趣味に没頭していたらいつの間にか囲まれてたって話 作:AZAZEL
獅白ぼたん
敗因:
心情:
おなじみ、みんなも予想してみよう!
ではほんへどうぞ
始まり
「あの〜、すみませんがどいて貰えます?」
「おいおい嬢ちゃん、わざわざ裏路地を通ってるってことはそういう事なんじゃねぇのか?」
「違います」
「まあまあ何でもいいじゃねえか、俺達と楽しい事しようぜぇ〜?」
ウザい
失敗したな、近道だからって裏路地なんて使うんじゃなかった
ラミちゃんとの約束があるのに、こんなところで足止めを食らってしまうとは……誰もいないなら少しおいたをしてもいいかな
「うわ、ダル絡みじゃん怖〜^」
「ああん?なんだァてめぇ」
「今なんつったよ、ああ?」
「うるせえぞ浮浪者のおっさん、痛い目見たくなきゃさっさと路地裏に引っ込んでろカス」
「んだとテメェ!?」
「ガキが舐めんなよ!!」
「あっ、ちょっと…!」
挑発にのせられて男二人が走り出す
が、モノの数秒でこちら側へ吹き飛ばされてきた…頬には殴った痕跡がバッチリあったので、ブッ飛ばされたようだ
「筋力80のワイにおまいら如きが勝てるわけないだろ(至言)」
「……あ、あの」
「次からは気を付けろよ、裏路地なんて入ってもいい事なんぞ一つもないぞ」
それだけ言ってどこかへ行ってしまった……ちゃんとお礼言えてないのに
……あ、取り敢えず今はラミちゃんのところへ行かなきゃ…変に心配させても悪いし
「あっ!ししろんおそーい!何してたの!」
「ごめんごめん、ちょっと面倒なのに絡まれててさ〜」
「絡まれて?何かあったの?」
「まあちょっとね、でも通りすがりの人が解決してくれたから大丈夫だよ」
「そう?ならいいんだけど」
結局、あの人は誰だったんだろう…お礼くらいちゃんと言いたかったのにな
多分私と同い年か、一つ二つくらい上だと思うなぁ…もしかしたら大学で巡り会えるかもしれない
なんて思っていると、運命というものは何とも奇妙なものなのか
見つけたのだ、あの時助けてくれたその人が
食堂に一人座って、ノートを書いている
「あの、少しいいですか?」
「……え?あ、はい…なんでしようか」
「この間、裏路地で私が絡まれてるところを助けてくれましたよね」
「裏路地で……ああ、なんかダル絡みしてるのがいて煽った様な記憶が…」
「あの時はありがとうございました」
「ああ、その時にいた…何も無かったならなによりです」
「はい、同じ大学だったんですね」
「みたいですね」
最初のうちは顔を上げていたが、今はもうノートとにらめっこをしながら反応してくれてる
なんか変わった人だな、恩人にそんな事を言うのも少しあれだが
「お名前はなんて言うんですか?」
「志賀航輔」
「私は獅白ぼたんです」
「獅白か……獅白…なんか聞いた事が、何だっけな……まあいいか(適当)」
「志賀さんはよくダンジョンに潜ってるんですね」
「ああ、今世紀最大の楽しみだよ」
「そんなにですか」
「そんなにだ」
ダンジョンが大好きな様だ
確かにダンジョン攻略が好きな男の子なんて沢山いる…けど皆カッコイイところを見せたいとか、凄い遺物を見つけて自慢したいとか
そんなモノだと思っていたが……この人はダンジョンを『攻略』することを楽しんでるみたい
「志賀さんって珍しいタイプですね」
「何がだ?」
「だってダンジョン攻略をしてる人達って、有名になりたいとか…遺物で一攫千金みたいな、そんな人ばっかりだと思ってましたけど」
「まあダンジョンに潜る理由なんて、大方そんなもんだろ…まああのダンジョンへ惹かれる奴には、そんな俗物的な人間なんて居ないだろ」
「そうなんですか?」
「ああ、あのダンジョンをそんな理由で攻略しようなんて甘過ぎる…あそこは『攻略』を主体として挑まなきゃ、踏破なんて出来やしないのさ」
喋りながらも書く手は止まらない
それ程までに惹き付けられる何かがあるのかもしれない
少し前にトワ様を連れてダンジョンへ行ったことがあるが、トワ様がバテてしまって途中で引き上げた覚えがある
仕様上、体力や身体的な傷は付かないが…精神的な疲弊はかなりする場所になっている
「どれくらいのペースで潜るんですか?」
「毎日、早ければ講義が終わったらすぐに潜り始めて……多分夕方の19時くらいに引き上げてくる」
「え"っ……け、結構潜ってるんですね」
「これでも足りないくらいだけどな」
結構、頭おかしかった
世間一般では、ダンジョン攻略は1時間半…長くとも2時間でみな疲弊してしまうと言われてる
精神的疲弊はダンジョン攻略のスピードや、集中力に関わってくるので皆注意深く配慮している
「まあ、体調には気を付けて下さいよ」
「それは勿論……あの子にも何言われるか分からんしな」
「あの子…?」
「ああ、昔からの知り合いだ…何かと気にかけてくれてと俺としても助かってる」
成程、その人も大変だな
ただ、この人を放っておけないという気持ちも分からなくは無い……多分風邪をひいても体を引き摺ってダンジョンへ向かいそうな気がする
「昔、熱出してるのにダンジョンへ行こうとしたらその子と…その子の姉に拘束されて、寝かされた覚えがある」
「マジでやってたとは…」
「何の話だ?」
「ああいや、こっちの話です」
それから暫くの間、ふと思い立った時に食堂へ寄ってみて…志賀さんが居れば話す
そんな感じの、付かず離れずの距離感で接してきた
「し、ししろんさぁ?最近よく男の人と話してるって聞いたんだけど……」
「え?こうさんの事?」
「そうそう、多分そう」
「それがどうしたのラミちゃん」
「い、いやぁ…名前とか、なんていうのかなぁ…って、ちょっと気になって」
……おや?ラミちゃんの様子が、挙動不審だ
「もしかして何か助けて貰った?」
「ええ!?なんでわかっ…!ち、違う違う!別にそういうんじゃないから!お礼するのに名前知らないのは失礼だと思っただけだし!!」
「ラミちゃん顔真っ赤〜」
「うっさいわ!!!」
まさかラミちゃんまでも関わりがあるとは……しかもこの感じだと、結構な好感触
一体何をしたのやら……まあラミちゃん、チョロいところもあるからなぁ
「て事があったんですけど、何かしました?」
「覚えてないな」
「ですよね〜」
「青髪のエルフか……なんか見たような気もしなくは無いがなぁ、それが獅白の友人という訳か」
「そうですね、雪花ラミィ…って言うんですけど、覚えありませんか?」
「いや特に」
「そうですか〜」
ドンマイ、ラミちゃん
この人は多分こういう性格の人だから、許してあげて
うわっ…面倒なのが来た
「ああ?獅白じゃねえか…オイオイ、俺以外の男といるとはなぁ?」
「……何?何か問題でも?」
「あたりめぇだろ、お前は俺のメスだろ?」
「誰が?誰の?寝言は寝て言って」
この学園に入ってから付きまとってくる、獣人の先輩…多分、種族は同じライオン
こんなのが同族なんて嫌気が差してくる
「そこの男ォ!テメェもなに人のメスに色目使ってんだ!?ああ!?」
「ちょっと、こうさんは関係ないんだから巻き込むなよ」
これだけメンチを切られても全くもって、見向きもしないこうさんは最早尊敬すらする
それが気に食わなかったのか、この馬鹿はあろう事かこうさんを鉤爪で切裂こうと…腕を振るった
が…切裂いた筈のこうさんの腕は、まるで何も無かったかのように無傷
「…あれ、おかしいな…『黄金律の障壁』は発動している筈なのに……はは〜ん?どうやらお前は、俺にとって『害』にすらならないらしいな」
「て、テメェェェェ!!!」
何度も、何度もとてつもないスピードで切り付ける……しかし当の本人、こうさんに傷が付く様子は全くない
「おい、そろそろ迷惑だぞ」
「はぁ、はぁ…なんなんだテメェ!どうなってやがる!」
「あと獣臭い、俺に傷が付けられるくらいになってから出直してこい」
そう言いながら一発のデコピンをおみまいした
受けた馬鹿は物凄い勢いで吹っ飛んでいき、壁に衝突して気を失った様だ
流石に唖然としてしまった
「あちゃ〜、最近は攻略のペースが宜しくなくてなぁ…少しイライラしてて力加減を間違えちまったみたいだ、すまんな」
「……凄いですね」
「おい取り巻き共、あの伸びてるデカブツ連れてさっさと失せろ」
言われるとビクッと身体を震わせたあと、大急ぎで馬鹿を抱えながら食堂を出ていった取り巻き
……でも一切ノートから目を離さずに居た、こうさんにとってはその程度の事なのかな…
「……こうさんは凄いですね」
「そうか?」
「はい…何事も冷静に対処できるし、優しいですし」
「そう思われてるなら良かったよ」
「はい、私は尊敬しますよ」
我ながらチョロいと思う
まとわりつく面倒事をサラッと解決してくれたこうさんにトキメクとは…自分が思ってるより、自分は乙女気質なのかもしれない
とある日…ミオ先輩とフブキ先輩に誘われて、ミオ先輩宅にお邪魔してご飯をご馳走になることに
折角なのでラミちゃんも誘い、一緒に行くことに
事前に聞かされてはいたが、こうさんも居るとの事で…自分でも驚くくらい、心が浮ついている
「こうさんはまだやります?」
「獅白がやるならやるぞ」
「じゃあやりましょう……あっ、じゃあこうしません?次の勝負で勝った方が負けた方に何でも1つ命令する…どうですか?」
「成程、ちょっとした賭け試合だな…いいだろう」
多分勝てないだろうなって思いながらも挑んでみる
自分の負けず嫌いな気持ちと、罰ゲームの内容がどちらにしても私が得をすると言う楽しみも持ちながら
結果は惨敗だった、こうさん強過ぎる
「やっぱゲームも上手いんですね」
「それなりにな」
「じゃあ約束通り、私になにかお願い事を1つして下さい」
「いやぁ、特にな…」
「何でも、1つだけ…こうさんの言う事聞いてあげますよ?」
こうさんに近付き、膝に手を置いて口を耳元へ…そして耳元で囁くように言葉を発する
こういう事をしても困った様な笑いを浮かべるだけ、照れたりもしてくれない
私が行動しているのに、焦らされる気分になる
「ほら、早く…何でもいいですよ?」
「い、いや…別に無いって……」
「それじゃあルールを決めた意味が無いですよ、ちゃんと守らないと…ね?」
まあ最初から私が得をするように組んでましたから
狩りをするなら、確実に勝てる狩りしかする気はないし
「ちょっとぼたんちゃん、何してるの?」
「ミオ先輩……いや、なんでもないですよ…こうさんの肩にゴミが付いてたので取ろうかと思って」
「ふぅん?その割には随分距離が近いみたいだけど…?」
「そうですかね?」
「……まあいいけど、ご飯できたから食べるよ〜」
あちゃ〜…ミオ先輩に感づかれてしまった
流石にオオカミの嗅覚を侮ってたかな、でも少しはこうさんに意識させれたかな
………いや、この人は多分この程度では思わないだろう
本当に鈍い…色々と
ミオ先輩とフブキ先輩に作ってもらった夕飯を食べながら、お酒を飲む
今日のお酒はラミちゃん御用達の、めちゃんこ度数の強い日本酒……別にわざと買ってきたわけではない
でもそのおかげで、みんな早く眠ってしまった
「こうさぁん?お疲れですか?」
「いや全然、これくらいかわいいもんだろ」
「そうですかぁ、こうさんは優しいですね」
こうさんの隣に座り、思いっきり体重を預ける
でろんとなるくらいに、肩へ頭を乗せながら寄りかかる
「なんだ獅白、酔ってるのか?」
「ん〜?どうですかねぇ…でも気分はふわふわしてますよ、こうさんの匂い…いい匂いです」
「お、おう…そうか」
「んふふふ、ししろん酔っちゃったにゃ〜」
我ながらキツい…いや、正直これはないと思ってる
でもこの人はこれくらいしても表情一つ変えないし、かと言って嫌がる素振りも見せない
そんな事してると、私が食べちゃいますよ?
「おい、何してるんだ」
「いいじゃないですかこれくら〜い、減るもんじゃないですし〜……ん〜、ふふ」
「随分とご機嫌だな、獅白」
「そのししろっていうの、そろそろやめましょうよ?ぼたん、って呼んでくださいね」
「まあ、それくらいなら…いいが」
やった、言質は取れた……これで少しは関係性を深くできたかな?
酔ったフリをしてこうさんに抱き着き、首元に顔を埋める…いい匂い
普段周りにまとわりついてくる
私もそろそろ我慢がきかなくなってくるかもしれない、と言うよりもう今既に結構マズイ……
これでも我慢している方だと思うんだけど、私えらい
全く、いつまで経っても気が付かないっていうなら……私が、私の愛情に気が付けるくらいにその体に擦り込んであげてもいいんですよ?
獅白ぼたん
敗因:
心情:肉食全開
ワイ氏:攻略進まねぇ……理不尽クソ喰らえ(情緒不安定)
またケモ耳やねんな、ていうかケモ耳多くね?(キャラ的に)
いや、私は嫌いじゃないがね…まだケモ耳が続くゾ(予告)
ではでは、またお会いしましょう