評価も感想もないと死にます。
でも競走生活終わるまではなんとか書きたいんじゃ。
帰国してもまたすぐレースがあるらしい。
天皇賞秋。
……そうだ、カメハメハくんが出るはずだったレースだ。
なんとしてでもとりたい。勝ちたい。
私のことを、最強だと言っていたファンがいた。
そうだ、私は負けられない。
負けてはならない。
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天皇賞秋
2005年 10月30日
東京 芝2000メートル
メジャーくんはいないのか。再戦できると思ったけど。
「しばらく見ないと思ったら……いったいどこで走ってたんだ?」
「ハーツ……ごめんね、海外に行ってたのよ。もちろん、勝って来たわ」
ハーツは……少し成長した?
恐らく冬にはかなり強くなりそう。
「彼、宝塚でかなりピリピリしてたよ」
「ロブロイさん、今日はよろしくお願いします!ピリピリって……ハーツが?」
「うん。彼、かなり君のこと意識してるよ」
そっか。
私って、いつの間にか追い掛けられる立場にいるんだ。
「またさらに強く速くなったようねベルちゃん。私も負けていられないわ」
「ムードちゃん久しぶり。スイープちゃんも」
「アンタ……なんで宝塚記念走らなかったのよ!アタシのとっておきの末脚、見せたかったのに」
「ごめん。スイープちゃん聞くところによると、宝塚記念勝ったそうじゃない。おめでとう」
「アンタに勝てなきゃ意味ないわよ」
プンプンしながら立ち止まる彼女。
皆はもう返し馬を終わらせているのに……。
困ったように彼女の鞍上が降りてなんとか引っ張るが、動かない。
「やーだやだ!アタシに命令しないでよ!」
「困ったわね……」
彼女らしいが、今日は特別な日らしいし……私が行こう。
「スイープちゃん」
「なによ!ベル、あんたの言うことにだって聞かないんだから!」
「早く」
「だからあんたの……」
「早く。時間が押してるでしょう。早く来なさい」
強い口調で有無を言わさず促すと大人しく彼女は進み始めた。
天覧競馬だから、待たせてはいけないものね。
「もう、手がかかるんだから」
「相変わらずのわがままっぷりだな、あいつ」
「本当に変わらないわね。安心するわ。」
「変わらないのは、お前もだよ。ベル。」
「え?」
隣のハーツがじっと見つめた。
どういうことだろう。
「いつまでも縛られて囚われたままだ。最強と、無敗に」
「……それって、どういう」
ハーツは意味深なことを残し、先にゲートに入った。
気性は良くはないけど、鋭いし頭もいいハーツがあんなこというなんて……。
いや、今はレースに集中。
私は勝たないといけないんだから。
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『一番人気は海外で圧勝劇を見せたベルサフィール。二番人気は連覇を狙うゼンノロブロイ。宝塚記念を制した女傑スイープトウショウや、ここまで惜しいレースが続いているハーツクライもそれに続きます。』
『さあ天覧競馬となる天皇賞秋、スタートしました!各馬綺麗にスタート。ベルサフィール、ストーミーカフェ、タップダンスシチーが前へ。』
流石に逃げ馬いるのね。
まあ自分のペースで私は走ってるだけだし戦略的な逃げではないけど。
『一番手はやはりこの馬ベルサフィール。ストーミーカフェとタップダンスシチーは少しうしろにつけた』
あんまり後続と離れてないけど、いいか。
最後の直線で突き放せば勝てるわよね。
『ゼンノロブロイ前団へ。スイープトウショウ、ハーツクライ共に中団。後方アドマイヤグルーヴ』
結構前のほうだなスイープとハーツ。
脚、もしかして届くかも。
ロブロイさんは安定して好位置。
ヘヴンリーロマンスさんの位置どりも注目かな。
『さあ前半1000メートルのタイムは57.6!やはり逃げ馬ベルサフィールがペースを作っています。』
『大欅を越え最後の直線へ……最初に駆けるのはベルサフィール!さらに加速!』
『強い強い!内からゼンノロブロイ!追い込んでくるスイープトウショウ、ハーツクライ!ヘヴンリーロマンスも突っ込んできた!だがベルサフィール先頭、変わらない!』
『抜けた!抜けた!もう何も来ない!流して二馬身のリード!これが逃げの美学!ベルサフィール一着!天皇賞秋レコード勝利!』
タイム 1分56秒2
一着 ベルサフィール
二着 ハーツクライ(二馬身)
三着 スイープトウショウ(アタマ差)
四着 ヘヴンリーロマンス(ハナ差)
五着 ゼンノロブロイ(アタマ差)
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ジャパンカップ
2005年 11月27日
東京 芝2400メートル
『速すぎる!あまりにも速すぎる!ベルサフィール一着!タイムは自分のレコードを塗り替えて2分20秒2!二着にはハーツクライかアルカセットか!』
『逃げているのに上がり最速を出す……こんな馬今までいたでしょうか?G1は7勝目!年末の有馬記念は無敗の三冠馬ディープインパクトとの二強対決が予想されます』
『現役最強牝馬か現役最強牡馬か!?皆さん楽しみにしていてください!二頭ならさらなる伝説を作るはずです!』
ハーツ「……これでも届かない、か」
ハーツ「少し、やり方を変える必要があるな」