天皇賞秋
2006年 10月29日
東京 芝2000メートル
今日はとてもいい感じだ。これなら全力で走れそう。
涼しいから熱くなることもないし最高だね。
「メジャー、久しぶりだね!」
「あぁ、久しぶりだな。ベルは相変わらず……いや、少し気楽そうだな」
「わかっちゃう?実は去年ハーツに負けちゃってね……」
「お前が!?いやハーツが強いのは知ってたけど……すごいな」
「うん。でもいい経験だったと思う」
負けたことで私はさらに強くなった。
今日は……負ける気がしない。
「メジャーも前会ったときと違うね。見違えた」
「だろ?体調が良くなって……前走も勝ったんだ」
「そうなんだ!ふふ、楽しみだな」
自信に満ち溢れてるように思う。
人気は……五番人気っぽいけど、一番警戒しなくちゃいけないかもしれない。
メジャーはハーツやカメハメハくん同様前のほうでレースをするし。
「今日のお前は……一段とオーラが凄いな」
「……そう?」
もしかしたら一番いいレースができるかもしれない。
調教師さんもノリさんも絶対勝てるって言ってたし。
よし、頑張るぞ。
カンパニーくん、スイープちゃん、ムードちゃん、バルクくん……強敵揃いだけど、いけるはず。
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『圧倒的一番人気ですベルサフィール。落ち着いた様子でゲートに入りました。ルドルフの壁をも越えた彼女がどれだけ勝ちを重ねられるか……注目ですね』
『大外ローゼンクロイツがゲートイン。……スタートしました!好スタートはインティライミ、ベルサフィール、外からダイワメジャー。ベルサフィールぐんぐん進んで先頭です』
よし一番のスタート。
脚が最後使えるように自分のペースでレースを作るよ。
『二番手大きく離されてインティライミ。やはりペースを作るのはベルサフィール。三番手ぴったりとついたのはダイワメジャー。ダンスインザムード三番手から四番手に接近しています。』
うん、やっぱり前でレースをしてる。
私は追い込みを交わすことには自信があるけど、先行で鋭い末脚を使ってくる……ハーツみたいなタイプとは相性が悪い。
私は逃げだ。
自分のペースで走ってるだけだが、風の影響で疲労が溜まるしソラを使うこともある。
まあその場合は一生懸命ノリさんが鞭打ってくれるから安心なんだけれど。
『スイープトウショウは中団、アドマイヤムーンがそれに並び縦長の展開。内を突いてグレートジャーニーです。向こう正面過ぎて3コーナーへ向かいます。1000メートルのタイムは57.4!去年よりも速いペースで進みます』
今のところは順調。
先行のメジャーや鬼脚のスイープちゃんに気をつけて……。
『先頭はベルサフィール、二番手まで10馬身は離している!これは強い、後ろの馬たちは追い付けるのか!?』
『早くも上がっていくダイワメジャー。ベルサフィール、さあ大欅を越え最後の勝負へ!』
よし、ここらへんで一気にさらに突き放す!
ぐっ、と脚を溜めて一気に加速する。
…………よし、いつもより速い。
これなら余裕を持って勝てるかも!
まだ私はいける……!どれだけ頑張れるか試したい……!
脚にさらに力を込めて駆ける、駆ける。
バキッ、と歪な音がした。
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