魔術師緑谷出久   作:ヤヤヤンヤ

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ちょっと長めです


ちなみにかっちゃんは93点

ついにやって来た仮免試験当日!!!!

バスに揺られて数時間、国立多古場競技場に到着した。さすがに仮免となるとちょっっっとは緊張するようなしないような。

 

みなさんに中にはかっちゃんと話をしたのか気になっている人もいるんじゃない?聞きたい?聞きたいよね??私が学校に戻ったその晩にかっちゃんの部屋へ突撃した。異性の部屋へ行き来するのってバレたら怒られるのかな?まあ今のところ怒られてないからいっか。話を戻すね、突然したまではよかったんだけど、それからがさあ……かっちゃんってあんなに静かにキレられるんだね……。もう腹切りして誠意見せた方がいいんじゃないかってくらいに怒られた。私が一方的に悪いから正座で2時間、かっちゃんの説教を聞き続けた。みんな知ってる?2時間も正座すると足の感覚って無くなるんだよ?指で押しても何も感じないんだよ?治癒魔術で治すのはしなかった。だってかっちゃんが私のために怒ってくれたことが無駄になる気がしたから。そんなわけでかっちゃんの機嫌も元通りになって以前のように話しかけてくれる。今回のことでかっちゃんは怒っていることさえも隠すことができる、というかっちゃんの新たな生態を知ることができたのだった……。

 

閑話休題

 

仮免試験は全国からヒーロー科生徒が参加しているので駐車場にはめっちゃバスが停まってる。こんなに大型バス見たの初めてなんだけど。

 

「全員注目してくれ」

 

おっと、相澤先生が話し始めるみたい。

 

「この試験に合格し仮免許を取得できれば、お前ら卵は晴れてひよっこ、セミプロへと孵化できる。頑張ってこい」

「しゃあ!!成ってやろうぜひよっこによぉ!!」

 

上鳴くん元気だなぁ。切島くんも円陣しようとして……誰あの声も身体も大きい人。あ、士傑高校のよあらしいなさ?だった気がする。仮免試験編ギャングオルガがかわいいくらいしか覚えてないんだよね〜。ラミィちゃんはわかるよかわいいから。でもこのラミィちゃんトガちゃんなんだよね。

 

「どうも、大変失礼いたしました!!!」

 

うおっ。腰を90度以上曲げて頭と地面とがごっつんこしてる。ヤバいなあの人。

 

「あいつうるさいんだけど……」

 

兄さんが耳を押さえて顔を顰めている。

 

「やる気が有り余ってるのよ」

「俺あいつムリだな。そり合わなそう」

「・・・・・・確かに」

 

雄英大好きっす!!!と頭から血を流しながら笑顔で話す、というより叫んでいる。あれは合う人の方が少ないんじゃ……。

 

士傑高校の人達が会場に入っていくとまた別の高校の人達が近づいてきた。生徒の一人、黒髪の人が上鳴くんと握手しながら傑物学園高校って言ってる。あの黒髪の人腹黒だった気がする。

 

「はっ!!!」

 

なんか兄さんが言ってる。

 

「被ってる!アイツ色々被ってる!!」

「被ってない被ってない」

「だって黒髪爽やかイケメン!!!」

「兄さんは黒髪脱力系イケメンでしょ」

 

兄さんには爽やかのさの字もないよね。

何をもって被ってると思ったんだ?黒髪???

 

先生に急かされ競技場内の更衣室でコスチュームに着替え、会場に入るとヒーロー科の生徒でごったがえしていた。公安委員会の職員さんが説明を始める。試験内容は原作と変わらず受験者1540人一斉に勝ち抜けの演習を行うそう。そうだ、兄さんに雄英潰しのこと言っとかなきゃ。

 

「兄さん兄さん」

 

小声で兄さんを呼ぶ。

 

「ん?」

「耳貸して」

 

兄さんが少ししゃがんで耳をこっちに向けてくれる。雄英潰しのことを話すとうえぇと顔を顰める。

 

「お前1番狙われるんじゃね?」

「そうね、でもまあ大丈夫よ」

「だな。俺もこれあるしなんとかなるか」

 

そう言って腰に挿した拳銃型のスタンガンを触る。またビリビリの犠牲者が増えるのね……。出力に注意しなよ。

 

「条件達成者先着100名を通過とします」

 

会場正面のスクリーンに一次試験合格者100名という文字が映される。2人倒せばいいならちょっとお話ししてからでも間に合うよね。

 

「展開後ターゲットとボール配るんで、行き渡ってから1分後にスタートします」

 

会場の天井が開いていき、競技場内に建てられた様々な建物が見えるようになった。

 

「各々好きな地形、苦手な地形あると思います。個性を活かして頑張ってください」

 

これ建てるの何円くらいかかったんだろう。職員さんお疲れ様です。

 

受験者はそれぞれ高校ごとに集まってぽいな。でもなー雄英潰しがあるなら上にいた方が狙われにくいよね。ホウキ・改を投影し跨る。

 

「兄さん」

「ういー」

 

兄さんが乗ったことを確認して地面を蹴って飛び立つ。

 

「緑谷君固まって動くべきだ!」

「ごめんなさい飯田くん、二人の方が動きやすいの」

 

私達の後に続いてかっちゃんと轟くんも別行動するみたい。あ、かっちゃんを追いかけて切島くんもみんなから離れた。まあ切島くんとかっちゃんなら大丈夫でしょ。肉塊になったら笑ってあげよ。

 

『第一次試験スタート』

 

アナウンスがあると続々と他校の生徒達が姿を現す。わお、そんなにいっぱい隠れてたの。

 

「飛べるのはアンタだけじゃねぇんだよっ!!」

「体育祭1位なんて狙うしかないでしょ!!」

 

前から羽根を生やした生徒が二人やってくる。

 

「はいビリビリー」

「「ギャア!!!!」」

 

急いでスタンガンで失神した二人に落下しないよう飛行のルーンを書き、空中に浮かせる。なんで前後で挟まず前から来たんだろう。いけると思ったのかな。

 

「あーらら、出力最大になってたぽいな」

「早くボール当てちゃいましょ」

 

ポンポンとターゲットにボールを当てていく。これであと一人か、楽勝だな。兄さんにはここで降りてもらって私はトガちゃんに会いに行こうっと。

 

「兄さん、ここから別行動でもいいかしら?」

「りょーかい」

 

ビル区画で兄さんを降ろし、トガちゃんを探す。たしか原作は地割れしてるところだったような。

 

ᛒᛖᚱᚴᚪᚾᚪ(ベルカナ)

 

その辺で拾っておいた小石にルーンを書くと、トガちゃんがいる方へ細い線のようなものが伸びる。それを辿ると……お、いたいた。トガちゃんも私に気づいたようで満面の笑みでこっちを見ている。あ”ー行きたくない。ターゲットにボール当てられないように広めに結界張っとこ。あと血も吸われないようにね。ゆっくり降下しトガちゃんの目の前に降り立つ。さてと、他校の人達が来る前に早く済ませなきゃ。

 

ガンッ!!!

ボールが結界に弾かれ地面に転がる。

 

「あらぁ?」

「降りて速攻で仕掛けるなんて、やっぱり敵は怖いわね」

「!……気づいてたの?」

「えぇ、もちろん。気づかない方がおかしいくらいだったわ」

 

夜嵐くんの後ろからめちゃくちゃ熱視線を送ってくれてた。多分兄さんはトガちゃん(偽ラミィちゃん)を私のファンだと勘違いして何も言わなかったんだと思う。ファン……、厄介ファンには違いないと思う。

 

「わかってるならちうちう、させてくれる?」

 

あくまでもラミィちゃんとして接するのね。バレたら即逮捕だから戻りたくても戻れないか。でも本物のラミィちゃんガチガチのギャルなんだよなぁ。峰不二子感を醸し出す前にギャル語が溢れてきちゃう系ギャルなんだよなぁ。

 

「考えごとなんて随分舐められたものね」

「実力差を鑑みてると言ってほしいわ。私の血が欲しいんでしょうけど無理よ。さっさとアジトに帰りなさい」

「良いわよ」

 

やけに素直だな。

 

「既に血は貰っているもの」

「!」

 

そう言ってトガちゃんが胸元から小さな試験管を取り出す。誰の血だ?まさか麗日さんの……?いや、トガちゃん対策でA組のみんなには防御魔術を張っていたから大丈夫なはず……。

 

「誰の血?……って訊いても答えないわよね」

 

トガちゃんがにっこりと笑う。わーいい笑顔ー。血取ったならもう退散してもらお。

 

『動くな』

「っ!」

 

干渉魔術で動きを止める。トガちゃんに近づいて持っていた3つのボールをターゲットに当てていく。

 

「はいおしまい。さあ帰った帰った」

「出久ちゃんちうちうしたかった…」

 

うわー自分の(変身した)顔が美女ってわかってるなこいつ。うるうると瞳を潤ませこっちを見てくる。

 

「諦めなさい」

パチンッ

 

指を鳴らすと同時に干渉魔術を解除する。用件は済んだし二次試験の会場に行きますか。グラウンドを後にし、会場に入るとざっと70人くらいの合格者がいた。兄さんはどこかな〜、お、肉まん食べてるな。1つ貰いに行こ。

 

「兄さん私にも1つちょうだい」

「遅かったな出久」

「えぇ、ちょっとね」

 

兄さんが無言で耳をこっつに向けてくる。話せと、わかったわかった。

 

「トガヒミコがいたの」

「あー・・・あの血吸うやつ?まさか朝の女か?」

 

こくんと小さく頷く。

 

「お前ほんと変なやつに好かれるよな……。もう一種の才能だと思うわ」

「そんな才能要らないわよ……」

 

二人して死んだ目になりながら肉まんを頬張る。この肉まん意外と美味しい。そうして兄さんと話していると続々と合格者が会場入りし、最後に飯田くんと青山くんが合格したのをスクリーンで見ていると公安委員会の職員さんが再登場する。

 

「えー……一次選考を通過した100名の皆さん、これをご覧ください」

 

一次試験の会場がスクリーンに映し出される。あー爆破か。何が起こるのか思い出した瞬間、ビルが爆破され崩壊し始める。わーー予算の無駄遣いだー。

 

「次の試験でラストになります。皆さんにはこれからこの被災現場でバイスタンダーとして救助演習を行ってもらいます」

 

バイスタンダーっていうのは救急現場に居合わせた人のことだよ。一次試験を通過した私達は仮免許を取得したと仮定し、この現場でどれだけ適切な対応ができるのかを試す、これが二次試験の内容らしい。

 

「おいっ、人がいるぞ!?」

「危ねっ!!何やってんだ!?」

 

スクリーンには崩れた建物の中に血を流した老人や子供が映っていた。

 

「彼らはあらゆる訓練で今ひっぱりだこの要救助者のプロ。Help us company、略してHUCの皆さんです!」

 

おじいちゃんが血糊持ってめっちゃいい笑顔でこっち見てる。

 

二次試験はポイント形式で行い、所持ポイントが基準値未満のポイントだった場合は試験不合格となる。まあこれも原作と変わらないね。

 

ジリリリリッ!!!!!!

 

突然会場内に火災報知器のサイレンが響き渡る。

 

「ヴィランにより大規模テロが発生、規模は〇〇市全域。建物倒壊により傷病者多数。道路の損壊が激しく、救急先着隊の到着に著しい遅れ。到着するまでの救助活動はその場にいるヒーロー達が指揮を取り行う。1人でも多くの命を救い出すこと。それでは…スタート!!」

 

開始の合図とともにみんな一斉に倒壊した建物の方に向かい始める。

 

私と兄さんはというと会場跡に残っていた。そしてかっちゃんと切島くんも。

 

「ば、爆豪!?何してんだ!早く行かねぇと!!」

 

切島くんはかっちゃんに首元を掴まれてる。うちのかっちゃんがごめんね、切島くん。

 

「うるせぇ。俺らがここに残ってりゃ避難場所がわかりやすいだろうが」

「な、なるほど!!」

 

かっちゃんの言う通り。みんな一斉に駆け出して行ったけど要救助者をどこに避難させるか、誰も相談してないよね(ていうか指示出す暇無かった)。この試験では会場跡に集まるかもだけど、本当の災害現場では土地勘が無いような場所に救助支援に行くかもしれないし、目安?目印?はあった方がいいと思うんだ。

 

「出久、ホウキ貸して」

「はーい」

 

ポケットからホウキを取り出し兄さんに手渡す。以前使っていたホウキは飛行のルーンを施してあるから、魔力の無い兄さんでも飛べるのである!!兄さんは崩壊の個性を使って瓦礫に腕や足を挟まれた人の救助に行くっぽい。

 

私は結界でも張っておこうっと。会場跡を覆うように長方形に不透明の結界を張る。これで万が一ギャングオルガのショッカー軍団がこっちに来ても結界で防がれて傷病者を守れる。……ショッカーって言っていいのかな?伏字にしなきゃダメ?

 

「デク」

 

かっちゃんが私を呼んだので振り返ると、どこか不安そう(みんなは真顔だって思うかもしれないけど、私は不安そうだってわかるんだよ!!!)。かっちゃんは救助演習がただ傷病者を非難させるだけだと思ってない。敵の対処も演習に組み込まれていると考えてる。そこで私が敵に立ち向かえるのか気にしてるんだ。神野でオール・フォー・ワンを殺したことで私だって多少は気を病んだ。自分の手が血に濡れた夢も見た。言ってなかったけどね。でも私は緑谷出久、主人公だからラスボス前の四天王レベルの敵を殺すくらいで根を上げてちゃダメなんだ。ギャングオルカなんてちょちょいのちょいなんだから。だから大丈夫という意味を込めてかっちゃんの目を見てにっこり笑う。

 

「……行くぞクソ髪」

「え?お、おう、緑谷ここ任せたぜ!」

「切島くんも気をつけて」

 

2人が去って数分、HUKの人を連れた生徒達がこっちに向かってくるのが見えた。兄さんが避難場所を設営したことを色んな人に伝えてくれたんだ。おじいさんを抱えた受験者の1人に近づく。

 

「傷病者1名、右足を捻っている」

「了解です。中に入ってください」

 

他の生徒にも結界内に入るよう促し、トリアージのため私も中に入る。

 

「うぅぅ……ままぁ…」

 

泣いている女の子に近づき、怪我の状態を確認する。外傷は特に無さそう。

女の子の前で笑顔を作りながらひざをつく。

 

「こんにちは、お姉さんとちょっとだけお話しできるかな?」

「……うん」

「今日はママとおでかけしてたの?」

「うん……、ままといっしょに、……ひっく、ままぁ…」

「大丈夫。ほらあっち見て」

 

女の子が背を向けている方を指さすと、そっちにはあけみちゃんいますかー!と叫ぶ生徒のそばに頭に包帯を巻いた女性がいた。

 

「……なんでわかったの?」

「これがあったからよ」

 

女の子が持っていたポシェットについていたAと書かれたキーホルダーに触れる。

 

「Aだからあけみちゃんかなと思ったの。さあお母さんのところに行きましょ」

 

女の子をお母さんのもとに送り届ける。その後も傷病者に扮したHUKの人達に話しかけながらトリアージを行っていった。トリアージが粗方進んだので結界内から出て兄さんと合流し、被災した傷病者の対応にあたっていると……

 

ドゴォォォォンッッ!!!!

 

どこからか爆発音がしたと思うと、いたるところで爆発が起こり出す。

 

『敵により大規模テロが発生。敵が姿を現し追撃を開始。現場のヒーロー候補生は敵を制圧しつつ、救助を続行してください』

「やっぱ来たか。出久どうすんだ」

「まだここの救助を優先するわ」

「りょーかい」

 

だって轟くんと夜嵐さんのいざこざをさせなきゃ勿体ないし。いざこざで審査員達ががっかりしてるところに颯爽と登場したいじゃん!

 

敵を倒しながら傷病者を避難させ、ある程度落ち着いたのは敵が現れて10分ほど経ったころだった。さーて、あっちはぐだぐだしてるかなー?

 

「兄さん行ってくるわ!」

「きばれよー」

 

ホウキ・改を投影してギャングオルカ達のところへ飛び立つ。あちゃー、会場跡の真横に現れたのか。原作でもそうだったのかな?

 

でもまあ結界張ってるから避難所は大丈夫でしょ。

轟くんはー…………いたいた。あらあら、敵役のギャングオルカを前に固まってるよ。

 

よーし、緑谷出久行きまーす!!

空中で投影していたホウキ・改を消して、降りるというより落ちる。轟くんのすぐ後ろにシュタッと着地する。緑谷選手、華麗な着地です!!

 

「ツッ!!」

 

ギャングオルカが構えを取る。やっぱりマークされてたか。

 

「これはどういう状況かしら?」

「緑谷……」

 

何かを耐えるような表情の轟くん。轟くんに近づき、左右のほっぺをバチンッと叩く。全世界の轟焦凍ファンのみなさん殺さないで!!仮免試験が終わったら全力で土下座するから許してください!!!

 

「!!?」

「落ち着きなさい轟焦凍。今貴方は敵を目前に何もしていない、ヒーローにあるまじき行為を行っているわ。いい?今ここにいるのはエンデヴァーの息子じゃない、ヒーローのショートよ」

「みどりや……」

 

この子と話すと時々加護欲そそられるんだよなぁ。さすが末っ子。私は微笑み、轟くんの右に移りギャングオルカに向き直る。

 

「ショート、私と協力して敵を制圧しましょう。モヤモヤは敵にぶつけるの!」

「ふっ……あぁ、そうだな」

 

さあさあ敵のみなさんにはご退場してもらいましょう!

 

「話はまだ終わってねぇっすよ!!」

 

あ、忘れてた。

 

「貴方がいると進まないのー!ごめんなさいねー!」

 

空中に飛行のルーンを書き夜嵐さんを避難所の方へ飛ばす。

 

「ギャングオルカは私がヤるから、轟くんは周りのショッカー軍団をお願い」

「ショッカー?」

「あの黒い奴らよ」

「了解、……助かった緑谷」

 

呟くようにそう言うと、轟くんはショッカー軍団に突貫していく。

クッ!!!皆さんどうかアゾらないでくださいぃぃ……!!!!

 

キィィィィン!!!!

 

ギャングオルカが超音波攻撃を仕掛けてくるけど、耳を二重に防御しているので何も感じない。

 

「ほう…、効果なしか」

「……ᛋᛟᚹᛖᛚ(ソウェル)

 

私とギャングオルカを円形に炎で囲う。このルーンの本来の使い方は、対象を炎で包んで燃やすんだけど、包めるなら囲うこともできるのでは?と思ったので、ちょっと弄ったら炎の壁を作れるようになった。まじもんの炎なので近づきすぎたら普通に燃えるよ。

 

そして手ににᚲᚨᚾᛟ(カノ)、足にᛖᚺᚹᚨᛉ(エワズ)と書き、強化魔術を付与する。どっちも火を意味するルーンで、攻撃した相手をあちっ!って火傷させたり、燃やしたりできる。対ギャングオルカにはもってこいのルーンなのだ!ルーンを書き終え即座に戦闘体制を取る。

 

「近接戦か、いいだろう」

 

ギャングオルカが構えを取った瞬間に距離を詰める。図体が大きいから懐には入りやすかった。鳩尾に一発かまそうとしたけど、身体を回して背びれ?尻尾?を私に打ちつけようとしてきたため咄嗟に避ける。やっぱり近接戦は分が悪いか。でも私に集中させておけばこれ以上の被害は防げるはず。

 

ギャングオルカに攻撃を仕掛け、相手からの攻撃は避けたり受け流したりする。今でもある程度軽く受け止められたりしているのに、強化魔術をかけていなければ、私の打撃なんてギャングオルカには擦りもしなかったと思う。でも炎のルーンのおかげでギャングオルカの体力は徐々に削られてる。懐に水入りのペットボトルがあるのが見えたけど、それを取らせる隙を与えないように攻撃を出し続ける。

 

ブーーー

 

「えー、只今をもちまして配置された全てのHUKが危険区域より救助されました。誠に勝手ではございますが、これにて仮免試験全行程を終了となります。集計の後その場で合否の発表となります。怪我をされた方は医務室へ、他の方は着替えて暫し待機でお願いします」

 

終わったー!!!

アナウンスが終わったため戦闘体制を解き、ギャングオルカに近づく。

 

「ギャングオルカ、ありがとうございました」

「良い動きだった。今からでもプロとしてやっていけるレベルだ」

 

うおっ!

拘束用プロテクターを外していたギャングオルカがおもむろに頭を撫でてくる。あ、撫で方優しい……。そういえばギャングオルカって子供好きだったな。

 

「あ、ありがとうございます・・・!」

 

手を離されたため、一礼し更衣室に向かう。Theパパって感じだった。ギャングオルカってば包容力がしゅごいよ!!

 

ーーーーーーーーーー

 

制服に着替えて、会場に設置された大きなスクリーン前で15分くらい待っていると、ようやく職員さんが現れる。

 

第二試験の採点方式を伝えられ、スクリーンに名前が映し出される。み、み、み…………あった。緑谷出久ってちゃんと書いてある。

 

「出久あったか?」

「えぇ、兄さんは?」

「俺もあった。勝己もあったぜー」

「!」

 

かっちゃん、いつもみどり園で子供達のお世話とか、地域のおじいちゃんおばあちゃんとおしゃべりとかしてたから、原作の救助中に暴言吐いて減点になってないんだ。

 

じゃあ轟くんは?こっちも原作みたいに拘束されずに敵の制圧してたから合格できてるんじゃ……。轟の文字を探す。と、と、轟焦凍……もあった!ていうことは全員合格できた!?

 

『続きまして、プリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されてますので、しっかり目を通してください』

 

「緑谷出久さん」

「はい。ありがとうございます」

 

貰ったプリントを眺める。

……ん?

 

「124点…?」

「は?」

「な、なにかの間違いかしら?」

「公安委員会がそんな間違いするか?」

「兄さんは何点だったの…」

「89」

 

………………。

 

「やっぱり採点ミスがあるわよこれ!」

 

な、なんで減点方式なのに加点されてるの!!?

わたし特段目立ったことしてないけど!!?た、たしかにギャングオルカと戦いはしたけど、それでも加点される意味がわかんないんだけど!!?

プリントを再度目を凝らして読む。

 

「なんて書いてあんだよ」

「災害発生時の初動や、傷病者への対応、戦況の見極め、仲間のフォロー等、今回の受験者の中でも、群を抜いて適切な対応ができていた、だって……」

『えー……言い忘れていましたが、HUKの皆さんや敵役の皆さんの評価が特に高かった場合、加点されている方もいらっしゃいます。決してこちらのミスではありませんので、あしからず』

「らしいぞ」

 

な、なるほど……。じゃあいい、のか。

 

最後に職員さんから仮免許取得に関しての諸々の注意を受けて、仮免許が交付されて、やっと仮免許試験の全日程が終わった。何はともあれ、1年A組無事全員合格できてよかったよかった!!

 




私ごと恐縮ですが、運転免許を取得しましたー!!
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