演習試験の翌日、教室では芦戸さん、上鳴くん、切島くん、砂藤くんがお通夜ムードを漂わせていた。
「今回の期末テストだが、残念ながら赤点が出た」
か、上鳴くんが諦めて微笑みを浮かべてる・・・。
「したがって、林間合宿は・・・」
「全員行きます」
4人が生気を取り戻りた!よかったね〜。
「赤点者だが筆記の方はゼロ。実技で切島、上鳴、芦戸、砂藤、あと瀬呂が赤点だ。今回の試験、我々ヴィラン側は生徒に勝ち筋を残しつつ、どう課題と向き合うかを見るよう動いた。でなければ課題云々の前に詰むやつばかりだったろうからな」
深く頷く。本当ならオールマイトが敵とわかった時点で詰み確定だもん。
「本気で叩き潰すと仰っていたのは・・・」
「追い込むためさ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点取ったやつこそ、ここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ」
相澤先生すごくいい笑顔。ドSかな?ドSですね。
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「やって来ました!県内最多店舗数を誇る、ナウでヤングな最先端、木椰区ショッピングモール!!」
いえーーい。テスト明けにみんなで林間合宿に必要な物を買いに来ました。みんなと言っても10人くらいなんだけどね。兄さんはイベントがあるから無理で、かっちゃんはかったりぃから無理で、轟くんはお母さんのお見舞いなので来てません。かっちゃんに水着選んで欲しかったのにー!こうなったらどエロい水際買ってやる!どうせ着ないけど!
一緒来たものの、みんな目的がバラバラなので時間を決めて自由行動になった。それぞれ足早に売り場に向かった。・・・・・・さて、
「こんなの所で会うなんて、偶然ね」
後ろを振り返る。そこにはボサボサの白髪の美青年、死々倉滅が満面の笑みで佇んでいた。
「お茶でもしようか、緑谷出久」
某コーヒーショップに入店し、人目につかない奥の席に向かい合わせに座る。死々倉はアイスコーヒーを注文し、大量にガムシロップをぶち込んでいる。見てるだけで吐きそうなんだけど。
「何の用?ここに来た時から視線が煩かったんだけど」
死々倉はコーヒーを一口飲み、口を開く。
「先日のヒーロー殺しの件を謝りたくてね。君が倒してくれたのに、アイツが君の功績を台無しにした。すまない」
律儀に頭を下げる。・・・・・・なんだコイツ、キャラ違うんですけど。いや、これが通常なのか?あの時がおかしかっただけか?
「アイツって誰なの」
「オール・フォー・ワンさ。知ってるだろ?アイツの所為で僕の家に余所者が来た。ヒーロー殺しのシンパだ」
「・・・貴方、オール・フォー・ワンが嫌いなのね」
言葉の節々からそれがわかった。
「僕はアイツに協力してるだけだよ。僕は君を殺せるなら他はどうでもいいんだ」
ニチャアって笑ってる。初めて見たんだけどニチャアって笑う人。
「どうしてオール・フォー・ワンに協力しているの」
「何事を成すにも金と伝手がいるんだ。だから仕方なくだよ」
仕方なくをものすごく強調して言った。本当に嫌いなんだな。
「話は変わるけど、6年前貴方黒髪だった?」
「!」
目を見開き、口角を思い切り上げた。・・・やっぱりそうか。
「思い出してくれただね!!」
「あの時怪我した男の子が貴方なのね」
「あぁ、そうさ!僕が君に出会ったのは6年前の5月23日。強盗から逃げていた時足を擦りむいたんだ。でも君が僕を助けてくれたんだよ!」
「貴方ともう一人いたと思うんだけど」
「あの人は僕を贔屓にしてたおじさんだよ」
贔屓?・・・・・・まさか。
「・・・売っていたの?」
「昔は今よりずっと金に困ってたんだ。でもいい人だったんだよ?」
「そう・・・。色々教えてくれてありがとう。これで失礼するわ」
「内緒で頼むよ」
「えぇ」
飲み終わったグラスを片付け、店を後にする。
その後は何事も無かったかのように買い物をし、園に帰宅した。
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死々倉とのエンカウントは誰にも気づかれなかった。兄さんとかっちゃんには男の匂いがするとか言われたが、気にしないでと伝えたので深掘りはされなかった。
終業式も終わり、明日から夏休み。兄さんとアイスを食べながら園に帰ると子供達と遊ぶオールマイト(トゥルーフォーム)がいた。
「オールマイト、いらしてたんですね」
「お邪魔してるよ」
着替えてリビングに戻ると、オールマイトがチケットを渡してきた。チケットには「I・エキスポ招待状」と書かれている。
「これは?」
「I・アイランドって知ってるかい?」
「科学者が沢山住んでいる島ですよね」
「簡単に言えばね。そこに私の古い友人がいてね、今度開催される展示会に招待してくれたんだよ。同伴者2名まで良いらしいから、緑谷少女一緒に行かない?」
誘い方かわいいな。おじさんなのに。
「兄さんは断ったんですね」
「そうなんだ、折角誘ったのに・・・」
しょぼんってしてる。乙女か。
「でも私、体育祭で優勝した記念にそのチケット貰いました」
「え!?そうなの!?」
オールマイトが焦った顔をする。
「大丈夫です。申し出はお断りしたので、一緒に行けますよ」
「本当かい!」
「はい。かっちゃんが行きたそうにしていたので、譲りました」
かっちゃんに相澤先生からチケットを貰ったと話したら、いいなぁって顔してたから譲った。もちろん相澤先生には譲って良いと許可を貰ってます。
「そうか、爆豪くんもこういうものに興味あるんだねぇ」
「男の子ですから」
二人で暖かい目をする。
I・アイランドには3日後に出発するらしい。急だな。あとドレスもいるらしい。オールマイトから軍資金を頂いてしまったので、良いドレスを買います!ありがとうございますオールマイト!!
出久に着せるドレスどんなのがいいですかね?
私の的にはマーメイドドレスがいいんですけど、動き辛そうかな・・・。