十人目?の超能力者(レベル5)   作:凪子22

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十人目?の超能力者(レベル5) 4話

「なっ…!?」

観測室にいた全員が驚愕している、少女が起き上がり殺意を宣言したと思ったら巨大な翼が現れたのだ。

即座に反応したのは中年教授だった

「早くアンチスキルに連絡を!!」

「!はっはい!!」

丸メガネの研究員が後ろの壁に設置してある受話器を慌てて取りに行く。

「……」

指が食い込む程拳を握りしめ中年教授は「アレイスター」という名前を聞いて過去の因縁が背中にゾワリ、ゾワリと這い上がってくるのを感じていた。

「彼女達に何があったんですか…」

「…機密事項ですので詳細は言えません、…生き別れになったとしか」

「そう、ですか…」

 

 

「フッ、フフフあっははははははははははあははははははははははは!」

「アクセラレータが二代目理事長になりました。これからの学園都市は違います?ですって…?」

「そんっなクソっタレな話納得できるわけないでしょうがっ!!!!」

 

「無理やり生かして能力を吐き出させるだけ吐き出させて、散々てーとくを弄んだくせに何も覚えてないけど善人に生まれ変わったからいいよね?なんて…」

「そんな虫のいい話あってたまるかってのよ!!!!」

「全員悲劇の波に埋もれて溺死してしまえ!!!!」

 

怒っている大切な人を傷つけられて怒っているのだ

 

「あたしの、あたしの好きな人を馬鹿にするなあああああああああ!!!!」

 

叫びと共に翼が大きくなる彼女の怒りと狂気が口元を吊り上げさせ歪めていく

千沙音には分かるこの翼が一体何なのか、そして今なら触れることができる進化した能力の表層を彼女は理解し始めた。この翼は因果律の情報体だ。因果性運命の可能性、アクセラレータにある幸福の因果律を歪めさせればいったい何が起こるのか

 

「ふっ、アクセラレータの因果律を壊してやる…学園都市の能力者の因果律だって…ふふっあっはははは!世界だって破滅させてやる!」

彼女には「天敵」がいる、上条当麻だ。「幻想殺し(イマジンブレイカー)」の能力が理由で上条の未来は見えない、能力者が近くにいれば未来を観測して捕捉し能力開発を受けていない人間や魔術師、「原石」である削板軍覇でさえおおよそではあるが観測はできるのに

上条当麻が起こした行動の先にある未来はどうなるか分からない。

彼女は知らないあの日学園都市で何が起きたか、イギリスで何があったのか、アクセラレータがどう成長したのか彼女は知らない

 

「だめだ!そんなことはしてはいけない!」

「…っ何も覚えてないくせに…あたしのことだって、あの子達のことだって覚えてないくせに!」

「忘れちゃったくせにっ…」

「っ!」

失望、憤り、もどかしさそんな言葉では言い表せない感情が彼女を歪ませる、何も言えない事実だからだ、今の垣根に肉体はない未元物質が内臓と脳を複製しあったであろう一つの側面が現れたのが今の垣根だ。そこに肉体があった頃の記憶はない。

だが、関係のない人の運命を捻じ曲げてはいけない事だ、世界の破滅なんて、そんな悲しい事を彼女が引き起こすなんてことは見たくないのだ

「…なら、まず私の運命を捻じ曲げてください。」

「っ!?」

千羽千沙音にはできない。そんな事をしてしまったら垣根帝督を弄んできた連中と一緒になってしまう記憶がなくても愛している人を弄ぶことなんて彼女には不可能だ

 

「あなたの恨みも憤りも私が受け止める、だから関係のない人を巻き込んではだめなんだ」

「うっ、うぅぅぅっっ~~~~っあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

抱きしめられた腕を振りほどこうと必死にもがくそれでも垣根は離さない

「あなたを助けたいんです」

今度こそ離すものか、心がそう言っている

 

「だからあなたの記憶を見せてください。あなたが見てきた私を」

「ぁ…」

垣根の背中に現れた未元物質の白い六枚羽が黒曜石の翼と重なり合う

愛おしい様に優しく慰めているかのように

 

世界が巻き戻る

 

 

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