意識が引き戻されるこれ以上は見せたくないと言っているように。はたと気づくと世界がステンドグラスのようだった、幾何学模様のステンドグラス、パーツ一つ一つに今まで観測していた映像が流れている
「これが最初の出会いだったんですね」
「……最初は怖くて痛くてずっとてーとくのこと呼んでた…気づいたらずっとてーとくの未来ばっかり見てて…つらくなって…」
彼女は背後で足を抱え込んで頭をうずめて座り込む観測はしているでも見ていない。視たくない
垣根は千沙音に正面から向き直す今なら言える実験場に踏み入れた時嬉しさとは別に引っかかっていたものを
後悔と罪悪感だ
助けられなかった。守れなかった。だけどまだ間に合う今ならまだ取り戻せる
「千沙音、好きです」
「…っ」
「偽物だと言われても構わない、千沙音の傍にいたい。好きなんだ」
やっぱり自分は卑怯だ求めてしまう、記憶がないのに一緒に過ごした時間はもう戻ってこないのに恨めしいのに好きという感情が止まらない
「なんでっ…なんでそこまで…」
「好きだから、それ以外言葉が見つからない」
「ずるいよ…そんなの、縋りたく、なっちゃうじゃん…」
どうして笑える、結局肉体があった頃には戻れない代替品と同じだ人形に記憶を植え付けて傍に置かれるのと一緒なのに
それでも傍にいたいと何故言える
(…そっ、か一緒なんだ…あたしがてーとくと一緒にいたいって思ったのと)
「もっと見せてください、大丈夫だから」
「そんなの耐えられるわけ…」
「平気です」
「私の未元物質に常識は通用しないんです」
彼女の手を取り引き寄せる額を合わせると同時に世界がパキンと音を立てて割れていく、ゆっくりとキラキラクルクルと割れたパーツから頭の中に映像と音声が流れ込んでくる。
(おーいたいた、お前が杠林檎か)
(必ず手に入れる…トップとの交渉のカギを…)
(…そういうのは正義の味方《ヒーロー》に頼むもんだぜ?)
(カッコイーだろ、勝利宣言をしに来たぜ)
(学園都市の第1位を殺す)
(心配するな自覚はある)
(俺の未元物質《ダークマター》にその常識は通用しねぇ)
(逆算終わるぞ)
(動きを止めたきゃ殺せばいい気に食わないものがあるなら壊せば…)
(結局はテメエは俺と同じ…誰も守れやしない…)
(ちくしょう…テメエ、そういうことか…っ)
(罪の評に押し潰されて死ねよ、第1位)
(そうか…何かになろうとする必要なんて…)
(私は…垣根帝督です)
世界に光が広がっていく