目が覚めると美女?美少女?が目の前で眠っていた。
「そうだ・・そうだ・・はあ、そうだったな・・・」
就寝前のことを思い出した幸太郎は寝起きで怠い身体を起こしつつ布団から起き上がる。
昨晩、ソシャゲのプロローグみたいなことが起きて、色々あって今に至ることを思い出した幸太郎。
とりあえず、今後をどうするかを眠っている彼女と話し合わなければならない。
「それにしても・・ホントに綺麗だな・・・」
美しすぎる造形美・・・
その言葉が過言ではないことを目の前で眠っている彼女に捧げる。
「・・・起こすのも悪いな。」
これだけの美人を前にしても何故か下心が沸かないのは彼女が人じゃないからか?
そんな疑問を他所に飛ばしつつ、朝食を作ることにした。
慣れた手つきでお湯を沸かしつつ、具材となるネギと豆腐を切り終え、沸かしている鍋の横にフライパンをコンロに置き、火を点けて、油を引く。
ある程度温まったのを確認すると、切れ目を入れたウインナーを焼き始める。
その間にお湯が沸騰し始めたので昆布を入れ、出汁を取る。
次にウインナーに焼き目が出始めたので、端に寄せて空いたスペースで目玉焼きを作る。
そしてすぐに昆布を取り出し、味を確認して、切り終えたネギと豆腐を投入。味噌を入れ、味を調える。最後に冷蔵庫からカットしてあるレタスを取り出し、サラダにして完成。
「ふむ・・我ながらご機嫌な朝食♪」
「おはようございます。」
「おお! お、起きてたのか?」
「はい。何やら良い香りがしたので。」
「そ、そうか・・・」
何の物音もたてずに後ろから声を掛けられたことで、声を出して驚く幸太郎。
「とりあえず、朝食を食べたら、今後のことを話そうか。」
「了解しました。」
並べられた朝食を見て、彼女は新鮮そうな視線を食卓に注ぐ。
「色々ありますね。」
「そうか? ごはんに味噌汁にサラダにオカズ2品で、普通だと思うけど?」
「大尉はよくサンドイッチかハンバーガーを私の整備中に頂いていました。」
「ああ、そう言えばそんな描写あったな・・・」
「私に夢中になって頂けたのは良いのですが・・食べカスが少し気になりました。」
「そういうとこズボラそうだもんな。」
アムロはガンダムに乗る前は引きこもりの機械オタクで、初代ガンダムでも、そこまで食に関しては関心を示す人物では無かった。
と言うよりも、幸太郎個人の印象としては、彼は私生活に対して、とことん無頓着であった印象だ。
「まあ冷めないうちに食べようか。」
「はい・・・あのこの二本の棒は?」
「箸だけど・・ああそうかッ! すまないナイフとフォークとスプーン持ってくるねッ!」
うっかりしていた。箸を使う描写が少ないガンダムで、宇宙しか経験の無いνガンダムならば、態々宇宙空間の食事で箸を使う者を見たことないだろうことを失念していた。
慌てて台所からナイフ、スプーン、フォークを持ってきた幸太郎はそれを彼女に手渡した。
多少、バタバタしたが食事に取り掛かることにした。
朝食が済み、皿を洗い終えた所で、食後のお茶を用意しつつ、彼女と今後の事を話すことにした。
「これからの生活や今後どうしていくのかとか、年齢とか色々細かいことはあるけど、まずは君の呼び方について決めようか。」
「ん? 私はRX-93ν、又はνガンダムですが?」
「いやいや外でそんなゴテゴテしい名前で呼び合えないから、今後生活するうえで呼びやすい名前にしないと。」
「それでしたら、マスターであるあなたがお決めください。」
「マスターって俺、そんな柄じゃないんだけど、普通に幸太郎でいいよ。」
「では今後はマスター改め、幸太郎さんと及びします。それで私のコードネームは?」
「・・・そうだね・・・ν・・ニュー・・にゅう・・にう・・ニウッ! ニウさんッ!」
とりあえず、無難に良さげな名前で彼女の元々の呼び名に近そうな名前を思いつき、少し声が大きくなる幸太郎。
「ニウ・・・それが私のコードと言う事でしょうか?」
「コードじゃなくて、君の新しい名前だよ。今日から君はニウだ。」
屈託のない笑顔で彼女の新しい名を呼ぶ幸太郎。
そんな幸太郎に対し、彼女ことニウは
「分かりました。」
と淡泊に返した。
「さて、名前も決まったことだし、まずは生活する上で大事な物を買いに行こう。」
「生活する上で大事な物・・・食料ですか?」
「それも大事だけど、まずはニウさんの服を買いに行かなければ。」
「服・・・ですか? 私にはこの装備があれば問題はありません。」
「いやいやそんなコミケのコスプレ衣装で外歩かせらんないよ。というか、ニウさんそのボディアーマーみたいなのとか、頭のヘッドギアは外せるの? 武器とかは昨日寝る前に部屋の隅に置けたけど・・」
そう呟く幸太郎の視線の先には昨夜寝る前に外してもらったライフルにシールド、フィン・ファンネルにサーベルにバズーカがキレイに置かれていた。
元はガンプラだが、妙にリアルで重くもあったので、眠るのに集中出来ないから、置いてもらった。
「ちょっとやってみます・・・ふーっ」
ニウはそう言って、少し力を抜くかのように声を出すと見事にボディアーマーと武装が光の粒子となり消えていく。
「おお、武器が消えたっ! やったねニウさ・・・・・・」
「幸太郎さん? どうしました?」
部屋の隅から視線をニウに戻すと、そこには全裸になったニウが立っていた。
ボディアーマーもヘッドギアも全部消えており、νガンダムの要素は全て消えている。
が、先ほどのゴテゴテしいボディアーマーが消えたことで、ニウの腰の細さや乳房の大きさ、髪の長さなど、全てが丸裸になった。
「す、すまないっ! まさか全部消えるとは思わなくて!」
「何を戸惑っているのですか?」
「いや、だってニウさん、裸!?」
「・・・裸? ああこれが裸というものなのですね・・・そう言えば大尉やオクトバー、アストナージも色々な恰好をされていましたね。」
「・・・そうかニウさんには羞恥の概念が・・」
ニウの裸を間近で見て、顔を紅くした幸太郎であったが、ニウの話しを信じるならば、そもそも機械であった彼女に羞恥も倫理もないだろう。
会話が通じるのは、もしかしたら奇跡に近いことなのかも知れない。
とりあえず、自身の服の中で多少大丈夫そうな物を探し、ニウに着せる。
身長が180cm以上ある幸太郎だが、幸いにしてニウも170cm近い身長であったため、小さくなった幸太郎の服でも、袖やら裾やら多少誤魔化すことで、何とか着れる服があった。
「(それにしてもニウさん。身長もあってスタイルも良くて、胸も結構大きい・・ま、まさかな・・・)」
一瞬、彼女のスタイルの良さと高身長は、元のMSのサイズに関係するのではとういう考えが頭を過るが、すぐに消し去ることにした。
その後、幸太郎とニウは彼の案内で近場の服屋に向かい、ニウに似合いそうな服を5~6着買い、下着も多めに買った。
さらに靴も必要だと思い、2~3足あればいいと思い、買うことにした。
余談だが、下着に関してだが、アパートでサイズを図って、物があるのかを聞いたところ、あるにはあったが、担当していた店員の女性が血の涙を流しながら対応してくれた。
「食器は元カノのがあるから良いか。」
「元カノ?とは何ですか?」
「前に付き合っていた彼女のことだよ。」
「付き合う?」
「ああ・・分かりやすく言うと、アストナージとケーラ・スウの様な関係ことさ。」
「なるほど・・・しかし、彼女は私の失態で亡くしてしまいました。幸太郎さんも誰かに・・・」
「いや違うから! 殺されたとかじゃないから、ただ浮気されただけだから!!」
例えた人物たちがマズかったと反省する幸太郎。
というか、ニウの周りは地雷しかないのでは?
そんな考えが頭を過り、彼女のことを知るために質問することにした。
「そ、そう言えばニウさんって何か得意なこととか、好きなこととかある?」
「そうですね・・・好きなことは分かりませんが、接近戦と殴り合いは少々得意な方であると自負していますねっ!」
「・・・・・・・」
出会って初めて見た自信満々の笑みが殴り合う事かーーー
「あの時、シャアが乗る赤いMSと殴り合っていた時、私はスカートを焼かれたり、左手を潰されたりしましたが、心が躍るとはあのような気分なのでしょうか。兎に角殴りまくっていましたね♪」
「ソ、ソウダネ・・・」
この娘、このまま家に置いていて良いのだろうか・・・
そんな不安が浮かぶが、元を正せば自身のガンプラだし、責任があるのだからと言い訳を自分自身に言い聞かせる。
こうしてνガンダムことニウとの生活が始まるのであった?
次回は予約投稿で明日の12時頃に投稿します。