生まれてきた意味が知りたくて。   作:天宮 おとは。

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第2話「私の異能力」

 

「ね、大丈夫だったでしょう?」

 

「うん、優しそうな人達だった。」

 

治と手を繋いで廊下を歩く。

雑談をしながら歩いていると、向かいの方から足音がした。

前を見ると小柄なオレンジ色の髪、帽子を被った人がいた。

 

「げ……中也……」

 

と治が顔を顰める。

 

「それはこっちの台詞だぜ、糞太宰。」

 

少し優しそうに見えたが、怖い人なのかもしれない。

そう思い、治の後ろに隠れる。

そうすると中也さん(?)がこっちに気づいた。

 

「この餓鬼は?」

 

「ああ、この子?本から生まれてきた子だよ。」

 

「本って……手前ェ、其奴を殺す任務じゃなかったか?」

 

「うん、けど私の気が変わったんだ!この子をポートマフィアに入れることにしたんだ!!」

 

治がそう言うと彼はため息を吐き、少し屈んで私と目線を合わせてくれた。

 

「俺は中原中也だ。“一応”此奴の……太宰治の相棒だ。宜しくな。手前の名前は?」

 

「栞です。中原さん、宜しくお願いします。」

 

「中也でいい。」

 

「中也……、わかった。宜しく」

 

「ねぇ、私空気になってるんだけど。」

 

「……ごめん」

 

「此奴になんて謝らなくていいぜ、栞」

 

「ちょっと中也、それどういうこと?」

 

「そのまんまの意味だぜ。って、こんな処で時間喰っちまった。じゃあな、俺任務あるんだわ。」

 

「頑張って、中也……」

 

「その任務に行って、そのまま帰ってこなくていいよ、永遠に。」

 

「おう!ありがとな、栞。

そして、巫山戯ンなよ、青鯖。手前が消えろ。」

 

中也と別れて、また私達は歩きだす。

 

「治は、中也と仲悪いの?」

 

「ん?蛞蝓とは一生仲良くなれないと思う。というかなりたくもないね。」

 

一周回って治と中也仲良さそうに見えたけど、と思ったが、言わないでおこう……

言ったら絶対、永遠と中也の悪口が治の口から止まらず出てきそうだし。

 

それから少し歩き、あるドアの前で治が立ち止まった

 

「?」

 

「此処が私の執務室だよ。」

 

「へぇ、開けてみてもいい?」

 

「勿論、いいよ。」

 

そう言われ、開けてみる。

 

中は意外にも綺麗に整頓されていた。

散らかってると思ってた……

 

「綺麗なの意外だった?」

 

「うん。」

 

即答で頷いてしまった。もう少しオブラートに言った方が良かっただろうか……。

 

「あはは、今日栞は此処に泊まってね。明後日くらいには部屋出来てると思うから。」

 

「明後日……随分早いんだね……」

 

「うん、まぁ、森さん 幼女趣味というか……ね。」

 

そう言われてすぐに納得した、してしまった。

エリス……大丈夫なのかな……

 

「そうだ、栞はベッドで寝てね。」

 

「治はどこで寝るの?」

 

「ソファででも寝るよ。」

 

「だめ、ちゃんとしたところで寝ないと。私がソファで寝る。」

 

確か、ちゃんとしたところで寝ないと疲れが取れない。

治は既に不健康そうだからベッドで…と思ったが治は意外と頑固だった。

私がベッドで寝ないと気がすまないらしい。優しい……

 

「じゃあ、一緒にベッド寝よ。」

 

と言ったら少し顔が赤くなって

 

「え?もう1回云ってくれるかい?」

 

と聞き返してきた。

聞き返す要素がどこにあったんだろう……

 

「だから、一緒にベッド寝る。何か問題あった?」

 

「問題しかないのだけど!!?」

 

「……?じゃあ、私がソファで寝る。」

 

「ああ、もうわかった。一緒にベッドで寝よう。」

 

顔を真っ赤にしながら了承してくれた。

よかった、これで治も私もよく眠れる。

 

「じゃあ、今日はお風呂入って寝ようか。」

 

「うん、お風呂って何処にあるの?」

 

「こっち。」

 

この部屋には風呂が個別についているということに驚いたが、治はポートマフィアの幹部……らしいから当たり前なのかもしれない。

 

「栞、先入ってね。」

 

「わかった。」

 

そう頷き、衣服を脱ぎ、軽くお湯を体にかけてから湯船につかる。

 

「温かい……」

 

お湯を掬ったりして遊んだ

 

 

 

……私に異能力があるってこと治や首領に言った方がいいのかな

 

ふとそう思った。

私の異能は多分、というか絶対に危ない異能だ。

 

だって私の異能は、魂を自由自在に操る能力なのだから。

正確には、触れた人、者の時間を巻き戻したり、操ったりできる。

回復できる治癒の異能力と言えば聞こえはいいが、精神操作系の異能力とも言える。

この異能力のことをみんなに言ったら嫌われてしまうのではないだろうか。

 

1人は、孤独は嫌だ。寂しい。

でも、生まれてきた意味がわからない私は……

 

「栞ー、のぼせてない?大丈夫?」

 

そんなことを考えていると外から声が聞こえた。

このことを考えるのはやめよう。

異能力は今のところ制御できてるし大丈夫。きっと大丈夫だ。

 

「今、出るー!!」

 

そう返して、私は風呂を出ていつの間にか用意されていた寝衣に着替えて治がいる部屋へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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