ガンプラが美人になって家族になりました   作:スーさんFDP

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連日投稿です。

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第四話 「撃ち落とされるガンダム」

 

 

 

 

 

前回から場面は変わり、ニウはスラスター全開で、シールドタックルを使い、先程攻撃してきた存在である何かを暗い森の中まで追いやっていた。

 

彼女の脳裏は怒りで染まっていた。

 

会って間もない幸太郎が殺されそうになったことで、理解した感情。

 

人となったことで、怒りと悲しみだけが広がるあの宇宙での出来事を心から理解し始めた。

 

感情は人を殺す。自身も他者も・・・・

 

 

まだ彼女にこの怒りの理由を整理できる器用さはない。

 

 

ヒトとして生まれたばかりの彼女に感情に蓋をする術など知らないのだ。

 

 

あの銃弾に撃たれている最中、彼女はまず何を居すべきか決めたのだ。

 

 

目の前のこいつを殺す。

 

 

 

「ぐっ・・・離れろ!!」

 

 

シールドの向こうにいる存在・・・否、モビルスーツ・・・否っ!

 

自身と同じ謎の何かは、力任せにスラスターを吹かし、振り払う。

 

ニウもその仕草が分かったのか、抵抗せず、敢えて相手の動きに合せて、バックブーストでそれから離れつつ、左手のマニピュレーターの爪先が開いて、それに向けて、ダミーバルーンを三体打ち出す。

 

「こんな子供だましでっ!」

 

邪魔だと思い、それは躊躇無く、先程幸太郎達を攻撃したのと同じバルカン砲でバルーンを攻撃するが・・・

 

バルカン砲がバルーンを貫いた瞬間、ドカーンッ!!と、大きな爆発が起こる。

 

「きゃあっ!!」

 

そのまま、他のバルーンに誘爆して大きな爆発に発展した。

近距離でバルカン砲を当てたためか、大きな爆風にそれは飲まれる。

 

さらにニウはその爆風に向かって、ハイパーバズーカを2発撃ち込む。

 

 

一切の躊躇を捨てつつも、次の行動準備を行うために、シールドはそのままで、動きやすいように、ハイパーバズーカとフィン・ファンネルを今朝と同じように消す。

さらに温存目的として、作中一切使われなかった左腕に備えられている予備のビームサーベルを抜く。

 

 

数秒後、爆風が風に流され、丁度彼女達の落ちた場所が開けていることもあってか、月の明かりがその場所に照らされる。

 

 

爆風が完全に晴れると、そこに居たのは、ニウと同じくボディアーマーを纏った少女。

 

ニウよりも身体が小さく、子供ともいえる肉体であった。

 

しかし、今の状況を細かく説明すると、その少女の装甲は所々、ひび割れており、白かったボディも煤で黒く染まっていた。

 

しかもかなりの深手を、先程の爆風で負ったのか、片膝をついている。

どうやら、地面に転がっている赤いシールドで防いだようだが、相殺仕切れず、左手に左足はボロボロだ。

 

 

そんな深手を負いつつも、その少女の瞳は今にもニウを殺さんばかりの視線を向けていた。

 

その瞳にハイライトは無く、暗い暗い憎悪の籠もった目であった。

 

だが、それはニウも同じであり、彼女の瞳も昼間の様なキラキラしていた目から一変、憎しみに染まった黒い瞳をしていた。

 

そんな、二人の視線が重なる中、先に口を開いたのは、意外・・・ニウの方からであった。

 

 

「あなた・・・ガンダムでしょ?それにしてはこんなトラップに引っかかるなんて・・・無様ね。」

 

「黙れっ・・・!!」

「うるさいっ」

 

ニウは敵意剥き出しで返事をする少女の身体に、今度はサーベルを持っている右手のマニピュレーターの付け根からトリモチを5発、発射して、少女のヘッドギアにあるバルカン砲、口元、背中のウィングに武器を持つ手、そして逃げないように足などにトリモチを付かせて拘束する。

 

ニウの戦闘センスと容赦の無さはアムロ・レイ譲りなのだろうか、確実に殺せるための行動をする。

 

「あなたも幸太郎さんのMS何でしょうけど、あの人に手を出した時点で私にとっては破壊対象です。」

 

ニウは凍える様な冷たい声を出しながら、サーベルゆっくりと振り上げる。

 

それを見た少女はどこか諦めきった様子でピクリとも動かずに遠い目でニウを見上げる。

 

「死ねっ」

 

ニウは勢いよくサーベルを振り下ろす。

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

「ニウさん。やり過ぎだよ。」

 

「!!・・・幸太郎さん・・・」

 

 

サーベルは寸前の所で少女の顔、すれすれの所で止まった。

 

止めたのは、幸太郎だった・・・

 

 

あれから幸太郎は必死に森を駆け、二人を見つけた。

 

そして、サーベルを振り下ろそうとするニウの腕を止めた。

 

「・・・・このMSは危険です。ここで破壊するのが、あなたの安全に繋がります。」

 

「・・・・・」

 

「離して下さい幸太郎さん。お願いです。あなたまで失いたくないんです。」

 

黙る幸太郎にニウは懇願するかのように囁く。

 

 

 

それでもっ!

 

 

 

「それでもっ! ダメだっ!」

 

「・・・・何故です。此奴はあなたの命を脅かしました。あなたが庇う理由は無い筈です。」

 

「庇う理由はある。彼女も君と同じで、俺のMSだ。」

 

「私も兵器です。此奴も兵器です。あなたの害になるなら、排除を優先すべきです。」

 

「・・・ニウさんっ」

 

 

ニウの言葉に幸太郎は少し力強くニウの名を呼ぶ。

 

一瞬、力強く呼ばれた事で、ニウの身体が震える。

 

 

怒ったか・・・・だがニウは自身が例え非難を受けようとも、覆す気は・・・・

 

 

 

 

「ありがとう。ニウさん」

 

「こう・・たろう・・さん・・・・?」

 

 

 

幸太郎は深く優しい笑みをニウに向けながら、彼女の白く長い髪の下にある頬を優しく触れる。

突然の事で、動揺したニウに暗かった瞳に光が籠もる。

 

 

「ごめんね・・・これは俺の我が儘だ。君は俺のためにこの子を殺すつもり何でしょ?大丈夫だよ。俺、わりと死なないからさ・・・まあ、信じてよ。」

 

 

「・・・・わかりました・・・・」

 

 

少しの葛藤があったもののニウはサーベルのビームを仕舞い、元あった腕に付け直す。

 

 

パタリッ

 

 

張り詰めていた気が抜けたのか、傷ついていた少女は地面に倒れ、気絶した。

 

どうやら、ダメージも相まって、気絶したようだ。

 

幸太郎は少女の元に行き、腰に手を回し、すくい上げるように少女の顔を見る。

 

この少女も途轍もなく顔が整っており、ニウとは違い、ブロンドのミディアム、見たところ中学生くらいの身体であった。

しかし、幸太郎が気になったのはそこでは無かった。

 

 

「・・・やっぱり、この子は・・・」

 

 

幸太郎は傷ついた少女の姿を見て確信した。

 

月明かりもあり、細かい所は分からないが・・・

 

煤だらけだが、白と青と黄色のカラーリングに胸部には緑色のサーチアイ、ボロボロになってはいるが、鳥の頭?爪?を思わせるような赤いシールド、そして名前の象徴でもある二枚の翼。

 

 

「ウイング・・・ガンダム・・・」

 

 

タンスの上に飾ってあった幸太郎のガンプラの一体である・・・

 

 

 

 

 

 

 





読んでいただきありがとうございました。

次回はこの小説の根幹に関わるお話なので、どうかお待ち下さい。

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