Black Externa ─黒の極致─   作:サム・ソー川

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ツキ高の制服事情についてです。
7話の前ぐらいの話。


番外編「制服」

 

 

 お昼休みの教室、各々が昼食に勤しむ憩いの時間。弁当を持参する者もいれば、購買でパンを買う者もいる。

 

「しっかし、お前もよくその着こなしを続けるよなぁ……」

「あむん?」

 

 宗也の突然の一言。パンを頬張りながらディルが首を傾げた。

 

この服のことか(ふぉのふふのふぉふぉふぁ)?」

「まず口の中の物飲み込んでから言えよ。ふがふが言葉じゃさっぱりだぜ」

 

 ごくんとパンを飲み込みディルは口を開く。

 

「なんか変かこの服装?」

「まぁ……不良と思われるのも仕方ねぇなって」

「そうなのか?!」

「そりゃそうだろ。学ラン前開きでカッターシャツも着てないんだから」

「知らなかった……前開けてたら不良なのか……」

 

 愕然とするディル。宗也がそんなことを言うのも無理はなかった。宗也の今の服装は長袖シャツ。五月も終わりが近づき夏服移行期間に入っている。第一ボタンこそ開けているものの、シャツをズボンに入れて爽やかに着こなす様は普遍的生徒のそれだった。

 一方、ディルは宗也が言ったように学ランとズボンしか指定制服の要素はない。明らかに着崩している部類だ。

 

「でもさ、この学校ってブレザー着てるやつも半分くらいいるじゃねーか。制服改造してるやつもいるし。だったら学ランの前開けててもおかしくねーはずなんだけどな……」

「それとこれとは別だろ。ブレザーにしろ、学ランにしろ、正しい着方は決まってるわけだし」

 

 月影高校はリベラルだ。制服の改造も許可されている。だからといって他の生徒にどう思われるかまで責任は取れない。派手な服装にすれば相応の目を引くことに変わりはないのだ。

 

「生徒手帳のとこ見てみろよ。汎用制服着こなしとか書いてんぞ」

「……ワスレマシタ」

「はぁ……しっかたねぇな。見せてやるよ。おっ、うちの制服の歴史も書いてる」

 

 呆れたディルに自身の手帳を見せる宗也。内容を噛み砕き説明する。

 

 

 戦前は男子校であったツキ高は、学ランだった。しかし戦後すぐに共学へ移行しセーラー服を導入。さらに一九八〇年代から日本でブレザー制服が広まり始めると、改造でそれらを真似る生徒が頻出したのだ。

 リベラルを意識した本校は、制服の実質自由化を選択した。つまり、学ランであろうとブレザーであろうとセーラーであろうと何を着ても良くなったのだ。ただし、本校生徒の証である校章が刻まれたボタンは最低限付けること。これだけは絶対遵守であった。

 また、ボタンさえ意識すれば、転入生も以前の制服を着ることができるなど、自由が利く仕組みとなっていた。

 

 

「ほー、商店街の仕立て屋に、うちとか他の高校の制服も担当してるとこあるみたいだな」

「融通利いてんなー」

 

 気になって話題がどんどんと移っていく中、ふと思い出したように宗也が質問する。

 

「そういや知らなかったとはいえ、なんで学ランの前開けてたんだ? 去年の冬とかもそうだったし」

 

「開けた方がカッケーなって……」

 

「は?」

 

 

 昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。

 

 




書くにあたって、ルルブやサプリを死ぬほど見返したのですが、NPCはブレザーなのに、リプレイのPCは学ランだから訳が分からなくなりました。
あとディルの場合、魔獣化したときに学ランの方がかっこよかったからというデザイン面の理由もあったり。
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