行く宛も無い彼らは結局公園に小さな小屋を建て魔法でそれを隠し一夜を過ごす事となりその日は眠りについた、しかし寝静まる夜に動く人影が1つ、ウィリアムだ
ウィリアム「まさか日本に来るなんてなぁ」
近くのブランコに腰掛けゆっくりそれを漕ぐ、ギィギィと音を立て揺れる、近くにあった町の名前が書かれた看板を見れば見知らぬ場所ではあるもののそれは間違いなく日本だと言える地名であった
アノス「眠れぬのか?」
ウィリアム「うぉ!?、何だアノスか、まぁね」
いつの間にか背後に立っていたアノスに声を掛けられ驚きつつも肯定する
他にも何か話題は無いかと思った時ふと思い浮かんだのは彼らが日本に来ることになった原因とも言える子供の笑い声だった
ウィリアム「そう言えば此方に来た時聞いた笑い声って誰のかな?」
アノス「ふむ、それはまぁ、そいつのでは無いか?」
アノスがウィリアムの背後を指差しウィリアムは振り替えるとそこにはワンピースに麦わら帽子を被った少女が1人立っている、ワンピースは白ではあるが所々汚れており麦わら帽子も所々穴が空いたり藁が解れていたりしていた、少女は何も言わずただその場でじっとウィリアム達の方を見ていた
アノス「お前か、俺達を
少女が口を動かすも何も聞こえない、恥ずかしくて小声でぼそぼそ話しているのかと2人は思いより注意深く少女の声を聞こうと耳を澄ますがやはり帰ってくるのは静寂だけ
ウィリアム「ごめんね、良く聞こえないからもう一度言ってくれるかな?」
ウィリアムは少女の目線に会わせ膝を折り少女に優しくそう言うが少女は少し残念そうな悲しそうな顔を浮かべ何処かへ歩いていく
ウィリアム「あ、ちょっと君」
アノス「放っておけ、この国は平和なのだろう?」
ウィリアム「それは大きな戦争とか犯罪が少ないって意味で家庭内暴力とかネグレクトって言っても分かんないか、えっと育児放棄とかそう言う問題は全然残ってるんだよ、それにあんな小さい子がこんな時間に外に居るなんて絶対おかしいんだよ、だから何か困ってるなら助けないと」
ウィリアムはそう言うと少女が歩いて行った方向に走って向かう、幸いすぐに追い掛けた事もあり直ぐに追い付いた
ウィリアム「いた!!、ねぇ君!!待って…………!?」
ウィリアムは少女に追い付きその手を掴む
ウィリアム(何だよこれ、何でこんなに…………冷たいんだ!?これじゃあまるで)
少女は掴まれた腕を振り払いウィリアムを無視し歩き出す
ウィリアム「ちょ!?、君!!」
少女はウィリアムの声を無視し角を曲がる、ウィリアムも慌てて追い掛け角を曲がるとそこには
『ジャ、ジャ!!』
『ジャ、ジャ!?』
『グー、グアー』
『……!!……!!』
ウィリアム「これって、ジャマト、バグスター、グール、何でここに居るんだよ!!」
その頃アノスは1人ブランコに腰掛け先程の少女の事を考えていた、暴虐の魔王たる彼には声は聞こえずともその口の動きで彼女の伝えたい事が分かっていた、所謂、読唇術と言う奴である
アノス「『早く帰れ、私達に関わらないで』か、口振りからして奴が俺達をここへ呼んだのではない、では何者が俺達をここへ呼んだ?」
多くの不安が残る中公園の時計はもうすぐ深夜4時になろうかとしていた