特殊タグはウボァー氏の「遊戯王二次創作用特殊タグ」を参考にさせていただきました。まだ使い慣れていないですが, 結構面白いので今後も積極的に使ってみたいです。
910番 LP 200
A LP 8000
「裏側表示だった
ATK 0
「《ストライカー・ドラゴン》の効果を発動!自分フィールド上の表側表示モンスター1体を破壊し, 墓地のヴァレットを手札に戻す。俺はストライカー自身を破壊。墓地の《オートヴァレット・ドラゴン》を手札へ」
手札にヴァレットが戻った。これで, このカードが光る。
「フィールド魔法, 《リボルブート・セクター》を発動!手札のヴァレットを特殊召喚できる。来い!《オートヴァレット・ドラゴン》, 《ヴァレット・シンクロン》!
さらにセクターの効果により, 守備力は300アップする」
ヴァレット・シンクロン
星1/闇/ドラゴン族・チューナー
DEF 0 → 300
オートヴァレット・ドラゴン
星3/闇/ドラゴン族
DEF 1000→ 1300
「そして, フィールドにヴァレットモンスターが存在することにより, 手札の《アブソルーター・ドラゴン》を特殊召喚できる!」
アブソルーター・ドラゴン
星7/闇/ドラゴン族
ATK 1000
「次から次へと, わらわらと…!」
Aが舌打ちする。
「行くぞ。レベル1のヴァレット・シンクロンに, レベル7のアブソルーター・ドラゴンをチューニング!」
ヴァレット・シンクロンがラインに走るエネルギーを増幅させ緑のリングと化し, アブソルーター・ドラゴンはリングに取り込まれ7つの光球と化する。
「雄々しき竜よ。その獰猛なる牙を今, 弾丸に変え撃ち抜け!シンクロ召喚!」
「虚構を貫け, 《ヴァレルロード・
銀の装甲を纏う勇猛なる撃鉄龍。その存在感は, 吹き荒れる冷風を押し返し, 着地点の雪が瞬く間に蒸発する。
ヴァレルロード・
星8/闇/ドラゴン族・シンクロ
ATK 3000
「へぇ…これが貴方のエース?」
666番が興味津々にサベージを眺める。
「サベージの効果を発動すると同時に, 墓地に送られたアブソルーター・ドラゴンの効果が発動する!デッキからヴァレットを手札に加える…俺は《ヴァレット・トレーサー》を手札に加える!そしてサベージの特殊能力。墓地のリンクモンスター, ストライカー・ドラゴンを装備!」
ヴァレルロード・S・ドラゴン
ATK 3000→ 3500
Borrel Counter 0→ 1
「まだ俺は通常召喚を行っていない。《ヴァレット・トレーサー》を召喚!」
ヴァレット・トレーサー
星4/闇/ドラゴン族
ATK 1600→ 1900
「顕現せよ。未来を切り拓くサーキット!アローヘッド確認。召喚条件は効果モンスターが2体。バトルフェーダーと
ドラゴンの軍団とは打って変わった, 電子部品のような円筒型のモンスターが現れて, 回転しながら宙に浮遊している。
アンダークロックテイカー
リンク2(右・下)/闇/サイバース族
ATK 1000
「ヴァレルモンスターじゃない…一体何を?」
「想像力の乏しいお前に教えてやる。アンダークロックテイカーの効果を発動!自身のリンク先のモンスター1体, 及び相手のモンスター1体ずつを対象とし, リンク先の自分のモンスターの攻撃力分, 相手モンスターの攻撃力を下げる…今, アンダークロックテイカーの下側にオートヴァレット・ドラゴンがいる!」
❶融合塹壕-フュージョン・トレンチ-
❷召喚獣プルガトリオ
❸召喚獣メルカバー
❹アンダークロックテイカー
❺オートヴァレット・ドラゴン
❻ヴァレルロード・
❼ヴァレット・トレーサー
❽伏せカード
❾ストライカー・ドラゴン(装備カード扱い)
「フン, させるか!メルカバーで無力化して…」
「おっと, 待て。リンクモンスターの効果対象となった時, オートヴァレットの効果が発動!自身を破壊する!」
オートヴァレットが光に包まれると, 一つの弾丸に姿を変えた。
ヴァレットの共通効果ーそれは, リンクモンスターの効果によって文字通り弾丸に姿を変えること。
「その後, 相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を墓地に送る!フュージョン・トレンチを撃ち抜け!」
「ちっ…手札のモンスターカード, ジャイアント・レックスを墓地に送ってメルカバーの効果を…」
「させない。サベージの効果!ヴァレルカウンターを使い, 発動を無効にする!『アンチ・エネミー・ディセーブル』!」
メルカバーが雷鳴を呼び寄せようとした瞬間, サベージの持つシリンダーからプラズマ弾が発射され, 電撃の魔法陣を不活化させる。
ヴァレルロード・S・ドラゴン
Borrel Counter 1→ 0
「よって, オートヴァレットの効果が続行!」
オートヴァレットの弾丸が勢いよく発射され, フュージョン・トレンチを破壊する。
「対象がいなくなったことでアンダークロックテイカーの効果は不発となるが, これで攻撃ができるな。そして, トレーサーの効果を発動!アンダークロックテイカーを破壊。デッキからヴァレットを特殊召喚する。来い!《マグナヴァレット・ドラゴン》!」
マグナヴァレット・ドラゴン
星4/闇/ドラゴン族
ATK 1800
「そして, 墓地に存在する《デュアルウィール・ドラゴン》の効果発動!」
「…トレード・インで墓地に送っていたモンスターか!」
「そうだ。自身を除外し, デッキから特定の魔法カードを手札に加えることができる」
今引いたカードを活かすための唯一の布石。
「加えたカードは…これだ!マジック発動!《ヘヴィ・トリガー》!」
「それは…まさか」
Aが戦慄した。
「レベルが8以上となるように, フィールドのヴァレットモンスター…ヴァレット・トレーサーとマグナヴァレット・ドラゴンを破壊。手札からこいつを特殊召喚する!」
トレーサーとマグナヴァレットが雄叫びを上げ, 上空に現れた青白い光に集結する。稲妻走る光の柱に, サベージに並ぶ大きさの影が浮き出る。
「儀式召喚!降臨せよ, 反骨の引き金にして, 騒乱を巻き起こす竜。《ヴァレルロード・
青き装甲にロケットを装備した両腕が光を突き破り, 飛び降りるようにドラゴンが勢いよく着地した。その翼はサベージと同じ緑のエネルギーを発しているが, より鋭利な模様が目立ち, 両方のジェットブースターが火を吹く。シリンダーが高速回転すると同時に, 新たな弾丸竜は猛々しい咆哮を放つ。召喚獣たち, そしてAに怒りをぶつけながら。
その姿は, まるで
ヴァレルロード・
星8/闇/ドラゴン族・儀式
ATK 3000
「バトルだ。サベージでプルガトリオに攻撃。プルガトリオの攻撃力は, 俺の場のカードが3枚により2900」
サベージが口部の銃口を展開させ, 照準を三人衆の悪鬼に合わせる。
「『迅雷のヴァレル・ファイア』!」
煉獄の炎もを焼き尽くす超高熱のエネルギー砲を受けたプルガトリオは, 一瞬にして消滅した。
A LP 8000→ 7400
「続けてライオットでメルカバーに攻撃!」
ライオットの翼が輝きを増し, 両肩のブースターが最大出力で駆動する。猛スピードでライオットが突進しながら口部のブラスターが伸展, 赤いプラズマ砲をメルカバーに発射する。メルカバーは剣先の魔法陣で攻撃を防ごうとするが, なすすべなく撃沈される。
「ちいっ…!」
A LP 7400→ 6900
「ターンエンドだ。この時, ヘヴィ・トリガーの効果で破壊されたマグナヴァレット, 及び自身の効果で破壊されたオートヴァレットの効果があるが…俺は発動しない」
2枚目のプルガトリオが出てくれば, それこそ一巻の終わりだ。無闇にモンスターを増やすべきではないだろう。
TURN 4:
910番
手札:0
フィールド:
ヴァレルロード・S・ドラゴン
ヴァレルロード・R・ドラゴン
リボルブート・セクター
伏せ1
A
手札:1
フィールド:
暴走召喚陣
「ふん…相変わらずやるじゃないか」
体勢がよろめいていたAはフードに飛び散った雪を払い落として言う。見れば, 仮面が少しひび割れているが, 中身の顔は未だ見えない。
「だが, 結末は変わらない。召喚魔術が僕の手に渡る限り!僕のターン, ドロー!」
Aがドローカードを見ると, 不気味な笑いを揚げた。
「いいカードを引いた。僕はアレイスターを召喚し, デッキから召喚魔術を手札に。そして発動!アレイスター, そして墓地の融合モンスターのメルカバーを除外!」
地面に描かれた暴走召喚陣が, 今一度妖しく光る。2体のモンスターの魂を吸収し, 上空に新たなポータルを出現させた。
「禁術, 解放ー『
メルカバーと同じ, 光のエレメントの籠ったポータルから現れたのは, 巨大な螺旋状…とも言い難い, 人型の召喚獣だった。
包帯のような紋様の裏には魔法陣と似た不可解な文字が至るところに書かれていて, その顔は無機質で不気味だった。
召喚獣アウゴエイデス
星8/光/天使族
ATK 2000
「アウゴエイデスの効果。特殊召喚に成功した時, モンスターを破壊する。対象はサベージ・ドラゴン」
アウゴエイデスが両手を正面に掲げ, 魔法陣から白き光線を放ち, サベージはそれに耐えることができず爆散した。
「ち…!サベージ…!」
「召喚魔術の墓地効果で, アレイスターを手札に戻す。そして, アレイスターを手札から捨てて効果発動!融合モンスターの攻撃力を1000アップさせる!」
召喚獣アウゴエイデス ATK 2000→ 3000
「バトルだ。アウゴエイデスでヴァレルロード・
「何だと?」
アウゴエイデスが両腕を上空に掲げると, 光がそこに召集されて, 一つの大きな球体を作り上げる。だが…攻撃力は互角。俺にダメージを与えられないはず…
「違う, 違うよ。速攻魔法発動!《決闘融合- バトル・フュージョン》!」
「…それが狙いか!」
「融合モンスターが相手モンスターと戦闘を行う時, ダメージステップ終了時まで相手モンスターの攻撃力分, 自身の攻撃力がアップする!」
召喚獣アウゴエイデス ATK 3000→ 6000
「これで終わりだ。『
アウゴエイデスが作り出した, フィールド全体を覆い隠さんとする光の大球が, ライオット目掛けてゆっくりと落下していく。
ライオットはそれを睨み, 反骨の雄叫びを上げる。
「今度こそ, 僕の勝ちだ!」
「甘い」
「な━━?」
「甘いと言っている!リバースカードオープン!速攻魔法, 《Ai打ち》!」
「…何だ, それはー」
666番は俺の隣でほくそ笑む。この展開が読めていたかのように。
そう, 最初のターンから伏せていたこのカード━プルガトリオの猛攻で使おうと思ったのだが, 結局使わずにいた。それが今改めて光る。
これこそが, 奴に本当に引導を渡すカード。
「モンスターがバトルするダメージ計算前のタイミングで, このカードの効果は適用される。俺のモンスターは, ダメージ計算時に相手モンスターと同じ攻撃力となる」
ヴァレルロード・R・ドラゴン ATK 3000→ 6000
「それがどうした!攻撃力が同じならば, 文字通り相打ちになるだけだ!」
「本来ならば, な」
「本来…?」
「儀式魔法《ヘヴィ・トリガー》で召喚されたモンスターは, エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターとの戦闘では破壊されない」
「なっ━━━」
ライオットはブースターを吹かせて空高く飛び上がる。両腕のロケットにエネルギーを充填させて拳を作る。
「返り討ちだ。ライオット!」
ライオットが突進し, アウゴエイデスの身体に両腕で強烈な一撃を喰らわせる。巨大な召喚獣の身体は次第にひび割れていき, 光を失いながら崩壊していった。
「《Ai打ち》の効果。この戦闘でモンスターが破壊された場合, そのコントローラーは破壊されたモンスターの攻撃力分のダメージを受ける」
「………」
A LP 6900→ 4900
言葉を失うA。さっきまでの余裕はどこに行ったか, 茫然自失として立ち尽くしている。
「ま, まだだ…君のモンスターでは, まだ僕のライフは削り切れない…召喚魔術を引けば僕の勝ちだ!」
「どうだがな」
お互いに手札はゼロ。ドローしたカードを一見し, 前に突き出してAに見せる。
「ドローカード, 《メタルヴァレット・ドラゴン》…リボルブート・セクターの効果で, 攻撃力は300アップする」
メタルヴァレット・ドラゴン
星4/闇/ドラゴン族
ATK 1700→ 2000
「砕けろ。2体のモンスターで攻撃」
「あ…」
メタルヴァレットがAに殴りかかり, 同時にライオットがスラスターを点火させ, 火炎を放つ。
「反逆の一弾。『奔雷のヴァレル・ブレイク』!」
「馬鹿な…」
A LP 4900→ 0
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Aが雪で塗れた地面に両膝を突いた。敗北に納得がいっていないのか, 気のせいか身体中が震えているように見えた。
「哀れね。とうの昔に勝っていたはずなのに, 見栄を張ることを選んだから」
666番が腰に手を当てて言う。ソリッドビジョンシステムを解除しながら, 俺は無言で頷いた。
あの時, プルガトリオで大人しくストライカー・ドラゴンか, 裏側表示の
気持ち良い勝利とは言えなかった。運が絡みすぎていると, 本当に心臓に悪い。運も実力の内, と言えばそれまでだが。
とにかく終わった。故に俺はここで立っている必要はもうない。眼前に立つ収容所の建物を今一度見る。空高くそびえる灰色のビルは依然として静かな威圧感を醸し出していたが, もう気にしない。何しろ, 外に出てしまえばただの建物に過ぎないからだ。
外方を向いて歩き出そうと数歩踏み出した途端, 背後で甲高い爆音がする。あまりの音の大きさに一瞬たじろぐ。まるで背中を固い金属の鈍器で思いっきり叩かれたかのような衝撃を感じたように思ったが, 錯覚だった。
ゆっくりと身体を回す。
奥の外灯下に映る, 膝を突いたままのA。右手を上げていて, そこに青い紋章のようなものを浮かべている。指先から煙が上っていく。見覚えのある紋章…それは, 先時の決闘で嫌というほど見た魔法陣と酷似していた。
正面に背中を向けて立っていたのは666番だったが, 何か長い物体を構えている。よく見えないが, 外灯の光を反射して黄金に光る柄が見えた。槍なのか, 杖なのか。長い得物だとはわかるが。
何も持っていなかったのに, どこからそんな物を取り出した?
「ち…君はどこまで邪魔をすれば…」
「負けたから背後を狙うなんて, とんだ卑怯者にも程があるわね」
「ハハハ…愚かだ。彼を外に出せば, 全てが」
「全てが終わる, と?フッ。なら, 尚更良いじゃない。腐った世界, 腐った社会。そんなものは終われば良い」
まただ。二人は不可解な問答をしている…ここ数日間で謎が一気に増え続けて, どう考えれば良いのかいよいよわからない。
だが状況を鑑みるに, 666番は俺をAの攻撃から守ってくれた。ということは, 味方か?
「ならば, 二人まとめて葬ってやろう!」
Aが両腕を広げると, さらに大きな魔法陣が召喚され, 瞬く間に電撃を浴びる。中央に光が集まり, 周囲の雪があまりの熱量に溶け始める。外灯の明かりが不安定になり始め, 冷風を押し返すかのような熱風が吹き荒れる。
「フン。貴方を相手している暇なんてない」
そういうと666番は後退して俺の隣に再び立つ。
「ずらかるわよ。私の手を握って」
「え?」
「移動するわ。しっかり掴まってなさい」
「…ああ」
何が起きているか全く理解できぬまま, 彼女の手を握る。すると, 空間に黒い渦のような模様が出現した。
見ていると不思議な気分になる渦だ。真っ黒だが, 同時に白くも見える。交差する光と闇, 明と暗。まさにその様は━「
渦は俺達を飲み込むように大きくなり, やがて光で包む。
あまりの眩しさに俺の意識は…須臾にして消え去っていった。