一体いつからサッカーに筋肉が必要ないと錯覚していた?   作:リーリンリーリン

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前回からかなり期間が空いてしまい申し訳ございません。
ちょっと色々とありまして、なかなか手につけられなかったです。
引き続き「一体いつからサッカーに筋肉が必要ないとから錯覚していた?」をご愛読してくださると幸いです。
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14.予想外

疾風怒濤の奇襲攻撃。

原作よりも遥かに厄介で早い鰐間兄弟の連携攻撃。

俺達はそのあまりの異様さに試合スタートからわずか40秒と言う早さで失点を許してしまった。

 

(侮れないな・・・原作知識を軸に考えたら駄目だ・・・!)

 

 

想定外の動きに対応が遅れてしまい、最悪負ける可能性だって十分有りうる。

俺はそう決心し、身を引き締める。

 

 

ピィィィ

 

 

試合再開の合図が鳴る。

久遠のキックオフからボールは中盤の潔へ渡る。

 

「久遠!裏サイドへ行ってくれ!國神は少しインサイドへ走ってくれ!」

「「おう!」」

 

彼は自身の武器である空間認識能力を上手く使いながら味方へ指示を出しながらボールを前線へと運び続ける。

 

(このまま一気に・・)

 

 

 

「潔世一!お前は一人じゃドリブルで持っていけないだろ!そのもやしみたいなフィジカルで何ができるってんだ!」

 

 

鰐間計助がプレスをかける。

 

 

「あぁ・・()()そうだったよ」

 

「なんだと・・・うぐっ!?」

 

 

鰐間計助の当りをものともせず潔は身体を上手く使いボールを寄せ付けそのまま突破に成功した。

 

(馬鹿な・・・コイツ・・この短期間でフィジカルを付けたってのかよ!?)

 

 


 

時間は少し遡り・・・

 

 

「身体の使い方?」

「あぁ。例えどんなに筋肉量が多くても身体の使い方次第でそれは弱点にもなり得る」

「なるほど・・・それで俺に教えたいことって・・・?」

 

「まずは【ハンドワーク】。腕と肩の力をうまく使えば筋量が少なくてもフィジカルの強い選手にもボールを取られにくくなる」

「ハンドワークか・・・確かに今まで無意識でやってきていたけど実は重要なことだったんだな」

 

短期間での筋力増強は反って筋肉と言う重りを付けさせてしまう。

故に現時点での潔の身体レベルでも取得可能な体の使い方を教えた。

 

「あぁ。そしてもう一つは・・・・・体重のかけ方

 

【シフトウェイト】ってやつだ」

「シフトウェイト・・・?ボクシングのあの?」

 

確かにボクシングでもシフトウェイトと言う物は存在する。

だが今回俺が教えるのは別物だ。

 

「うーんこれに関しては口で説明するよりも実際に見てもらった方が理解しやすい。おーいイガグリ!」

「はいはーい!!何でしょう師匠!」

 

俺考案のトレーニング最中のイガグリを呼んだ。

 

「今から俺に全力でぶつかってきてくれ。もしこのボールを取れたら今晩のステーキをご馳走するよ」

「何ぃ!?言ったなぁ!男に二言は無いぞ!」

「もちろんだ。さぁ来い」

「うぉぉぉぉぉぉ!南無三ッ!!」

 

とご褒美があると信じ、彼は言葉通り全身全霊の力で俺にぶつかってきた。

 

「ぶおぉぉぉッ!?」

 

しかし吹き飛ばされたのは突っ込んだイガグリの方だった。

 

「突っ込んだのはイガグリの方だったのに何でビクともしないんだ?」

「まぁ体重差もあるが、一番は体重をかけたことだ。インパクトの瞬間に体重を相手の向かってくる方へかけてやるんだ。当たる瞬間は・・・そうだな・・。

 

硬い鉄になった気持ちになればいい」

 

(いやもう・・・鉄とかのレベルじゃねえもはやダイヤモンドだよ・・・)

 

「潔はこの数日で【ハンドワーク】と【シフトウェイト】の2つを身に着けてもらう。練習相手は俺で十分だろ?」

(あれ?もしかして俺近々死ぬのでは・・?)

 

そうして数日間文字通り死にかけるほどの修練と指導を受けたことで、俺は筋肉量はそのままで自分よりも少し身体の大きな選手にも当たり負けをしなくなった。

 

 

「貰ったぁぁ!」

(体と体が接触するインパクトの瞬間・・・!)

 

「ふっ!」

「ぐはっ!?」

 

(体が鉄になった気持ちで相手へ「体重」をぶつける!!)

 

鋼鉄重突(アイアンチャージ)

 

 

この技術で俺は弱点であるフィジカルを少しだけ克服できるようになった。

 

 

 

 


 

 

「國神!!」

 

潔から左サイドの國神へボールが渡る。

 

「詰めていけ!!そいつはミドルもあるぞ!!」

「チッ・・・完全に研究済みか・・・」

 

やはりロングレンジのシュートを警戒されている。無理に押し込むのも悪手だ。

國神は冷静に状況を把握するように周りを見る。

 

ならば・・

 

 

 

「こっちだ~♪きんに君~♪」

 

 

 

そこへサイドバックを担っている蜂楽がオーバーラップで駆け上がる。

これには相手ディフェンスも予想外だったようで、國神から大きく外れるようにサイドアタックを仕掛ける。

 

「いっけ〜♪久遠ちゃん♪」

 

センタリングが上がる。

ボールはペナルティエリア内の久遠へと高いクロスが上がる。

 

「久遠渡!テメェの最高到達点は予め研究済みだ!俺の方が高いぜッ!」

 

 

久遠よりも高い身長を誇るチームWのディフェンダーは彼を完全にマンマークしていた。

そしてお互いほぼ同じタイミングで中を舞う。

 

「確かにそうかもね。だけど・・・俺のほうが()()()!!」

 

 

(なっ・・!?コイツ・・・!最高到達点までが早すぎる!!)

 

 

「おらぁぁッ!!」

 

 

そして久遠は彼の真上から強烈なヘディングシュートを放つ。

 

 

ボールはそのままゴールを大きく揺らした。

 

ピィィィ

 

「しゃぁぁぁぁぁ!!」

「うぉぉぉぉぉぉ久遠ナイッシュ!!」

「お前なんかまた高くなったか!?成長しすぎだろ!」

「・・・フッ」

 

久遠は笑みを浮かべた。

 

 


 

小さい頃俺はサッカーが好きだった。

好き故に全力で取り組み、いつしか俺の中でサッカーへの情熱はどんどん膨れ上がった。

だから高校でも頑張って行こうと思い、当時部活動があまりなかったことからチームメンバーを集めてサッカー部を作った。

 

「目指すは全国だ!!」

「「「「おおおおおおお!」」」」 

 

みんなも日々頑張って練習して俺達は順調に試合でも勝ち上がって行けるくらい成長できた。

 

 

このチームなら楽しく熱いサッカーができる。

 

 

俺はそう思っていた。

 

 

 

「わりぃ久遠。今日はもう帰るわ」

「!?え・・・なんで・・・一緒に全国目指そうって・・」

 

 

「いやいやマジで俺達が全国行けると思ってたのか?無理だっつーの」

 

「そもそも地区予選ベスト8になれただけでも快挙だぜ?」

「そ・・そんな・・・!あのときの言葉は嘘だったのか!?」

 

 

 

「・・・暑苦しんだよ・・・お前とサッカーやるの」

 

 

 

その言葉を聞いて俺は中で何かが崩れる音を聞いた。

自分が今までやって来たサッカーとは何だったのか?

 

チーム・・・?

 

 

チームって何だ?

 

 

俺の中で一つの疑問が浮かんだと同時に一つの結論にたどり着く。

 

 

(チームなんて必要ない。俺一人で勝てば良いだけの話)

 

 

そこから俺は周りを信じられなくなった。

信じたものもいつかは裏切られる形となる・・・結局世の全ては弱肉強食。それはサッカーだって同じだ。

どんな状況下でも俺は周りを信用せずに一人だけで勝利を捥ぎ取る。

 

そんな時だった。強化指定選手に選ばれたのは。

青い監獄(ブルーロック)

たった一人だけが生き残れるまさに弱肉強食の世界。

 

(最高じゃないか・・・!)

 

最初は全くの赤の他人同士でチームを組まされた。

例えチームを裏切ってでも勝つ。

そんな想いを胸に俺はチームZのユニフォームを来た。

 

「おらぁぁぁぁッ!!」

「負けっかよッ!!オイ!テメェら!!死んでも勝つぞ!!」

「「「おおおおおおおおお!!」」」

 

 

しかしここは違った。

ここにいるみんなも己が強くなるために自分と同じくらいの熱意でサッカーに情熱を抱いていた。 そりゃ負ければ終わりと言われたら誰しも本気になるだろう。

だがそれを抜きにして彼らはただひたすらサッカーと向き合っていた。

かつての自分のように。

 

「よっしゃぁぁぁ!!まずは初戦突破だ!」

「やったな久遠!」

「あ・・あぁ・・!」

 

俺たちは強かった。

いや。というより彼。増瑠筋夫君のおかげだろう。

流石は高校サッカー界の頂点に立つ男。存在感からまるで別格だ・・・

彼の的確な指示や戦略で俺達は一回戦で十分すぎるほどの成果を成した。 

 

「久遠にはジャンプ力と同時に瞬発力を身に着けられるこのトレーニングをお勧めするぜ」

(へぇ・・・こんなトレーニング法があったのか・・・)

 

彼から教わった「オーバーヘッド・スクワット」はかなり成果が表れた。

ジャンプ力は少しだけ上がったが、最高到達点に達するまでが格段に速くなった。

流石は筋肉を武器にするだけあってトレーニングに関する知識が凄いな・・・

 

(しかし彼の筋肉はすごいな・・・・もし本気で裏切っていたら彼に頭を握り潰されていたのではないか・・・?)

 

 

俺は今はとにかくサッカーが楽しくて仕方がない。

ここにいる選手・・・・いや・・・

 

 

【仲間】よりも更に強くなってやる!!

 

 

世界一のストライカーになるために!

 

 


 

互いに1-1のスコア。

試合が再開されると同時に鰐間兄弟の猛攻が続く。

 

「おらおらぁ!!どうしたぁ?」

「クソっ・・・やっぱり早い・・・」

 

お互いを見ずに行われるアイコンタクトでの超スピードの連携双龍一閃(デュアルドライブ)

ただでさえ対人戦の強い鰐間兄弟の突破力。仮にマンマークしてもスピードで振り切られてパスが通ってしまう。

 

「クっ・・・!!伊右衛門!同時に行くぞ!」

「わかった・・!」

 

タイミングを同時にすればボールカットできる・・・しかし

 

「残念だったなッ!()()だけじゃないぞ!!」

「おっしゃぁ!ナイスパス!鰐間兄弟!」

 

「何!?」

 

 

なんとここでチームWトップ下の選手が駆け上がってきていたのだ。完全に意表を突かれてしまった。

 

(マジかよ・・鰐間兄弟だけでも厄介だってのにここにきて他の選手との連携だと!?)

 

鰐間兄弟への同時プレスは他選手との連携もプラスされたことで予想のできない攻撃パターンを生み出す。

くっそ・・・妙にチームWはFW選手が多いと思ったら・・・!

またしても予想外の攻撃パターンに俺たちはなすすべもなく突破されてしまった。

ゴール前で鰐間計助がシュート体制へ入る。

 

「よっしゃぁ!!二点目いただきッ!!」

 

 

兄同様鋭いコースへとシュートが放たれる。

またしても得点され・・・

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

しかしなんとキーパーの臥牙丸が大きく飛び跳ねてはじいた。

 

「何ィ!?」

「ナイスセーブ!!臥牙丸!」

 

「よっしゃ・・・止めたぞ・・!」

 

はじいたボールはラインを切る。

ゲームが一時中断され、相手のスローインからスタートされる。

 

(どうする・・・考えろ・・・)

 

鰐間兄弟の【双龍一閃(デュアルドライブ)】、それに+アルファで他のFW選手との連携。

止めるのは容易ではない。

お互いの位置が見なくてもわかるということは、ある意味お互いのフィールド領域のの空間認識も長けていると言える。

そう・・・まるで潔のような・・・・

 

 

 

!待てよ・・・!?

 

 

 

 

()!?

 

 

 

 

ボールはスローインされる。

 

「ふんぬぅぅぅぅぅッ!」

「!?金髪スタミナお化け!?」

 

そこへ雷市が強引に体を入れ替えボールを奪取する。

 

「上がれテメェらッ!!」

 

蹴られたボールは前線の潔へ。

潔は上手く教えたとおりのハンドワークでボールをキープし、右サイドの千切へと渡す。

 

 

「よぉ千切!ひっさしぶりだなぁぁ~」

「!」

 

長期間のトラウマによるプレー不可。

それは彼らの存在によってより鮮明に思い起こされるはずのものだった。

 

 

「またぶっ壊れるぞ?お前のご自慢の脚はなぁ!!」

 

 

そう言うと同時に鰐間計助は千切へ襲い掛かる。

 

 

「あぁ・・・そうかもな・・・けど・・・

 

 

 

ぶっ壊れたっていいさッ」

 

 

「!?」

 

 

「今だけは・・・・!!この滾りに従わせてくれよッ!!」

 

 

千切は自身の武器である超スピードで右サイドを一気に駆け上がる。

 

(馬鹿な・・ッ!?コイツ・・・走れたのかよ!?)

 

これにはチームWも完全に予想外の事態。

ディフェンスが駆けつけるも、千切はそのままボールを前へ蹴りだしそのボールを追いかけるように走りぬく。

 

(は・・?マジかよ・・・蹴ったボールに追いつくなんて・・・)

 

そして右サイドからペナルティエリア内まで侵入。

しかしそこへ千切えを止めようと複数のディフェンスが寄せ付ける。

シュートコースはほとんどないこの状況・・・

 

(ん・・・・こういう時は・・・・)

 

しかし千切は冷静に周囲を確認しある所へ目を向けた。

 

 

 

(出せ・・・・千切!)

 

 

ペナルティエリア外から中央のスペースへ司令塔潔が走りこんでいた。

 

 

「ったく・・・とことんエゴイストだな!」

「ナイスパス・・・」

 

潔世一はそのまま【直撃蹴弾(ダイレクトシュート)】を放とうと足を振り上げる。

 

「させぇぇぇん!!」

 

しかしそこへ鰐間淳壱が迫りよる。

 

「潔世一!!お前はチームZで最も警戒すべき選手!!だから今回もフィニッシュはお前だろうと思ったぞ!!」

 

 

 

 

彼の思考を上手く予測しての守備。

 

 

 

 

よもやFWの彼がここまで下りてきてディフェンスするとはつゆ知らず・・・

 

 

 

 

 

完全に予想外・・・・

 

 

 

「とでも思ったか?眉毛野郎?」

 

 

「!?」

 

 

 

しかしなんと潔はそのボールをスルー。

そしてその先には・・・

 

 

 

「最高だぜ。お前」

 

 

(ま・・まさか・・!俺がディフェンスへ来たことも見えていたというのか・・!?)

 

大きく左足を振りかざす國神の姿がそこにあった。

直後ダイレクトで放たれる豪弾。

 

ボールは一気にゴールへと一直線に突き刺さった。

 

ピィィィィィ

 

1-2

 

 

「っしゃぁぁぁぁぁ!!」

「おぉぉぉぉぉぉぉよくあそこから決めたな!!國神!!」

「あぁ!!ナイスパス!潔!」

「おう!ナイスシュートだったぜ!ヒーロー!」

 

彼らは互いにグータッチする。

 

 

(見つけたぜ。あの連携を止める術が・・・!)

 

 

ピッピッピィィィ

 

 

そうして前半終了の笛が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 




はいということでちょっとした潔君のチート回でありました。
しかし「眉毛野郎」はちょっとレスパ力低すぎたかな・・・
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