一体いつからサッカーに筋肉が必要ないと錯覚していた?   作:リーリンリーリン

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一次選考
10.己の武器


いよいよ始まる一次セレクション。

それは全五号棟で行われる全五チームによるリーグ総当たり戦。

最終的にトップ2のチームが二次セレクションへと勝ち上がる事が出来る。

 

『ちなみに下位3チームは敗退。青い監獄から強制退場となり日本代表でプレイする権利を失う。ただし・・・全試合終了時点でチーム内得点王・・つまりチームで最もゴールを挙げたただ一人だけ勝ち上がれるシステムとする』

 

そう。

このシステムが存在することでここにいる選手一人一人が「よし!もし今後負けてしまうことを想定して点取りまくろう!」「自分だけでもゴールして生き残ろう!」と奪い合いが発生して泥沼化。つまり試合が始まればほとんどが自己中主義(エゴイスト)状態となる。

もしこのまま対策も無しに進むと、全員が点を取りたがる団子サッカーとなってしまうのだ。

初戦はいかにこの団子サッカーの中で多くを点を取るのか・・それが一般的な回答となりうるだろう・・・

 

しかし絵心の目的はそうではない。

 

「てゆーことはこの11人が一つのチームって訳か?全員FWなのに?」

「俺はCFだろ」

「は?俺だろ?」

「イガグリお前DFな」

「なんでだよ!?」

 

と全員がFW選手のため全員がFWをやりたがる現状。

当然だ。誰もが基FW選手であり、自身が生き残るための己がゴールを取らんとする欲望を抑え込むなんて不可能。

ストライカーしかいないブルーロックでは、高校の部活のようなチームワークなども当然無理だ。まともな試合にすることすら難しいまさに無秩序な展開となりうるだろう。

サッカーとは元来全員がストライカーであることから始まり、今回俺たちはその原点に立たされているというわけだ。

 

『お前らの頭でサッカーを0から創り直すんだよ』

 

 

これこそが一次セレクションの真の意図。

 

 

今までやってきたサッカーの常識を覆す新たな概念・・それがこのブルーロックで生き残る鍵となる。

 

(さて・・・初戦は確か馬狼率いるチームXだったな・・・戦術を練らねば・・・)

 

「第一試合は2時間後。チームZ対・・・・

 

 

 

 

 

()()()Y()だ」

 

 

 

 

 

ふぁ?

 

 

 

 

今なんて言った・・?

 

 

 

 

チームY・・・だと・・?

 

 

 

 

 

 

ベータ(原作)と違う!!って某黒髪剣士のように叫びかけそうになった。

 

 

しかしこれは好都合だった。

 

正直初戦で馬狼率いるチームXはヤバかった。

原作よりはるかに強化された馬狼率いるチームX相手はいくらイレギュラーの俺がいたとしても危うい・・・負ける可能性だって十分あり得る。

という意味で今回初戦がチームYスタートで良かったと思う。

 

「ポジションなんだけど・・」

「俺だ!!」

「いや俺だろ」

「ちょ・・ちょっと待ってよ!いったん落ち着いて・・・」

 

 

絵心のモニターが切られたと同時にチーム内が混乱し始める。

 

 

 

(問題はここからだな・・・)

 

 

初戦は重要だ。なんたって【サッカーを0から1にする】という意図を理解しようと全員がボールに群がる地獄絵図が出来上がってしまう始末。

最悪上位2チームに食い込めなくても得点王さえなれば問題はない。あのメガネめぇ・・・とことんエゴに執着しやがる・・・

 

なんとか俺の原作知識を活かして勝てるようにさえできればgoodだ。初戦は次の試合の対策を練るためにも大切な一戦。じゃんけんなんかでポジションを決めたりなんかしたらすぐ負けてしまう。

もちろん「次俺9」作戦も却下だ。あの戦法は確かにそれぞれの武器を活かすことはできるが、それはFWである唯一人だけ。全員が各ポジションごとに最大限の役割を果たせるフォーメーションが勝つために必要だ。

 

だがどうやってその意見をここにいるみんなに聞い貰い、それを実行に移せばいいのだろうか?

 

彼らだってFWだ。彼らの中にもFWとしての意地というものがあるはず。

俺がどうこう言ったところで状況は変わらないだろう。

 

 

 

(さて・・・・どうしたものか)

 

 

「・・・・・」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

「「「「!??」」」」

 

 

 

増瑠は考える。ただひたすら考えているだけだった。

しかし彼の考え悩む仁王立ち姿。身長198cmととてつもない筋肉量による巨躯はその空間にいるメンバーに強烈な圧と存在感をかける。

そして何より、彼らにとって増瑠筋夫とは自分たちよりも格上の存在。

 

ゆえに誰も彼を無視することのできない状況であった。

 

「な・・なぁ!ここはNo1の増瑠君の意見を聞かないか?」

「確かに一理あるな。ここにいるが、表上は俺たち含む高校No1プレイヤーだ。少なくともここいる中で一番試合に勝ってきたんだ。いい考えは持っていそうだな」

「そうだね。増瑠君は何かいい案はないかい?」

 

と久遠達が俺に振って来た。なぜいきなり俺に来たのかは不明だが全員が俺の意見を聞こうとしている。

これはチャンスだ。

そこで俺はこう提案する。

 

「まずはここにいる全員が己の武器を知っておいた方が良いんじゃないか?」

 

「己の武器・・・?」

 

「あぁ。ただ闇雲にポジションを決めて試合に挑むのはハイリスクすぎる。じゃんけんなんてもってのほかだ。だからしっかりとお互いの武器を理解したうえでポジションを決めて挑むべきだ」

 

と本来初戦後に気づくべき点を俺は考案した。

別に難しいことなんて言ってない。

こんな簡単なことさえ彼らは自己中心主義(エゴイズム)に囚われて気づけなかったのだ。

 

「自分の武器か・・・」

「うーん武器・・武器・・・難しい・・・」

「温るい考え方だな。全員俺にボールを渡せば済む話だろ・・」

「全員でひたすら点取取りに行った方がいいんじゃねぇの?」

 

と納得する者もいれば反対の意を唱える者もいた。

当然だ。ぽっと出の俺が何言ってんだって話だ普通。

しかしこれだけはどうしても外せない案だ。

 

「少なくともじゃんけんよりは効果的だ。現に今、お前ら試合になったら自分勝手にゴール目指そうとか考えたりしてただろ?」

 

「「「「!」」」」

 

 

俺の言葉に全員はギクッとばかりの表情を浮かべる。

やはり図星だったか・・・

 

 

「そういうことだ。ここはブルーロック。ちゃんと戦術を練っておいて損はないんじゃねぇか?」

 

 

 

「・・・・チッ・・エスパーかよテメェは・・・」

「くっそぉ・・・俺の思惑がぁ・・・」

「バレちゃったかぁ・・・・」

「そこまでわかっていたんだな・・・すまん・・・正直俺も自分だけでゴール狙おうとしてた・・」

「謝る必要はない國神。幸いにも試合までまだ時間はある。今のうちにやれることをやっておこう!」

「そうだな・・・・よし!ここらでみんなの得意とするプレイを共有しておこう!」

 

と久遠の割り出しから各々の武器を話していく。

 

彼らは自身の得意とするプレイスタイルを話し、それを共有する。

 

 

 

「最後に増瑠君・・・まぁだいたいわかるけどね・・」

 

 

「俺の武器は筋肉。この筋肉から生まれるすべてのプレイが俺の持つ武器だ」

 

 

 

「おぉ・・・なんか大雑把としているな・・・」

「無茶苦茶過ぎんだろ・・・でもまぁ」

「あの体力測定の結果を見ると納得しちゃうな・・・」

 

 

「やっぱり君は人間じゃないよ・・・・さてお互いの武器は知れたけれど、ここからどうする?」

 

「その武器を知った上でポジションを決めるんだ・・・・まずは・・」

 

「FWはもちろんこの俺様だな!」

 

「いや・・・雷市にはボランチを任せたい」

「ハァ!?・・なんでだよッ!?」

 

「雷市の持つその驚異的なスタミナはまさにボランチだからこそ生きると思う。ボールへの執着心だってお前は凄いんだ。どの敵にも負けんとする雷市の信念だからこそその特性を生かしたアンカーの役割を任せたい」

「お・・・おう・・・って違う!!俺はそんな泥まみれなプレイはしねぇッ!!俺が目指すはセクシーフットボ・・」

 

「試合に勝つためなんだ。頼むよ雷市・・・この仕事はお前にしか出来ないことなんだ」

 

 

どうしてもFWをしたい気持ちはわかる。だがそんな気持ちだけでこのブルーロックを生き残れない。少し焦ってはいるが勝つための策は必然的。

 

 

「・・・・・ッチ・・・だがゴールは狙わせてもらうぞ?」

「もちろんだ。無理に守備ばかり専念しなくてもいい・・が、基本はディフェンスから攻撃へと切り替えるスイッチの役割を担ってくれ。頼んだぞスタミナお化け?」

「テメェがそれ言うと嫌味にしか聞こえねぇんだよ・・・」

 

と何とか雷市を説得することができた。

 

「次に國神なんだが・・お前はトップ下を任せてもいいか?」

「!・・・すまん・・理由を聞かせてくれ」

 

「國神の持つロングレンジのシュートは無理にFWに起用するよりも驚異的だ。そっちの方が相手の意表突けるだろ?」

「!・・言われてみればそうだな・・・わかった。どっからでも打ち込んでやる!」

 

「助かる。あと残りのボランチ二人なんだが、久遠と我牙丸。頼めるか?」

 

「「え?俺?」」

 

「あぁ。二人の身長の高さ。そして久遠のジャンプ力と我牙丸の肉弾的なバネはセカンドボールや競り合いに強力だ。中盤に二人がそろえば常にこちら側がマイボール保持できる」

 

実際この二人の身体能力はブルーロック内でも十分高い。特に臥牙丸のバネは異次元だ。

その身体能力はあのノエル・ノアでさえ評価するほど。

久遠の高身長からのジャンプ力も上手くハマれば競り合いにて最強各となりうるだろう。

 

「・・・確かにFW以外あんまりやったことなかったな・・・わかった。勝つためだ。甘んじて引き受けよう!」

「肉弾戦なら俺に任せろ」

 

「ありがとう二人とも。で・・肝心のFWなんだがまずウイングは右が蜂楽、レフトは成早、そしてCFは・・・

 

 

 

潔お前だ」

 

 

「え?俺がCF・・?」

 

「おいちょっと待て!!俺とか他の奴らは納得がいく!!だがなんでコイツがCFなんだよ!?コイツは自分の武器すらわかっていねぇへっぽこなんだぞ!?」

 

そう。やはり今回の武器共有でも潔は自身の武器を把握できていない。

 

「そうだよ・・・俺他よりも身体能力が特別高いわけじゃないし・・・」

 

本来なら二戦目のチームY戦後に千切から告げられるもの。

しかし今回はそこまで待っていられる余裕がない。

 

「確かに身体能力はあまり高くはないだろう・・・だが俺がお前をCFにするのには理由がある。お前には()があるからだ」

「え・・?眼?」

「あぁ。入寮テストの時薄々感じていたんだが、お前は空間を認識する能力に長けていると思う。入寮テストのときはキックの制度が低かったゆえに当てられなかったが、それまでの動き出しは良かった。周りがどこにいるのかしっかりと見定めて狙っていたんだろ?それゆえに潔はフィールド全体を認識する能力があると俺は踏んだ」

「マジかよ・・・お前そんなことできるのか・・?」

 

まぁこれに関しては半分嘘だ。

今回の場合、俺が原作知識を持ち込んで良い具合に理由を並べることで潔自身がその武器を理解するようになった。

彼の持つ【空間認識能力】はこれからの戦いでも必要不可欠。

欲を言えば【超越視界(メタ・ビジョン)】まで覚醒させたいんだが現段階の潔にはまだ使えこなせないだろう。

 

「・・・空間認識能力か・・・」

「あぁ・・・それに・・・あの時俺にぶち込んでくれた直撃蹴弾(ダイレクトシュート)。あれも今回お前をFWに選んだ理由の一つだ。あの瞬間はマジでビビったぜ(死ぬかと思ったが・・)」

 

「!・・・わかった!でも空間認識能力言ったって・・・具体的に何をすれば・・」

「簡単なことだ。その眼で周りを常に見続け、ゴールへの最適ルートを見極めてくれ。いきなりは難しいだろうから少しずつでいい。さっき言ったお前の直撃蹴弾(ダイレクトシュート)で得点を狙うも良し、味方への得点に貢献するも良し。その眼を活かすか殺すかはお前次第だ潔」

 

「!・・・・わかった・・・まだよくわかんないけど俺・・やってみる!」

「あぁ。それとウイング右の蜂楽は・・・まぁ言うまでもないだろ?その変幻自在なドリブル力で敵陣を突破してくれ。潔との相性もいいだろ?コンビプレイでガンガンゴールを狙ってくれ」

「にゃは♪当然♪」

「レフトの成早は死角を利用した裏サイドへの抜け出しを積極的に狙ってくれ。無理に左でプレイする必要はない。スペースがあったら狙い続けて欲しい。特に潔の持つ空間認識能力はお前の力を最大限に活かしてくれるはずだ」

「あいあいさー♪よろしく!潔!」

「お・・おう」

 

 

 

 

 

「で俺なんだが・・・・D()F()をやらせてくれ」

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

 

「え・・・DFって・・」

「どういう冗談だ?」

「FWじゃない・・・なんで?」

 

「理由がないわけじゃない。一試合目はどんなゲームが繰り広げられるかわからない。攻撃だってここにいるほぼ全員がゴールを目指すだろう?ならその分残った所のカバーを俺が全部やって支えてやる。そっちの方が守備面でのリスクは下がるだろ?」

 

 

「マジかよ・・・・全部って・・・」

「けど増瑠のスピードとパワー・スタミナなら不可能じゃねぇかもな・・本当に任せてもいいのか?」

「そうだよ・・・君がFWをやった方が・・・」

「テメェDFなんてできんのか・・?」

「安心しろ。一時期はDFとしてプレイしてたんだ。それに俺がDFをやれば失点は確実に抑えられる。だからみんなは・・・絶対点取れよな?」

 

 

「・・・わかった。なら任せたぞ」

 

「なぁ。俺もDF固定でいいか?」

 

とDF要望の赤髪 千切豹馬

できれば彼の覚醒も今回の初戦で起こさせたい。

千切の持つ超スピードは今後のブルーロックやU20などでも活躍しかしない要素だ。

なんとかしたいところだなぁ・・・

 

「・・・わかった。あともう一人欲しいな・・・」

「・・・なら俺にやらせてくれ!」

「イガグリか・・・確かにガッツなプレイが見込めそうで合う。だがいいのか?攻撃にあまり参加できなくなるぞ?」

「本当はFWやりたい!!けど試合に勝つためなら俺はやってやる!!」

 

「ありがとう。余る形でなってしまったが伊右衛門。GK頼めるか?」

「はぁ・・・まぁNo1にそこまで言われちゃぁ断れんな・・・」

「サンキュ。大丈夫だ。伊右衛門はキーパーとしての適性もある。その大きな体でゴールを守ってくれないか?」

「わ・・わかった・・」

「だからそれお前が言うかってんだよ・・・」

 

「あと伊右衛門は後ろからのコーチングを頼む。ラインの調整はこっちで引き受けるから相手がどこを狙っているとかを正確に伝えてくれ」

「わかった。任せろ!」

「初戦のDFは俺と千切、イガグリの3人で固定させてくれ。攻撃は残りで任せていいか?」

「ったりまえだアホ!!俺のゴールのために死んでも守り切れよッ!!」

「任せろ」

 

よし。なんとか各自の武器に合った適正ポジションを配置することに成功した。

これで初戦から安定した戦いができる。

 

改めて思うんだけど原作知識って結構チート過ぎないか・・?

 

 

「もうすぐ試合時間だ。みんな!!絶対勝つぞ!!」

 

 

「「「「オォォォォォォッ!!」」」」」

 

 

 

そうしてチームが一つにまとまった。

 


 

FW:      潔

   成早       蜂楽

 

MF:      國神  

 

    久遠      我牙丸

       雷市

 

DF: 五十嵐  増瑠  千切

 

 

GK:     伊右衛門

 

 

フォーメーションは3-4-3(3-3-1-3)。中をダイヤモンド型にすることで、全体前目に人数をかけることのできる超攻撃的パスサッカーフォーメーションだ。

蜂羅のようなサイドアタッカーの役目ができる選手がいることで攻撃の幅が広がる。

パス展開が非常にスムーズにできる反面、3バックによる最終ラインのケアが難しくCBの負担が大きい。

だから今回俺はDFを選んだ。スタミナには自信がある。

攻撃法は布陣選手間が均等に配置されている為、ピッチをワイドに使い選手同士での距離間を縮めたり広げたりしてパスサッカーを展開するのが基本・・なんだが今回は己の武器が最も活きるポジションを配置しただけだ。

しかし原作の初戦よりかはマシだろう。

 

彼らに要求するのはただ一つ。

 

点を取ってもらう。

 

それだけだ。

 

 


 

 

「よし。いくぞ!!」

 

 

そうして俺たちは五号棟センターフィールドに集結する。

俺たちの方が早く着いたため各自試合へ向けてアップをする。

反対方面からチームYが現れた。

 

「あれが・・・・チームYか」

「あぁ。特に要注意すべきはアイツ。シュートテクニックがずばぬけている熊本県大会得点王 大川響鬼」

 

まぁさらに言えば二子がヤバい・・・

チームYの影の支配者って潔は言っていたがまさにその通りだろう。

身体能力はあまり高くはないが、そのブルーロック内で屈指の頭脳で奇想天外な戦術で攻撃を仕掛けてくる。彼の持つ眼と発想力はきっと初戦でも脅威となりうるだろう。

大川と二子。まずはこの二人の動きを封じる必要がある。

 

 

 

 

ピィィィィィィ

 

 

 

 

そうしていよいよブルーロック初戦の笛が鳴り響く。




はい!!ということでいよいよ初戦が始まりました!!
相手はまさかのチームY!?
原作知識を活かして筋夫はチームZを勝利へと導くことができるのだろうか!?
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奪敵決戦(ライバルリーバトル)誰と組ませる?

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