太陽系制圧演習記録   作:アメリンゴ二等兵

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本当にいつもギリギリで申し訳ない…


火種

2164年7月18日

 

土星間地球ホーマン遷移軌道 道中

 

 

「現時点にて不審な軌道物体なし…やっぱ暇ですねこの仕事は」

 野川大尉は山井大尉にむけて眠たそうに発言しつつ山井大尉の様子を伺った。

「気を抜いたらいかん、奴らの練度も甘く見てはならん」

 野川大尉の予想通りの反応だった。

 現在彼らは地球圏へ物資を輸送している無人の輸送船団の護衛をしている、一昔前なら実質二人で護衛するなどあらゆる面で不可能だと言われるだろう。しかし、地球の土星への危機感とそれに伴う急激な技術進歩はそれを可能とした。

 まず基本となる艦艇については、旗艦以外無人化することで対応した。それに伴い旗艦のデータリンク能力、電子戦能力の強化が図られた。これにより政治、世論的に監視範囲に対し人的不足な状態の中戦力を均等に分けることができた、また兵站面、整備面においても負担が減った。

 そして何より兵士の精神面については、徹底的に訓練を施したり、場合によっては精神強化を施すことになっている。汎用AIが登場すれば話は変わるだろうが、今のところはこうである。

「でも基本的に奴ら…土星の連中は旧式艦ぐらいでしょう?それに海賊だって民間船に武装を乗っけたぐらいのものなのにそんなに緊張しますかね」

「野川、俺達の貨物を忘れたか?」

野川大尉は考えた、確かに貨物はヘリウム3やら重水素やらその他考えられないほどの貴重きまわりない物資を運んでいる、だがいくらこちらがいくらか資源をもらってるとはいえ海賊でもない限り奪わないはずだ、むしろどう考えたって有利になるとは…。

そこに更に山井大尉が発言する

「お前、輸送船団の方を考えてそうだな」

「えっ、そうなんじゃないんですか?」

「俺が言いたいのはこの船自体の荷物のことを言っているんだ」

 そこで野川大尉は更に頭を捻ったが大きそうなものは一つしか思いつかなかった、今回自分たちの運んでいる貨物には新型兵器の中核となるプログラムが眠っている。しかしたかが何も変哲もない…というと不謹慎な兵器ではあるが、あえて言うならその言葉が合う兵器… 核だ しかしただ単純な核兵器に食らいつくとは思えない。

 その理由は単純だ、宇宙では核兵器は被害範囲が小さすぎるのだ。確かに地上では非人道的な兵器という印象が強い、なぜそうなのか、答えは単純だ大気があるからだ。

 地上…特に地球では、爆風があるからこそ熱やら破片やらが飛び交いおぞましい光景が広がることになるが、宇宙ではその大気がないせいで単なるフラッシュにしかないのである。

野川大尉は考えをまとめ山井大尉に発言する

「…確かに核は危険ですよ、でも皆宇宙戦を重点においてる今じゃそんなに関係はないんじゃ…」

「一つ条件を加えれば変わるもんさ」

「それは?」

山井大尉がなにか話そうとした瞬間警報が鳴り響いた。

「…!何だ」

野川大尉がコンソールを確認すると信じられないことだが何もない空間からミサイルが飛んできていた。

しかし疑問に思う暇はなかった…疑問に思おうともしなかった

「山井大尉!船団の全方位からミサイルが接近中!」

「野川!生きて帰るぞ!全防御兵装起動!」

野川大尉は防御兵装を起動し始めた。

 

全艦がレーザーからレールガン、ミサイル、火砲に至るまですべての軍事技術でできた鱗をミサイルに向けた。向けきっただろうと思うと鈍い音が響いた、射撃を開始したのだ。

全艦見事なデータリンクによる射撃によりミサイルを撃墜し始めた。

「こんなの朝飯前ですね」

「無駄口はいい、状況を監視し続けろ」

「アイサー」

 

戦闘開始より2分後

 

かなりのミサイルが飛んできたかのように思えるがまだミサイルが飛んできている状況に山井大尉は焦り始めていた。

(奴ら…何がしたい…もっと様子を見なければ)

 その時だった

「レーダーに赤外線反応!ようやく敵艦を捉えた!」

「今だと!?」

その瞬間だった。コンソール上から一つの反応が消えた。

ミサイルでもない、敵艦でもない   

 

   味方だ

 

「まずいぞ野川、味方がやられた」

「もう近接戦闘を仕掛けてきてる!」

事態は混沌とし始めた。

船団に対し敵艦は食い込み始めた。こちらはデータリンクにより誤射することはない。

 

それが命取りだった、射撃ができなくなったのである、近すぎたのだ。

それに対し敵艦は誤射を恐れず突っ込んで来ている。終わりだった。

「どうします…」

「ひとまず様子を見よう」

その時だった何かがひっつくような音がしたあと小さな爆発音が響いた。

  

 乗り込まれた

 

このとき二人は決断した。

降伏しようと。

しばらくして後方のドアから火花が散り始めた二人はもう手を上げていた。火花が散り終わると黒尽くめの宇宙服の連中が入ってきた。確かに俺達は手を上げていた、彼らは周りを見ていた。

 

  しかし俺達ははっきりと見た。銃口をこちらに向けた後視界が閃光に染まるのを

 

 

 

 2164年7月23日

 

 月 シャクルトン宇宙港某所

 

 ノアス大尉はようやく噂の地球軍将校と出会うことができた。

「どうもはじめまして…名前は…聞けないでしょうな」

 地球軍将校は答えた。

「ああ、残念だがそのとおりだ、ついでに言うならそちらに情報を渡すこともできなくなった」

「なるほ…はい?」

 ノアス大尉は思わず素が出てしまった

「今、情報は渡せないと…おっしゃいましたか」

「そのとおりだ、こちらに来てもらおうか」

ノアス大尉は不安な気持ちを抑えながらついていった。

 

 ついた場所は寂れたバーだった。

(どうせ中に隠し部屋があるんだろうな)と想像しながら将校とともに店の中に入った。予想通りだった、が少し予想と反することがあった。いざ隠し部屋に入るとそこの設備に驚いた。

月の全設備とはいかなくてもこの宇宙港の監視はできそうなぐらいの設備が整っていたのである。

「これは…」

「とりあえずこちらに座り給え」

 ノアス大尉は椅子に座りスクリーンを見たそれと同時に将校が説明を始めた。

 

「落ち着いて聞いてほしい、まず君の第一目標である第三世代核兵器は譲渡しよう」

「…」

「しかしそのかわり情報の引き渡しができなくなった、ついでに私の亡命計画もパーだ」

「…深刻な理由が隠れていそうですな?」

「そのとおりだ、主たる原因は5日前の事件だ」

「世間を騒がす事件…ありましたかな」

「闇に葬られた」

「ほう…」

「報告によると君たちの特殊部隊が我々の輸送船団を襲撃し新兵器用のプログラムを盗んでいったとのことだ」

「そんなことが…」

「そしてそのプログラムが厄介なのだ…」

「第三世代核兵器にも使えると?」

「厳密には違うがその通りだ」

 ノアス大尉は唸った。なぜ我々の成果を待たなかったのだと。こちらが入手し無事に持ち帰れば事足りるものの…

それに答えるように将校は答えた

「実はこの攻撃は厳密にはカウンターなのではないかと思う」

「それはどうして」

「確実とは言えないが情報が漏れた危険がある

「…我々からか?」

「いや月に来た者の間ではないだろう」

 ノアス大尉は安心した…したかった。やはり拭いきれないのだ、道中で攻撃される可能性が。

「我々の帰還軌道は安全か?」

「100%は保証できん、柔軟に対処してくれ」

「…」

 ノアス大尉が部屋を出ようとしたとき将校が声をかけた。

「それとこれも持っていくと良い」

「…これは」

 メモリーだった。

「なんの情報が…」

「今回の船団を襲った奴らの情報だ、少しだけだがな」

 ノアス大尉はメモリーを受け取った後無言のまま立ち去った

 

 数時間後

 

「よし皆来てくれ」

 ガリレオ・ガリレイのCICにてクルーにノアス艦長は呼びかけた。

「何をするんです」

 レミントン伍長が質問する

「実は5日前我々の部隊が地球の船団を襲撃する事件があった」

「「なっ!?」」

 クルーに動揺が走る

「そしてこのメモリーには犯人の記録が入っているようだ、念の為皆で確認したいと思う」

「…何だと思うよクロム」

アラン中尉が質問する

「UFOじゃないんですかね」

クロムは適当にあしらう

 

ついにメモリーがコンソールに差し込まれ読み込まれた。

そしてついに画像が映し出された、1枚だけだったがはっきりと写っていた。

しかし皆は凍りついてしまった。

 

答えは単純だ、その船の形状は我々がよく見る艦、家でもある。ガリレオ・ガリレイと同じ形状をしていたのだった。

いつの間に量産できていたのか、なぜ襲撃したのか、今は考えることができない

 

 




上でも謝りましたが遅れて申し訳ないです
スケジュール、見直しておきます
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