女は今、釧路へ来ていた。
「この夜景はきれいだわ。」
と、彼女は言った。
「どうでした、釧路は。」
「ええ、夜の釧路は美しかったわ。」
「そうですか、じゃあ、君に乾杯だ。」
「ええ。」
そう言って、2人は夜の釧路を楽しんだのだ。
次の日、彼女は釧路のホテルを出て、釧路駅へやって来た。
「まもなく―、8時55分発の釧網本線経由快速「しれとこ」網走行が発車します、ドアが閉まります。ご注意ください。」
と、アナウンスが流れた。
8時55分、快速「しれとこ」は釧路を発車した。
釧路と網走を結ぶ、快速「しれとこ」は釧路駅を8時55分に発車し、東釧路、遠矢、塘路、茅沼、標茶、磯分内、摩周、川湯温泉、緑、札弦、清里町、中斜里、知床斜里、止別、浜小清水、北浜、藻琴に停車し、終着網走には11時48分に停車する。
11時48分、彼女が乗った快速「しれとこ」は定刻通り網走へ到着した。
彼女は駅を下車すると、今の時期はオホーツクの海が流氷になっていた。
「うわー、オホーツクもこんな氷が張っていたのね。」
と、彼女は言った。
一方、南と高山は寝台特急「北斗星」に乗っていた女の行方を追っていた。
「何、その女が釧路で目撃されていた。」
「ああ、今釧路市内のホテルに問い合わせたが、その女が泊まって駅に行く所を目撃されています。」
「と言う事は、つまり釧路から網走へ行ったって事は。」
「ああ、その可能性があるな。」
「うん、今の時間帯だと釧路発の快速「しれとこ」に乗って網走へ行ったんだよ。」
「そうか、彼女は網走か。」
「ええ、恐らく網走へ向かっていったんだろう。」
「よしっ、我々も網走へ行って見ますか。」
「ええ。」
そして、南と高山と橘警部は9時40分発の特急「オホーツク3号」に乗り網走へ向かった。
南と高山達が乗った列車は網走に到着した。
「そうか、やはり彼女は網走に来てたんですね。」
「はい。」
「どこへ行ったんですかね。」
と、高山は言った。
「さぁ。」
そこへ、南と高山と橘警部の覆面パトカーに無線が入った。
「おい、今無線で網走港で水死体が上がったそうです。」
「な、何だって。」
早速、現場の網走港へ向かった。
「これで、3件目だな。」
「つまり、犯人は東京と釧路と網走で殺人が行った。」
「おお、なるほど。」
「つまり、犯人は寝台特急「北斗星」に乗っていた女って事も考えられますね。」
「ええ。」
そこへ、1人の女の子が南と高山に声を掛けた。
「あっ、南さんに高山さん。」
「おお、何だきな子ちゃんか。」
橘警部は南に言った。
「おお、知ってるのかね。」
「ええ、9月に寝台特急「北斗星」の殺人でね。」
「なるほど。」
「で、何か知ってるのか。」
「実はね、港に1台車を見たのよ。」
「えっ、それ本当か。」
「うん。」
「君、どんな車か覚えてるか。」
「さぁね、赤のセダンって感じだったっす。」
「おお、赤いセダンだね。」
「そうよ。」
「それで、きな子ちゃんは車に乗っていたのは誰だったか覚えてる。」
高山はきな子に言った。
「そうね、若い男は50代の男が乗っていたわ。」
「ほう、なるほどね。」
そこへ、1人の男がやって来た。
「はっ、部長。ど、どうしてこんな姿に。」
「あのー、あなたは。」
「わしは水口 辰男、ここの会社の副部長です。」
「詳しく、話していただけませんか。」
「部長が北海道へ行くってわかっていたけど、何で網走で殺害されなきゃならないんだって。」
「警部、被害者の身元が分かりました。」
「おお、本当か。」
「はい、被害者は白木 久さん、東京都目黒区奥沢か。」
「それで、死因は。」
「恐らく、溺死と考えられます。」
「溺死か。」
「つまり、車で連れ去って網走の海で遺棄したって事だな。」
と、高山は言った。
「やはり、東京の不正事件と関係しているんじゃないでしょうか。」
「その可能性があるな。」
と、橘警部は言った。
「早速、高杉班長に連絡しておきます。」
高山は、高杉班長に連絡した。
「白木 久、東京都目黒区奥沢、わかった、早速調査してみるよ。」
と、電話を切った。
「班長、何か。」
「今北海道警察から、捜査協力の要請だ。」
「わかりました、調査してみます。」
「よし、俺も行く。」
小海と松本は早速調査に乗り出した。
「えっ、一昨日から北海道へ旅行に。」
「ああ、寝台特急「北斗星」に乗って札幌へ行って雪祭りを見て、次の日に釧路湿原へ行ったと分かってたんです。」
「ほう、一昨日から旅行で。」
「ええ。」
「でも、何で網走へ行ったのかはちよっと。」
「そうですか。」
早速、小海と松本は高杉に報告した。
「何、一昨日から北海道に。」
「はい。」
白木の北海道旅行の日程
16時50分発 寝台特急「北斗星1号」に乗車
8時53分着 札幌で下車
札幌市内で「雪祭り」を見物 市内のホテルで1泊。
7時20分発 特急「おおぞら1号」に乗車
12時19分着 釧路で下車
摩周湖と釧路湿原を見物
釧路市内のホテルで1泊
「それで、ホテルは確認したか。」
「はい、全てチェックアウトされています。」
「そうか。」
と、高杉は言った。
そして、犯人は誰なのか?