麻雀狂ミダリ 終章   作:かさばる

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第一話 二人麻雀。普通の手作り

「打てますか?」

 

 

 

夢子は、綺羅莉に問う。

 

 

 

「ああ、ごめんね夢子。今、三打ちも四打ちもできないの」

 

 

 

「え――?」

 

 

 

「だって、あなたのラストバトルの相手は、妄ですからね」

 

 

 

――――

 

 

 

 

 

 

「二人麻雀よ」

 

 

「え?何?」

 

 

ミダリは会長に聞き返す。

 

 

「いいから。嬉しいでしょう?あなたは夢子と戦えるのよ。そう、夢子を送り出す、その最後の時、オールラストに向かって、その重大な役目をやらせてあげるの。喜びなさい?」

 

 

 

夢子VSミダリ 二人麻雀

 

 

その特殊ルールが、会長より説明される。

 

 

「まあ、まずサイコロを振りましょう。起家、というか、先手。先手を決めてしまいましょ」

 

 

賽振りの結果、先手はミダリになった。

 

 

「これでスムーズに説明できるわ。いい?よく聞いてね。先手はミダリ。ミダリはまず、一人で麻雀を打ってもらうわ。ミダリが打っている間は夢子のツモ番は来ない。同じくして、夢子が打っている間はミダリのツモ番は来ない」

 

 

なんとも不思議なルールだ。二人麻雀とは言っても、一人ずつが交互に局を行うターン制のゲームなのか。

 

 

「場は常に東場。打つ者は常に西家よ。そして、簡単な話、18回ツモったら流局。そしてその流局までにアガれるかというゲーム。よろしいかしら?」

 

 

「ああ。ここまでは」

 

 

「いい子ね。続けるわよ。赤牌の枚数を伝えるわね。五萬に一枚{五五五赤五}。五索に二枚{55赤5赤5}。五筒には三枚{⑤赤⑤赤⑤赤⑤}。合計六枚を投入するわ」

 

 

インフレ麻雀だ。

 

 

「そして、アガった時の点数。これは、まずアガった翻数をマイナス2するわ。三翻だったら実質一翻。簡単ね。そして、それを計算した上で、子のツモアガリの点数を相手から直取りで受け取る。300.500は1100ね。アガリのルールはこれだけ。あとは流局。ノーテン罰符は」

 

 

 

 

 

 

「ノーテン罰符は8000点よ」

 

 

 

 

 

以上。ルール説明は以上だ。とにかくテンパイしないと大変な事になるのだ。補足として、リーチ棒は必要無いとの事。また、暗槓をした場合に引く嶺上牌はツモ回数にカウントしない。

 

 

 

 

「これを、ミダリ、夢子、ミダリ、夢子と、交互に5局ずつ打ってもらうわ。配給原点は50000点。トビ終了は一応あり。さて、始めましょうか」

 

 

 

 

 

 

第一局、ミダリ。ドラは{②}。

 

配牌。

 

{二三四五4赤567北西東中中} {1}

 

ここは、打{東}、もしくは打{西}だ。

 

 

何故なら単純に、孤立している字牌だからだ。この麻雀はオリというものが一切必要無い。切った牌が鳴かれる事も無い。だからただただまっすぐ打てば良いのだ。ただ、普通に、普通の手作りをすればいい。

 

 

打、{東}。

 

 

二巡目。

 

 

{二三四五14赤567北西中中} {9}

 

 

ここは打{西}だ。

 

 

何故、オタ風の{北}から切らないのか。

 

 

(簡単な話だ)

 

 

まず第一、役牌の{中}が対子になっている。これが仮に暗刻になったとする。役牌は三枚揃って初めて意味を成す。つまり、{中}が暗刻になった上で更に、{東}などが暗刻になる可能性はどれくらいか?極めて低いだろう。とにかく字牌は価値が低い。

 

 

それに、役牌とオタ風で、オタ風の方を残すのは、一応理由がある。ピンフ手の雀頭として使う為だ。役牌が雀頭ではピンフは付かない。

 

 

三巡目。

 

 

{二三四五14赤5679北中中} {⑨}

 

 

ここは打{北}だろう。

 

 

最終形の役を想像してみる。ピンフを付ける為に、いっその事{中}の対子も落としてしまいたくなる。が、それはあまりにも遅くなる。二巡使うタイムロスだ。だから今局、ピンフが付かないのはもうしょうがない。そして、このルールでは、アガった手役がマイナス2翻される。得点の為には最低三役必要。

 

 

四巡目。

 

 

{二三四五14赤5679⑨中中} {赤⑤}

 

 

打、{⑨}。

 

 

まあ一番高そうな想定はこんな形だ。

 

 

{三四五4赤56789赤⑤赤⑤中中} {赤⑤}

 

 

あるいは、こんな形。

 

 

{三四五1234赤5679中中} {8}

 

 

山は全て自分のツモなのだから、待ちの位置は関係無い。ペンチャン待ちだろうが、引ける時は引けるだろう。

 

 

五巡目。

 

 

{二三四五14赤5679赤⑤中中} {中}

 

 

少し、難しい。{中}が暗刻になってしまった。

 

 

(まあ……)

 

 

打、{1}とした。ミダリ、一通を捨てる。

 

 

その次巡、六巡目。

 

 

{二三四五4赤5679赤⑤中中中} {8}

 

 

(……!)

 

 

「リーチ!」

 

 

{東西北⑨1横二}

 

 

{⑤}単騎。ここは打点の為に、迷わず{⑤}単騎だ。

 

 

 

そして、十七巡目。

 

 

 

「ツモッ!」

 

 

{三四五4赤56789赤⑤中中中} {⑤}

 

 

裏ドラ、乗らず。引いた{⑤}も安目の黒五筒。

 

 

「1300.2600は5200だ」

 

 

高い。十分高い。このアガリ、{中}が暗刻で、尚且つツモと単騎待ちの2符が付いて、40符になって1300.2600だった。そうでなければ1000.2000の都合4000点だった。

 

 

 

(符ハネ、重要だな……)

 

 

 

 

 

第一局終了。次は、夢子の番だ。

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