ショッピングモールには、思っていたより早く着いた。
黒服の鈴城さんが運転してくれた車を降り、治と姐さんに着いていく。
「此処がショッピングモールだよ。」
中に入ると色々なものが売っていた。
洋服やバッグ、文房具や食べ物……少しキラキラして見えて眩しかった。
「先ずは栞の服を買うかのぅ。」
「そうですね、姐さん。」
私抜きでどんどん話が進んでいく。
というか2人の話についていけない。
「じゃあ、栞行こっか。服を買いに。」
「うん。」
頷き、服屋がある階へ移動する。
服屋がある階に着き、辺りを見ると、此処にあるお店は全部高級と呼ばれるものなのでは、と思った。
2人は迷わずに進んでいく。人も結構いるが、2人とも私の手を握ってペースを少し合わせてくれるので歩きやすかった。
「此処のお店で買おうか。」
「そうじゃな。」
お店のドアを開けると、店員さんが「いらっしゃいませ」と言い、頭を軽く下げた。
「太宰様、尾崎様……今日は何をお探しで?」
「この子に似合う服を探しておるのじゃが……」
「和服、洋服どちらがよろしいでしょうか?」
「両方2着ずつくらいお願いします。」
治、敬語使えたんだ……。
敬語使ってるとこあんまり見たことないっていうか昨日会ったばかりだから当然か。
「了解致しました。少々お待ちを。」
「栞、何か気に入ったデザインのものはあるかえ?」
姐さんに訊かれ、店内を少し見渡す。
目についたのは、黒いワンピース。袖口とスカートの裾に少しレースがついていてふわっとした感じのワンピース。
「あのワンピース……」
「着てみるかい?」
「うん……!」
治が違う店員さんと話をし、その店員さんが黒のワンピースを持ってくる。
「それでは試着室にどうぞ。」
「有難う御座います。」
お礼を言い、試着室に入って着てみる。
鏡を見てみる。服は可愛いけど着させられている感がすごい。
試着室のカーテンをさっと開ける。
その音に気づいた治と姐さんがこっちに来てくれる。
「可愛いのう。これも買うか!」
「栞、似合ってるじゃないか。それも買おう!」
2人同時に云われた。
“似合ってる”と言われ、嬉しかった。
「有難う……」
笑ったことがないから、ちょっと作り物っぽかったかもしれないが私は笑った。
楽しいな。こういう時間がずっと続いてほしいな。
「可愛いのう!栞」
「さ、そろそろ違うところも行きましょう。」
「そうじゃのう。次は家具を見に行こうか、栞。」
「うん。」
いつの間にか2人は私の服のお会計をしていた。
それから、治と姐さんと私で色んなところを回った。
家具屋、お菓子屋、ファンシーショップ
どこも初めて見るものが沢山だった。知識として私の頭にはあるけど、直で見ると矢っ張りなんか感動する。
お昼はパスタを食べた。フォークを使うのに少し苦戦してしまった。
3時のおやつとしてパンケーキ屋さんにも行った。
私はイチゴとチョコレートのパンケーキ、姐さんは宇治抹茶の濃厚ムースパンケーキ、治はキャラメルバナナパンケーキを頼んでいた。
姐さんと治の食べ方を真似してなんとか上手に食べれた……と思う。
それからたくさんのお店に行った。
こうして楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
「そろそろ帰らないとですね。」
「そうじゃのう。迎えを呼ぶかのう。」
「楽しかった……今日は、2人とも有難う御座います……!」
「楽しんでもらえたみたいでよかった。」
「また一緒に行こうのう。」
姐さんの言葉に頷く。また一緒に行きたいな。
今度は中也も誘いたい。でも、治と中也が喧嘩して全然進まなそう……
こうして私たちは車でポートマフィアのビルに帰っていった。