【完結】仮面ライダーギーツ外伝 もう1つのデザイアグランプリ 作:ネガ
デザイアグランプリ第4回戦。血液型ゲーム。自身と同じ血液型の文字を付けたジャマトを倒すゲーム。攻略方法も判明して後半戦が始まろうとしていた。残るライダーは、あと5人。
「あぁ…いつまで続くんだろう…」
記録を終えた敬介はいつまで続くか分からないミッションに疲れを見せ始めていた。サロンでは大我以外の4人が休憩していた。
「何が? 年金未納問題?」
「違うよ。ミッションだよ」
「そうだね。そういえば広瀬さんは何を願ったの?」
明理が広瀬にデザイアカードに書いた願いを聞く。
「え? 俺? そりゃあもちろん永遠に明理ちゃんが人気の世界だよ」
広瀬の理想の世界。それは、明理が永遠に人気でいられる世界。ファンならではの理想の世界だろう。
「それ、本当!?」
「当然だろう? 俺明理ちゃんのファンなんだからさぁ」
「ありがとう! 広瀬さん。私もっと頑張る!」
明理が広瀬に感謝の言葉を言うと、誰の物か着信音が流れた。その着信音は広瀬だった。
「あ、ちょっとごめん。電話だ」
広瀬はポケットからスマートフォンを取り出し、サロンの外へ出るのだった。少しして明理もトイレへ行く為に廊下を出た。トイレを済ませて明理がサロンへ戻ろうと歩いていると、話し声が聞こえてきた。
「え? ああ。遊技場だよ遊技場。ああ。うん。うん。それで? あの件だろ? 」
一体何を話しているのか。他人の通話を盗み聞きするのは無粋だと分かっているが、どうしても気になってしまう。壁に隠れて広瀬が何を話しているのか聞いてみる事に。
「もう少しなんだけどなぁ…」
だが明理はここで聞いてはいけない真実を耳にする事となる。それは…
「この前タクシー乗ってた辺りから見失っちゃったんだよ〜鞍馬明理」
(えっ…!?)
その言葉に明理はハッとした。タクシーの辺り。そう。明理があの時誰かに後を付けられている気がしたあの時。と言う事はまさか、広瀬がストーカーなのか。あんなにも自分を応援していたのに。明理は信じられずに口を押さえて唖然としていた。
「大丈夫だよ楽勝だよ。ああ。全然疑ってないからさぁ。あぁ」
明理は広瀬が何を企んでいるのか、壁越しに隠れてその話を聞く。
実は、広瀬の正体は明理のファンではなく、金持ちの女性を標的にした強盗殺人犯。これまでにも様々な場所で自分の素性を隠して女性に近づき、親密な関係を築いてから殺して金品を奪っていたのだ。そしてこのデザイアグランプリで明理にファンを装って接近してたのだ。
「まぁとりあえずさぁ、家の場所分かったら連絡するわ」
間違いない。家を特定してくる気だ。明理は震えが止まらなかった。
「あぁ。持ってるに決まってんだろ。あの鞍馬グループの娘だぜ?」
こうしてはいられない。すぐに警察に連絡しなければ。そして英寿達に広瀬の正体を打ち明けなければ。震えを押さえながらもスマホを取り出して警察に連絡しようとすると突然明理の右手首を何者かが掴んだ。
「!」
見上げると、広瀬が口角を上げながら隣に立っていた。
「聞いてたね?」
「……え?」
「フフフ……ダメだよ。人の通話を盗み聞きしちゃ」
広瀬の表情は笑顔だが、その笑顔からは悪意を感じる。明理は恐怖を感じて足がすくんでいた。
「それより、頼みたいことがあるんだけど、良い?」
それから数分後…
「どこ行ったんだ? 俺のブーストバックル…」
「足生えて旅だったんじゃない?」
敬介はサロンで英寿の言葉を流しながら血眼になってある物を探していた。それは、前半に支給されたミッションボックスから手に入れたブーストバックルだ。ついさっきまで荷物にあったのに無くなっていたのだ。
「そういや今日、朝の占いでB型の運勢最悪だってよ」
英寿の言葉に敬介がハッとする。
(運勢最悪ってまさか…これのことか!?)
朝のテレビでやっていた血液型占い。今日の運勢はB型が最も運勢が悪い。つまり切り札であるブーストバックルを無くすという事だったのか。こんな事なら素直に占いを信じておけば良かったのかもしれない。
「そういやさっき見たけど敬介B型だよな?」
「……そうだけど」
「残念。無念」
両手を合わせてご愁傷様と流す英寿と落胆する敬介。するとそこへ、広瀬と何やら怯えた様な表情を浮かべた明理が戻って来た。
「お? 2人とも何してるの?」
「敬介がブーストバックル無くしたって」
「英寿! 何で言うの!?」
あっさりと2人にバラす英寿。
「ええ〜!? だらしがないなぁ〜。自分の物はしっかり管理しておかないと。なぁ明理ちゃん」
「え…? あ、うんそうだよ!」
敬介に対して注意する広瀬と話を振られて何やら怯えていた表情を浮かべていた明理が、広瀬に同調する様な素振りと表情を見せた。しかし2人は何やら違和感を持っていた。
一方、誰とも話さないでデザイア神殿内のホールで1人コーヒーを飲んでいるのは大我。彼の目は鋭く、プラカップを持つ手はわなわなと震えていた。
そんな中、ある事を思い出す。
『証拠あんのか? 俺が何時何分何秒何処でやったか!』
『生き残るのは俺だ!』
『騙される方が悪いんだよ!』
『私だけが幸せになればいいのよ!』
それは、かつて自分が英寿達と出会う前に経験したデザイアグランプリにおいて見てきたライダー達だった。大我は英寿達と違い、デザイアグランプリの経験者であり、戦いの中、己の欲望の為に他者を欺き騙して蹴落とすライダー達を何度も見てきた。誰も彼もが卑怯な手を使っていた。
『フッ! ハッ!』
それでも大我は戦った。ただ己の理想の為に。そしてあるミッションの中、ジャマーエリアに囚われた友人の今井勇治がミッションに巻き込まれてしまった。
『勇治!?』
『助けてくれ!』
『知るかよ。せいぜい盾になれよ。ハハッ』
『ピアーブ!』
ライダーは勇治の胸ぐらを掴んで引き寄せて盾にした。そのままジャマトの刃が勇治の心臓を貫き、あたり一帯に勇治の断末魔が響き渡る。
『がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
『ッ! 勇治!』
近くで戦っていたバッファは勇治の悲鳴を聞いてその方へ向くと、ライダーに盾にされた勇治の身体をジャマトの刃が貫いていた光景だった。胸を紅に染め、血がアスファルトに垂れている。
『ギャーギャーうるせぇダマレ』
ライダーはそのまま勇治を蹴り飛ばしてそのまま去ってしまった。バッファはゾンビブレイカーを投げ捨てて一目散に勇治の元へ駆け寄る。
『勇治!勇治!』
急いで変身を解除した大我は満身創痍の勇治の名を呼びながら抱き起こした。
『た……い……が…』
しかし、その言葉を最後に勇治は力尽きてしまった。
『おい勇治!勇治!勇治ーーッ!』
絶望に押しつぶされた大我の悲痛な叫びがジャマーエリア内に響き渡った。
それから大我にとってライダーは憎悪の対象になり、目的の為ならば手段を選ばなくなった。仮面ライダーを倒す為の最強の力を欲する様になった。大我がデザイアカードに書いた願いは「どんな仮面ライダーにも負けない最強の力」。
「ライダーなんて…!どいつもこいつも狡い奴等ばかりだ…!」
ライダーに対して怒りを募らせ、いつの間にか持っていたコーヒーのカップを握り潰していた。
そして再び一同はデザイア神殿に集合。再びミッションが行われようとしていた。
「皆様。再び血液型ジャマトが現れました。この後半戦でスコアが最下位だった方は脱落となります」
「最悪だ…」
「よーし。まだまだ!」
ブーストバックルを失くしてもしかしたら占いの通りに自分が脱落してしまうのではないかと不安になる敬介とは裏腹に、スコア最下位の広瀬は何故か自身満々になっていた。
「今日の血液型占い、B型の運勢最悪らしい。そういえば前半戦見たけどもしかしてB型?」
「大丈夫大丈夫! 俺占い信じないから!」
英寿の言葉を軽く流す広瀬。そしていよいよ後半戦が始まろうとしていた。
「それでは後半戦、スタートです!」
ヒカリの宣言と共に一同はジャマーエリア内に転送された。待ち受けていたのは、前半戦よりも数の多い血液型ジャマト達だった。ライダー達はそれぞれバックルを構えて戦闘準備に入った。
「後半戦となって皆様も張り切ってますね。…おや?」
デザイア神殿でその様子をスクリーンで見ていたヒカリの目にあるものが入る。それはライダー達のスコアだ。現在はバッファが1位だが、最下位のゴートのスコアが次々と上がっていく。17体から20体。24体とどんどん上がっていく。それは…
「どうだ!」
一方タイクーンは仕方なくレイズアローでBの血液型ジャマトを倒している。すると…
「ジャァァァァァァァァッ!」
爆発と断末魔と共に3体の血液型ジャマトが吹き飛ばされた。一体誰なのか。
そこには何とブーストフォームになったゴートが戦っているではないか。しかもそのブーストバックルは敬介が手に入れた者だ。何故彼が持っているのか。
「あれって…!」
「ん? あれ敬介のブーストバックル!?」
ゴートが何故かブーストバックルを持っている事に驚く敬介と英寿。前半戦で最下位だったゴートが急激にスコアを稼いでいる事を考えると不自然だ。
ゴートがブーストフォームになっている所を眺めていたナーゴは何か気まづそうにしていた。
「いや〜これがブーストフォームの力か! これで勝負は貰ったな!」
「ちょっと!」
意気揚々と腕を回すゴートにタイクーンが詰めより、ギーツも後をついていく。
「どうした?」
「それ俺のブーストバックルじゃないですか!? 何で持ってるんですか!?」
「何言ってんだよ。これは俺のだから」
しらを切るゴートは2人に背を向けてその場を後にしようとするが、納得のいかないタイクーンはゴートを行かせまいと行手を遮る。
「おかしいですよ! 前半戦の時には持ってなかったのに…!」
「おいこらガキィ!」
「!?」
タイクーンがしらばっくれているゴートに対して肩を掴みながら異議を唱えようとすると、ゴートが豹変。ついさっきまでの気さくな素振りが突如として怒鳴り声と共にタイクーンの腕を乱暴に振り払った。
「言いがかりつけようってのか? あぁん!? 俺がいつ取ったのか答えてみろよ! 何時何分何秒!いつどこで! 証拠出せてみろよ!」
「…いやマジか…!絶対敬介からパクっただろ…」
ギーツはゴートの素振りから間違いなくタイクーンから盗んだ事を確信し、ゴートの怒鳴り声にタイクーンはたじろぎ、口を噤む。そう。ゴートの本性は粗暴で攻撃的な性格。今までの気さくなファンというのは演技であり、明理の家に忍び込む為の計画だった。このままどうしていいのか分からず途方に暮れていると、思わぬ人物が横槍を挟んだ。
「だったら俺が答えてやろうか」
「あん?」
そこに現れたのはバッファだった。戦いを中断して、3人の元へやってきた。
「大我さん…」
「おい。お前も言いがかりつけようってのか? 証拠出してみろよ証拠!」
バッファにも怒鳴り声を浴びせるゴートだが、バッファは臆する事なく口を開いた。
「証拠ならある」
バッファがスパイダーフォンを取り出すと、明理が広瀬に敬介にブーストバックルを渡していた映像が流れた。
「え…明理ちゃん!?」
「おいおい…どうなってんの!?」
タイクーンもギーツも何故広瀬に明理がブーストバックルを渡しているのか分からなかった。実は…
後半戦開始前…
『あの敬介って奴のブーストバックルを取ってくてくれない?』
『え…? どうして…?』
『あれがあれば俺の理想に一歩近づくからだよ。だから取ってきてくれない?』
気味の悪い絵顔を浮かべながら明理に顔を近づける広瀬。その恐怖に震えるしかない明理も彼女もそのまま従う訳にいかなかったが、広瀬は折り畳みナイフを取り出して明理の喉に突きつける。
『断ったら、どうなると思う? この施設の事は口外禁止だったよね? 』
デザイアグランプリに関する事は第三者に口外禁止。ましてや目の前の強盗殺人犯が口外禁止の施設にいる。通報したくても出来ない。恐怖で威圧された明理は広瀬の指示に従うしかなかった。そして…
『敬介! 寿司があるぞ! ウニもだ!』
『何でウニを強調するの!?』
広瀬が監視する中、サロンにデザイアマネーで食事をしようとしている英寿と敬介がいる事を確認すると、敬介の荷物からブーストバックルを抜き取り、広瀬に渡した。
『ありがとね。これで俺の理想に一歩近づけたよ。これからもよろしくね』
ブーストバックルを受け取ると、不敵な笑みを浮かべて明理の頭を艶かしい手つきで撫でると、その場を後にした。
『これさえあれば金も女も俺のもんだ〜』
強盗殺人犯である広瀬の理想の世界。それは、「一生遊べる大金と美女と可愛い女子と豪遊生活」。本来金目当てに金持ちの女を殺してきた広瀬が、今度は金の力で女を手に入れようとしていたのだった。だが、そのやり取りは偶然見かけた大我に撮影されていた。
「……ッ!」
「まさか明理ちゃんを脅して取らせたのか!」
「ゲスすぎて草生えますなぁ」
「善人を装って他人を利用して勝ち逃げ出来ると思うほど、このゲームは甘くはない」
「このガキ…! お前だって盗撮してただろうが! 」
ゴートもバッファが自分とナーゴのやり取りを隠し撮りしていた事を言うが、バッファは平然と言い放つ。
「だからどうした。これが俺のやり方だ」
「ファべレレアガラサ!」
その時、複数の血液型ジャマトが突然槍を手に襲いかかり、バッファ、タイクーン、ギーツはすぐさま避けるも、ゴートは返り討ちにしてやろうと拳を振り上げるが、1体の血液型ジャマトの槍がゴートのデザイアドライバーに当たり、その衝撃でブーストバックルが外れて飛んで行ってしまい、ゴートはエントリーフォームに戻ってしまった。
「あぁ!」
飛ばされて転がったブーストバックルはバッファの元に転がり、そのまま拾い上げた。
「コイツはツイてるな」
「俺のなのに…」
「代わりにくれてやる」
がっかりするタイクーンにバッファが投げたのは前半戦で手に入れたロッドバックルだ。バッファはゾンビバックルを引き抜き、ブーストバックルをセットした。
【SET】
空中に文字が投影され、ブーストバックルのハンドルを捻り、カウルから炎を吹き出させる。
【BOOST】
ゾンビフォームの装甲が消え、朱色の装甲が形成、装着された。黄色の複眼を輝かせ、バッファはブーストフォームに変化。ブーストパンチャーから炎が烈火の如く吹き出した。
【READY FIGHT】
「ジャアアァァ!」
血液型ジャマトは臆する事なくバッファにかかるが、その中のABのジャマト2体のみを両腕で腹を殴りつけて吹き飛ばした。残りのジャマト達もギーツ達に襲いかかるが、攻略法が分かった今、ギーツ達の敵ではない。ギーツはマグナムシューター40Xとレイズマシンガンを駆使してAのジャマトを撃ち抜く。
タイクーンもレイズアローでBのジャマトと戦う中、バッファから渡されたロッドバックルを試してみることにした。
「使ってみるか…!」
【REVOLVE ON】
【SET】
デザイアドライバーを半回転させ、スロットにロッドバックルを装填して起動した。
【DUAL ON】
【ARMED ROD ARMED ARROW】
タイクーンの装甲がリボルブオンで上下入れ替わり、新たに上半身にアームドアローと同じ装甲が追加され、プレートにはマリンブルーに棒の絵が描かれ、身の丈ほどある拡張武装であるレイズロッドが装備された。
【READY FIGHT】
「おおぉ…長い!」
そこへ、Bの血液型ジャマト達が現れ、タイクーンは試しにレイズロッドで血液型ジャマトの腕に打撃を浴びせて、そこへ鳩尾を突いて弾き飛ばした。もう1体は足を掬って転倒させ、腹に叩きつける。
「おぉ…これ結構使える!」
レイズロッドの扱いやすさに感心するタイクーン。小型バックルでも使い勝手の良いバックルが必ずあるのだ。
「オラッ! フンッ!」
バッファは持ち前の戦闘経験を活かして次々とABのジャマトを倒してスコアを稼いでいく。すると…
【DUAL ON】
【ARMED CHAIN ARRAY ARMED SHIELD】
「おい!俺のブーストバックルを返せ!」
そこへアームドチェーンアレイシールドになっていたゴートがブーストバックルを奪い返す為に割り込んでくるが、全く相手にされずに血液型ジャマトに邪魔されてしまう。
「こうなったら…!」
ゴートは悪足掻きと言わんばかりにギーツの持つマグナムバックルに目をつけて後ろから忍び寄る。
「フォォォォォォォォォォォウ!」
奇声を上げながらAのジャマトにレイズマシンガンを撃ちながらマグナムシューター40Xに撃つが、忍び寄るゴートに気づいていない。そのままレイズチェーンアレイを振り上げ、ギーツを攻撃しようした。
「英寿!」
「うぉっ!」
すると、タイクーンがレイズチェーンアレイの鎖部分にレイズロッドを巻きつけて、ゴートの手からはたき落とし、すぐさまデザイアドライバーからチェーンアレイバックルとシールドバックルを抜き取った。タイクーンにバックルを取られた事でゴートはエントリーフォームへ戻ってしまい、今度こそ丸腰になってしまった。
「ッ!何すんだこの野郎!」
「勝手な真似はさせない! 明理ちゃん!」
「え!?」
タイクーンはゴートから没収した2つのバックルをナーゴに投げて渡した。
「何で…? 私は…」
「悪いのは明理ちゃんを脅したこいつだって事が分かったから。だから気にしないで!」
ゴートに利用されていたナーゴは罪悪感を覚えていた。自分が盗みを働いたのにどうして自分を許してくるのか。複雑な気持ちの中ナーゴは戦うのだった。
【REVOLVE ON】
【SET】
バッファはデザイアドライバーを半回転させて片方のスロットにゾンビバックルをセットし、キーを捻って展開させる。
【DUAL ON】
【ZOMBIE AND BOOST】
リボルブオンでブーストフォームの装甲が下半身に移動、上半身にゾンビフォームの装甲が装着され、バッファはゾンビブーストフォームに変わった。
【READY FIGHT】
バッファはゾンビブレイカーを手にABの血液型ジャマトを切り倒していく。同時に不意打ちをかまそうなら左腕で殴りつけ、ゾンビブレイカーを叩き込む。更にブーストバックルの力で10倍にも強化された攻撃力は血液型ジャマトの攻撃も何のその。そのまま怒れる闘牛の如く走り出し、加速すると同時に血液型ジャマト達を一斉に蹴散らし、ABの血液型ジャマト達のみをゾンビブレイカーで切り裂く。
【POISON CHARGE】
更にゾンビブレイカーのカバーをスライドさせてエネルギーをチャージし、地面を思い切り踏みつけてABの血液型ジャマト達を衝撃波で浮かせた。
【TACTICAL BREAK】
…と同時にゾンビブレイカーでトドメと言わんばかりに一気に4体を撃破した。
「大我やるなぁ。こっちも負けてられん!」
その光景を見ていたギーツも負けてられないとマグナムバックルとマシンガンバックルを操作した。
【MAGNUM MACHINEGUN VICTORY】
「それぇぇぇぇぇぇッ!」
「ジャアアアアアアアッ!」
レイズマシンガンで上空へ銃弾を撃ち上げ、ライフルモードにしたマグナムシューター40Xから大型のエネルギー弾を放ち、空から雨霰と降り注ぐ銃弾とエネルギー弾の弾幕でAの血液型ジャマト達を一掃した。
「俺だって!」
負けじとアローバックルを取り外してアームドロッドに変えたタイクーンもロッドバックルを操作した。
【ROD STRIKE】
「ハァ!」
エネルギーをチャージしたレイズロッドでBの血液型ジャマトの足を崩し、更に野球のバットの様に振って血液型ジャマトを残存する5体のBの血液型ジャマト達に吹き飛ばしてぶつけ、道連れにさせて爆散させた。
「私だって!」
【CLAW CHAIN ARRAY VICTORY】
タイクーンから受け取ったチェーンアレイバックルでアームドクローチェーンアレイにデュアルオンしたナーゴも伸ばしたレイズチェーンアレイで5体のOの血液型ジャマトを拘束し、レイズクローから斬撃波を放って撃破した。
「タァ!」
「ジャアアァァ…!」
「これで終わりだ…!」
次々と血液型ジャマトを倒してゆき、残るはABの血液型ジャマトが10体となった。バッファはブーストバックルのハンドルを2回捻った。
【BOOST TIME】
ブーストタイムに移行し、遠くからアタマが牛の形をしたバッファモードとなったブーストライカーが登場。バッファは同時に腰を落とし、ゾンビブレイカーを構える。そしてゾンビバックルのキーを捻り、ブーストバックルのハンドルを2回捻った。
【ZOMBIE BOOST GLAND VICTORY】
ブーストライカーが駆け抜け、血液型ジャマト達を10体まとめて空中に弾き飛ばし、ゾンビブレイカーを投げ捨てて脚部のマフラーから炎を吹き出させたバッファがブーストライカーのアシストで空中へ飛び上がると、エネルギーをチャージした分身させたバーサークローで引き裂いてから纏めて拘束、そのまま炎を纏わせて巨大化させたバーサークロー地面に叩きつけて血液型ジャマト達を握潰した。
「ジャアアァァァァァァ!」
動けない血液型ジャマト達はそのまま断末魔と共に爆発四散。全滅したのだった。
【MISSON CLEAR】
ミッションクリアのアナウンスが流れ、血液型ゲームはここで終了したのだった。すると、ブーストバックルかカウルから白い煙を出しながらカタカタと震え始めた。
「うぉ!」
そしてバッファのデザイアドライバーから勢いよく飛び出してタイクーンのマスクを掠めて何処かへ飛び去って行った。
「ハァ…」
「皆様、お疲れ様でした。それではスコアを発表いたします。
「まず第1位。吾妻大我様。41体」
1位は前半戦と同じく大我。ブーストバックルを使用していた事もあり、1位をキープ。
「今日の血液型占い、AB型が1番運勢がいいってよ」
「だからなんだ」
英寿の言葉を流す大我。ちなみに今日の血液型占いで最も相性がいいのはAB型だ。
「2位。宝生英寿様。35体」
「今日の俺の運勢は今ひとつだけど。川の流れの様に運は変わるから気にしない!」
「何言ってるの英寿…」
「3位 桜井敬介様。29体」
「良かった…!」
前半戦と同じく3位。生き残れた事に胸を撫で下ろす敬介。
「そして最下位は…広瀬紀之様。27体」
「…っ!」
苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる広瀬と対照的に明理のスコアは28体。わずか1体の差で明理が勝ち残り、最下位の広瀬の脱落が確定した。
「あぁ…!」
「良かったね。明理ちゃん!」
「うん!」
敬介と明理は笑顔を浮かべて共に勝ち残った事を喜んだ。
「スコア最下位の広瀬様は、ここで脱落となります」
「ガキ共が! 大人舐めんじゃねぇぞ! 次は全員叩き潰してやるからなッ!」
広瀬は屈辱を浴びせられた大我達に怒鳴り声を浴びせて次は全員叩き潰してやると宣言した。
「何この人…! 怖いよ…」
怯える明理に大我が口を開く。
「心配するな。こいつに次なんか無い」
大我がそう言い放つと、広瀬のデザイアドライバーにセットされているゴートのIDコアが消失を始めたのだ。それと同時に広瀬の身体も消滅し始めた。広瀬は恨みのこもった眼光で一同を睨みつける。
「さっき言ったろ? 今日の運勢、B型が最悪だって」
「…!お前ら顔覚えたからな! 今度会ったら…!」
【RETIRE】
捨て台詞を言う前に広瀬の姿は消え、デザイアドライバーだけが音を立てて地面に落ちたのであった。それを拾い上げるヒカリ。
「広瀬様は、仮面ライダー失格となりました」
こうして、悪事を働いてきた強盗殺人犯の男は占いの通りに物を失くし、自分の行動で失敗し、最後は利用した相手にも敗れ、仮面ライダー失格の烙印を押されて表舞台から姿を消したのだった。
すると、英寿が口を開いた。
「あのさぁ、そろそろ話してくれてもいいんじゃないかな? 脱落した人はどうなるのか」
「そうですよ! 教えて下さい!」
英寿と敬介の質問にヒカリは口を開いた。
「元の生活に戻ります」
「え…?」
「元の生活に戻る」その言葉の通りなら脱落者は生存しているという事だ。では退場した人はどうなっているのか。英寿と敬介の疑念が晴れない中一同はサロンに戻るのだった。
「これで残るライダーはあと4人か。…うん?」
その頃、ゲームマスターがディスプレイで様子を見ていると、仮面の下の表情を険しくしながら画面を見て呟いた。
「遂に現れたか…」
突如、サロン内部に警報音が響き渡る。何事かと一同はハッとする。
「え!? 何だ!? 火事か!? 泥棒か!? 早く何とかしてッ!」
「何だ…!?」
「何なの!?」
1人だけ場違いな発言をかます英寿と、このデザイアグランプリで初めて経験する事となる敬介と明理。そして経験から結論が既に出ている大我はふと呟く。
「……来たか」
そしてヒカリが再びサロンに顔を出して一同に真剣な表情で状況を伝える。
「皆様、ラスボスジャマトが現れました」
遂に姿を現したラスボスのジャマト。今、デサ神の座を賭けた戦いが始まろうとしていた。
GAME RESULT EPISODE 08
MISSON:自分と同じ血液型のジャマトを倒せ!スコア最下位は脱落!
ENEMY:血液型ジャマト
ENTRY PLAYER&USED BUCKLE
GEATS 宝生英寿 MAGNUM MACHINEGUN
TYCOON 桜井敬介 ARROW ROD
NA-GO 鞍馬明理 CLAW CHAIN ARRAY
BUFFA 吾妻大我 ZOMBIE BOOST
GRAMO 福田 賢 LOSE
RHINO 柴崎翔平 LOSE
GOAT 広瀬紀之 BOOST CHAIN ARRAY SHIELD LOSE
いかがだったでしょうか? 今まで遅れてすみません。今回は脱落するキャラにブーストバックルを使用させてみました。次回はいよいよラスボスです。ギーツも終わり、ガッチャードが始まってもう1ヶ月。今回はここまでです。感想お待ちしています。
次回 第9話 開闢Ⅷ:進撃のジャマトロボ