魔術師緑谷出久   作:ヤヤヤンヤ

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期末試験!!

 

保須市から甲府に戻る新幹線の中、私とグラントリノはある動画を見ている。ちゃんとイヤホンつけてます。

 

「なんだこれは」

「フェイク動画、CGで加工して本物のように見せる動画です」

 

ある動画というのは、原作で敵達に多大な影響を与えたステインの動画。連行される際ステインは気絶したまま、翼付き脳無も私が殺したはずなのに、映像では私が脳無に連れ去られそうになったのをステインが助けている。

 

「正さねば・・・、誰かが、血に染まらねば・・・、ヒーローを・・・、取り戻さねば、来い・・・来てみろ偽物ども・・・!俺を殺していいのは、本物のヒーロー・・・オールマイトだけだァ!!」

 

動画を巻き戻してステインの言葉をもう一度聞く。アニメの声と違う。別人の声だ。視聴者がステインの本当の声を知らないことを逆手に取ったんだ。多分、というか絶対、オール・フォー・ワンの仕業だな。この動画を見て敵連合に敵達が集まってくるんだ。してやられた感ハンパないんだけど・・・。オール・フォー・ワンのバカーー!!ハーゲ!ハーゲ!ハゲチャビン!!オールマイトにボコボコにされて豚箱にぶちこまれろ!!そこから一生出て来んな!!!

 

ーーーーーーーーーー

 

事務所に帰ってテレビをつけるとステインやあの動画のことばっかり。チャンネルを変えても変えても似たような内容だったのですぐ消した。

 

今日も今日とてグラントリノの特訓は続く。帰ってきたばかりとか言っちゃダメ。言い訳するな!って拳骨されるから。

 

「掠るようにはなってきたな。よし、スピード上げるぞ!」

「りょ、了解!」

 

特訓の他にもパトロールも行う。他のヒーロー事務所と情報共有なんかもした。ここら辺はグラントリノの事務所と何軒か先の事務所の二つしかないから一人で動くより連携した方が良いんだって。

 

ーーーーーーーーーー

 

一週間の職場体験が終わり、グラントリノとのお別れの時間がやって来ました・・・。

 

「短い間、でしたが、ひっく、お世話に、うぅ・・・、なりましたぁぁ・・・!」

「まったく、最後まで手がかかりおって」

「うぅぅ・・・グラントリノぉぉ!!」

「抱きつくな!老人を労れ!!」

「ごめんなさいぃぃ!!!」

 

居心地良すぎてずっと居たかった!!インターンでも来たい!!でも無理なんだよぉぉ!!

 

「じいちゃん、・・・俺ここ継ぐ」

「・・・!」

「だから、雄英出るまで待ってて」

「首を長くして待っとくよ」

 

兄さんとグラントリノが笑い合ってる。その横で号泣する私。ちゃっかり二人をスマホで撮影した。この写真は兄さんがプロヒーローになった時に渡そう。二人ともいい笑顔してるぅぅぅ・・・!!!

 

グラントリノに見送られ、雄英に直帰する。

 

「ひっく、ひっく」

「出久は泣き虫だな〜」

「だってぇ」

 

兄さんに手を引かれ教室に入る。涙全然止まらないんだけど!

 

「緑谷!?」

「ど、どしたー?なんかあったか?」

 

入り口近くにいた切島くんと上鳴くんが慌ててる。

 

「大丈夫、ひっく、職場体験が、終わっちゃって、ひっく、悲しいだけ、だから」

「そ、そうなん?」

「ば、爆豪呼ぶか?」

「大丈夫・・・!」

 

麗日さんや飯田くんや轟くんも心配して来てくれた。申し訳ない・・・。

 

私は泣いてるけど、みんなはステインについて話しているみたい。

 

「いつまで泣いとんだ」

 

かっちゃんが呆れた目で見てくる。も、もうちょっとで泣き止むから!

 

「・・・よ、よし!涙止まったよ!」

「・・・目赤ぇぞ」

「顔洗ってくる!」

 

始業まで時間がないので急いでトイレに駆け込む。急げ!急げ!

 

ーーーーーーーーーー

 

午後のヒーロー基礎学、職場体験直後ということで、ここ運動場γで救助訓練レースを行うらしい。オールマイト曰く、運動場γは複雑に入り組んだ迷路のような工業地帯になっているそう。

 

「5人又は6人4組に分かれて、1組ずつ訓練を行う。私がどこかで救難信号を出したら、町外れから一斉にスタート。誰が一番に私を助けに来てくれるかの競争だ!じゃあ初めの組は位置について!」

 

最初の組は、芦戸さん、飯田くん、尾白くん、瀬呂くん、そして私だ。グラントリノの特訓の成果存分に発揮しなくちゃ!

 

軽く身体を動かして、合図に備える。

 

数分後、オールマイトから渡された端末に救難信号が映し出される。よし、行くぞ!乗っていたタンクから勢いよく飛び出す。ホウキも無しで落ちるんじゃ!と思った?大丈夫!飛行魔術を発動させてますから!でもまだほんの短時間しか発動できないので、4,5メートル進んだら着地、進んだら着地を繰り返しながら救難信号の所まで急ぐ。

 

焦らず、でもスピードは全速力で走るくらいに。あ!オールマイトが見えた!落ち着け、油断しない、油断しない。・・・・・・よし!着地成功!

 

「フィニーーッシュ!!!」

 

数分後続々とみんながやって来る。

 

「ありがとう!そしておめでとう!」

「ありがとうございます」

 

オールマイトから助けてくれてありがとうと書かれたタスキを貰う。

 

「1番は緑谷少女だったが、みんな入学時より個性の使い方に幅が出て来たぞ!この調子で期末テストへ向け、準備を始めてくれ!」

『はい!』

 

全てのレースが終わり、更衣室に戻ってきた。

 

「疲れたー!」

「中々にハードだったわね」

「でもみんな結構動けてたね!」

「だね。緑谷とかめちゃくちゃ速かったし」

 

耳郎さんの言葉で視線が集まるのを感じた。

 

「ありがとう。でももっと速くできるよう頑張るわ」

「そういえば、デクちゃん今日はホウキ使わんかったね。なんでなん?」

「今日みたいな複雑な地形だと、空を飛ぶより建物の間を通った方が敵に見つかりにくいの」

「なるほど!」

 

みんなで話していると、隣の男子更衣室から峰田くんの声が聞こえてきた。絶対変なことだよ。

 

「八百万のヤオヨロッパイ、芦戸の腰つき、葉隠の浮かぶ下着、麗日のうららかボディ、緑谷のボンキュッボンなボディに、蛙吹の意外おっぱいーー!!!」

 

すぐに悲鳴が聞こえてきた。耳郎さんのイヤホンジャックが目にでも刺さったかな。

 

「デクの身体を妄想すんじゃねぇ!!!」

 

かっちゃんの怒号のあとにまた峰田くんの悲鳴が聞こえてきた。ありがとうかっちゃん。私の身体は君だけのものだから安心してね。

 

「デクちゃんニッコニコやん・・・!」

「爆豪ちゃんの言葉が嬉しかったのね」

 

ホームルームも終わったので帰ろうとしたら兄さんは用事があるらしく、今日は3人で帰った。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ただいまー」

 

夕飯の支度をしていると、兄さんが帰って来た。

 

「おかえりなさい」

「ん」

「用事って何だったの?」

「オールマイトからばあちゃんのこと聞いてきた」

 

なるほど。

 

「どうだった?」

「ん〜・・・、なんかじいちゃんに聞いてた話と大体一緒だったな。でもオールマイトの方が詳しかった。やっぱ弟子だからだな」

 

兄さんなんか嬉しそう。スキップして部屋に入っていった。夢でいいから会えたらなぁ。貴女のお孫さんはいい子に育ってますよって伝えられるのに。

 

ーーーーーーーーーー

 

セミの鳴き声が聴こえてくる今日この頃。え?早くないかって?だって普通に授業受けてるだけだったし。あと夏休みは林間合宿がありますって告知されただけだし。もうすぐで夏休みだけど、中間テストの次は期末テストがやって来る。期末テストは筆記試験の他に演習試験もある。先生達と戦うやつです。いつ中間テストしてたかって?してたよ、職場体験前に。でもそこまで特筆することではないかなって。

 

「「全く勉強してなーい!!」」

 

芦戸さんが楽観的に上鳴くんが悩ましげに声を上げた。頭の横に中間テストの順位が出てる。そういう仕様なんだろうね・・・。ちなみに芦戸さんは20位、上鳴くんは21位です。

 

私は5位でした。兄さんは2位だったはず。兄さん頭いいから。中学のときなんて教科書パラパラ読んでただけで満点だった。かっちゃんは4位って書いてある。

 

「はいかっちゃん」

「ん」

 

今日も今日とてお弁当をかっちゃんに渡す。今日は生姜焼きにしてみたよ!

 

いつものメンバーで食堂に向かう。なんとなんと・・・轟くんもメンバー入りしました!保須の事件から話すようになり、職場体験後に俺もいいか?と訊いてくれたので、もちろん!と麗日さんと飯田くんと3人でサムズアップした。

 

轟くんは本当にお蕎麦が大好きなんだなと痛感しました。だって毎日お蕎麦頼んでるんだもん。栄養が偏ります!と言ってお弁当をわけたこともある。美味いなって言ってくれて嬉しかったです!!

 

「デクちゃん?」

 

ハッ!いけないいけない。思考して手が止まってた。

 

「緑谷君大丈夫かい?」

「え、えぇ。大丈夫よ。気にしないで」

「そう?」

 

話題を逸らさなければ!

 

「そ、そういえば、演習試験って何するのかしらね?」

「突飛な事はしないと思うがな」

「一学期でやった総合的な内容」

「とだけしか教えてくれないんだもの、相澤先生」

 

今日は梅雨ちゃんと葉隠さんも一緒にお昼を食べてます。

みんなで話していると、突然兄さんが頭を下げる。そして頭の上を誰かの肘が掠める。

 

「チッ」

 

舌打ちが聞こえた方を見ると、B組の物間くんがいた。

 

「おいおいB組〜何しようとしたんだぁ?」

 

兄さんがすっごいニヤニヤしながら物間くんを挑発する。私も混ぜて。

 

「まさか、肘ぶつけようとしたのかしらぁ?」

「何を言っているのかな?勘違いも甚だしいね!これだからA組hグフッ」

 

拳藤さんに手刀を打たれて気絶した。

 

「ごめんなA組、こいつちょっと心がアレなんだよ」

 

仕方ないよ、他称雄英の負の部分だもん。

 

「アンタらさ、さっき期末の演習不透明って言ってたね。入試の時みたいに対ロボット演習らしいよ」

「ホント!?なんで知ってるの!?」

「アタシ先輩に知り合いいるからさ。聞いた。ちょっとズルだけど」

「ありがとう拳藤さん」

「いいよこれくらい」

 

そして拳藤さんは物間くんを引きずりながら去っていった。さようなら物間くんそのまま永遠に眠ってなさい!!

 

昼食を終え教室に戻り、みんなに対ロボット演習だと伝える。ごめんね、本当は先生達とバトルするんだ。

 

ーーーーーーーーーー

 

一週間後、期末テスト期間に入った。3日間の筆記試験の後に演習試験が行われる。筆記試験は問題ない。今回も出来的に4位か5位くらいだな。

 

実技試験会場中央広場に集められた。もちろんコスチュームを着て。

 

「それじゃあ演習試験を始めていく。この試験でも勿論赤点はある。林間合宿行きたけりゃ見っともないヘマはするなよ。諸君なら事前に情報を得て、何するか薄々わかっているだろうが・・・」

「入試みてぇなロボ無双だろ!?」

 

上鳴くんテンション高いな。

 

「残念!」

 

相澤先生がクビに巻いている捕縛布がモゾモゾ動いて中から校長先生が飛び出してきた。

 

「諸事情があって、今回から内容を変更しちゃうのさ!」

 

校長先生ちっちゃいな。

 

「これからは対人戦闘活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視するのさ!というわけで、諸君らにはこれから二人一組又は三人一組で、ここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」

「なおペアの組と対戦する教師は決定済み。動きの傾向や親密度諸々を踏まえて、独断で組ませてもらったから発表してくぞ。まず轟と八百万で俺と。次に緑谷と爆豪で・・・」

 

目の前にオールマイトが現れた。

 

「私が、する・・・!協力して勝ちに来いよ、お二人さん」

 

オールマイトが相手なんて最大出力の約束された勝利の剣撃てばいいのかな?

 

1戦目、切島くん・佐藤くんvsセメントス

2戦目、梅雨ちゃん・常闇くんvsエクトプラズム

3戦目、飯田くん・尾白くんvsパワーローダー

4戦目、轟くん・八百万さんvs相澤先生

5戦目、青山くん・麗日さん・兄さんvs13号

6戦目、芦戸さん・上鳴くんvs校長先生

7戦目、口田くん・耳郎さんvsプレゼントマイク

8戦目、障子くん・葉隠さんvsスナイプ

9戦目、瀬呂くん・峰田くんvsミッドナイト

10戦目、かっちゃん・私vsオールマイト

 

試験時間は30分。私達の勝利条件は先生にハンドカフスを掛けるかどちらか一人がステージから脱出すること。先生達はハンデとして体重の約半分の重りを装着する。

 

「かっちゃん作戦会議しましょ!」

「・・・・・・」

 

かっちゃんが何かのハンドサインをする。なになに〜・・・「お前が囮で、俺が逃げる」

 

「了解!」

((今のでわかったのか・・・))

 

みんなが顔を引き攣らせてる。どうしたの?

 

ーーーーーーーーーー

 

試験は順調に進み、最終試合。私達の番になった。ちなみに兄さんの試合は、兄さんの体術と麗日さんのガンヘッドマーシャルアーツで13号をガッチガッチに捕獲してた。麗日さんの目血走ってたなぁ・・・。うららかじゃない麗日さんもかわいいけど。

 

運動中βに入る。その間かっちゃんとの会話は一切無し。集中を高めているかっちゃんの邪魔なんてできないからね。

 

『緑谷・爆豪チーム演習試験、レディ、ゴー』

 

アナウンスが終わると同時に走りだす。かっちゃんのスピードに追いつくため時間操作で加速させる。

 

正面からものすごい勢いの突風、いや暴風だな。暴風が吹き荒れビルや歩道橋を巻き込んでいく。防御魔術を発動し壁を創り、風や瓦礫に当たらないようにする。風の抵抗凄すぎ!!ヒビはいりそうなんだけど!?暴風が止むと視界が開け、オールマイトが見えた。威圧感ハンパないよ!!

 

「かっちゃん、いくよ」

「・・・・・・」

 

3、2、1、0!

かっちゃんに認識阻害をかけ、素早く後退する。さっきまでいた所に大穴が空いた。

 

「これを避けたか!良い洞察力だ。爆豪少年は逃げたか。いや、緑谷少女が囮ということかな?」

「えぇ、その通りです!戦力的に考えればその方が効率が良いので!」

「素晴らしい!自らを客観的に捉えることが出来ているね!」

 

今の会話はオールマイトの攻撃を避けながらしてました。めっちゃ怖い!!乱波さんより速いスピードで拳を出してくるから避けるので精一杯!!これでハンデ付きってヤバすぎでしょ!?

 

「ヘイヘイ!避けてばかりじゃあつまらないぜ!」

 

かっちゃん早くぅぅぅ!!!

 

オールマイトの攻撃のスピードは落ちるどころかどんどん上がっていく。ヤバい!ヤバい!このままじゃ対応できなくなってくるよ!オールマイトいくらなんでもやりすぎなのでは!?

 

『緑谷・爆豪チーム、条件達成』

 

アナウンスがありオールマイトの動きが止まる。認識阻害を解くと、かっちゃんがゲートの外に佇んでいた。

 

『期末試験演習試験の全演習、終了』

 

「お疲れ様緑谷少女」

「あ、ありがとうございます・・・。でも避けることで、精一杯で、攻撃を仕掛けるタイミングが、なかったです。流石です」

 

息を切らしながらオールマイトと話す。

 

「ハッハッハッ!これでもNo.1だからね!」

 

オールマイトがいい笑顔でサムズアップする。いやホント、入中さんの訓練とグラントリノの特訓が無きゃ一発も避けれなかったと思う・・・。でもこれで期末試験終了!赤点じゃないといいな・・・。

 

 

 

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