趣味に没頭していたらいつの間にか囲まれてたって話 作:AZAZEL
ときのそら
敗因:
心情:
さあ、またみんなで予想してみよう!
ではほんへどうぞ
始まり
「へぇ、すいちゃんって幼馴染がいるんだ」
「そうなんだ〜、すいちゃん自慢の幼馴染なんだよ」
「すいちゃんがそこまで言うなら、一回会ってみたいなぁ」
「え"ッ?あ〜…で、でもこうちゃんちょっと変わってるって言うか…あんまり外ウケが良くないっていうか……」
「そうなの?」
「う、うん…いつもノート書いててね、全然こっち見てくれないんだ…だ、だから紹介はまた今度するよ!」
同じアイドル事務所に所属しているすいちゃんこと、星街すいせいちゃんにそんな話を聞いた
そう言えば皆にも頻繁に幼馴染君の話してるな〜……ちょっと気になる
大学も同じだって言ってたし、探してみれば案外見つかるかも……分かりやすいね、すっごいノートに齧り付いてる
「こんにちは〜、今平気かな?」
「あ、はい……?どちら様で」
「あっ……あ、ごめんね?私はときのそら、すいちゃんのお友達」
「ああすいちゃんの…あ?ときの……まあいいか…これはどうも、それでご友人さんが何で俺の所へ…?」
「すいちゃんが君の事をよく話してたから気になっちゃって…そしたらたまたま見かけたから、声を掛けてみようかなって」
「ほお…成程……ヌッ…へ、変な話とか無いですよね…?」
「全然ないよ〜、寧ろ君の事大好きみたいだよすいちゃん」
「あら^〜それはありがたい限りですね」
「それじゃあ私はそろそろ行くね、またね幼馴染君」
「はい、どうも」
あ〜危なかったぁ〜!大丈夫かな顔に出てなかったかなぁ、もしニヤけた顔とか赤くなった顔とか見られてたらどうしよう〜!でもあんな顔してるのは反則だよもぉ〜…すごく綺麗で、輝いてて、あんな無邪気な顔見せられたら……あぁ〜!!なんかもう思考がまとまらない!
ど、どうしよう…私、今すごく顔赤いかも……
自身の顔を両手で覆えば、頬の熱さがよく分かる……うぅ〜このままじゃ講義室行けないよ〜
「あれ、そらちゃんどうしたの?」
「あっ…す、すいちゃん」
「……?もう講義始まっまちゃうよ?」
「う、うん!すぐ行くよ、先に行ってて?」
「分かった〜」
……落ち着け私、確かに幼馴染君はとってもイケメンだった…けどまだ彼自身を知った訳じゃない…落ち着け〜落ち着け私〜
ふぅ……おさまってきた
まだ少し動悸があるけど、この位なら大丈夫
あっ…名前…
思考がこんがらがり過ぎて大事なものを聞き忘れてた……でも次の講義はすいちゃんと同じ、そこで聞くことにしよう
「ねえ、すいちゃん?幼馴染君の名前ってなんて言うの?」
「そう言えば言ってなかったっけ?志賀航輔、だよ」
志賀航輔…志賀君、か……ま、また…会えるかな
なんて思っていたら思いの外早くまた出会ってしまった……午後には必ずここに居るのが彼のルーティンなのかな
「こんにちは志賀君、今日もここに居たんだね」
「ああ、ええと…ときのさん、どうも」
すいちゃんの言う通り、視線はこちらへ向かない…視線はずっと彼が書き綴っているノートへ落ちたまま
確かにこれは変わった子かも
「そのノートって勉強用?」
「あー…そうと言えばそうだけど、正確に言うとちょっと違うかな…」
「へぇ、じゃあ何書いてるか聞いてもいい?」
「ダンジョン攻略の下書き、次に戦うフィールドボスの特徴とか注意行動をメモしてるんだよ」
「志賀君ってダンジョンに潜るんだ」
ちょっと意外かも…なんて言うと失礼かもしれないけど
でも攻略するにもメモとるところ、結構マメな性格をしてるのかな
「午後はいつもここに居るけど、講義は入れてないの?」
「ああ、午後からは大概ダンジョンに潜ってるからな…午前で全て終わらせられるような組み方をしてる」
「すごいねぇ、そんなにダンジョン好きなんだ」
「ああ好きだね、最っ高だ」
あっ……ま、またその顔……
鼓動が早くなるのも、顔が熱くなるのも嫌なくらいに分かる…こんな所で赤面を晒すのは流石に恥ずかしい
「そっか、じゃあ頑張ってね!私はもう行くね」
「ああ」
幼馴染君から急いで距離をとる……あ〜顔真っ赤!
なんでこうなのかな〜
「あれ、そら先輩顔真っ赤やん…どうしたんですか?」
「トワちゃん…!ちょ、ちょっと急ぎで走ってたら顔赤くなっちゃったのかも」
「そうなんですか」
あ〜顔見られた恥ずかしいぃ〜…!!こんな所でトワちゃんに遭遇しちゃうなんて…
「あれ、幼馴染やん…こんな時間にここにいるの珍しいな」
「トワちゃん彼の事知ってるの?」
「まあすいちゃんとも付き合いが長いですからね、自ずと…まあ変わったヤツですよ」
ふーん、そうなんだ……
思いの外、彼の事を知っている人は多いのかもしれない…変わった子だけど嫌な子では無いのは話せば分かる
「でもアイツ誑しだからな〜…」
「誑し……?」
「そうですよ、何かと女子と出かけること多いんですよ…すいちゃんはもちろんだけどフブキとかおかゆとか、しかも金は絶対出させないとか言うし」
「それはなんとも…凄いね」
確かにカッコイイし、そういう気の利かせ方をしてるのはモテるんだろうなぁ……
なんか……モヤモヤするなぁ
「ま、トワはそんなに関わったことないんですけどね」
「そっか、色々お話聞かせてくれてありがとね」
何でだろう……確かにあの表情は…す、好きだし…で、でも恋愛的な意味合いで好きって訳じゃ無い筈なのに……
少しの間、悶々とした日々を過ごしていた…その間にも幼馴染君とはよくお喋りをしていた
少し気が付いた事と言えば、彼は何かとお金を払ったり何かをしてあげたりするのが異常なくらい積極的だった
そうするのが楽しくてしょうがない様に見えるくらいに
「幼馴染君ってさ、よく女の子と出かけるの?」
「どうでしょうね……でも確かに、思い返してみれば多いかもしれませんね」
「この間は私ともお出かけしてくれたもんね?本当にお金は返さなくていいの?」
「当たり前じゃないですか、それじゃワi……俺がやりたかったからやったんです、別に要らないですよ」
「でもなんか悪いな〜って……ねっ、今度なにかお返しするからさ…何が欲しいか決めて?」
「それじゃスパチャの意味がなくなって……何でもないです、本当に大丈夫ですよ」
どうにかお返ししようとしても、頑なに受け取らない……何が彼をそこまでさせるんだろうか?
ただそんな彼でも、悪い気は何故かしない…なんだか、彼からの愛情を直接受け取れてるような気がして心地がいい……
って、何を思ってるんだろう私……
「……あっ、そう言えばすいちゃんが今度ライブするって言ってたけど…幼馴染君は行かないの?」
「あー…まあ行きたいのは山々なんですが、色々とやる事が立て込んでましてね」
「へぇ、そうなんだ…てっきり行くのかと思ってたよ」
「行かなくてもすいちゃんがいつだって頑張ってるのは知ってますから、それが分かってれば俺としては充分です」
「……ふぅん、そう…」
自分でも驚くくらい低い声が出てしまった……けど彼は気にした様子もなく、いつもの様にノートを書いている
嫉妬……?なんか、違う気がする…そういうのじゃない、もっと別の何か……今の私には
「……ねえ幼馴染君」
「はい、どうしました?」
「私もね、すいちゃんと同じ事務所でアイドルしてるんだ…今度、私のライブ見てみない?」
「ライブ…ですか?」
私は何を口走っているんだろう……別に私がアイドルである事なんて明かす必要なんかないのに、なのに口が勝手にそう言ってしまう
ただ、彼の動いていた手が止まったのを見て……少し、ほんの少し嬉しくなる
「うん、ライブってとっても楽しいんだよ?日常とはどこかまた違った世界観があって、普段の気持ちを忘れて楽しめるんだ……どう?一回でも来てみれば、きっと良さもわかるし…すいちゃんのライブにも行きたくなるかもよ?」
すいちゃんのライブなんて建前だ……私は、私のライブに彼が来て欲しいから言った
何でだろう、すいちゃんのことは嫌いじゃないし寧ろ好きなのに……どうしても、彼には私のライブに来て欲しい
「お誘いは有難いですが…如何せん予定がちょっと……申し訳ないです」
「あっ……ううん、私の方こそごめんね…幼馴染君の予定も聞かずに」
「いえそんな、謝る事じゃないですよときのさん」
ときのさん
今の私にはとても響く呼び方……これくらいはいいよね…?
「……ねっ、そろそろ私の事も名前で呼んでみてよ」
「え"ッ……あっ、え〜」
「いやなの?」
「いやそんなまさか…そ、そらさん…で、いいですか?」
「ん〜、まあ及第点」
「さ、左様で……」
あれから暫く時間が経ったある日の事、すいちゃんがいつも以上にご機嫌な様子だった
「…へへ、うへへ」
「うわっ、すいちゃんなんだにぇその笑い…」
「うわってなんだよ!いいだろ別にすいちゃんがどんな笑い方してようが!」
「もしかしていつもの幼馴染君?」
「そーなんだ~、今日久し振りに挨拶を返してもらったの!…しかもすいちゃんのライブに興味あるって言ってて~、もう嬉しくて嬉しくて…!」
えっ……あの幼馴染君が…?
一体どういう風の吹き回しなんだろうか……正直、内心混乱している
「えっ……挨拶久し振りに返して貰ったってなんだにぇ…」
「だっていつもはなんかノートを書き込んでるから、おはよって言っても曖昧な返事しか返ってこなくて」
あ、あはは〜…確かにそうだね
でもそれを傍から聞くと結構変わった子だよねぇ……
「なんだにぇそれ、アタシなら絶対関わらないにぇ」
「でも何だかんだすいちゃんの我儘を聞いてくれる時だってあるんだよ」
「へえそうなんだぁ…話を聞いてた限りだと全然何もしてくれないのかと思ってたよ」
「昔は遊びに誘ったりすればついてきてくれてたし、ご飯奢ったりしてくれたんだよ!でも最近はそもそも大学にあんまり来てなかったから、話す機会もなかったって言うか……」
ズルい、いいなぁ…私ももっと昔から彼と遊びたかった
すいちゃんの話を聞く度に心の底から湧き出てくるこの想い……なんだろう、昔もこれが分からなかった
「……まあアレだにぇ、恋する乙女は盲目ってヤツだにぇ」
「こ、恋っていうか…憧れって言うか……」
「でも彼、結構人気あるみたいだよ…寡黙だけど真面目だし、なによりカッコイイから」
実際、私の知らないところでも結構女の子との関わりがあるみたい……トワちゃんの言う通り『誑し』というのもあながち間違ってないかもしれない
本当、油断も隙もあったものでは無い
「えぇ!?そうなの!?」
「すいちゃんも早いとこ捕まえとかないと、突然どっか行っちゃうかもしれないにぇ」
ああ、ようやく分かった……私はずっと『羨まし』かったんだ
昔からの知り合いで、あの表情を一番間近で見られるその関係が
どうしようもないくらいに羨ましくて仕方がなかったんだ……
そして、すいちゃんのライブの日……彼はそこに居た
前とは打って変わってちゃんと私の目を見てくれる、素直に嬉しい
すいちゃんのライブが始まる……相変わらず客席は満員、事務所に所属して以来チケットが余った事など一度もない
彗星のように現れたアイドル、その例えが本当にしっくりくる
ふと、彼の顔を見る
あの
欲しい、とっても欲しい…その表情が、もし私へ向いていたのなら……私は……
「……?そらさん、どうしましたか?何か俺の顔に付いてますかね」
「……あっ!ごめんね幼馴染君、気のせいだったみたい…邪魔しちゃったね」
「ああいえ、大丈夫ですよ」
無意識の内に彼へ手を伸ばしていた様だ……いけない、少し落ち着かなきゃ
帰り際に次は私のライブに来るよう約束を取り付けられたのは大きい……これからのレッスンが楽しみになる
私も頑張れば、あの
いつか私にも……いや、私だけに向けて欲しいな
私も
ねぇ、すいちゃん?
ときのそら
敗因:一目惚れ
心情:私も欲しい
ワイ氏:かわいいは褒めるもの(王道を征く)
何かを拗らせた世界線のそらちゃん、私は好きです(迫真)
いつもより2、300文字少なくなっちった…でもキリがいいからね、しょうがないね
ではでは、またお会いしましょう