俺とレイが台座から飛び降りレイはミサの手を取るとミサはレイの胸に飛び込んだ
レイ「これを上がれば良いのかな?」
ウィリアム「だろうな、しかしこりゃあ階段と言うより梯子だな」
俺とレイは現れた大木を見上げながら言う、ちょうど人の手足が引っかけられるように伸びた確りした枝が一定の間隔で生えていた
リィナ「そこを上がればすぐに天辺だと思うよ」
リィナが思念通信(リークス)で情報を教えてくれる、どうやらこの先に精霊王がいるようだ
ミサ「じゃあ、この先に精霊王が」
ミサの顔が少しだけ強張る、仕方無い事だろう
アノス「精霊王について1つ厄介な可能性がある」
その時アノスが通信に入ってくる、何でも魔剣大会の時仮面の男が乱入したそうなのだがその男こそ精霊王なのだと言う
ウィリアム「え?、そんな話俺知らないけど?」
アノス「お前はあの時寝ていたからな」
ウィリアム「あ」
レイ「ふぅ、全部終わったと思ったんだけどね、アノス」
アノス「なんだ?」
レイ「先に行っても良いかな?」
アノス「俺が行くまで待てと行っても聞かぬだろう」
レイ「まだ終わってないのなら、終わらせてくるよ、今度こそ、僕の手で」
ウィリアム「行くぞ、この先に俺達の理想の世界がある」
アノス「俺もすぐに行く」
ウィリアム「ああ」
俺達は梯子を上る、あ!!レイの奴汚ねぇ!!身体能力で飛び跳ねてやがる!!俺なんて一段一段丁寧に上ってるのに!!ミサ?言うまでもない、レイに抱えられてる
大木を上るとそこは一面雲の白に染め上げられていた、踏んでいる地面すら雲で出来ており雲だけで大きな部屋を形作っていた、レイが剣を抜き警戒すると雲は黒く染まり無数の雷鳴を響かせ稲光が辺りを照らす、その光の向こうから姿を表したのは巨大な狼だった
ミサ「隠狼ジェンヌル」
現れたのは精霊王の番犬にして神隠しの精霊、俺も知識としての姿は知っているが目の当たりにすると威圧感がとんでもない
ジェンヌルはその大きな口を開き声を出す
ジェンヌル「通るがよい」
ウィリアム「え?」
レイ「何か試練があると思ったんだけど」
ジェンヌル「この間にて試練は課さぬ、通るがよい」
ジェンヌルの後ろに門が現れるとジェンヌルは通りやすい様に門の横に移動し扉が音を立て開く、あっという間の出来事に俺達は唖然とした
ウィリアム「どうする?」
レイ「………………ミサ離れないように、ウィリアム、何かあったらサポートを」
ウィリアム「ああ」
ミサ「はい」
俺達は簡単に打ち合わせを行い扉を通る
ミサ「何かあるのかと思っちゃいましたね」
ウィリアム「恐らく、俺達の誰かと精霊王は会いたいんだろうな」
レイ「うん、精霊王に敵意が無く只の精霊なら更に良いんだけどね」
ウィリアム「無いな、そもそも精霊王と言う精霊は存在しない」
ミサ「そうなんですか!?」
ウィリアム「ああ、俺が見た本には精霊の知識全てが詰まってる、にも拘らず精霊を纏める精霊、精霊王、と呼ばれる精霊の知識は一切載っていなかった」
レイ「本の著者が知らなかったってだけの可能性は?」
ウィリアム「無いな、著者はこの世界そのものみたいなもんだからな、その本が
ミサ「えっと、と言うことは」
ウィリアム「精霊王は精霊じゃない、少なくともな」
そこまで言うと俺達はちょうど扉の前に辿り着くのだった