NPCになりまして。   作:紅絹の木

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お久しぶりです。書けたので投稿します。

※お知らせ(2026/05/31)
感想やコメントなど、評価をいつもありがとうございます。励みになっております。
書く事に専念する為に、返信はお休みさせていただきます。
再開予定は未定です。

それでは、本文どうぞ。



クエスト:村を助けましょう3

 

 

 葬儀の様子を軽く見届けた後、私たちは村の方へ先に戻った。

 

 アインズ様は村全体をぐるりと見回った。何かを考えておられる様子だけど、全てを教えてもらえる訳じゃない。

 私たちはただ静かに、アインズ様の護衛に徹する。

 

 ……こう見回ってわかる事だが、法国は酷い事をする。助けに来られて良かった。

 

 そう、法国と言えばアインズ・ウール・ゴウンと敵対するんだよね。敵対する原因は、向こうさんの部隊とシャルティアが鉢合わせしちゃって、シャルティアが操られたから。

 あ〜、どうしよう。どうしたらシャルティアを操られないように、できるかな?そもそもシャルティアと一緒に行動できるかわからないのに、難しい。

 ……まずは、何とかシャルティアの初任務に同行させてもらおう。

 

 また村長さんの家に戻ってきた。

 村長さんの家の外には、葬儀を終えた村長さんが立っていた。アインズ様は再び村長さんの家で、情報交換してくるらしい。

 

「では、私も村人たちを手伝ってきます」

「ああ、行ってこい」

「ありがとうございます。ナナミ様」

「全てはアインズ様がお許しになられた事ですから。お礼は我らが主に」

「そうですか。ありがとうございます。アインズ様」

「いえいえ。お代はきっちり頂いていますので、お気になさらずに」

 

 村長さんはいくらかリラックスした顔で頷かれた。

 アインズ様と村長さんが家の中に入っていくのを見届けてから、アルベドとデス・ナイトに手を振って別れる。

 

 村人の所へ行く道中、五つの反応が近くにあった。

 そちらに目を向けると、エイトエッジ・アサシンが私についてくる。何の用だろう?

 誰にも見られないように、村人たちではわからない速さで森に飛び込む。森は音を立てず、私を受け入れた。

 私は木の後ろに立つ。見上げると、エイトエッジ・アサシンが五体、こちらの様子を窺っている。

 

「何の用?」

 

 代表して、一体が話し出す。

 

「アウラ様から、あなた様の護衛につくよう命じられました」

「そうなの?ありがたいや。じゃ、一緒に来てね。あ、不可視化はやっといてね」

「はっ」

 

 私はなんにもありませんでしたって感じで、森から村へ戻った。

 

 今日の分の葬儀は終わったけれど、まだまだ村には死体が転がっている。それらを集めて埋葬するのだ。死体を運ぶにも、穴を掘るにも人手がいる。

 私は急いだ。

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 夕方。

 土まみれになりながらも、ようやく仕事が終わった。

 村人たちとお疲れ様と労りあい、それからアインズ様の方へ帰路につく。

 

 アインズ様は汚れた私を見て「帰ったら風呂だな」と仰った。

 

「お風呂でしたら、スパリゾートに行ってみたいです!良いですか?」

「かまわん。……今後は私の許可がなくとも、自由に入ると良い」

「それは全シモべ……至高の御方々が創造した者たちに限り、伝えてもよろしいでしょうか?」

「ああ、良いとも」

「やった!ありがとうございます!何人か誘ってみます!アルベド、どうかな?」

「いいわよ。――ちなみに、アインズ様と混浴は……?」

「できないと思うよ?」

「せんぞ」

「ですよねー」

 

 また落ち込む事になったアルベドを、私は「ドンマイ」と慰めた。

 お風呂に呼ぶメンバーは、とりあえずアルベド、シャルティア、アウラの三人でいいかな?原作でも一緒にお風呂に入っていた仲だしね。

 

「ところで……なぜ、エイトエッジ・アサシンがここにいる?」

「彼らは……あー発言を許可する。どうぞ」

 

 エイトエッジ・アサシンたちもアインズ様とお話したいだろうと思い、そのチャンスをあげた。

 五体のエイトエッジ・アサシンのうち一体――私と話した彼だ――が、発言する。

 

「発言の許可、感謝します。私共はアウラ様から命じられ、ナナミ様の護衛につきました」

「そうか。アウラが……わかった。励め」

「ははっ!」

 

 嬉しそうな声色に、私は満足する。

 が、余韻を味わう間もなく、気配を察知した。

 

 相手方は数体。数も少ないし強くもない。けれど村人よりは強い。

 速さはそこそこ。これは馬に乗っているのかな?馬に乗っておらず、この速度を出せるならスピード型の種族か職業だね。

 

 とりあえず報告だ。村人には聞こえず、仲間たちに聞こえる程度の大きさで話す。

 

「――アインズ様、何者かがこちらの村に向かっています」

「ほお?詳しく話せ」

 

 先程手に入れた情報と加えて可能性もまとめて言う。

 アインズ様は鷹揚に頷かれた。

 

「わかった。それで、我々はどうするべきだと思う?ナナミ」

「はい。まずは村長さんに会いに行きましょう」

「それはなぜだ?」

「スキルや魔法を使っていないのに私が感知したという事は、相手方はすぐそこまで来ています。おそらく、見張りの村人が気づいていても、おかしくはありません。相手方に気づいた村人たちは村長さんに相談しに行くと思うんです。そして村長さんは……」

「――私に相談する、というわけか。仕方ない。最後まで、面倒は見るか」

 

 アインズ様はちょっと疲れた様子で、そう仰った。

 

 

 

 村長さんを探して、また村の広場に行く。

 ビンゴ!村長さんと数人の村人さんが、何やら話し込んでいた。

 村長さんはこちらに気づくと、難しい顔色から喜色に変わる。

 

「――行くぞ」

 

 アインズ様も気づいたのだろう。村長さんの方へ歩く。私たちシモベは付き従った。

 

 村長さんの話は、やはり村に迫っている集団の事だった。

 見張り台から直接集団を見た村人が言うには、その集団は馬に乗った戦士風の者たちのようで、こちらに向かって来ているらしい。

 アインズ様はもう一度、村人たちを助けることにした。

 

 

 

 まず村人たちは、村長さんの家に集まってもらう。その守りはデス・ナイトに任せた。

 アインズ様とアルベドと私、それに村長さんは村人たちから前に出て、戦士風の集団を待った。

 

 村長さんの顔色は良くない。それでも震えず、目には力が入っていた。覚悟を決めたのかもしれない。

 

 

 

 やがて騎兵の集団が見えてくる。

 武装に統一性がない。全員顔は見えている。けれど装備の方は鎧を着つつ、アレンジされていた。武器は同じ造りの剣を持ちながら、予備武器を下げている。弓とかメイスとかね。

 

 騎兵たちのレベルは、村人たちよりも高い。が、私たちよりもずっと下だった。

 その騎兵の中で、抜き出ている存在を感じる。その人間の探して、顔を見た。

 

 ――ガゼフだ。

 

 アニメや、原作小説の挿絵と同じ顔をしている。屈強で、歴戦の戦士の風格があった。

 ――装備品で気になるものはないな……。確か、特別な指輪(マジックアイテム)を装備しているはずだけど、手袋のせいで見えない。

 

 騎兵たちは、デス・ナイトを警戒しつつ私たちの前までやって来て見事な整列をみせる。よく訓練しているな、と思った。

 その一行の中から、馬に乗ったままガゼフが進み出た。

 

 彼は村長さんを見て、デス・ナイト、アルベド、それから私を見る――ん?

 私を見た途端、目を大きく開いたんだが?

 

「あの、何か?」

「い、いや!何でもない。――ごほん!」

 

 ガゼフは改めて視線を動かす。最後にアインズ様に止まり、そしてガンを飛ばしてきた。

 鋭く射抜くような、そんな言葉が似合う視線だ。

 だが、アインズ様には効かない。そして私たちにも。

 男は口を開いた。

 

 リ・エスティーゼ王国の王国戦士長ガゼフ・ストロノーフと名乗り、この村の近隣を荒らしまわっている帝国の騎士たちを討伐するため、王の命令で来た、と。

 

 後ろの村長さん家から、騒めきが起きる。「あの王国戦士長だって……!」とか、「本物なのか?」とか疑う声だったり。「今まで何をしていたんだ」と静かに怒っている声も聞こえる。

 ガゼフにも聞こえているだろう。だが、彼はそれを受け入れていた。

 その上で背を伸ばし、顔を上げてやるべき事を成そうとしている。

 

 ……強いな、と思った。

 

 そしてガゼフは、アインズ様が村を助けた事を知ると、馬から飛び降りて、頭を重々しく下げた。「村を救っていただき、感謝の言葉もない」と、そう言うのだ。

 

 ザワリと村人たちが、また騒めく。

 確か、この世界では……だったかな?特権階級が身分も明らかではない人に頭を下げるのって、とんでもない事態なんだよね?

 この実直な姿を見て、アインズ様はガゼフが王国戦士長である事を、信じるんだよね。

 

 そして話は進む。

 村を襲った者たちを殺したのが、デス・ナイトだと知ると、ガゼフがアインズ様に鋭い視線を送り、観察するように動いた。

 

「……その仮面は?外してもらえるかな?」

「お断りします。――あれが、暴走したりすると厄介ですから」

 

 村長や、アインズ様の声が聞こえた村人たちの表情が、ぎょっと変わる。慌てふためき、恐怖していた。

 それを感じたガゼフが、重々しく頷く。

 

「なるほど……。取らないでいてくれた方が良いようだな」

「ありがとうございます」

 

 ――ここで私の探知に、また反応があった。

 すぐにアインズ様にご報告する。

 

「――ご歓談中に失礼します。アインズ様、ご報告したい事があります」

「わかった。少々お待ちいただけますかな?」

「私は構わない」

「わたくしも」

 

 アインズ様は、ガゼフと村長の言葉を受けて頷き、私の方を向いた。

 

「どうした?」

「周囲に接近する影あり。……村を囲むように近づいてきます」

「ほう」

「なんだと?それは一体どういう……」

 

 言葉を紡ぐ前に、一人の騎兵が広場に駆け込んでくる。

 彼は大声でガゼフに伝えた。

 

「戦士長!周囲に複数の人影。村を囲むような形で接近しつつあります!」

「!!」

 

 私の言葉が真実だったと知り、ガゼフは私を驚愕に彩られた目で見た。

 

 

 

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