「「
囚人番号910番 LP 8000
A LP 8000
「先攻は君で良い」
Aが右手で俺を指差す。そうですか, ならばお言葉に甘えて。
「マジック発動, 《龍の霊廟》。デッキからドラゴン族モンスターを墓地に送る。《アブソルーター・ドラゴン》を墓地へ」
デッキから提示された《アブソルーター・ドラゴン》のカードを取る。
「そして墓地に送られた《アブソルーター・ドラゴン》の効果により, デッキから《ヴァレット》モンスターを手札に加える。《ヴァレット・トレーサー》を手札に加え, そのまま召喚」
現れたのは, 赤きフォルムを擁した弾丸竜。両腕に装着されたロケットブースターを吹いて飛び回り, その軌跡が赤く光る。
ヴァレット・トレーサー
星4/闇/ドラゴン族・チューナー
ATK 1600
ここから展開しても良いが…如何せん手札が良くない。
相手の出方がわからない以上は, 慎重になるべきか。
「カードを3枚伏せて, ターンエンド」
TURN 1
囚人番号910番:手札 1
フィールド:
ヴァレット・トレーサー
伏せ3
「なるほど, そう出たか。僕のターン, ドロー」
Aの動作は無駄がなく, 手札にドローカードを加えて少し考える仕草をした。
「僕は《召喚師アレイスター》を召喚」
召喚師アレイスター
星4/闇/魔法使い族
ATK 1000
何やら紋章が描かれたローブを纏った魔法使いのモンスターが現れた。右手に魔導書, 左手に巨大な杖を構えている。
「アレイスターの効果を発動。デッキから魔法カード《召喚魔術》を手札に加える」
召喚魔術…?聞き慣れないカードだ。この時点でデッキから手札に加えたカードならば, 有用な展開カードに違いない。
「ふむ…君の力を試すとしよう。《融合》発動!」
青い渦のイラストを模したカードの立体映像が, 大きくフィールドに映し出される。そのカードの効果は, 説明されずとも知っているー果たして, どのようなモンスターが出てくるのか。
「場の《召喚師アレイスター》, 手札の《シャドール・ビースト》, 《エッジインプ・チェーン》を墓地に送り, これらの闇属性モンスター3体を素材とする。融合召喚!獣を力束ねし, 歪められし合成獣!《ガーディアン・キマイラ》!」
3枚のカードが紫色に染まり, 光として上空で渦となって絡み合った。闇の波動から顕現せしは, 黒い合成獣。ドラゴン, 鷹, ライオンの三頭から放つ咆哮は, まさに不協和音そのものだった。
《ガーディアン・キマイラ》
星9/闇/獣族・融合
ATK 3300
いきなり飛ばしてきたか。となると, このターンで押し切るつもりかもしれないな。
「墓地に送られた《シャドール・ビースト》の効果によって, 僕はカードを1枚ドローできる。そして《エッジインプ・チェーン》は手札から墓地に送られた場合, デッキから《デストーイ》カードを手札に加えることができる。僕はこの効果で, 《
そして, フィールドで素材とした数までフィールド上のカードを破壊できる。僕が選ぶのは, 右側の伏せカードだ」
キマイラの左上のドラゴンの頭部から炎が吐かれ, 俺の伏せカードー《聖なるバリア- ミラーフォース》を焼き払う。良いところを突いたと言うべきか。男はそれを一瞥するが, 気に留めない様子だった。
それよりも, 瞬く間にAの手札は補充されている。融合召喚はモンスターの消費が激しいが, キマイラ, 及び墓地に送られたモンスターの効果によって, 奴は手数を減らさずに済んだ。その様子を見るに, まだ展開する余裕は残っているはずだ。油断はできない。
「そして, 僕の墓地には闇属性モンスターが3体。《ダーク・アームド・ドラゴン》を特殊召喚!」
全身に刃を纏った, 力強いボディの龍が躍り出た。
ダーク・アームド・ドラゴン
星7/闇/ドラゴン族
ATK 2800
「さらに魔法カード《召喚魔術》発動!」
先ほど召喚された, アレイスターの効果によってAの手札に加わったであろう魔法カードが現れる。同時に, 地面に青い円形の魔法陣が現れた。円の内部には, Aの仮面に描かれていた文字と同じような形の文字が浮かび, 中央の菱形の図形が怪しく発光する。
「このカードはほとんど《融合》と変わらない…が。特定のモンスターを召喚する場合, 手札・墓地のモンスターを除外することで素材として扱う」
墓地のモンスターを素材に融合召喚か…珍しくないが, 厄介だな。
「僕は墓地の《召喚師アレイスター》と, 手札の《ジャイアント・レックス》を除外。悠久の時より大地を走りし巨獣よ。その力を捧げ, 大陸を覆す巨人とならん!」
Aが魔法陣を前に, 両手を空高く掲げる。魔法陣は《ジャイアント・レックス》のカードを取り込むと, その色を明るい橙色に変化させて輝く。今にも建物全体を揺らしかねない地響きとともに, 魔法陣の中央から岩柱が姿を現す。
「融合召喚!《召喚獣メガラニカ》!」
それは岩石とマグマを要した, 巨大な掌。腕が伸び, やがて巨体が姿を現した。その姿を仰げば, 収容所棟の天井にまで届きそうな岩の巨人が立ち尽くしていた。
《召喚獣メガラニカ》
星8/地/岩石族・融合
ATK 3000
「こんなデカイ図体で, ガーディアン・キマイラよりも攻撃力が低いだと?」
思わずそう言ってしまった。だが, Aは無反応だ。そのまま彼はターンを続ける。
「除外された《ジャイアント・レックス》は, そのままフィールドに帰還する」
巨人の隣に, 典型的な肉食恐竜の姿を模したモンスターが現れた。
《ジャイアント・レックス》
星4/地/恐竜族
ATK 2000
「さらに墓地の《召喚魔術》は, 除外されている《召喚師アレイスター》を手札に戻させる効果を持つ。この効果を適用した後, 《召喚魔術》をデッキに戻す」
なるほど, 墓地のモンスターを除外する効果は, 同時に自身を再利用する効果でもあるらしい。
「魔法カード《
1ターン目なのに, 相手の場が4体のモンスターで埋まる。このAという男。流石は所長,
さて。まだダーク・アームド・ドラゴンの破壊効果を使っていないわけだが。展開の流れから見るに, 弾は2発。さぁ, どれを狙う?
「ダーク・アームド・ドラゴンの効果で, 墓地の闇属性モンスターを除外し, 相手フィールド上のカードを破壊する。僕はエッジインプ・チェーンを除外し, ヴァレット・トレーサーを選択する!ダーク・ジェノサイド・カッター!」
ダーク・アームド・ドラゴンの背部から, 2本の黄金に輝くブーメラン状の鋭利な刃が飛ばされ, ヴァレット・トレーサーを狙う。
「やはりトレーサーを狙うか。ならばトラップカード発動, 《身代わりの闇》。カードを破壊する効果を無効にする」
トラップカードから放たれた闇の瘴気がトレーサーを守るように現れ, 刃を弾き飛ばす。
「さらにヴァレット・トレーサーの効果を重ねて発動。自分のコントロールする表側表示のカードを破壊し, デッキからヴァレットモンスターを特殊召喚する。今, 表側表示になった《身代わりの闇》を破壊!」
「だが, トラップの効果は適用される…か」
「その通り。デッキから《アネスヴァレット・ドラゴン》を守備表示で特殊召喚!」
頭部が注射を模した, 麻酔銃を司る小型のドラゴンが現れる。
アネスヴァレット・ドラゴン
星1/闇/ドラゴン族
DEF 2200
「さらに身代わりの闇の効果により, 発動後デッキからレベル3以下の闇属性モンスターを墓地に送ることができる。俺は《オートヴァレット・ドラゴン》を墓地に送る」
「そうか。だが, ダーク・アームドはもう一度効果を使用できる。僕はシャドール・ビーストを除外し, アネスヴァレットを破壊!」
金色のブーメランがアネスヴァレットに直撃し, 爆音と共に消滅してしまう。
「バトルフェイズだ。覚悟はいいかい?」
「…..」
このターンの攻撃を凌ぎきれなければ敗北は確定。見ている誰もがそう確信していたはず。
「ジャイアント・レックスでトレーサーを攻撃!」
ジャイアント・レックスが突進し, 鋭い牙でトレーサーを噛み砕く。
囚人番号910番 LP 8000→ 7600
「続いてダーク・アームドの攻撃。『ダーク・アームド・バニッシャー』!」
ダーク・アームド・ドラゴンの右腕が闇のエネルギーを纏い, 俺に襲いかかる。殴られる衝撃が全身を襲う。
囚人番号910番 LP 7600→ 4800
「ガーディアン・キマイラで攻撃!『トライヘッド・ダークフレア』!」
三頭の頭がそれぞれ異なる色の炎を吐き, それらは一つに合体して紫色の禍々しい爆炎となって俺を包む。
囚人番号910番 LP 4800→ 1500
「…..」
立体映像ではあるものの, 衝撃はある程度身体に伝わる。とは言っても, 身体が少し痺れるくらいだが。
今にも攻撃態勢に入らんとする巨人ーメガラニカを見上げる。拳を作って上空に腕を上げ, まさに俺を叩き潰さんとしている。あとは主の命令を待つだけか。
「おや, もう終わりかな, 呆気ないものだね。念には念を入れようか。手札のアレイスターを捨てて効果を発動。融合モンスターの攻撃力は, 1000アップする」
召喚獣メガラニカ ATK 3000→ 4000
メガラニカの全身を走るマグマが溢れんばかりの勢いで流転し, 両腕が分厚い溶岩の塊と化した。
「メガラニカの攻撃。『
岩石の巨人の両腕が, これ以上ない速度と勢いで振り下ろされる。
「…手札の《チェックサム・ドラゴン》の効果を発動。相手モンスターの攻撃宣言時, 自身を特殊召喚する」
拳が俺の頭上に迫り来る寸前, それを遮るように一頭の翼竜が飛翔する。円盤状の頭部が, 自身よりもずっと重い拳を受け止める。
チェックサム・ドラゴン
星6/闇/ドラゴン族
ATK 400
DEF 2400
「そして, チェックサム・ドラゴンの守備力の数値分ライフポイントを回復し, 攻撃表示で特殊召喚された場合は戦闘で破壊されない」
囚人番号910番 LP 1500→ 3900
「凌いだか。だが, ダメージは受けてもらうよ」
頭上で拳を受け止めたチェックサム・ドラゴンは辛うじて耐えたが, 攻撃の余波が, これ以上ない重圧として身体中に伝わる。まるで自分を地面に押し潰さんとする力に直立するのも苦しいが, 耐える。
囚人番号910番 LP 3900→ 300
「なるほど, 最後までそのカードを温存していたか。でも, 君も後がないはずだ...手札はゼロ, その伏せカードが何かはわからないが, ライフも風前の灯。勝負あったかな?」
「……..」
「まぁ, カードを1枚セットして, ターンエンドというところかな。さぁ, 君のターンだ」
仮面越しに響くAの言葉は, 終始挑発的だ。まるで, 自分の勝利を確信して疑わないような。
まぁ, そうだろう。 俺の場はセットカード1枚と, お世辞にも戦力にはならないチェックサム・ドラゴン。
対する相手は上級モンスターが並ぶ盤面。ドローカード次第, というわけだが…
だからこそ, 完膚なきにまで叩き潰さねばならない。
最初のターンに展開すべきだったという後悔が脳裏を走るが, ライフが残っただけでも大きい。
ならば, この好機を逃すまい。
「エンドフェイズ時, 破壊されたアネスヴァレット・ドラゴンに効果により, デッキから別のヴァレットモンスターを特殊召喚できる。《マグナヴァレット・ドラゴン》を攻撃表示」
発進したのは, 青いボディを持った, 頭部の弾丸が太いドラゴン。
マグナヴァレット・ドラゴン
星4/闇/ドラゴン族
ATK 1800
TURN 2
囚人番号910番:手札0
チェックサム・ドラゴン
マグナヴァレット・ドラゴン
伏せ1
LP 1300
A:手札3
召喚獣メガラニカ
ジャイアント・レックス
ダーク・アームド・ドラゴン
ガーディアン・キマイラ
伏せ1
LP 8000
「俺のターン, ドロー」
ドローカードを一瞥し, 目を見開く。
勝利への布石は揃った。
「見せてやる, 弾丸竜の力!顕現せよ, 我が未来を切り拓くサーキット!」
上空に右手を翳す。すると青い光と共に, フィールドの直上に9方向を指す矢印を要した未来回路- リンクサーキットが現れる。
「リンク召喚か…」
Aの呟きを無視し, 俺はターンを続ける。別に珍しいことでもなかろう。
「アローヘッド確認。召喚条件は, レベル4以下のドラゴン族が1体。レベル4のマグナヴァレット・ドラゴンをリンクマーカーにセット。サーキット・コンバイン!」
マグナヴァレット・ドラゴンが赤いオーラに姿を変え, リンクマーカーへと飛翔する。左を指す矢印に赤き光が入り, 未来回路から白い光が出でる。
「リンク召喚, リンク1。ストライカー・ドラゴン, 発進!」
サーキットから飛び出たのは, マグナヴァレットと同じ青のカラーリングの翼竜だ。
爆速でフィールドの前面に走り出るその姿は, まさに先陣を切る突撃竜。
ストライカー・ドラゴン
リンク1/闇/ドラゴン族
ATK 1000
「闇属性モンスターの特殊召喚に成功した事による, 手札の《ノクトビジョン・ドラゴン》の効果を発動。自身を特殊召喚する」
ノクトビジョン・ドラゴン
星7/闇/ドラゴン族
DEF 2800
「そしてストライカー・ドラゴンがリンク召喚された時, デッキからフィールド魔法《リボルブート・セクター》を手札に加える」
ここが山場だ。あの伏せカードが何か気になるところだし, 妨害は手札からもやってくる可能性がある。だが, その程度では臆しない。
この盤面をこじ開けるのも, 時間の問題なのだから。
「続けて, リンク1のストライカー・ドラゴンとノクトビジョン・ドラゴンをリンクマーカーにセット!リンク召喚, リンク2。《デリンジャラス・ドラゴン》!」
円っぽいボディを持った, 小柄な二足歩行のドラゴンがフィールドに降り立った。その両腕にある短い銃口は, その名の通り小型拳銃のようだった。
デリンジャラス・ドラゴン
リンク2/闇/ドラゴン族
ATK 1600
「ほう…?」
Aは興味津々な様子で俺の展開を眺める。
「ノクトビジョン・ドラゴンがリンク召喚の素材となった時, カードを1枚ドローできる。更にフィールド魔法, 《リボルブート・セクター》を発動し, 効果をそのまま使用する」
モンスターゾーンの横に, 緑色の枠のカードのシルエットが描出される。
「それは看過できない。手札の《幽鬼うさぎ》を墓地に捨て, 効果発動!」
Aは手札からカードを1枚俺に見せる。
「すでに表側表示で存在していたカードの効果が発動した時, そのカードを破壊する!」
Aの掲げたカードから, 怨霊のような青い魂が発射され, フィールド魔法カードに狙いを定める。
「無駄だ。リバースカード・オープン。速攻魔法, 《墓穴の指名者》。」
「何?!」
《墓穴の指名者》から出た緑色のゾンビの手が指先から禍々しい一筋のビームを発射し, Aの手にあった《幽鬼うさぎ》のカードを撃ち抜く。
「その素振り, 効果は知っているようだな。《墓穴の指名者》によって, 今墓地に送られた《幽鬼うさぎ》はゲームから除外され, 効果は無効」
「ハハハ…タイミングが悪かったか」
Aは首を横に振る。悔しがっているというよりは, 多少感嘆しているようにも見える。
「よってリボルブート・セクターは破壊されず, 効果が発動。相手の場のモンスターが自分よりも多い場合, その差の数まで墓地のヴァレットモンスターを守備表示で特殊召喚する。蘇れ, 《ヴァレット・トレーサー》, 《マグナヴァレット・ドラゴン》!」
地面にポータルが開き, 赤と青の弾丸が舞い戻る。
「行くぞ。再び現れよ, 未来を切り拓くサーキット!」
リンク・サーキットが再三, 上空に展開される
「召喚条件は, 効果モンスター3体以上。俺はリンク2のデリンジャラス・ドラゴン, メタルヴァレット・ドラゴン, チェックサム・ドラゴンをリンクマーカーにセット。サーキット・コンバイン!」
3体のドラゴンが赤き光となり, 上, 右, 左下, 下とセットされる。
「リンク召喚!リンク4。顕現せよ, 万物を両断せし破壊の化身。来い, ヴァレルソード・ドラゴン!」
光から飛翔するは, 機械的な黄色の両翼を輝かせるドラゴン。頭部の左右に剣の如く長い刃を備え, フィールドに降り立つや, 部屋中に響く咆哮を上げる。
ヴァレルソード・ドラゴン
リンク4/闇/ドラゴン族
ATK 3000
「ほう…中々強力そうなドラゴンじゃないか。だが, それだけでは僕のモンスター達は倒せない」
「まだ終わってなどいない。トレーサーの効果を発動。《リボルブート・セクター》を破壊し, デッキから《メタルヴァレット・ドラゴン》を特殊召喚」
トレーサーの号令に応えて現れたのは, 深いネイビー色で, 尖らせた弾丸を司るドラゴン。
メタルヴァレット・ドラゴン
星4/闇/ドラゴン族
ATK 1700
「ヴァレット・トレーサーはチューナーモンスター…まさか」
Aが察する。そのまさかだ。
「レベル4のメタルヴァレット・ドラゴンに, レベル4のヴァレット・トレーサーをチューニング!」
トレーサーが空高く飛び上がり, 自身を光に変化させると, そこから4つの緑のリングが現れ, 縦に並ぶ。その間にメタルヴァレットが入り, 光のシルエットに姿を変え, やがて4つの光点が並ぶ。
「雄々しき竜よ。その獰猛なる牙を今, 弾丸に変え撃ち抜け!シンクロ召喚!」
一筋の光線が, リングを貫く。
「虚構を貫け!ヴァレルロード・
フィールドを砕くように着地するは, 銀色の装甲が光り輝くドラゴン。胴体に配置されたシリンダーが高速回転させ, 巨大な緑の両翼を勢いよく広げる。両腕を上げて握っていた拳を開き, 尖った爪を見せつける。その姿は, まさに全てを破壊せんとする
ヴァレルロード・S・ドラゴン
星8/闇/ドラゴン族
ATK 3000
「リンクの次は, シンクロ召喚か…やはり, 君は」
Aが何かを言いたそうな雰囲気だったが, こいつの話を聞く耳はない。一気に終わらせる。
「ヴァレルロード・S・ドラゴンの効果発動!墓地のリンクモンスターを自身に装備する。対象は《デリンジャラス・ドラゴン》。そして, サベージは装備モンスターの攻撃力の半分の数値を得, リンクマーカーの数だけヴァレルカウンターを装填する!」
サベージ・ドラゴンの後方に《デリンジャラス・ドラゴン》のカードが現れ, そこから2つの弾丸が宙に放出される。弾丸は銀の竜のシリンダーに一発ずつ装填され, それが終わると再び円筒が高速回転する。
ヴァレルロード・S・ドラゴン
ATK 3000 → 3800
Borrel Counter 0 → 2
「バトルだ。ヴァレルソード・ドラゴンの攻撃。対象はガーディアン・キマイラ」
「何?!」
愚かな行動に見えた。キマイラの攻撃力は3300, 対するヴァレルソードは3000。
「ヴァレルソード・ドラゴンの効果を発動。ゼロバレット・ファイヤー!」
ヴァレルソード・ドラゴンが飛び上がったと思うと, 口を大きく開き, 内部の銃口が露わになる。
「この効果に対し, いかなる効果の発動はできない。フィールドのモンスター1体を守備表示にする。対象はダーク・アームド・ドラゴン」
放たれたプラズマ弾がダーク・アームドに直撃し, 怯んだ闇のドラゴンは防御態勢に入らざるを得なかった。
ダーク・アームド・ドラゴン
ATK 2800→ DEF 1000
「何のつもりだ?」
Aが困惑する。
「戦闘続行。キマイラに攻撃だ。その瞬間, ヴァレルソードの第二の効果が発動する。相手モンスターへの攻撃宣言時, 相手モンスターの攻撃力を半分にし, その数値を自身に加える」
ヴァレルソード・ドラゴンの頭部の両脇にあった刃が回転し, 前部で一つの長い刃に合体する。そのまま空高く飛翔し, ガーディアン・キマイラ目掛けて豪速で突進する。そのあまりの早さに, 力で勝るはずのキマイラは反応できず, 突撃を受けて大きく体勢を崩す。
ヴァレルソード・ドラゴン ATK 3000 → 4650
ガーディアン・キマイラ ATK 3300→ 1650
「『電光のヴァレルソード・スラッシュ』!」
ヴァレルソード・ドラゴンの刃が黄色い雷のエネルギーを集積し, 空中で再旋回した後, キマイラを捕捉して再度突撃を仕掛ける。その姿は, まさに巨大な光の剣。瞬く間にキマイラを一刀両断した。
「ぐっ…!」
A LP 8000→ 5000
追撃は終わらない。
「ゼロバレット・ファイヤーを使用したターン, ヴァレルソードは2回目の攻撃が可能…メガラニカに攻撃」
ヴァレルソード・ドラゴンは間髪入れずに次の標的- 岩の巨人を捕捉し, 再び頭部にエネルギーを充填させる。
「…させない。トラップ発動!《神風のバリア- エアー・フォース》!相手モンスターの攻撃宣言時, 相手の場に存在する攻撃表示モンスターを全て手札に戻す!」
やはりそう来たか。だが, 折り込み済みだ。
「ヴァレルロード・S・ドラゴンの効果発動。ヴァレルカウンターを一つ使い, 効果の発動を無効にする」
「しまった…!」
サベージの中央のシリンダーから光弾が一つ現れ, トラップカードに発射される。エアー・フォースは機能停止したかのように電撃を浴びて破壊された。
ヴァレルロード・S・ドラゴン
Borrel Counter 2 → 1
それに追随するように, 『電光のヴァレルソード・スラッシュ』がメガラニカの巨大な図体を, 頭から足まで切り裂く。巨人はバラバラの塊に分解され, 瞬く間に崩れ落ちた。
「ちいっ…」
A LP 5000→ 3350
「ヴァレルロード・S・ドラゴンで, ジャイアント・レックスに攻撃」
サベージが口を開くと, 内部の銃口が3段階機構で伸展される。標的は, 足下に立ち尽くす恐竜のモンスター。
「フン, だが僕のライフは…」
「残らない。速攻魔法発動。《イージーチューニング》。墓地のチューナーモンスター, ヴァレット・トレーサーを除外。サベージはその攻撃力を得る」
ヴァレルロード・S・ドラゴン
ATK 3800→ 5400
オーラが強まり, サベージの緑の眼が妖しく光る。その銃口の先端で, 見ているだけでも痺れそうな雷のエネルギーが暴れる。
それをAはただ見て立ち尽くすことしかできなかった。
(ーこの力。やはり, あの方の言った通りー)
「『迅雷のヴァレル・ファイア』!」
雷の破壊光線が発射され, 眼前のモンスターもろともAを焼き払った。
「フッ…」
A LP 3350 → 0
初のデュエル描写になりますが, テンポ感がいまいちよくわからずにノリで書いています...