チート持たされて無理やり異世界に飛ばされた話   作:白ノ宮

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主人公が情緒不安定で地の分も情緒不安定とかいう地獄。


1話

はいっ、始まりました。

どういったチートが与えられるかが不明でどんな世界観かもはっきりしていない。まさに何も知らない状態とはこのことですね。

 

ゲーム風に言えば初期位置になると思うんですがなんと城塞都市が見える草原がスタート地点になるようです。

 

取り敢えずなけなしの異世界知識として先人たちが何回も唱えたであろうあの言葉、せーのっ!

 

『ステータスオープンッ!!!』ブォンッ!

 

「うわっ、本当になんか出た!」

 

薄い青色の板に白い文字で色々書かれていて、試しに掴んでみたら持てた。

ただ、近づけることしか出来ない。これで武器のようにして色々活用することは不可能なようだ。

 

では早速みていこう。

 

─────────────

ナギサ・オオサキ

男 18歳

lv1

 

スキル・魔法

なし

 

特殊能力

鑑定 、言語自動翻訳 、約束されしチート 、亜空間倉庫

 

成長ポイント:4

 

──────────────

 

僕が転生された世界はステータスプレートは出るけどステータスに値が振られている訳ではないんだな。

 

さてさて特殊能力を一つ一つ鑑定していきますか。

オラッ、鑑定ッ!

 

──────

鑑定

 

調べたいものを目で見るか思い浮かべてながら鑑定を強く意識すると発動できる異世界御用達のスキル。これがあるだけで生存率が著しく上昇する。

 

──────

言語自動翻訳

 

目に入る文字や聞こえてくる言語が日本語に翻訳され、書いた文字や喋った言葉が異世界語に自動翻訳される。機能はオンオフ切り替え可能。成長ポイントを使用して拡張することで人族以外の言語もわかるようになる。

 

──────

約束されしチート

 

成長ポイントを使って得られる能力が常軌を逸したものになる。レベルアップ時の獲得成長ポイントが通常1なのに対し、4pt入手できるので割と低いレベルで強くなれる。金銭面はこれで解決できる。

なお、レベルアップの状況によって購入できるラインナップが増えていく。

 

──────

亜空間倉庫

 

異世界転移の定番であるアイテムボックス。色々突っ込みすぎてわけがわからなくならないように定期的に整理することを推奨。

 

──────

 

うん、チートだね。

 

という事でなんとなく理解したので早速成長ポイントを使ってみようと思う。

 

成長一覧来いッ!

 

────────

魔法無詠唱発動 2pt

全属性初級魔法 1pt

全属性初級魔法消費魔力0 1pt

全属性中級魔法 2pt

全属性中級魔法消費魔力0 2pt

──────

 

「うっわ...」

 

その一覧を見るとあの神様の言っていたすっごいチートという言葉がやっと理解できたような気がする。

 

まぁ、今のところ取れるスキルは攻撃系オンリーだし、シンプルに上から取っていくか。

 

【スキル獲得!魔法無詠唱発動・全属性初級魔法・全属性初級魔法消費魔力0 が追加されました。詳細はステータスにてご確認ください。】

 

「スキル獲得したからと言って魔力がわかるようになるわけじゃないのね...」

 

試しに手をニギニギしたり全身に力を入れて抜いてを繰り返しても、体が作り変えられた影響でいつもより体が軽く感じるだけだった。

 

あ、そうだ。一応初級魔法の詳細見とかないとね。どう言ったプロセスで発動するのかは分かってないし確認しとかなきゃならない。

 

─────

全属性初級魔法

 

炎・氷・雷・水・地・風・光・闇の8種類の初級魔法を発動することができる。初級のみ生活魔法としても活用できる。基本的に使い方をイメージしながら呪文を唱えるのだが、無詠唱の場合、

炎:小炎 氷:小氷 雷:小雷 と属性の前に小をつけるのだが、心の中で唱えても発動可能。イメージせずに唱えた場合失敗となり、発動しない。ただ、例外として水の場合は小海、闇の場合は小暗(しょうあん)となる。

──────

 

さて、周りに人もいない事だし試し撃ちしてみようか。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

人差し指と親指を伸ばし、他三本は握り拳を作る。所謂銃のポーズだ。

 

使う属性は水。

僕に考えられる鋭さを極めた弾丸に回転をかけて貫徹力を高め、人差し指の先から放つイメージで発動させる。

 

「世の恵みよ、我に悪鬼を滅ぼす力を与え給え。...神仏照覧、小海ッ!」

 

指先から現れた透明な水の弾丸が地面に向けて放たれた。無音で着弾したが、地表が小さいながらも抉れており、なかなかの高威力なのではないかと感じた。

 

ちなみに詠唱は即興だ。その割にかっこいいと思う...え?思わない?

 

...そんな事はどうでもいいのだ。取り敢えず街に入...そういえば街に入る際ってお金かかるのかな。だとしたらどこかで金目の物を集めないとな。

 

何かめぼしいものがないかとあたりを見回す。

この草原から城塞都市に向かうには森を抜けなくてはならない。どうしてそんなことがわかるのかというと、この草原は高台になっていて森の先に高い石壁がそびえ立つ城塞都市が見える状態にあるからだ。

 

幸い十分整備されたとは言えないが道が存在するのでそれに沿って森を抜けていこうと思う。道中でお金の代わりになりそうなものを入手しよう。魔物が出たら倒せそうだったら討伐、無理そうだったら逃走。逃走も無理そうだったらその時はその時だ。

 

 

森の中で続く道も途絶えることもなく、順調に進めている。左右どちらも似た景色ではあるが前方の奥には高い城壁が見えるので方向感覚が失われる事はないはずだ。

 

 

「ん...?なんの音だ?」

 

この先の道が曲がっていて先が見えないのだが、その方向から金属が激しくぶつかり合う音が聞こえてくる。こんなところに鍛治屋があるのか、あるわけないよな。という事は先人達が通ったあれか。初の異世界イベント、通称賊討伐イベント又の名を戦闘チュートリアル。

 

賊に誰かが襲われていたとしてもいきなり飛び入り参加するつもりはないが、気にはなるので見にいこうと思う。野次馬しにいくぜ。

 

「炎よ我に燃えたぎる活力を、小炎」

 

力というと炎属性な気がしたので炎属性魔法で身体強化を施してみたら案外うまくいったので強化された足で疾風のように件の場所へ向かった。

 

 

「おぉ、やってるやってる」

 

予想は的中し豪華な装いの馬車が賊に囲まれており、鎧を着込んだ護衛が汚そうな賊を相手に奮戦していた。作品では全滅か苦戦しがちな護衛達だが、僕の見る限り戦力が拮抗していて一進一退の状況であることがわかる。

 

両者共に戦意が高く、ここに突入したら逆にややこしくなる気がしたので現在僕は草むらの陰に隠れて戦いを見学しているわけです。

 

賊の使用している武器はボロい刃物で、護衛はまるで新品かのような剣。

手に汗握る攻防が観れるのかというとそうでもなかった。

 

なんか...そう、両者共に剣戟の際にフラついているのだ。

重心がしっかりしていないのか体が剣に振り回されている。

護衛の方は重厚そうな鎧を着ているからなおさら心配だ。

 

あれで戦意が両方高いんだから不思議な光景である。

まるで素人がへっぴり腰でチャンバラごっこをしているようにしか見えない。

 

あの賊を一掃する際に使う魔法は...風魔法にしておこうか。

 

「小風」超小声

 

回転ノコギリのようなものをイメージしながら後ろの木の葉っぱを狙って風の刃を飛ばすと枝ごとすぱっと切れた。怖っ!威力高っ!

 

賊が8人で継承者一人で護衛が11人。数の利は護衛側が勝っているのになんで互角なんですかね?




厨二病の経験が無い私はこのレベルの詠唱が限界だった。
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