モブに厳しいこの世界で平穏に生きるのは1000%不可能 作:LEGION ONE
春になるというのにまだ寒い風が吹く街中、俺は近くのスーパーが特売日の為急いで向かっていた。急いで向かわないとすぐに歴戦の主婦たちによって取られてしまう……何としてでも獲得しないと!
「あの……私、親友を待たせているので……」
「いいから!なんなら親友も一緒に楽しもうよ!」
そんな時、近くでチャラ男が薄色のオレンジ髪をした中学生くらいの少女をナンパしていた。結構しつこらしくいくら断ってもチャラ男は諦めずにナンパしていた。
他の人たちは少女がナンパをされて困っているのをわかっているが皆んな見て見ぬふりをしていた。関わりたくない……みんなそんなことを思いながら通り過ぎている。
「(薄情な人達だな……)仕方ないなぁ……」
巻き込まれたくないのはわかるけど誰も見て見ぬふりなのはダメだろ……俺は呆れながらもナンパ男に近づくと男の肩を掴み少女との距離を放し、少女の前に立った。
「ッ!何するんだよお前!」
「いい歳した男が女の子をナンパしてるんじゃないよ」
ナンパを邪魔されたことに怒りを顕にしながらチャラ男はイラつきながら俺の事を睨みつけている。しかし、男の睨みつけに俺は全く気にする事はなく少女の方を向いた。
「(震えているな……ずっと目で助けを求めていたのに助けてもらえなかったからな……怖かったんだな)」
「おい!聞いているのかよ!」
「ん?」
少女のことを気にしているとチャラ男が声を荒らげながら俺を更に睨みつけてきた。
「すまない聞いてなかった。もう一度言ってくれ」
「テメェ……!俺がこの子と話しているのを邪魔しやがって!」
「大の大人が年の離れた少女に対してしつこくナンパしていたらそりゃ誰だって止めるだろ?それともなんだ?誰も俺の邪魔をしないとでも思っているのか?それだったら痛いね〜」
「なんだとォ!」
そう言って俺に掴みかかると拳を振り上げ、今にも俺を殴り掛かろうとしている。後ろにいる女の子も目を閉じてしまった。
「いいのか?みんなが見られている中で俺を殴って?」
「なんだよ……ッ!」
俺の言葉にチャラ男はなんの事かよく分からず首を傾げていたが、すぐに俺の言葉に気づき冷や汗をかいた。俺とチャラ男のやり取りに今まで無視を決め込んでいた通行人たちが立ち止まりスマホを取り出し撮影をしたり、コソコソと話していた。てか、コソコソと話すぐらいなら警察を呼んでくれよ……。
「なになに喧嘩〜?」
「なんかナンパを邪魔されたことにキレて男の子を殴ろうとしているらしいよ」
「うわぁ〜ちょう最低じゃん。これTwitterに載せようよ♪」
「いやーね……いい歳した大人が」
「親の顔が見てみたいわよね……」
口々に男性に対して陰口を呟く……いや、アンタらも人の事言えないぞ?見て見ぬふりをして騒動になってからスマホを向けたりして……そんな事を思っていると陰口が聞こえたのか顔を真っ赤にすると俺を突き飛ばした。
「……人間が考えていることってよく分からないものだな……」
「あ、あの!」
「あ〜?」
俺はそう呟き自分もその場から立ち去ろうとした時、ナンパから助けた少女が俺を呼び止めた。俺は気だるそうに少女の方をむくと勢いよく頭を下げてきた。
「あの……助けてくれてありがとうございます!私……怖くて……誰も助けてくれないからどうしようって思っていたので……」
「……別に鬱陶しいからあのチャラ男を退かしただけで……君を助けた覚えはない」
そういうと俺は再び歩き出すが、尚も少女は話を続けた。
「私!立花 響って言います!また何処かで会えたら!お礼をさせてください!」
ん……立花響……原作主人公じゃんかぁ!なんか見たことある子だなと思っていたけどまさか原作主人公だなんて!平穏な生活を望んでいるのに原作主人公と関わりを持ったら絶対原作に関わることになる!
「………………まぁ、会えたらな」
原作主人公ちゃんには悪いけど……個人的には会いたくないです……。そう思う戒だったが、原作主人公である立花響とすぐに再会することを知る由もなかった。
「つけられているな……」
無事に特売品を買うことが出来た俺は自宅に向かっているが、誰かにつけられている気配と憎悪の視線を感じて仕方ない……正直鬱陶しいんだけど。
このままつけられて自宅がバレたらなんか面倒くさそうだし……仕方ないな。俺はそう考え自宅とは別方向に足を進め人がいないところに向かい始めた。
「昼間はよくも邪魔してくれたなぁ!」
「あー……君だったか鬱陶しい視線を送って来たのは」
人がいない所に来ると昼間ナンパに失敗したチャラ男が現れ、俺を睨みつけてきた。どうやら視線の正体はコイツらしい……なんだ?昼間のお礼参りか?
「テメェのせいでナンパが失敗したじゃねぇかよ!どうしてくれるんだよ!」
「どうしてくれるって言われても……俺は困っている人を助けただけだよ?公共の場であんな執拗いナンパを……しかも中学生ぐらいの子をナンパして警察を呼ばれないだけマシだと思いなよ」
「この……!俺をバカにするんじゃねぇ!」
ナンパ男はワナワナと震え出しながらそう言うと黒色のバックルのような物を取りだし腰に装着した。
レイドライザー!
「お前、それを何処で手に入れたんだ……」
「フード被った奴に貰ったんだよ!俺を邪魔する奴を殺せる力って!」
そう叫んだナンパ男はポケットから青い狼の絵が描かれたデバイス『シューティングウルフプログライズキー』を取り出すと起動させ、そのままバックル『レイドライザー』に装填した。
バレット!
「殺してやるよ!クソガキがぁ!」
レイドライズ!
シューティングウルフ!
"The elevation increases as the bullet is fired''
その瞬間、レイドライザーから無数の針金の様なものが伸びナンパ男を包み込む。そして、俺の足元から出てきたサークルによって針金が弾け飛び、ナンパ男の姿が青色の鎧を纏い、右腕には大口径の銃が装備され、左腕には鋭い鉤爪の狼の仮面の怪人『シューティングウルフレイダー』に変貌した。
「レイダー……」
『ここで死にやがれ!!』
「ッ!」
SWレイダーは右腕の銃から青色のエネルギー弾を戒に向かって放つ。戒はすぐに横に飛びエネルギー弾を回避すると、金色と銀色、紫色に黒を基調とした扉のようなものが付いたバックルを取り出した。
「たく、やっぱり持ってきて正解だったな……!」
サウザンドライバー!
バックル『サウザンドライバー』を腰に装着すると、ポケットからアルシノイテリウムが描かれたデバイス『アウェイキングアルシノゼツメライズキー』を取り出し、左側のスロットに装填する。
ゼツメツ!Evolution!!
ドライバーから待機音が鳴り響き、戒はもう片方のポケットからコーカサスオオカブトが描かれたデバイス『アメイジングコーカサスプログライズキー』を取り出すと、前に突き出しスイッチを押した。
ブレイクホーン!!
「俺と同じキーを!?」
「君と同じキーだけど……その強さは桁違いだよ」
同じキーを使う戒にSWレイダーの驚くが、戒はそう言い右腕と前に突き出した左腕をゆっくり左右に広げる。
「変身……!」
そう小さく叫び展開したプログライズキーをベルト右側のスロットに装填する。その直後、ベルトのバックル部分が展開し左右に水色の円形のエフェクトが出現する。
パーフェクトライズ!
それと同時にドライバーからコーカサスオオカブトとアルシノイテリウムが現れ戒の周りを飛び回り、走り回る。そして、コーカサスオオカブトとアルシノイテリウムは戒に引き寄せられるように合体し、アーマーへと変化する。
When the five horns cross,
the golden soldier THOUSER is born.
黄金に輝くアンダースーツが形成され、次々に銀と黒のアーマーが装着される。最後に銀と黒の細長い鎧が頭部に装着され、5本の角となり紫色の複眼が顔に現れると、金色の波動が発生する。
"Presented by ZAIA."
戒は黄金の1000%の仮面ライダー『仮面ライダーサウザー』にへと変身した。
「な、なんだ……その姿は……!」
「仮面ライダーサウザー…… その強さは、桁外れだ」
「桁外れだと?変身したぐらいで調子に乗るな!」
SWレイダーはサウザーに対してエネルギー弾を大量に放つ。しかし、サウザーは向かって来るエネルギー弾を拳、蹴りなどで弾き飛ばしSWレイダーの攻撃を防ぐとそのままSWレイダーに接近する。
「ッ?!」
「悪いけど……もうとっくに調子に乗って痛い目見ているんだよ」
SWレイダーの間合いに入り込んだサウザーはパンチをSWレイダーに連続で叩き込み、右足、左足とSWレイダーの腹部に連続で叩き込む。サウザーの連続攻撃に後退するSWレイダーにサウザーは更に追撃にハイキックを喰らわせ、更に後退させる。
「グッ!だったら!」
後退したSWレイダーは狼の俊敏さでサウザーを翻弄しようとする。だが、サウザーはSWレイダーの俊敏さに驚くことはなく余裕な態度をしていた。
「なるほどね……だったら」
サウザンドジャッカー!
右手を前に構えると、金色の槍と剣が組み合わさった様な武器『サウザンドジャッカー』が召喚され、サウザーはサウザンドジャッカーを装備すると静かに構える。
「そこか」
「なっ?!」
静かに構えたサウザーは自身の背後に現れたSWレイダーの鉤爪で攻撃を振り向くことなくサウザンドジャッカーで受け止め、受け流しながらSWレイダーの背中を切り裂く。
「グッ!なんでわかった……!」
「殺気がダダ漏れだよ。奇襲をしたければ気配を消さないとね……!」
そういいながらサウザーはサウザンドジャッカーを振るい、SWレイダーを斬り裂き、連続の突き攻撃を喰らわせSWレイダーを吹き飛ばす。
「グァァァァ!?」
サウザーの攻撃にSWレイダーは吹き飛ばされ、地面に膝を突く。しかし、サウザーは地面に膝を突いたSWレイダーの近づくと腹部に剣先を突きつけ、柄に付いたレバーを引く。
ジャックライズ!
「あ?グッガ……!?」
すると、SWレイダーから青い電流が走り同時に、稲妻が恰も吸い取られるかのようにサウザンドジャッカーに集まっていく。そして、SWレイダーを蹴り距離を離し、サウザンドジャッカーに付けられいるメーターは、黒から青色に変化していた。
「お前!一体何をしやがった!」
「ただウルフのテクノロジーを頂いただけだよ」
「テメェ!これでも喰らいやがれェ!」
シューティングボライド!
SWレイダーはレイドライザーのボタンを押し、銃に蒼い炎の様なエネルギーを集束させるとエネルギー弾をサウザーに向けて発射する。
「そっちがそれなら……これだな!」
向かってくるエネルギー弾に対しサウザーはサウザンドジャッカーのトリガーを引きサウザンドジャッカーを振るう。
ジャッキングブレイク!
振るわれたサウザンドジャッカーから蒼いオオカミ型のエネルギー弾を撃ち出され、SWレイダーのエネルギー弾を迎え撃つ。ぶつかり合うエネルギー弾だったが、サウザーのエネルギー弾が競り勝ち、SWレイダーに着弾すると火花が散り、吹き飛ぶ。
JACKING BREAK!
©︎ZAIAエンタープライズ
「ガァァァァァァァ!」
大きく吹き飛んだSWレイダーは地面を何度も転がり、地面に倒れ伏せてしまう。しかし、体力が残っているのか地面に膝を突きヨロヨロと立ち上がろうとする。
「まだだ……まだ終わってねぇよ!」
「あそこまでやられてまだ倒れないなんて随分としぶといな。だが、これで最後だ」
そう言い放ちサウザーはドライバーに差し込まれたアメイジングコーカサスプログライズキーを押し込む。
サウザンドディストラクション!
「ハァ……ハァァァァァ!!」
駆け出すと同時に金色のエネルギーが集まって行き、エネルギーが最大になった瞬間にその場でジャンプし、SWレイダーに向けて飛び蹴りを放つ。更に踏み込むように連続キックを叩き込み、SWレイダーを大きく吹き飛ばす。
「ァァァァァァァァァァァァ!!」
THOUSAND DESTRUCTION
©︎ZAIAエンタープライズ
断末魔と共にサウザーの背後から大爆発が起こり、サウザーの紫色の複眼を妖しく照らす。SWレイダーは爆発と同時に変身が解除され、レイドライザーは破壊されキーは地面に転がった。
「やれやれ……一体誰がレイドライザーを渡しているんだろうな」
変身を解除した戒は地面に転がっていたシューティングウルフプログライズキーを拾うと、気絶しているナンパ男を見てため息を吐く。
「ま、今考えても答えが見つかる訳もないし帰るか」
誰がレイドライザーを渡しているのかという考えを辞め、遠くの方に置いてあった買い物バックを拾いその場から去って行った。
戒がその場から去って5分後、オレンジ色の髪の女性と青色の髪の女性、黒上の髪の男性の三人が現れ
「ここが爆発があったって報告がされた場所だよな?」
「そうみたいだけど……」
「あるのは爆発の跡と気絶した男性だけか……」
三人は辺りを見渡しているが、爆発の跡と気絶した男性だけという現場に首を傾げる。
「司令、他に反応とかありませんか?」
『いや、特に反応はないな。とりあえずこちらの方で詳しく調べる。お前たちは戻ってこい』
「わかりました」
青髪の女性が何処かに通信技している中、黒髪の男性が何かを破片を見つけ拾う。その破片は先程サウザーに変身した戒が破壊したレイドライザーであり、黒髪の男性はその破片を見つめ顔を顰める。
「(これって前の現場にも落ちていたよな……確かレイドライザーだったよな?なんで''シンフォギアの世界''にこれがあるんだ?)」
元々この世界にあるはずのないアイテムの破片が落ちていることに青年は不思議がっているとオレンジ髪の女性が背後から大声で青年の名前を呼ぶ。
「おーいヒロム〜!帰るぞ〜!」
「あ、あぁわかった!(ちょっと調べてみるかな)」
レイドライザーの破片を持ち帰ることにした青年……この三人がサウザーである戒と出会うのはすぐ先のことである。
戒「いや〜変身ポーズを練習しておいて良かった〜」
転生して最初の頃はノールックで変身出来るように練習していたけど、まさかここで役に立つとはな〜やっぱり練習は大事だな!!