一体いつからサッカーに筋肉が必要ないと錯覚していた?   作:リーリンリーリン

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かなり久しぶりです。
しばらくぶりの投稿ですがよろしくお願いします。


16.武器の使い方

後半が始まって早五分。

チームWの得点源である鰐間兄弟はペナルティエリアから少し離れた位置にて目の前の異常事態に立ち止まる。

それは他でもない【潔世一】に対して・・・

 

「なぜ潔世一がDFなのかは知らんが!」

「俺たちの攻撃は誰にも止められない!」

 

一瞬考えたのち鰐間兄弟は自身の持つ武器を信頼し、俺と伊右衛門そして潔の3バックへ襲う。

センターは俺、そしてサポートを促すように伊右衛門を少し後ろへ配置しておりカバーリングに備える・・・・

 

「くっ・・・やっぱ早ぇな・・・」

 

しかしいくらポジショニングに集中したところで相手はほぼノールックでの高スピード高次元の連携【双龍一閃】

ベーシックなディフェンス方法じゃ止められるわけがない。

 

「!しまった・・・!タイミングが少し遅れて・・・!」

 

 

加えて伊右衛門はディフェンダーとしてまだ日が浅い。

安定したカバーリングの姿勢やタイミングをまだ熟知できていない。

 

 

「貰ったぁぁぁぁぁ!!」

「これで2点目!!」

 

 

あっという間に2人抜かれペナルティエリア内まで侵入。

兄鰐間淳壱が大きく足を振りかざし、シュート体制へ・・・

 

 

「・・・・」

 

 

 

彼らの猛攻を防ぐには俺達2人だけじゃピースが足りない。

 

 

 

 

だから

 

 

 

 

「ふぅぅぅぅぅぅッ!!」

 

 

 

 

備えておいたのさ

 

 

 

 

 

 

残りの1ピースを

 

 

 

「「!?」」

 

 

シュート直前に大きくスライディングでカットしたボールがサイドラインを切る。

その瞬間フィールド全体が静寂に包みこまれる。

 

 

 

「な・・・・なにぃ・・・!?」

「馬鹿な・・・!?俺達の【双龍一閃】・・・空間認知とタイミングに狂いはなかったはずだ・・・なのになぜだ・・・・なぜそこに・・・・・潔世一がいるんだ・・・!?」

 

 

よもや止められるとはつゆ知らず、鰐間兄弟は驚愕の表情を見せる。

その視線の先に・・・・

 

 

「もうお前らの好きにはさせねぇよ・・・眉グル兄弟」

 

 

ハンターは静かにそうつぶやく。

 

 

 


 

 

 

「俺たちを()()

 

「は・・・?殺せって・・・・一体どういうことだ?」

 

「まず俺達はあの超速連携馬鹿正直に真正面から迎え撃とうとしてただろ?真正面から正直に構えてカバーリング備えてたとしてもアイツらは止められない。なぜならあの兄弟にも疑似的空間認識能力の視野の広さがあるからだ」

「ただでさえ高い突破能力を持つのに視野の広さと来たら・・・」

「無理じゃん!マジでどうやって止めるんだよ!?」

「落ち着けイガグリ。さっきも言ったようにあくまで疑似的・・・単純な視野の広さと空間認識能力は潔の方が秀ている」

「だけど俺一人の身体能力じゃあの二人には追い付けないだろ?」

 

 

「だから()()を使えってわけだ」

「え・・?」

 

 

「俺と伊右衛門を使ってあの兄弟の空間認識範囲を縮める。潔からすれば俺達はあの二人へぶつける捨て駒のようなもの。あとは簡単だ。俺たち二人であの兄弟に意識を集中させる。そこで俺らはを殺される。極限まで俺たち二人に意識が集中した瞬間お前はその意識外へ外れるんだ」

「意識外へはずれるか・・・なんだかイメージが難しいな」

 

常人であれば意識の範囲外など理解できるはずがない。

俺だって無理に決まっている。

試合中・・・というか日常生活で常に前後方の360度を認知するなんて人間では不可能だ。

 

「大丈夫だ。前半戦でお前はあの兄弟にボランチで嫌というほど抜かれただろ?何度も対面したことで、すでにお前の中であの兄弟の意識範囲が理解できているはずだ」

「ぐっ・・・結構痛いとこつくよな・・・・」

 

しかし潔の空間認識の力をもってすればその不可能を可能に近づけられる。

前半戦でより多く彼らとマッチアップしてきた彼だからこそできる仕事だ。

対【双龍一閃】用ディフェンスフォーメンション。俺と伊右衛門そして少し後方センターで待ち構える潔。

 

「俺達を捨てゴマのようにぶつけて殺させ、あたかも自分だけが漁夫を得るようにあの兄弟の認識範囲外からボールを狩り取る。・・・さしずめ【ハンター潔】だな」

 

 

 

 


 

 

 

 

(すっげぇ・・・ほ・・・本当に止められた・・・!)

 

 

ボールを奪取できたことに一番驚いていたのは他でもない潔自身だった。

当然だ。

 

 

 

 

彼の空間認識能力は()()()()()()()()()()()()()()からだ。

 

 

 

 

「あんなのはまぐれだ!!どんどん攻めるぞお兄ッ!!」

「ふんッ!!」

 

 

 

そうしてしばらく鰐間兄弟の猛攻撃が続く。

ディフェンダーである俺と伊右衛門はあくまで餌。

鰐間兄弟という獰猛な獣を餌として引き付け・・・

 

 

「でぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

ハンターにその獣を刈り取ってもらう。

 

「クソがァ・・・!!なんで毎回コイツに止められるんだ!?」

「ぬぅ・・・・まさか潔世一をこのように使ってくるとは・・・・」

 

 

伊達にサッカー歴を進んできたわけじゃない。

相手チームはもちろん自身のチームメイトの武器を理解する。

時にはチームメイトですら気付いていない己の大きな武器の可能性を見出し、その武器を具現化させ使えるだけ使う。

銃や剣もただターゲットを倒すだけの役割だけでなく、迫りくる相手に対し向けることで威嚇し戦意を失わせることだってできる。

 

 

要するに武器の使い方は一つだけじゃない。

 

 

 

「はぁはぁ・・・くっそ・・・やべぇ・・・マジでヤベぇよお兄・・・」

「ぬぅ・・・・!」

 

 

鰐間兄弟の【双龍一閃】は確かに強力な武器であった。

改良に改良を加えて認知視野を広げられれば更なる攻撃力を生んだはずだ。

 

 

 

しかしいくら強いと言えど武器とはバリエーションだけでなく、第二の刃も備えておく必要がある。

一つ目の武器が朽ちれば、第二、第三、第四・・・と無限に近いほどの引き出しを用意する必要がある。

強力な武器でも敗れられた後に順応する更なる切り札。

 

 

 

「行け。お嬢」

 

 

 

ディフェンスラインから大きくサイドラインへ高速で走りぬく千切へロングフィードを蹴り上げる。

千切はそのまま自身の武器であるスピードで敵を置き去りにしてシュートを放つ。

 

「うらぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ナイッシュ千切!!」

「ようやくお目覚めってか?寝坊助お嬢」

 

 

3点目

 

 

 

「次こそはッ!!」

 

 

再び兄弟の猛攻が続く。

前半戦から立て続けに攻撃をしてくるとは・・・彼らのスタミナも馬鹿にはならない。

しかし同じ手立てをいくら続けようと。

 

 

「残念だったな。そこはハンターの射程圏内だぜ?」

 

「シィィィィィィッ!もうやらせるかよ」

 

こうして潔に幾度も止められてはもはやチームWに成すすべはない。

前半戦攻めに転じて来たチームWはかなり消耗している。

しかしそれはこちらも同じだ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・・」

「ふぅ・・・・」

 

 

幾度も【双龍一閃】を防いできた潔もかなり消耗が激しい。

俺のトレーニングでスタミナは向上したものの、度重なる脳のフル回転と集中力でかなり来ている。

 

 

「っぐ・・・・しかたねぇ・・・お前ら!全員で攻めるぞ!!」

「「「お・・おぉぉぉ!!」」」

 

 

幸いチームWもこちらを警戒し、唯一の攻撃手段である【双龍一閃】を使わずオーソドックスなチーム連携を試みる。

 

 

「!」

「やっべ・・!悪い・・!」

「マジかよ・・!?」

 

しかしチームWの大きな弱点。

それは全員での連携攻撃が出来ていない。

ここまでチームWはほとんど鰐間兄弟を中心に攻撃を築き上げてきた。

お互いの信頼と能力の熟知、タイミング、思考の共有・・・の要素が噛み合ってないなければ真の連携とは程遠い力にしか及ばない。

だからこそ全員で攻める攻撃の刃を研ぐ必要がある。

 

 

「増瑠!こっちだ!」

「行ってこい!ヒーロー!」

 

サイドの國神へ長いグラウンダーパスを出す。

國神は中央の雷市へボールを渡し、そのままゴールへ駆けあがる。

 

 

 

(そのまま行く・・・!)

 

 

と雷市はドリブルで敵陣へ突っ込む。

しかし前には2人のディフェンダーがついている。

なるほど・・・これまでの雷市の強引な突破対策をしてきたというわけか。

 

「へっ!俺様が強引に突っ込むとでも思ったか?」

「「!?」」

 

 

雷市はそのまま二人の頭を大きく超えるループパスをペナルティエリア内へ向けて出す。

 

 

「馬鹿が!そこには誰もいな・・」

 

 

そう。誰もいるはずがないスペース・・・

 

 

 

「二ヒヒ♪ナイスパス雷市様♪」

 

 

「はぁ!?」

「このチビどこから!?」

 

 

意表を突いた抜け出しでセンターバックを文字通り置き去りにした成早。

しっかりと狙いを定め、シュートを放つ。

 

 

「よっしゃぁぁぁ!ナイスパス雷市様ぁ~」

「けっ・・・!ようやく決めたなチビ・・・」

 

 

と成早のハイタッチに雷市は渋々返す。

前回の試合から俺の教えでシュート練習をコツコツして来たおかげで成早のシュート精度はかなり飛躍した。

成早自身の武器が更に磨きを増せば強力なFWとして役割を果たせる。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・・」

「くっそ・・・・・・」

「もう無理だ・・・」

 

 

3点リードと後半終盤による精神と肉体的疲弊。

チームWの重圧はすでに限界に達していた。

 

 

 

「「諦めるんじゃねぇッ!!」」

 

 

 

大きく重なる叫び声の主。

鰐間兄弟だけは絶望的この状況で前を向いていた。

 

 

 

「ここで諦めたら俺達は確実に終わりだ!!」

「そうだぞ!たとえここで負けたって残りの二試合勝てばまだチャンスはある!」

 

確かに残りの二試合を勝てばまだチャンスはある。

俺達もしくはチームV、チームXのいずれか一敗でもすれば勝ち点で並ぶことはできる。

 

 

「そうだよな・・・悪い鰐間」

「まだ時間はある。ここらで一点くらいは取ってやろうぜ!」

「うおぉぉぉぉやってやるぞお前ら!」

 

「「「「「「おおおおおおおおおおッ!!」」」」」」」

 

あの二人の決意にチームWは火がつき士気が大きく高まる。

 

 

「油断ならねぇな」

「あぁ・・・だがこっちだって引き分けにはいかねぇ!」

 

 

互いの闘志がぶつかり合う時間が続く。

チームWは鰐間兄弟を中心にするだけでなく、チームメイト同士の連携を通じて攻撃力、守備力を強化する。

こちらも攻めては守り白熱した戦いがフィールド上で轟く。

 

 

「行けッ!」

「させねぇっぞ!」

「くっそ・・!」

 

 

 

潔もすでに限界を迎えている。俺は大丈夫だが伊右衛門も慣れないDFで結構来ている。

彼らだけじゃない。攻撃組の千切や國神、雷市、蜂楽も消耗が来ている。

 

 

「ふぅ・・・結構きついかも♪」

 

前線へオーバーラップしサイドを駆け上がる蜂楽にはディフェンスが待ち構える。

 

 

「けど俺はまだまだいけるよ~♪」

「うおっ・・!?」

「チッ・・!」

 

体力が消耗されようと、蜂楽のドリブルのキレは衰えていない。

華麗なエラシコからのルーレットターンで二人を躱しそのままセンタリングを放り込む。

 

「よし!!任せろ!!」

 

ゴール前で久遠がヘディング体制へ入る。

 

「うおぉぉぉぉぉッ!!」

「くっ・・・!!」

 

瞬発性のあるハイジャンプから久遠は豪快なヘディングシュートを叩きつける。

 

「させねぇッ!!」

「キーパーナイスセーブ!!」

 

上手くセービングではじく事でチームWは防ぐ。

ボールはそのまま鰐間兄弟へパスされる。

潔によるハンティングボール奪取ができない。

この状況はかなりマズイ。

 

「よっちはもう限界だろうよハンターさんよぉ!!」

「くっそ・・!!俺はまだ・・・ッ!!」

 

潔は力を振り絞り彼らの視野から外れようとする。

 

 

「丸見えだぜぇッ!!」

 

しかし体力が限界に近い状態で視野から外れるためのスピードが足りるはずがない。

 

「させねぇよ」

「うお!?このタイミングで付いてくるか普通!?だがまだだ!!」

 

俺が飛び出したギリギリのタイミングで鰐間計助は伊右衛門のマークをうまく振り切った鰐間淳壱」

 

 

 

やられた・・・

 

 

 

鰐間淳壱はシュートを放つ。

 

 

 

「よし!!2点目だ!!」

 

ボールは鋭いキックでゴールへ・・・

 

 

 

 

「うらぁぁぁぁぁぁ南無三ッ!!」

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

とそこへなんとイガグリが飛び込んで顔面でシュートをブロックした。

 

 

「っしゃぁぁぁぁやってやったぜおらぁぁッ!!」

 

 

アイツ・・・俺らが抜かれることを読んで直前にゴール前まで飛び込みやがったな。

決死のイガグリのブロックでこぼれた球は俺へ転がる。

 

 

 

「来るぞ!ディフェンスしっかり見ておけ!」

 

 

ここまで数多くのロングボールを蹴ってきた。

チームWは各自ポジショニングしてロングボール対策に備える。

後半時間残りはあと1分足らず・・・

 

 

 

 

「!?」

「何ぃ!?」

「おま・・!?なにして・・・・」

 

 

周囲が驚くのも無理ない。

これまでずっとディフェンスに専念してきた彼が突如として自陣からゴールへ向かって来たのだから。

 

 

 

「させるかよ!」

「ここは通さん!」

 

 

鰐間兄弟のダブルチェックが付く。

当然だ。チームZにて一番警戒すべきは空間認識能力に長けた潔世一でもなければ圧倒的スピードを持つ千切豹馬でもない。

 

 

「は!?ダブルタッチ!?」

「なんてスピードだッ・・・!?」

 

 

彼はそのまま中央エリアまで到達する。

かなりの実力を持ち合わせる鰐間兄弟を一瞬で躱して見せたのだ。

チームWのディフェンスは一気に重い緊迫感に包み込まれる。

ただならぬ存在感と圧

 

 

 

そう

 

 

 

 

 

 

 

 

()()によって

 

 

 

 

「だがいくらなんでも一人じゃ無理ってもんがあるだろっ!!」

「調子に乗るなよ!!」

 

 

 

 

サッカーとは一人のみならず。

フィールド上での10対1が成り立つはずがない。

 

 

 

「どうかな?」

「え・・・」

「っぐっ!?」

 

しかし例外は存在する。

個人のみの力量で他を圧倒する超人的なサッカー技術・・・またはフィジカル。

 

(嘘だろ・・・・一人で3人のタックルに打ち勝つなんて・・・)

(意味わかんねぇ・・・・なんつー理不尽なフィジカルだ・・っ!!)

 

 

幼少より鍛えあげられたサッカー選手にも思えぬ巨大な肉体と身体能力。

100キロを超える体重に190cmを裕に越える高さ。

 

 

「ふっ」」

 

「マジかよ・・!?」

「あんなデカい図体して・・・ッ!?」

 

 

また二人躱す。

 

(早すぎるだろ・・・)

(下手すればあの千切より早いんじゃ・・・)

 

巨体を忘れさせるかの如し驚異的な脚力。

それに合わせたハイスピードのドリブルテクニック。

 

7人を一瞬で独断で突破する様子を見てチームWのディフェンスは一気に警戒心が高まる。

残り時間を考えて逆転は不可能。そんなことは彼らも承知していた。

だけどせめてこれだけは止めて見せる。

次の試合に向けてラストの一本は止めて見せる。

決意を胸に彼らは向かって来るドリブルへ備えて。

 

 

「何をしてるんだ?」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

まさに予想外の展開。

向かって来たソレは、まだペナルティエリア内まで十分な距離にて自身の左足を大きく振りかざす。

当然誰も予期などできず防ぐことなど不可能・・・誰もブロックに飛び込めず、ただボールが蹴り上げられる瞬間を目で追う事しかでき・・・

 

 

 

「「させっかよッ・・!!」」

 

「!」

 

 

と誰もが思った矢先、唯一予測できた二人鰐間兄弟だけが彼とゴールの間にシュートブロックへ飛び込む。

そう。チームW内で一番チームZの武器を研究し尽くしてきた彼らだからこそ成しえた事実。

 

 

(想定通り・・!)

(よし!このタイミングなら・・!!)

 

 

 

完全に脚を振り切っt・・・・

 

 

 

 

 

「いい読みだ・・・・だが惜しかったな」

 

 

 

「「!?」」

 

 

ッたかのように思えたそれは、振り切る寸前でワンタッチし、彼らを躱す。

 

 

(この状況下でシュートフェイク!?)

 

 

予想外の予想外。

度重なる不測の事態にチームWのディフェンスは唖然とする。

それが大きな隙を生むとも知らずに。

そのままなめらかなシュートフェイクタッチによる完全なるフリーゾーン。

 

「ふんッ!!」

 

放たれる砲弾にも劣らぬ左足のシュート。

 

 

 

 

ドォォォォォン

 

 

「な・・・・・」

「あ・・・ぁ・・・・・・」

 

 

 

 

 

これまでの美しい曲線とは大きくかけ離れる豪快な真っすぐ貫通する大砲が、ディフェンダーとディフェンダーの間を過ぎ去りゴールネットを深く突き刺す。

 

 

 

 

 

 

彼はこう呼ばれている。

 

 

 

 

 

理を壊す者(カタストロファー)

 

 

 

 

 

ピィィィィピッピッピィィィィィィ

 

 

ゴールと同時に試合終了の笛が鳴り響く。

 

 

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁ」

「ナイスシュート増瑠!!んだよあれ!お前もうチートだろ!!」

「凄いよ増瑠君!!」

 

 

 

ラストのワンゴールを称えてくれるチームメイト。

そして2回戦突破の勝利のエールをお互いに分かち合う。

1回戦と違い、ここにいる22人全員が最後まで力を振り絞って試合をしたんだ。

 

「ほらよ。立てるか潔」

「はは・・・悪い・・・・結構きついかも・・・」

「ふっ・・・お前はホント良くやってくれたよ。ほら肩貸すよ」

「助かるよ・・・」

 

今回の試合は潔が居なければ危うかった。

流石は原作の主人公だぜ・・・

 

 

 

 

 

「クッソ・・・・クッソ・・・・」

「ぐ・・・・・」

 

 

 

チームWの選手のほとんどが敗北による涙を流す。

当然だ。

もちろん前回のチームX戦に続き2連敗しているんだ。

それに・・・・

 

 

 

 

負けたら悔しいに決まっている。

 

 

 

 

 

「!」

 

 

 

ただ二人は地面へしがみ付かず、堂々とした姿で俺の前に立っている。

 

 

「増瑠筋夫・・・・良い戦いだった」

「あぁ・・・・お前達凄ぇ強かったぜ。スコアはともかくお前たちの最後までの気合・・・最高だった」

「「!!」」

「もし次会えた時は、また今日のように全力でやりあおうぜ鰐間兄弟」

「っぐ・・・うぅ・・・・あぁ!!」

「おい潔世一!!今度はテメェに勝ってやるからな!!」

「!・・・・あぁ!!次会った時も倒してやるよ!」

そうして俺と鰐間淳壱

そして潔と鰐間計助は互いに握手する。

 

 

 

「おーい二人とも!!早くいくぞ!!」

 

遠くから國神の声が聞こえる。

 

 

「わかった!今行くよ!」

 

 

 

こうして白熱したチームW戦は静かに幕を下ろしたのであった。

 

 


 

 

チームZ       5-1     チ壱ームW

 

 

久遠渡:1ゴール         鰐間淳壱:1ゴール

國神錬介:1ゴール

千切豹馬:1ゴール

成早朝日:1ゴール

増瑠筋夫:1ゴール

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モニター室にて

 

 

「凄い試合でしたね・・・私も思わず騒いでしまいました・・・」//

「うん・・・鼓膜が破れたかと思ったよ・・・」

 

両者燃え滾るチームZ対チームW戦。

絵心と同じくモニター室にて視聴していたアンリは興奮を抑えられずにいた。

 

「すみません・・・・しかし彼の最後のラストプレー・・・とんでもなかったですね・・・」

「まぁ彼なら当然だろうね。後半戦最終盤の時点でほとんどの選手が体力的に厳しい状況だった。反面ディフェンスに徹底し並外れたスタミナを兼ね備える彼ならあの終盤で一気にゴール前まで持って行くのもたやすいだろうね」

「なるほど・・・単にディフェンス力に自信があってDFを選んだわけじゃないんですね・・」

 

絵心の考えに納得する彼女。

 

「一見筋肉ばかりのフィジカル重視と思われがちだが、彼の一番の武器どんな状況下でも冷静に思考を巡らせ最適の条件で難題をクリアする頭脳。彼がなぜ世間でNo1と呼ばれているのか少しわかった気がするよ」

「えぇ。あ・・!あと最後のシュートですが、前回と違ってあんな豪快なシュートも打つんですね彼」

「・・・・」

 

アンリの言葉に絵心は一瞬黙り込む。

 

「絵心さん・・・・?」

「ねぇアンリちゃん。彼の身体データをもう一度見せてくれるかい?」

「え・・?増瑠君のデータをですか?以前お渡したコピーであれば・・・」

 

そうして一度アンリは退出し、絵心の要望通りデータが記された用紙を渡す。

 

「これです」

「・・・・」

 

絵心はある一か所だけをずっと見続ける。

 

 

「あの・・・・何かありましたか?」

 

 

と気になるアンリは後ろから絵心の顔を確認するように前へ出る。

 

 

「!」

 

 

そこには笑みを浮かべる絵心の姿があった。

今まで彼女が見たことのないような。

 

 

「ふふふ・・・・増瑠筋夫・・・・お前は本当に読めない男だな・・・」

「ど・・・どうしたんですか絵心さん!?」

 

 

アンリの問いかけに絵心はゆっくりを口を開く。

 

 

 

「驚きなよアンリちゃん・・・実は彼は()()()なんだ・・・」

 

 

 

 

 

「え・・・・?」

 

 

 

 

驚愕の空気だけがモニター室にて漂うのだった。

 

 

 


 

 

 

 

ブルーロックあでぃしょなるたいむ 

 

 

 

 

2話.「家族の時間」

 

 

 

母「筋夫ー!ご飯食べるー?」

筋夫「うん!食べる!ちなみに今日は何?」

父「今日は母さん特製チキンハンバーグだ!!あとアボガドサラダのオリーブオイル付けだ!」

筋夫「よっしゃぁ!!ちょうどジューシーなのが食いたかったんだ!」

 

モグモグ

 

 

 

母(ホントよく食べるわねこの子)

父(はっはっは!すでに父さんより大きくなって・・・りっぱに育ってくれて良かったぞ我が子よ!)

 

 

 

モグモグモグ

 

 

 

ムキムキッ

 

 

 

父母「・・・・・」

 

 

筋夫「ぷはぁ!うまかったぁぁ!ごちそうさま!!」

 

 

 

 

 

 

父母「・・・・・」

 

 

 

 

 

母「ね・・ねぇあなた・・・あの子なんか前よりさらに大きくなってない?」

父「う・・・うぅぅむ・・・確かに去年辺りで100キロ超えたとか言ってはいたが・・・我が子なら恐ろしい成長速度だ・・・」

母「ま・・・まぁ大きくなってくるのは何よりだしサッカーも順調そうで大丈夫よね!」

父「あぁ!筋夫が頑張っているんだ。俺達もあの子の応援をしてげるだけだ!」

母「そうね・・・あ!そうえばあなた来週から海外出張だったわね」

父「あぁ・・・3週間くらい向こうでの仕事だ。すまない・・・」

母「いいのよ。あの子のことは私に任せて頂戴」

父「ありがとう・・・ん?・・・増瑠?」

筋夫「悪い父さん母さん。ちょっと友達に呼ばれてジムに行ってくるよ」

 

父「ジムに友達か・・・いいな!」

母「。あまり遅くならないようにね。明日は昼から練習だったわね?」

筋夫「あぁ。だけど22時までには帰ってくるよ。じゃあ行ってきます!!」

 

 

母「ふふっ・・・あんなに楽しそうにジムへ行くなんて・・・一体誰に似たのかしら」

父「はっはっはっは!!さぁな?」

 

 

 

 




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