IDOLY PRIDE 翼を広げて   作:秋空沙怜

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こんにちは、秋空沙怜です。なかなか更新が出来ず、そして寒い日が続いていますが、ようやく更新できました。今回も最後まで読んでいただけるとありがたいです。


思いと思い

 

 

 

「ちょっと!!どうするのよ!すみれもいないのに、ステージに立てるわけないでしょ!」

 

「それに、あの南って人、たぶん、すみれちゃんとスーミレちゃんを完全に間違えてるわ。」

 

「いいじゃない!だってこんなに楽しいことはないでしょ!それにあの人も言っていたじゃない。世界へ飛び立つチャンスだって。」

 

「そ、それは…」

 

「け、けどなぁ、スーミレちゃん、踊ったり、

歌ったりできるん??」

 

「わからないわ!けどやってみないとそれこそ何が起こるからわからないってやつよ!」

 

「でも、私たちは、優、すみれ、3人でTRINITYAiLEをやっているのよ。実力もわかっていない、あなたとライブをやっても、うまくいく保証なんて…」

 

「保証ね…失敗するからやらない。できないからやりたくない。それじゃ、あなたたちは、それまで止まりよ。」

 

「え?」

 

「目の前にこんなに楽しいことがあるのに、最初から自分たちでおもしろくしないようにするなんて、もったいないわ!!失敗しても、それを次に活かせばいいじゃない!なにも怖がることなんてないわ!」

 

「簡単に言うけどなぁ、そこまで甘い世界ではないんよ?」

 

「わかっているわ!この世に甘い世界なんて存在しないもの。だからやるのよ!自分自身の居場所を見つけるためにも。」

 

「自分自身の居場所を見つけるため…」

 

すると、瑠依はすみれと話した事を思い出した。

 

「(たしかに、ここで怖がっていたら、いますみれが帰ってきたら、合わせる顔もないし、何より、すみれのためにもならない。だったら)わかったわ!やるわ!」

 

「る、瑠依ちゃん??本気で言ってるん?」

 

「ごめん、優。けどここでこれを逃したらダメな気がして。だからお願い、私に協力して!」

 

瑠依の真っ直ぐな目をみて、優は、

 

「そこまでお願いされたら、断れへんわ。

よし!やったるで!!任せとき!」

 

「顔つきが変わったわねまぁ、すみれちゃんの居場所は、後で教えてあげるわ!」

 

「本当なんでしょうね?」

 

「えぇ、約束するわ!」

 

「わかった。(待っていてね、すみれ!)」

 

一方すみれは悪い夢に魘されていた。

 

「うぅ〜、瑠衣ちゃん…優ちゃん。」

 

すみれは真っ暗な世界で2人の背中を追っていた。

 

「もぅ、すみれ遅いわよ。」

 

「すみれちゃん先行ってるでぇ。」

 

目に光がなく真顔な瑠衣と優はすみれを待たず先に行こうとしていた。

 

「はぁ、はぁ、ま、待ってよ瑠衣ちゃん、優ちゃん(な、なんでこんなに足が重いの。)」

 

全力で走っているのだが、すみれは歩いてる2人に追いつくことがなかった、むしろ離されていた…

 

「や、やだよ2人と別れるなんて。瑠衣ちゃん、優ちゃん待ってぇ。」

 

「待ってぇ!!…はぁ、はぁ。」

 

すみれは悪い夢から覚め、額から汗がものすごく垂れていた。

 

「ゆ、夢…?なんだったの今の?」

 

先程の夢について考えていた。しばらくして外から扉をノックする音がした。

コンコン(扉をノックする音)

 

「スーミレ様、スーミレ様!大丈夫ですか!?すごく声がしましたが。」

 

「あわわわ!何でもありません大丈夫です。」

 

「そうですか。ならいいのですが。お食事の用意が出来ましたので大広間までお越しくださいませ。」

 

すみれ「わ、分かりました。すぐに行きます。(はぁ〜良かったぁ。)」

 

すみれはさっきの夢について一旦忘れ息を整え大広間へと向かった。

 

大広間のテーブルには豪華な食べ物が並んでいた。

 

「うわぁすごい美味しそう。」

 

目の前に並べられた料理を見てすみれは口からヨダレを垂らし目をキラキラさせていた。

 

「こらスーミレ。口からヨダレが垂れていますよ。早く拭きなさい。」

 

「はっ!す、すみません。」

 

すみれは正気に戻りヨダレを拭いた。そしてすみれはいただきますをし料理を食べ始めた。

 

「えぇ〜と(ここはお城の中だからぁ)うん、こうかな。」

 

「あらスーミレ、マナーが出来ていますね。さすがは私の娘ですわ。」

 

「あ、ありがとうございます。えへへ。」

 

「それより聞きましたよ。今日のスーミレ、なんか今までに比べてレッスン頑張っていたと。」

 

「ギクッ!」

 

女性からの言葉に少し驚いたすみれ

 

「今日はちょっと真面目にレッスンしようかなぁと思いまして。それにお見合いが上手くいくようにと…。」

 

察しられないようにすみれはとっさに嘘をつき誤魔化す顔をしてそっと目を逸らした。

 

「あらあらスーミレったら。明日もレッスン頑張ってね。」

 

女性はスーミレ(すみれ)の言葉に喜びを感じ笑顔になった。

 

「はい、頑張ります。ごちそうさまでした。ではお母様、お先に失礼します。」

 

すみれは女性にお辞儀すると早歩きで部屋に戻っていった…と思いきやすみれは1人のメイドに近寄り

 

「す、少しお時間よろしいですか?」

 

「はい何でしょうかスーミレ様?」

 

「ここでは話しづらいので部屋にどうぞ。」

 

すみれはメイドを部屋に招き入れた。

 

「それでお話とは?」

 

すみれは唾を飲み込むとメイドに恐る恐る話した。

 

「実は私…その…スーミレじゃないです。」

 

「そ、それはどういう意味ですか?」

 

メイドはすみれの言葉に疑問を持った。それに対しすみれはメイドに今日あった出来事を全て話した。

 

「そうだったのですかまさかスーミレ様そっくりの方がいたとは。だから今日のレッスン。」

 

「そうなんです。でも迷惑かけたくなかったので言いだせずすみません。」

 

「いえいえこちらこそ気づかずに申し訳ございません。ですのでお顔をあげてください。」

 

「そこでなんですけど、メイドさんに1つ頼みがありまして。」

 

「頼み事なら私に何なりとお申し付けください。」

 

すみれはメイドに頼み事を1つ話した、それは…

 

「私…瑠衣ちゃんと優ちゃんの所に戻りたいです。」

 

真剣な表情でメイドに頼みをしたすみれそれに対しメイドは

 

「承知しました。では今すぐ行きましょ。」

 

「えっいいんですか?」

 

「もちろんです。何がともあれ今日はあなたが

スーミレ様ですから。」

 

メイドは断ることなく即決ですみれの頼み事を笑顔で引き受けた。

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「ですがここはお城です。あなたがスーミレ様じゃないとバレてはいけないので、ここを出るまではスーミレ様になりきってください。いいですね。」

 

「分かりました。よろしくお願いします。」

 

「では支度の準備をすぐにここを出ますよ。」

 

「はい!」

 

すみれは部屋の中で城を出る準備をししばらくしてメイドと共に部屋を後にした。

 

広く長い廊下を歩き大広間を過ぎ誰にもバレることなく城の出口前まで着いた。

 

「もうすぐ出口です。あと少しですよ。」

 

「はい。」

 

メイドの笑顔にすみれは瑠衣の笑顔を重ねていた。嬉しかったのだろうか、すみれも笑顔になった。

そして2人は出口に着いた…とその時

 

「あらスーミレ、どうしたのこんな夜遅くに?」

 

突然の声に2人は足を止め後ろを振り返った。

そこには…女性の姿があった。

 

「お、お母様!?」

 

「何をそんなに驚いているのですか。スーミレどこかにお出かけになるのですか?」

 

すみれは女性に本当のことは言えずどうにかして嘘をつこうと慌てて考えていた。

その時

 

「夜遅くに申し訳ございません奥様。」

 

すみれの前にメイドが立った。

 

「メ…メイドさん?」

 

「大丈夫ですよすみれ様、ここは私にお任せ下さい(小声)」

 

安心したのか後ろでメイドのスカートを掴むすみれ

 

「どうされましたか?なんか理由でも?」

 

女性を前にして少し恐れ緊張しているメイド、しかし息を整え

 

「スーミレ様がどうしても夜の浜辺が見たいということなので私がお連れしようと思いまして。私が責任を持ってお守りいたしますのでご安心くださいませ。」

 

メイドの言葉少し違和感を感じた女性。しかしメイドの真剣な眼差しを見て

 

「分かりましたわ。今日はスーミレもレッスン頑張ったことですし許可いたします。スーミレのこと頼みましたわよ。」

 

「はい。お任せ下さいませ。さぁ行きましょ」

 

「はぁ〜。ありがとうございますお母様!行ってまいります。」

 

女性の許可が降り嬉しかったのか元気よく走り出した。それと合わせてメイドもすみれを追いかけるように走り出した。

 

「あっ!お待ちくださいスーミレ様。」

 

「あらあらスーミレったら(小声)。遅くならないように気をつけて行くのよ。」

 

「はぁーーい!!」

 

すみれは外に飛び出しメイドの車で瑠衣と優、2人のところに向かった。

その車内では

 

「さっきはありがとうございます。」

 

「いえいえこれくらいのこと当然のことです。それより早くすみれ様のお友達の所に向かいましょ。」

 

「はい!」

 

しばらく車を走らせた。

すみれは2人に会える喜びを感じだから外の景色を眺めていた。その時…

外に瑠衣と優、2人の姿を一瞬とらえた

 

「あっ!メ、メイドさん」

 

両手の平とほっぺを窓に押し付け慌ててメイドを呼んだ

 

「ど、どうされましたか、すみれ様!?」

 

「瑠衣ちゃんと優ちゃんがいました!」

 

「それは良かったです。すぐ近くに車を停めますので待っていてください。」

 

メイドはすぐ車を停めた。

 

「メイドさん、ここまでありがとうございました。」

 

「いえいえとんでもございません。お友達と再会できて良かったです。ここでお別れですが、お元気で」

 

「はい。では行ってきます。本当にありがとうございました。」

 

すみれはメイドにお礼を言い飛び出していきそんなすみれをメイドは嬉しそうに見送った。

 

「やっと…やっと2人に会える。」

 

すみれは疲れを忘れたかのように全力で走った。そして

 

「はぁ、はぁ、おーい瑠衣ちゃーん、優ちゃーん」

 

すみれは瑠衣と優の姿を目にした。2人の名前を遠くから何度も呼んだ。しかし

すみれは走るのを止め、その場で立ち尽くした。そこにはすみれには信じ難い光景が目に入った…それは瑠衣と優、そして今日すみれとぶつかって入れ替わった少女の3人がダンスの練習をしていた。

 

「嘘…瑠衣ちゃん、優ちゃん…なんで。」

 

その光景にすみれは1歩、また1歩と後ろに下がりそして後ろを向き涙を流しながら走り出した。その微かな音に

 

「ん?」

 

「…?瑠衣ちゃんどうしたん?」

 

「いや、今向こうに人影が。それに足音も」

 

「そう?うちには聞こえへんかったし本当にいたん?」

 

「私の気のせいだったかしら。」

 

「ほらそこ!何突っ立っているのよ続きやるわよ。」

 

「すぐ行きますぅ。ほら瑠衣ちゃん行くで。」

 

「えぇ(さっきの人影…誰だったのかしら?)」

 

すみれを見送ったメイドは車を出そうとしたその時後部座席のドアが開いた。そこには、見送ったはずのすみれがいた…

 

「す、すみれ様??どうされたのですか??」

 

「あはは…なんか私の見間違いだったみたいです。今日は、もう遅いですし、お母様が心配するので、もう戻りましょう。」

 

「よろしいのですか?もしかしたらという場合もありますし、お声をかけられてみては…」

 

「いえ…大丈夫です。大丈夫で…す…」

 

メイドはすみれの顔を見て涙を浮かべていたが静かに車を走らせはじめた。

2人は一言も話さず、家に着いてしまった。

 

「お着きになられましたよ。」

 

「ありがとうございます…」

 

すみれが車から降りるとそこには、スーミレのお母様が帰りを待っていた。

 

「おかえり、スーミレ。海は綺麗だったかしら?」

 

母親はすみれのことをそっと抱きしめた。そして、複雑の気持ちの中、すみれはスーミレになりきって答えた。

 

「それはもちろん!大変綺麗でした!今度は、ぜひお母様もご一緒してご覧になりませんか?」

 

母親は驚いたのかそれとも嬉しかったのか、初めてすみれの前で笑顔になった。

 

「そうね。次は私も行くわ。約束するわ!今日はもう、遅いから早く休みなさい。」

 

「わかりました。」

 

「スーミレのことを部屋まで頼みますよ。」

 

母親はメイドにすみれのことをお願いし、家に戻っていった。

 

「夜は冷えますね。さぁ早く中に入りましょう。」

 

「そうですね。」

 

メイドはすみれの後ろ姿を見て、寂しげな姿そして、悲しみに包まれているように見えた…

 

家の中に入り、すみれは部屋に戻り、ベットの上で、枕をぎゅっと握った。

 

「あの子がスーミレ、私の代わり…瑠依ちゃん…優ちゃん…みんな…もぅ私どうしたらいいか、わからないよ…」

 

すみれはさっき見た光景を思い出してしまった…あまりにも厳しい現実で1人の少女が背負うには受け止め難い、光景だった…





今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!次回は4月の頭ごろには更新します。
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