令嬢、女王に即位す   作:白雪(pixivでもやってる)

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とうとうタイトル回収


戴冠

 

NHKマイルカップを負けてしまった私は、予定通りオークスへ行くこととなった。

 

かなり間隔がないため、皆手厚いフォローをしてくれた。

 

ありがたい……ちょっと食事の量減ったのは許してくれ。

 

カメハメハくんとお互いクラシック路線の二冠目取ろうねって話したし。

 

ノリさんも「キンカメが牝馬になってオークス行かない限り絶対勝てる」って言ってくれたし。

 

いやそれあり得ないから……ノリさんって愉快な性格してるね?

 

 

「よし、まずはオークス勝ってくるわ。」

 

「いってらっしゃい、その来週は俺もベルの勢いに続くよ」

 

 

カメハメハくんに見送られ、外に連れられると、ダイワエルシエーロちゃんが待っていた。

 

 

「来たわね、ようやく貴女と戦えるわ」

 

「エルシエーロちゃんと走るの楽しみだな私」

 

「……そう言っていられるのも今のうちだから」

 

 

エルシエーロちゃんは気遣い上手のいい女の子だ。負けず嫌いで特に私のことをライバル視している。

 

……併せ馬で千切っちゃったのがまずかったかな……。

 

 

 

__________________________

 

「で、デルタブルースくん!?なんでここに!?」

 

「お前、ベルか!?」

 

 

 

 

オークス当日、なんとびっくり育った場所が同じで仲良くしてたデルタブルースくんがいました。

 

 

「ということはブルースくんは一勝クラス?私はオークスに出走するんだ」

 

「そうだ。……G1レースに出走か……さすがだな」

 

 

ブルースくんは未勝利戦を燻ってようやく勝てたものの、ダービートライアルの青葉賞で最下位になってしまったことを自虐していた。

 

 

「ブルースくん、昔からたくさん走ってても全然疲れてなかったしスタミナあるから長距離とか向いてるんじゃないかな?」

 

 

「長距離か……そうだな、残りの一冠菊花賞に向けて頑張ってみるよ。そういやカメハメハは元気そうか?」

 

 

「うん。来週はダービーに出て……あっ、NHKマイルカップで勝ったんだよカメハメハくん。私も負けちゃった。」

 

 

「あいつやっぱりすごいな……俺も負けていられない」

 

 

「そうだね……頑張ってねブルースくん。」

 

 

「おう、そっちもオークス制覇頑張れよな」

 

 

そろそろレースということで去っていくブルースくん。

 

なんとなくだけどブルースくんも活躍できると思う。まだその時じゃないだけで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後

 

「勝ったぞ」

 

「有言実行じゃん」

 

 

________________________________

優駿牝馬(オークス)

 

2004年 5月23日

 

東京 芝 2400メートル

 

 

 

「私ダンスインザムードというの、お隣よろしくね」

 

「えぇ、よろしく。私はベルサフィール。気軽にベルって呼んでね」

 

 

おしとやかな青鹿毛の女の子が挨拶してきたので返す。

 

うーんなかなかに強そうだ。

 

でもなんとなく強マイラーって感じかな……。

 

なんとなくだけど。

 

 

「フン、まあそんなにお願いするなら走ってあげる」

 

「集中……集中……」

 

「二冠……一番人気の期待に応えてみせる」

 

 

 

 

「……連敗なんて、許すものか。友達との約束は守ってみせる」

 

 

 

『各馬ゲートインしました。さあ樫の女王になるのは誰なのか。』

 

 

 

 

母がとれなかった樫の女王……ええ、なってみせるわ。

 

 

 

 

『スタートしました!あっと一頭出遅れた。最初にぐんぐん進むのはベルサフィール。ベルサフィール先頭です。』

 

 

 

ノリさんは私が進むのを止めない……勝手にしていいってことね?

 

 

了解、飛ばす。

 

 

『ベルサフィール独走。これはNHKマイルカップのときの再演になるか?大きく離れて二番手はウイングレット、続いてダイワエルシエーロが追走します。』

 

 

 

なるほどそこそこいい位置だねエルシエーロちゃん。

 

逆にムードちゃんは普通なら好位置だけどこの状況だと上がったほうがいいかもね。

 

 

 

まあカメハメハくんレベルの脚がないと……簡単には追い付けないよ?

 

 

逃げ馬にとって、最後の直線が長いことはデメリットだ。

 

だが、2400メートルという距離はほぼ全馬未経験。桜花賞もなかなかにタフなコースなので折り合いつけて勝ち負けができてるなら苦労はしないが……。

 

 

オークスで前で押しきってレースをするのは非常に困難。そして総合能力が求められる……。

 

 

まあ流石にNHKマイルカップ並みのハイペースにはしないけどさ。

 

 

ようやく一周し、二番手との差はおよそ五馬身。

……もっと離したほうがいい?

 

いや、これでもオークスの舞台としては速すぎるタイムだ。最後私がどれだけ脚を使えるかに勝負がかかってる。

 

 

『さあまだ独走状態ベルサフィール、逃げ切りなるか!?後ろの馬たちは大丈夫なのか!』

 

 

 

坂を上がって……さあ、最後の長い直線だ。

 

 

 

ぐっ、と脚を溜めて……放つ!!

 

 

『ベルサフィールさらに加速した!ぐんぐん突き放す!これだけの差!これだけの末脚!後続はようやく最後の直線!もう後ろにはなにも来ないか!』

 

 

 

末脚自慢の牝馬たちが追走するが……届かない。

 

 

『恐らくその差は七馬身……八馬身……九馬身!?速い速い速すぎるっ!!!』

 

 

 

『もう何も来ない!テスコガビーの再来だ!ベルサフィールゴールインッ!!見事な逃げきり勝ち恐れ入りました!タイムは2分22秒2!前世界レコードタイでありホーリックスがジャパンカップで記録したものと同タイム!華麗なる一族の直系が決めました!』

 

 

 

 

 

 

 

華麗なる一族、ここにあり。

 

 

 

 

 

一着 ベルサフィール

 

二着 ダイワエルシエーロ (九馬身)

 

三着 スイープトウショウ (アタマ差)

 

 

タイム 2分22秒2 (前世界レコードタイ)

 

 

 




安東「何度も金木さんにベルサフィールはダービー行かないんですかって聞きましたね。当時はベルサフィールが一番怖かった、また勝てる確信が持てなかったんです」

横島「正直牝馬路線に敵はいない、この馬なら牡馬とだって互角以上の戦いができると思いました」


ちなみに2004年5月23日東京競馬場ではデルタブルースの他にオレハマッテルゼが勝ってたりする。



本当に……これは面白いのか……好きなひとがいるのかわからぬ……助けて……。



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