魔術師緑谷出久   作:ヤヤヤンヤ

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やっぱりオリ主視点で書きます。
オリ主のテンションが急に上がったりします。

ミミックさんの名前間違えてました。中の人の名前出してた。失礼しました。


入学だー

 

2月26日

私は雄英高校ヒーロー科の入学試験に来ていた。キョロキョロとして歩みを進めない兄さんを引っ張りながら石畳みを歩いている。あ、前の子がハンカチ落とした。

 

「ちょっと貴女!」

「ん?」

 

茶髪のボブの少女が後ろを振り向く。麗日さんだ!かわいいー!おっと、冷静に冷静に。

 

「ハンカチ落としたわよ」

「あ!ホントだ。ありがとう!」

「いいえ、お互い頑張りましょうね」

 

麗日さんが顔を赤くし足早に会場に入って行った。雄英の入試だもん、緊張してるんだろうな。

 

筆記試験を終え、午後の実技試験の説明のため大きな会場に移動する。受験番号の案内に従い会場を進むと、隣の席はかっちゃんだった。兄さんとは連番だったからもしやと思ったけど、学校ごとに固まっているみたいだな。

 

「受験生のリスナー、今日は俺のライブにようこそ!」

 

スポットライトが点灯しボイスヒーロープレゼントマイクが現れた。いつもラジオ聴いてます。

 

「Everybody say hey!」

『ヘーイ』

 

兄さんと私だけが返事をした。周りから痛いほど視線を感じる。だって返事しなきゃ。プレゼントマイク悲しむよ?

 

「ありがとな受験番号2234ちゃんと2235君」

 

プレゼントマイクが手を振ってくれる。

 

「んじゃ実技試験の内容を説明するぜ」

 

実技試験は10分間の茂木市街地演習を行う。同じ学校の生徒は一人ずつ別の演習場に割り振られ協力できないようにされるらしい。演習場には仮想敵を3種多数配置してあり、それぞれ1ポイント2ポイント3ポイントと設定されている。他人への攻撃などアンチヒーロー的行動は禁止だ。

 

「質問よろしいでしょうか!」

 

前の方の席の男子が立ち上がる。あれが飯田くんか。

 

「オーケー」

「プリントには4種の敵が記載されております。誤載であれば、日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態。我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求め、この場に座しているのです」

 

真面目だー。

 

「オーケーオーケー。受験番号7111君、ナイスなお便りサンキューな。4種目のポイントは0ポイント。そいつはいわばお邪魔虫。各会場に1体所狭しと大暴れしているギミックよ。倒せないことはないが倒しても意味はない。リスナーには上手く避けることをおすすめするぜ」

「ありがとうございます!失礼いたしました!」

 

飯田くんが一礼し着席する。

 

「俺からは以上だ。最後にリスナーへ、我が校教訓をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った、真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者と。さらに向こうへ、Plus Ultra! 」

 

筆記試験の会場からジャージに着替えてバスで施設内を移動する。数分後演習会場に到着した。何でもかんでも大きいなここは。

 

ジャージのポケットからホウキを取り出す。これは所謂魔道具と呼ばれる物で、私がが一から手作りしました。作り方はまず近所から貰った木とコキアという植物でホウキを作る。ここで魔力を込めながら作るのが重要!次に飛行のルーンを記したアクアマリン(これも近所のおばあさんから貰った)を一つホウキに埋め込むと・・・あら不思議!空飛ぶホウキの完成!ちなみにホウキは大きさを自由自在に変えることができるためどこでも自由に持ち運べる。

 

閑話休題

 

ホウキに跨り開始の合図を待つ。

 

「はいスタート」

 

プレゼントマイクの合図と同時に地面を蹴り会場の中に入る。

 

「ガンド」

 

仮想敵の中には人は乗っていないらしいのでバンバン頭を撃ち抜く。キエェェ!!みたいな奇声をあげながら突進してくるから撃ちやすい。時々危なそうに見えた人をサポートする。レスキューポイントのこともあるけど、打算なんて考えるより先に身体が動くから助けちゃう。

 

突然轟音が響き渡る。周りを確認すると前方から巨大な0ポイント敵がビルを巻き込みながら進んでいる。いや大きすぎでしょ。そりゃあんなの見たら逃げるでしょ。崩壊した瓦礫に目をこらすと麗日さんが倒れていた。ホウキから降りて麗日さんの元へ急ぐ。

 

「大丈夫?」

「うぅ・・・」

 

痛みで返答できないか。まずはあれをどうにかしないと。

 

『止まれ』

 

干渉魔術の呪文を呟く。すると0ポイント敵の動きが止まる。急ごう、大きすぎて魔術の効きがいつまで保つかわからない。腕を強化して瓦礫を持ち上げ麗日さんを一気に引き抜く。

 

「救護テントに連れて行くから」

「ありがと・・・」

 

そう言うと麗日さんは気を失う。

 

「怪我人はこっちだよ」

 

救護テントには雄英高校の養護教諭を勤めるリカバリーガールが待機していた。麗日さんを一瞥すると傍に置かれた簡易テントを指さす。簡易テントに寝かさてもう一度仮想敵を倒しにいこうとしたが、アナウンスが鳴った。

 

「お疲れさん。あとはアタシに任せな」

「はい。失礼します」

 

こうして私の入学試験は終わった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「二人とも来てたよ!!」

 

引子さんが慌てて2枚の封筒を持ってくる。封筒を受け取りその場ですぐさま開封する。中には掌サイズの機械が入っていた。それをテーブルに置くと機械が作動し空中にモニターが浮かび上がる。

 

「私が〜・・・投影された!!」

 

うおっびっくりした・・・。

モニターにはマッスルフォームのオールマイトが映し出された。

 

「やあ久しぶり!諸々手続きに時間がかかって連絡取れなくてね、すまない。実は私がこの街に来たのは他でもない、雄英に勤めることになったからなんだ。え・・・何だい?巻きで?いや彼女には話さなきゃいけないことが・・・後がつかえてる?あぁわかった、OK」

「筆記試験は合格!実技は60敵ポイント」

「敵ポイント?」

 

一応流れにノっておかないとね。

 

「フッフッフッ・・・見ていたのは敵ポイントだけにあらず!レスキューポイント!これは審査制でね。我々雄英が見ていたもう1つの基礎能力」

 

一般入試の成績順に10人のランキングが出される。個人情報とかいいのかな・・・。私のレスキューポイントは73だった。え、なんか高くない?

 

「緑谷出久、133ポイント!おめでとう首席合格だ!来いよ緑谷少女、ここが君のヒーローアカデミアだ!」

 

映像が切れる。

 

「二人ともおめでとぉぉぉ!!!」

 

引子が号泣しながら拍手している。

二人ともってことは・・・・・・、兄さんに視線を向けるとサムズアップをしていた。

 

「おめでとう」

「出久もな」

 

そして引子さんは泣きすぎて脱水症状を起こし気を失った。

 

ーーーーーーーーーー

 

4月

私達は雄英高校の門をくぐる。

 

全国にあるヒーロー科の最高峰たる雄英高校ヒーロー科は倍率300倍という驚異的な数字でもわかるように狭き門。今年のヒーロー科は推薦入学者4名と一般入学者37名の合計41名からなる。例年は定員40名なのだが自由を売りにしている雄英らしく突然の定員変更で、A組が21名、B組が20名にわけられた。

 

「デケー」

 

教室のドアは3,4mくらいの高さがある。原作でも大きく描かれていたけど、ホント大きいな。その傍らに黄色の寝袋があったが見ないフリをしてドアを開ける。

 

「机に足を掛けるな!」

「あ“ぁ?」

「雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!」

「思わねぇよ。テメェどこ中だよ、端役が」

 

かっちゃんもうやってるよ。

気にせず自分の席を確認する。まあわかってるんだけど。

 

「げ、先頭かよ」

「寝ないでね」

「うい〜」

 

自分の席に向かう途中なぜか視線を感じる。何かついてる?おかしいかな?

 

かっちゃんと目が合う前に飯田くんと目が合った。

 

「おはよう」

 

飯田くんが顔を赤くする。風邪か!?登校初日に風邪なんてかわいそうな・・・!

 

「お、おはよう!俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」

「緑谷出久です」

「緑谷君、君は入試の構造に気づいていたんだな」

 

こうぞう?あ、レスキューポイントか。忘れてたよ。それはそうとかっちゃん、その顔もう敵って言っても差し支えないよ。

 

「あー!!あの時の美少女!」

 

椅子を掴もうとしたら誰かに手を掴まれた。そのまま持ち上げられ両手で握られる。誰だと思い顔を見ると麗日さんだった。

 

「受かったんだ!そりゃそうだ、めちゃ強かったもん!あ、私麗日お茶子!よろしくね!」

「げ、元気そうで良かったわ麗日さん」

「うぐっ!」

 

麗日さんが顔を手で覆う。

 

「お友達ごっこなら他所でやれ。ここはヒーロー科だぞ」

 

教卓に黄色の寝袋に入り無精髭を生やした男性が立っていた。

 

「はい、みなさんが静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね。担任の相澤消太だ、よろしくね」

 

相澤先生が寝袋から青地に白と赤のラインが入った体操服を取り出す。

 

「早速だが、これ来てグラウンド出ろ。更衣室はこっちのつきあたりにある」

 

引き出しにあった体操服を持ち、更衣室に向かう。

 

ーーーーーーーーーー

 

『個性把握テスト!?』

 

グラウンドに集合すると相澤先生からそう告げられた。

 

「入学式は?ガイダンスは?」

「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る時間ないよ」

 

いや私入試首席なんだけど。挨拶とかないのかな。

 

「雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側もまた然り。実技入試敵ポイントのトップは爆豪だったな」

 

原作で敵ポイントのトップとか言ってた?

相澤先生私が中学の体育テスト受けてないこと把握してるのかな。助かります。不登校で受けてないとか雰囲気暗くなるよね。

 

「中学の時ソフトボール投げ何mだった?」

「67m」

「じゃあ個性使ってやってみろ」

 

かっちゃんがボールを受け取り大きく振りかぶる。

 

「死ねぇぇぇぇっ!!!」

((死ね・・・?))

 

爆破の風圧で押されたボールがグラウンドを超え雑木林に落下する。相澤先生の手元の端末に705.2mと映し出される。

 

「705mってまじかよ!?」

「何これ面白そう!」

「個性思いっきり使えんだ!流石ヒーロー科!」

 

「面白そう、か・・・」

 

みんなの言葉に相澤の纏う雰囲気が変わる。あ、この雰囲気治崎さんが怒った時と同じだ。

 

「ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?・・・・・・よし、8種目トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」

『はあああ!!?』

「生徒の如何は俺達の自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

みんなは混乱し抗議の声を上げる。

 

「自然災害、大事故、そして身勝手な敵達。いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれている。そういうピンチを覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑しかたったならお生憎。これから3年間雄英は全力で君達に苦難を与え続ける。さらに向こうへPlus Ultraさ。全力で乗り越えてこい」

 

第1種目の50m走を始める。飯田くんが足のエンジンで3秒04という記録を出した。他のみんなも好タイムを出している。兄さん普通に走って7秒12とか入中さんの鍛錬の賜物だよね。

 

私とかっちゃんの番が来た。スタート位置に着き計測マシンの合図と同時に駆け出す。かっちゃんは両手を後ろに回し爆発を起こす。連続で爆発を起こすことで風圧に押され加速していく。

 

「4秒13」

 

私は元が遅いので時間操作で倍の時間に加速しても

 

「5秒02」

 

これくらいの記録だ。もっと加速させることもできるけど別に1位目指してないし。除籍にならないように頑張ればいい。

 

第2種目は握力。握力計を壊すほどの力を持つ人もいた。あの人が尾白くんだな。私は握力を強化し丁度100キロになるよう調節した。

第3種目は立ち幅跳び。魔道具のホウキを取り出し100mを記録した。

第4種目は反復横飛び。脚力を強化し100回を記録した。

第5種目はソフトボール投げ。ボールに飛行のルーンを書き投げるとどこまでも飛んでいき記録は∞になった。

第6種目は上体起こし。ここでは魔術を使わずにいたため25回を記録した。

第7種目は長座体前屈。この種目も魔術を使わなかったため60mを記録した。

第8種目は持久走(1000m)。再びホウキを取り出し飛行し1分を記録した。

 

「んじゃパパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明会場すんのは時間のムダなんで一括開示する」

 

順位を確認すると私は9位、兄さんは18位だった。兄さん地力で頑張って18位とかやばすぎでしょ。そして最下位の峰田くんは膝から崩れ落ち何かを呟き続けている。

 

「ちなみに除籍はウソな」

『は?』

「君らの個性を最大限引き出す、合理的虚偽」

『はあああああ!?』

 

峰田くんなんか驚きすぎて固まっている。

 

「あんなのウソに決まってるじゃない。ちょっと考えればわかりますわ」

 

峰田くんの後方に立つ八百万さんが呆れたように呟く。いやあれはマジだった。治崎さんと同じオーラ背負ってたもん。

 

その後、入学初日は午前中で終了のため私は帰る準備をしていた。

 

「緑谷君!」

「デクちゃん一緒に帰ろう!」

 

飯田くんと麗日さんが声をかけてきた。

 

「デク?」

「あれ?緑谷デクちゃんだよね?」

「出久と書いて出久と読むの」

「そうなん!?ごめん間違えてた!・・・・・・でもデクって“頑張れ!”って感じでなんか好きだ私!」

「!」

 

なんで嬉しいんだろ?かっちゃんに貰ったあだ名ってだけでもずっと大切にしてきたけど、麗日さんの言葉聞いた後だともっと「デク」が大切なもののように感じる。

 

「ふふっデクでいいわよ」

「うん!よろしくねデクちゃん!」

「えぇ。こちらこそよろしく、麗日さん飯田くん」

「あぁ!」

 

「もういいかー?」

 

そうだ、兄さん待たせてた。

 

「兄さん二人も一緒にいいかしら」

「おう」

「あのさ、デクちゃんは志村君のことなんで兄さんって呼んでるん?」

 

来た・・・!この質問絶対来ると思ってたよ。

 

「私達所謂施設育ちなの。兄さんとは家族みたいなものだから」

「そうだったのか・・・」

「ご、ごめん!言いたくない事言わせちゃったよね!?」

「気にすんな、気にされると逆にこっちが気ぃ使う」

『りょ、了解!』

 

二人が首が取れるんじゃないかってくらいに何度も頷く。4人で駅まで一緒に帰ってみどり園に着き郵便物を確認していた。

 

「来てたか?」

「確認中・・・・・・あった」

 

郵便物に紛れて宛名の無い黒の封筒が入っていた。開封すると隠し撮りされた私の写真が10枚ほどあった。

 

「相変わらずキメェな」

「ホント嫌になるわ」

 

かっちゃんと仲良さげに話している写真もあるけどかっちゃんだけ黒く塗り潰されていた。

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