令嬢、女王に即位す   作:白雪(pixivでもやってる)

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トルマリンの石言葉は
希望、無邪気、潔白、友情、広い心


其は、彼女が彼に得て欲しいもの。
最後に願ったこと。




キングトルマリン

キングトルマリン(牡馬)

 

 

キングトルマリンは、2018年生まれの競走馬。

名牝ベルサフィールの最期の産駒。忘れ形見。

 

 

父は競走馬としても種牡馬としても優秀な成績を修めたダイワメジャー。母はご存知、世界まで名の知れた名牝ベルサフィール。

 

名前はキング(王)+トルマリン(青い宝石)

 

母名から連想。

最期の子供なのでみんなの希望になってほしいとの願いを込めて。

 

生涯戦績

 

11戦9勝

 

 

■生まれる前、直後

 

 

いつもならキングカメハメハ固定で何回かやって失敗したら他種牡馬に……というふうにしていたベルサフィール。だがたまたまベルサフィールのフケが来た日は体調不良でキングカメハメハは1日だけ種付けを休んでいた。

ではどうするのか。仕方ないから他種牡馬に頼もう。どうせ不妊体質だから一発受胎しないだろ……とダイワメジャーに回ってきた。

 

二回戦をベルサフィールに怒られてガチめにショックを受けていた、なんて可愛い話もある。

 

そして、なんと一発受胎。

キングカメハメハ相手でさえ三回でようやく受胎したのになぜ今になって……?

 

これに大喜びしたのはファンより鞍上の安東騎手だ。

天皇賞秋のとき、ダイワメジャーがベルサフィールを支えて助けた……そのときの鞍上である。

 

「無事に生まれて欲しい」

 

そう、切に皆が祈っていた。

 

4月9日朝。

 

キングトルマリンは生まれた。

 

無事に生まれた、立つのも早い、初乳も飲んでいる。

 

良かった、これは走るのが楽しみだ……。

 

だが一匹の悪魔が彼女に牙を剥いた。

 

昼頃からだんだん弱りはじめ、気づいたのは久しぶりに彼女に会いに行こうとキングカメハメハを連れていった厩務員。

その異常に気付き、すぐ獣医を呼んだ。

産褥熱により弱り果て、手を尽くしたものの死亡。

 

キングカメハメハは馬房に懸命に顔を近づけ、じっと食い入るように彼女の顔を見ていたという。(離れさせようとしたが動かなかった。)

 

彼女に身を寄せ鳴き叫ぶ幼きキングトルマリン。

 

これがベルサフィールという女王が亡くなった日である。

 

 

■デビュー前

 

母親を喪ったキングトルマリンは、気難しい性格なため、付き合う馬を選んだ。

母代わりとして抜擢されたのが、彼と同い年の息子がいるドバイマジェスティである。その同い年の息子こそ、後のダービー馬シャフリヤールだ。

 

一番懐いた彼はシャフリヤールとも仲良くし、同じ藤平厩舎に入った。

 

彼女の産駒らしく素質の高さは折り紙つき。

 

適正はマイルも走れる中距離馬。

短い距離の産駒が多いダイワメジャー産駒らしいと言えるだろう。

 

■二歳、大器はまだ

 

鞍上は自ら立候補した横島典弘騎手に。

 

新馬戦は快勝し、まずは重賞マイル戦サウジアラビアロイヤルカップへ。

中団に位置をキープし最終直線で抜け出し、ステラヴェローチェ、インフィナイトと叩き合って勝利。

 

朝日杯に出走予定だったが、急な脚部不安のため見送る。

 

 

■三歳、記録を獲りに

 

三歳初戦は若駒ステークス。ここを五馬身の圧勝で一着。

皐月賞を熱発により回避。ダービーはシャフリヤールとの決戦と見なされたが、脚部不安により中距離よりマイルを使いたいという陣営の決定により安田記念へ。

 

一番人気はマイル女王グランアレグリア。二番人気はキングアイオライト、ヴィルシーナ産駒のドバイターフ馬ヴィヴィアン。差のない三番人気がキングトルマリンだった。

 

レースは滞りなく進み、最終直線で吹っ飛ばされ致命的な不利を受けたキングトルマリン。

だがただで転ぶベルサフィール産駒ではなく、すぐ驚異的な末脚でダノンキングリーをゴール直前で差して最短四戦で古馬G1制覇。

 

次走小倉記念も快勝。

 

天皇賞秋に照準を定め、一番人気コントレイル、二番人気グランアレグリア、三番人気キングトルマリン、四番人気エフフォーリアとなった。

 

レースでは先行し、進んで馬群を引っ張るようにして走った。

抜け出したエフフォーリアを交わし、コントレイルらの猛追を粘り勝ち。

これで無傷の天皇賞秋馬が生まれた。

 

有馬記念ではゲートで暴れて鼻血が。

それでも三着に食い込み、クロノジェネシスに先着。

 

僅差(1票)で年度代表馬はエフフォーリアに。

有馬記念で負けたのが痛かった。

 

■四歳、連覇も悲願も許さず

 

初戦は大阪杯。

レイパパレの連覇やポタジェの悲願すらも打ち砕き、圧倒的な強さで六馬身差勝利。

 

宝塚記念も直前に歩行異常が見られたことで回避。ちなみにドバイシーマクラシックも同様に回避した。

 

そして関屋記念を快勝。

 

天皇賞秋……と思いきやジャパンカップへ。

 

シャフリヤールとの初対決となった。

 

盛大に出遅れ、後方からの競馬になり、じっくり気を狙っていたキングトルマリンはシャフリヤールが抜け出した瞬間仕掛けた。

ヴェルトライゼンテ、ヴェラアズール、シャフリヤールが競り合うなか大外からキングトルマリンが襲いかかる。

長い写真判定の末、一着キングトルマリン、二着シャフリヤール、三着ヴェラアズールとなった。

 

有馬記念は出走しないことになり、四歳キャリアは終了。

年度代表馬、最優秀四歳以上牡馬に選ばれた。

 

 

■五歳、崩落

 

ドバイターフへ出走。

レース中、馬群で落馬し骨折。

命は拾ったが重度の骨折により、無念の引退。

 

 

 




アイオライト……人生の道標。ベルサフィール→キングカメハメハへの認識。
キュアノス(ラピスラズリ)……ベルサフィールへ、数多の幸運と健康を。そう彼(キングカメハメハ)は祈っていた。
ルナーリア(ムーンストーン)……ハーツクライからベルサフィールへの恋心。
サフィラ(サファイア)……徳望、慈愛、誠実、一途で誠実な愛、全てベルサフィールは持っていた。

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