そこまでのろのろ更新です
すみません
「ベル、あなた進路はどうするの?」
夕暮れの図書室。
他に生徒はおらず、二人きりだった。
幼馴染みであったため、お互い気まずいとは感じなかった。
「どうって……取り敢えずトレーナーの資格はとりたいなって思ってる」
「じゃあ受験シーズンは勉強尽くしね。今まで通り遊べないなんて寂しくなるわ」
「勉強自体は現役のときからしてたし、苦にしないタイプだから」
苦笑いして栄養学、トレーナー学、ウマ娘の歴史についての参考書を手にとるベルサフィール。
カウンターの机にゆったりと腰かけてるのは幼馴染みのキングカメハメハ。
「ねえ、行儀悪いよカメハメハ。司書さんに怒られちゃう」
「あらら、ごめんなさい?それよりベル、脚はどうなの?」
そう尋ねると、ベルサフィールは端正な顔を歪めた。
「……リハビリはなんとか。かなりきついけどね。サブトレーナーも手伝ってくれてるし」
「無理するからよ。あのとき、私だって肝が冷えたわ……メジャーが助けなかったらどうなってたことか」
自分が無事に走ることよりも勝利への執着を優先したベルサフィールに、当時は友人たち、チームのトレーナーとサブトレーナー、色々と有名な両親などなどがひどく怒った。
ベルサフィールにとっては、あれだけしたのに負けたことの方がショックだったが。
「それはごめんって。でも本当にサブトレーナーやチームの皆には申し訳ないわ。私はもう引退した身なのに……」
「チームメンバーだからこそよ。それに、担当ウマ娘が怪我してるのに社会復帰まで手伝わないトレーナーなんていないわよ」
カウンターでてきぱきと貸し出しの手順を踏むベルサフィールの肩をキングカメハメハはポンと叩いた。
「ねえベル。あなたサブトレーナーのことはどう思ってるの?」
「……え?」
バサバサッと本が手から滑り落ちた。
「いや、いつも支えてくれることに対する感謝の気持ちとか、申し訳なさとか……」
「本当に?本当にそれだけ?」
「トレーナーとウマ娘の関係だから!」
「それこの学園のトレーナーとウマ娘の結婚率見ていってる?」
「……トレセン学園は婚活会場じゃありません!」
キングカメハメハにはわかる。
長い付き合いの彼女には、ベルサフィールが動揺してるのはお見通しだった。
「サブトレーナー、イケメンだし女の子に紳士的だし実家も太いしで優良物件だもの。もてるわよね。」
「……そういうので決めるの、よくないと思うわ」
「そうよねぇ。だからちゃんと見てくれて、成績優秀で、ウマ娘のなかでも容姿端麗で、名門の生まれな担当ウマ娘があうと思うのよねぇ」
「何が言いたいの?彼、サブトレーナーだから担当ウマ娘はいないはずよ」
「うふふ、本当に鈍いわね……いや気づかないふり?」
「え、ちょっと怖いんだけどカメハメハ……」
スンッと真顔になったキングカメハメハ。
いつも微笑んでるおっとりした美人の真顔は怖い。
「あんなにサブトレーナーがアピールしてるのに気づかないの???」
「アピール……?何をしてたの?」
「……押しまくればきっといけると思ってたけど、なかなかに難しいわね。でももう少しでいけるでしょう。せめて卒業までには終わらせたいわね」
「ちょっとカメハメハさーん?」
「ベルは人の感情に鋭くなりなさい。このニブチンが」
「えっ、なんでちょっと怒ってるの?カメハメハ!?ねえカメハメハー!?」
この後に大王と呼ばれ、名門チームレグルスを担当するのがサブトレーナー