォルディゴード。貴方は分かっていらっしゃらない。神託とは予言や予知ではありません。それは神が我々に与えてくださる正しき道しるべなのです。人はそれに従い努力しなければならない」

 

 

 

アノス「クハハ。成る程な、何とかうまい言い訳を捻り出そうとしているようだが、少々滑稽ではないか?我が身を振り返って考えてみよ」

 

 

 

アヒデ「例え地べたを這いずろうとも、神がお与えになった言葉を信じ、なすべきをなすのが神託者たる私の務め、平坦な道と茨の道があれば私は喜んで茨の道に挑むでしょう、時には困難に敗れ膝を折る事もありましょう。しかし神はそのお言葉によって新たな道をお示しになってくださる。幾度試練に敗れようとも、神は私を見ていてくださる。この信仰を失わぬ限り、この困難の道は辿り着くべき場所へ辿り着くのです」

 

 

 

アヒデは祈るように手を組み静かにそう言う、しかしアノスはその祈りを妨げる様に

 

 

 

アノス「生憎ペテン師の行き先は古今東西決まっている、地獄に堕ちるがよい」

 

 

 

不適に笑いそう言いった、しかしアヒデは一切動じる事はない

 

 

 

アヒデ「王龍が勇者カノンに討たれた事で貴方は神に優ったと勘違いしているようですね。しかしながら神託とはその様に浅いものではありません。たった今申し上げたでしょう。神は新たな道をお示しになる、とアゼシオンに竜が出現し貴方は配下を率いてガイラディーテへとやってきました。放たれた竜と勇者学院は戦い貴殿方は地底にやってきた」

 

 

 

ウィリアム「まさか」

 

 

 

アヒデ「そちらは気付いた様ですね、貴殿方の国は今日滅ぶ、魔王なきミッドヘイズに神託に背いた天罰が下されるでしょう、さあ!!、ご覧になるとよろしい、神に逆らった貴殿方の国の民が苦しみ踠く様を!!」

 

 

 

今度はアヒデがミッドヘイズの街の様子を映す、ミッドヘイズの外ではキィィィィンと言う嫌な音がなっている竜の鳴き声、それが千は下らない数でミッドヘイズめがけ突っ込む

 

 

 

アヒデ「さようなら、愚かな異端者達の国よ」

 

 

 

ドガアァァァァン!!と激しい音と共に無惨に四肢が飛ぶ大きく鋭い爪、人の大きさを越える目、そして体を守る筈の鱗、そう、吹き飛んだのは竜の方

 

 

 

アヒデ「ばっ!?」

 

 

 

流石にここまで予想していなかったのか馬鹿なと言いかけるアヒデだが何とかこらえ取り繕う、しかしその表情が信じられないと語っていた

 

 

 

再び魔法で映されるミッドヘイズを見ると魔王軍が手際よく竜を狩っていた

 

 

 

アノス「皇族派にミッドヘイズを竜で攻め落とさないか、等と話を持ち掛けた愚か者がいてな何でも魔王軍に気付かれぬ様に城壁付近に土中の道を作りさえすればそこに竜を放ってくれるそうだ」

 

 

 

それを聞いたアヒデはそこで漸く気付く、しかし全てが遅く最早引けない所まで来てしまっていた

 

 

 

アノス「しかしなかなかどうして茨の道を選ぶというのは事実な様だ、神というのは随分と困難を強いるものだな」

 

 

 

ウィリアム「自ら困難に立ち向かう神もいるけどね、もうお前の企みは終わりだ、アヒデ」

 

 

 

アヒデ「ああ、なんと…………なんと愚かなことでしょうか。自ら神の使いを滅ぼし苦しみを増やそうというのは」

 

 

 

アノス「負け惜しみにしてはつまらぬ台詞だ」

 

 

 

ウィリアム「負け惜しみと言うか最早やけくそに聞こえてきた」

 

 

 

アヒデ「貴殿方はここで私と対峙する事で我が選定の神アルカナの力が他に及ばぬ様にしていると考えている。それがそもそもの間違いなのです、あの丘をご覧になるとよろしいでしょう」

 

 

 

そう言うアヒデに従いミッドヘイズの南西に、ある丘を見るとそこには確かにアルカナがミッドヘイズを眺めていた

 

 

 

アヒデ「全ては神の導きによるもの。新たな道がまた1つ開かれたのです。竜の群れによってミッドヘイズ周辺には竜域が構築されております。転移で駆け付けようにも間に合いはしないでしょう、我が神アルカナよ。罪深きミッドヘイズの民に裁きをお下しになりますよう創造の月アーティエルトノアの奇跡を示したまえ」

 

 

 

静かにアルカナは両手を上げる、途端に光が闇に覆われていき昼が夜へと変わる

 

 

 

ウィリアム「何かサバトの儀式みたい」

 

 

 

ウィリアムはかつて白い魔法使い、笛木が娘を蘇らせる為に行ったサバトの儀式を思い浮かべそう呟く

 

 

 

アルカナ「………………」

 

 

 

アルカナがなにかを呟いた、しかし3人には声が小さすぎて聞こえなかった

 

 

 

アヒデ「滅びと創造は表裏一体。ミッドヘイズの民が滅びる時、創造の力はより夜を照らす。アーティエルトノアは更に光り輝き貴殿方をもその光で浄化せしめるでしょう」

 

 

 

しかしアノスはアヒデの話を無視しアルカナに声をかける

 

 

 

アノス「問おう、選定の神アルカナ、お前はミッドヘイズを滅ぼしたいか?、それとも救いたいか?」

 

 

 

アヒデ「とうとう神に希いましたか不適合者。しかし我が神アルカナは盟約に従い私へ救いを与えてくださる、我が願い・祈りを我が懺悔を聞き届けて下さるのです、貴方の祈りは届きません。ミッドヘイズは滅ぶのです。神の奇跡によゴファアアアア!!」

 

 

 

ウィリアム「ちょっと大事な話してるから黙っててくれ」

 

 

 

そこにはアヒデに向かい右ストレートを食らわすウィリアムがいた、ウィリアムはアヒデを殴り飛ばすと静かにアルカナに向かって手を伸ばす、手が届く事は無い、何故なら彼女がいるのは遠く離れた場所、いくら手を伸ばしても彼女が手を取ることは愚か触れることすら出来ない

 

 

 

ウィリアム「一緒に行こう、俺達と」

 

 

 

それでもウィリアムはアルカナに向けて手を伸ばし

 

 

 

アノス「神であろうと力が及ばぬ事もある。願いの1つをこぼした所で盟約に背く訳ではあるまい」

 

 

 

アノスはそんなものは関係無いとばかりに言い放つ

 

 

 

ヒラヒラと雪月花が舞い降りる

 

 

 

アルカナ「…………たく…………ない」

 

 

 

アルカナは震える唇で呟く

 

 

 

アルカナ「この両手は人々を救う為に」

 

 

 

次々消える命を前に彼女は言った

 

 

 

アルカナ「この両足は災いの元へ向かうために」

 

 

 

アルカナは涙を流し地面を濡らす

 

 

 

アルカナ「この心は祈りを受け止める為にある」

 

 

 

彼女は心の限り叫ぶ

 

 

 

アルカナ「私は、滅ぼすための奇跡じゃない!!」

 

 

 

ゴォォンと鐘の音が世界に響く、それはウィリアムにしか聞こえない、祝福の音色

 

 

 

アノス「止めろ」

 

 

 

アノスは一言命じる、最も信頼に置ける側近へ

 

 

 

次の瞬間

 

 

 

シン「略奪剣、秘奥が七  夜奪絶佳」

 

 

 

創造の月は破壊されそこには魔王よ右腕、魔族最強の剣士、シン・レグリアが立っていた

 

 

 

シン「選定神アルカナ、如何なる事情があれど、暴虐の魔王に弓引く者をこの身は決して許しません、しかし貴方を止めろ、と言う我が君の寛大なお心に敬意を表し、滅ぼすことは致しません」

 

 

 

シンはそう言うと禍々しい錆びた剣を取り出す、これこそ、神を屠る剣、斬神剣グネオドロスだ

 

 

 

シン「優しく殺して差し上げましょう」

 

 

 

シンはそう言うと剣を構えた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。