トリスタから蹴り出されてリーヴスに着いたんだが…… 作:全自動髭剃り
装備弾薬、食料や野営用具に、機甲兵などの資材を積み込み終えたデアフリンガーの生徒用客室で、流れ行く夜のケルディックの穀倉地帯を横目に、いかにも黄昏ている風な意味深男子を装ってる。……こらそこ! 今は女子だろとか言わない!
特にやることもなくラウンジで時間を潰しているんだが。
調達した食料を口に放り投げてはポリポリと噛み砕きながらARCUSを開いてみる。
<ミッション確認画面>
⦅期限:5月15日11時0分⦆
【シュピーゲルSに搭乗したセドリックの撃破】
⦅期限:5月20日12時0分⦆
【アルカンシェルへ顔を出し、イリア・プラティエと話す】
⦅期限:5月20日16時0分⦆
【オルキスタワーの導力機関を停止せよ】
⦅期限:5月20日20時0分⦆
【LOCKED】
⦅期限:5月21日8時0分⦆
【LOCKED】
⦅期限:5月21日16時0分⦆
【ミシュラム湿地帯にて魔女の依頼を達成する】
⦅期限:5月21日17時0分⦆
【LOCKED】
新たに判明した、テロリスト紛いのミッションに脱力する思いである。
紛いというか、もろテロリストである。
なんなら男に戻るのを躊躇うレベルの蛮行を俺に行わせようとしているのだ。
「はぁ……」
だからと言って実行しないわけにもいかない……。もしも俺がこれらのミッションを成し遂げなかった場合、
失意の中、今までやってきた黄昏ムーブごっこにも飽きてきたので、ラウンジの方に行って暇にしてそうな人にでも話しかけにいこうかと悩んでいると、
「ノクス、いるか?」
ノック音と共にリィン教官が入ってきた。
こら! 女の子の部屋に許可も得ずに入るとは何事か!
と言えればいいのだが、そういうわけにもいかないので、心持ち体を窓側に向けて、首を振り返らせながら返答する。
「こんばんは、教官」
「こんばんは。ラウンジと格納庫にいなかったものだから、どこにいるかと思ってな」
「いつもの巡回ですかい。教官も律儀ですなぁ」
「教官としての職務さ」
生真面目なくせして気さくに話しかけてくるリィン教官。
俺たちとそんなに歳も離れてないし、俺が一年早く入学すれば教官じゃなくて先輩だったし、なんなら2年早く入学したら同級生になっているような人なのに、あちらこちらの係争地に駆り出されては英雄として扱わされてる苦労人。それらの責務に対しておそらく嫌な顔一つせずにやってきたんだろう、そんなお人よしである。
そして、教官になった今もその職務から逃げられないように政府から縛られている、物語の主人公ならば相当売れるであろうストーリーを歩み続けるような人だ。それに男にも大人気だし、女の子からは無数の縁談を持ち掛けられていそうで、さらに数人侍らせているに違いない。羨ましいこった。
「きみは確かクロスベルで数年過ごしたことがあるんだったか?」
「一昨年くらいから去年の途中くらいまでいましたよ」
「そこでも今のような便利部の仕事で過ごしていたんだったな?」
「そうっすね。都市の南の方にある旧市街でブイブイ言わせてた風来坊ってのは俺のことでっせ」
などと言ってるが、いうて大したことはなかったけどね。
たまに来るヤバめな依頼を除けば、雑用を手伝ったり、魔獣を狩ったり、たまに血気盛んな若者たちの仲裁をしてたくらいなものである。盗みに脅迫、夜な夜などんちゃん騒ぎして周りに迷惑をかけてたあいつらも、帝国や共和国の侵攻を受けた後はすっかりおとなしくなって、今じゃあ自警団を組織しているらしいってものだから、人間どう変わるかわかったものじゃないのだ。
「だったら懐かしい顔もあるだろう。特務活動中には少しの間別行動をする余裕くらいはあるだろうし、言ってくれれば便宜を図れるぞ?」
「ん? いや、別に――」
と言いかけたところで少し立ち止まる。
別にわざわざ別行動取るほどでもないと思ったのだが、これはミッションを達成するための口実にでもできるわけで……。
「そうですね、でしたら明日の昼過ぎくらいに少し時間をもらっていいですか?」
「ああ、それくらいは問題ないだろう」
「それと、午前中にアルカンシェルの見学に少し行きませんか? 実は演者の方と知り合いで。社会学習にもなるだろうし、どうです?」
「……、そうだな。きみたち便利部のおかげで前回の特務活動も想定の数倍早く終わってしまったし、今回も似たような手持ち無沙汰な事態にならないようにするためにも、社会見学をするのはいいことだろう」
「あざーっす!」
よし! こっそり抜けてミッションを達成しようとしてたけど、この分だと大々的に動いても問題なさそうだ!
後注意しなければならないのは、イリアさんが我がVII組のメンバーの誰かを連れ去ってダンスを仕込み出さないようにすることだけど、そっちについては俺の力が及ばないからどうしようもないだろう。今のところ一番危険性が高いのはアルだろうけど、いざとなればクラウ=ソラスで離脱してもらおう。
そして用は終わったとばかりに客室から立ち去ろうとしたリィン教官に、
「そういえば、教官」
「? なんだ?」
声を掛けさせてもらうことにした。
「今回の特別演習ですけど、騎神を格納庫に置いておくことはお勧めしません」
「え? ……なぜだ?」
「……俺たちがクロスベルに来ることになった理由はおおよそわかっていると思いますが……」
「……ああ。なんとなくだけど、おおよそは」
ふむ。
さすがはリィン教官である。
結社の動きに対するカウンターカードとして使われている自覚はあるようだ。
「結社についてはもう仕方ないでしょう。都度対応するしかないでしょうけど、問題は結社にとっての第二勢力です」
「第二勢力……?」
「はい。前回、彼らが言ったところの話です」
少し考え込むようなリィン教官に畳み掛けるように続けた。
「前回の猟兵王が結社にとっての第二勢力で、俺たちは第三勢力に過ぎなかった」
「……」
「今回もおそらく、彼らにとっての第二勢力が現れるはずです」
「……再び猟兵王が現れるということか?」
「その可能性は低そうだと思ってます。何せ、政府から猟兵の活動は一切報告されてないですから。あのルーファス総督が見逃すとは思えません」
あの敏腕をして、猟兵の動向が一切掴めないなんてことはありえないと思っていいだろう。
「今回は、あまりにも第二勢力の情報がなさすぎます。当局が意図的に隠しているという可能性と、くだんの第二勢力が非常に高度な隠蔽技術を持っている可能性があるんです」
「意図的に……」
「前者についてはほぼあり得ない上に、あまり考えたくはないですけど、後者の可能性は非常に高いです。そして、隠蔽を好む勢力の得意とする戦術は決まって奇襲のはずです」
「ゲリラ戦の理論か」
「はい。だけど、俺たちには最強のカウンターカードの騎神があります。結社にせよ、その第二勢力にせよ、なんらかの方策でその無力化を図るだろうと思いますが、その裏を掻けばいいんです」
「裏を……」
この第二分校に可能な限り被害が出ない方法として俺が提案できる策を続け様に伝えることにした。
「実は俺、騎神の格納ができる上に、簡易的な補給も可能な拠点を一つ知っているんです」
・・・・・・
リィン教官とのドキッ! 秘密大作戦会議! を終えて、ぶらぶらとラウンジにやってきたら、ゼシカがソファーでくつろいでいたものだから、わざわざ離れて座ることもないので、キッチンの隣にある自動販売機から炭酸飲料を2本買うと、ゼシカに投げ渡しながら向かいに座った。
「?」
「俺の奢りだよ。代わりに話し相手になってくれない?」
「ああ、ありがとう」
プシュッとプルタブを開いて喉に流していく。程よい炭酸が喉を通り過ぎていく。
「……人の嗜好にとやかく言うつもりは無いけれど、貴方の女装本当に様になってるわね」
「そうか?」
あんま嬉しく無い評価だけど……。
「でもスカートを履くなら、もう少し注意を配るべき。隙が多すぎよ?」
「精進中でっせ……」
いつ役に立つ事になるかわからないようなスキルが身につき始めているのだ……。
「そういえば、ゼシカ、この前依頼の話だけど」
「ああ、私が貴方に武術の鍛錬を頼んだときか」
「そうそう。なんだかなかなか苦労してたみたいだし、あれ以降調子はどうだ?」
「……正直芳しくはないわ」
表情に少し影を落としながら、ゼシカは続けた。
「貴方たちには当分追いつけそうにもないわね」
「……」
傷心気味のゼシカ。
かなり落ち込んでいるみたいだけど、正直そんなこともないんじゃないかと思ってるんだがなぁ。
基礎はできてるんだから、あとは経験さえ積めばいくらでも上達しそうなものだ。
<選べ>
【ゼシカに激励をする】
【傷心気味なところにつけ込んで口説く】
……。絶妙に魅力的な選択肢を出しやがって……。
確かにネガティブ気味な今のゼシカなら口説き落とすチャンスなのかもしれんけど……。いや! 男、ノクス! 弱ってる女の子を手籠にする卑怯な真似は決してしない! ……誰だ、お前今女だろと言った奴は! 先生怒るから手をあげなさい!
「頑張れ頑張れできるできる絶対出来る頑張れもっとやれるって! やれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ! そこで諦めんな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張る! ヘイムダルも頑張ってるんだから!」
激励ってなんだよ! もっとなんかこう、あるだろ!
これ、もはや煽ってねぇか……?
「……それ、励ましてるつもりなの?」
「は、はひぃ……」
「……ユニークな励まし方だな」
ドン引きされてんじゃねえか! 怒られるよりかはマシだけどさ……。
って、そうじゃなくて。目の前の女の子が困ってるんだ、口説くわけではないけど、少しフォローをさせてもらおう。
「ゼシカはさ、槍術で行き詰まってると感じてるんだよね」
「……そうだね。半端者の自分には才能がないのだろうね」
「……才能かぁ」
ゼシカは自分の手を見つめながら続けた。
「稽古をつけてもらったとき、手加減をしている貴方にすら一撃を入れられなかったし、こんな有様じゃ、シュライデンの名を貶めているだけになってしまうね」
そんなことを言い出すゼシカ。
シュライデンの名ねぇ……。
俺にはそんなものを背負ったこともなければ、何かの武術の道の一員として励んだこともないから、彼女の感じるところと共感してやれることは少ないのだろう。
けど。
「俺はさ、シュライデンもヴァンダールもアルゼイドも八葉一刀も知らないけど、それでも武術の道を歩み始めてる一人として、ゼシカのことを尊敬するよ」
「……え?」
「確かにこの学校にいれば、自分より何歩も先を走っている人たちがたくさんいて、その人たちを知れば知るほど自分が負けている劣等感を感じてしまうかも知れない。けど、ゼシカは立派に足掻いているじゃないか」
「……足掻く姿を立派というべきなの?」
「そうだよ。変わろうとする思い、変わる覚悟、そして、一歩を踏み出す勇気を持っているゼシカは、素晴らしいと思うんだ」
俺は畳み掛けるように続けた。
「武術においては間違いなく若輩者の俺だけど、これだけは断言できるさ。心折れそうな自分に打ち勝って、それでも前に進み続けようとしているゼシカは、シュライデンの名に恥じない武人だし、見ていてスッゲーカッコいい槍使いだって思ってるよ」
「……」
まあ、口下手な俺の叱咤激励なんてものが彼女の心に届くかはわからないんだけど、それでも彼女が自分の道に自信を持てるように少しでもなれたらいいな、なんて思った。
<選べ>
【ついでに告っておく】
【青春小説風に締めておく】
そしてその人様の善行を真っ向から邪魔するヤツもいると。
はぁ……。
あのねぇ、告るってのはついでにやるものじゃないでしょうが……。
仕方ないので下を選んでおくか。
「さぁ、一緒にあの夕陽に向かって走ろう!!」
いきなり立ち上がった俺は、ラウンジのソファーに足を乗せて、窓の外を指差した。
流れゆく景色の先、あったのは煌々と光る月があるのみだった。
「……ふふっ。何それ」
「あ、あれだよ、ほら……。あれ……」
「どれよ。全く、途中まではカッコよかったのに」
「……う、うるせえ!」
俺のせいじゃないんだし!
選択肢のせいだし!
「でも、おかげで元気が出てきたわ」
「お、それだったらよかった!」
「また稽古相手の依頼を出させてもらいたいけど、大丈夫かしら?」
「ゼシカなら歓迎! というか、朝教練室きてくれれば、大体クルトやライカとたまにユウナでやってるし、一緒に訓練できるぞ」
「ああ、それか……」
ところが、なぜか少し微妙な表情になるゼシカ。
あれ、彼女からしたら乗ってくれると思ってたんだが……。
「貴方たちは当事者だからあまり気付いてないかも知れないけど、学校中で噂になってるわよ?」
「噂……? まあ、クルトが毎朝いるし、あいつイケメンだから噂もたつか……」
「いや、そっちじゃなくてね……。毎朝寮を破壊せんばかりに教練室で暴れ回ってる
え?
俺らそんなもの扱いされてんの!?
「一応教練室の備品とか壁とかが傷つかないようにしながらやってたんだけどなぁ……」
「あの起床用チャイムより大きい爆音で戦っておいて壊れてないのは、そういうカラクリだったのか……。流石にそんな闘いについていける自信がなくてね」
「あ、いや、音が派手なだけで、大したことはないから安心して。それに、俺たちも槍を持った人相手の戦いの練習がしたいし」
「……じゃあ、言葉に甘えてお願いしようかな」
なんて感じの会話を交わしたのち、ゼシカは少し風に当たってくると言って、格納庫の方へとさっていった。
風に流されるゼシカの綺麗な青色の髪を見てみたいなと思ったのは決して下心ではなかったと信じたい。
・・・・・・
ガタゴトガタゴトと音を立てながら進むデアフリンガー号のラウンジで、意味もなく冷えた牛乳をほっそいストローでちゅーちゅー吸い上げながら啜っていた。一気に飲みきれないほどに量が多かったわけではないし、行儀良く飲んでいることを周りに見せびらかそうとしていたわけでもないが、一気に飲み干して仕舞えばいよいよやることがなくなって暇になってしまうから、こうして時間をかけているのだった。
消灯時間までまだまだ時間がある中、皆は客室でルームメイトとカードゲームでもやっていることだろうけど、ルームメイトがいない俺はこうやってハブられた挙句に一人寂しくラウンジにいるのだ。……いや、正確に言えば、給仕係となったサンディがカウンターの高い椅子に座りながら、足をバタつかせて食品を求めにやってくる人を待っているし、そんな彼女と仲良くマヤとレオノーラが女子会のように談話に花を咲かせている。
混ざればいいじゃないかって? なんちゃって女子の俺にはああいうキャピキャピした会話は無理だよ……。というか俺が入ったら向こうも気を使って楽しくしゃべれないだろうしね。
……けどその会話が気にならないわけでもないので、少し耳を澄ませて聞いてみよう。
「リィン教官の本命って誰なんだろうね?」
「アタシの見立てじゃあ、トワ教官に見えるね」
「前回の特別演習で来ていた女性二人もなかなかに親しげだったような……」
「アルティナちゃんって可能性も……」
「いや、流石にそれはないんじゃないのかい? そうだったとしたら、鉄道憲兵隊に突き出さないと……」
「早まらないでください、レオノーラさん。あれはどちらかというと、師弟関係とか、父と娘のような……」
「確かにそう言われたほうがしっくりくるよねー」
リィン教官の女性関係についてだった。
誰が本命かって……。本命じゃない人がいる前提で話が進められるほどって、よほど女の子との縁に恵まれてるんだなぁ。羨ましいこって。
「あ、あと、ノクスくん? ちゃん? の可能性もあるよね」
と、会話を盗み聞きしていると、サンディがとんでもないことを言い出した。
え? 俺?
「うん、確かにね」
「え? それはまたなぜ……?」
「マヤは見てなかった? リィン教官、この前の機甲兵教練の時に、機甲兵に乗り込むノクスのスカートを覗いてたぞ?」
は!?
レオノーラの口からもたらされた情報に声を出さなかった俺を褒めてほしい。
え、リィン教官、俺のスカート覗いてたの?
「最低ね」
「うん。それに、あたしの見間違いじゃなかったら、ものすごく真剣な顔をしてたような……」
「教官も男だってことさね」
いや、教官も男って……。
男のパンチラを見て、ケダモノ判定される教官も気の毒だ。
「それで、当のノクス本人はどう思ってるんだい?」
「……?」
え、俺に話を振られた?
なんで?
「そんな真剣な顔で盗み聞きされればこっちも気づくっての。ノクスもこっちに来なよ」
どうやら盗み聞きがバレたらしい。
……俺そんなに真剣な顔してたのか……? いや、深刻な顔はしたかもしれないけど……。
「あ、あはは。いや、悪気があったわけじゃなくてさ……」
「わかってるさ、気にしないよ。で、ノクスはリィン教官のことどう思ってるんだい?」
どうも思ってねえよ!
と叫ぼうとした俺だったが――
<選べ>
【リィン教官は、私の大切な人】
【リィン教官とならすでに◯◯した上に、◯◯を見せ合って、◯◯までチャレンジした間柄だぜ】
急に下ネタのオンパレードの選択肢を突きつけられた。
選ぶわけないじゃん。実質上しか選ばせる気がないんでしょ? わかってるわかってる……。
「リィン教官は――」
そこで俺の口は止まって……。
「リィン教官は?」
「――私の大切な人」
「「キャー!!」」
と、現場は大盛り上がりでございまして。
いや、野郎同士のサカリになんで黄色い悲鳴が上がるんだよ……。
<選べ>
【ぶっちゃけ俺と教官ってば魂を分け合ったマブダチってやつで? 来世もずっと一緒にいよう的な? お前らの想像できるどんな愛よりもやべえってわけよ】
【帝国男児たるもの、ここは沈黙で全ての真意を伝える】
上のチャラ男は置いておいて、だ。だんまり決め込んで何かが伝わる状況には思えないんだが……。
けど、ここはどっちが正解だ……? 前者は俺がリィン教官のケツを追い求める変態扱いされてしまうか、もしくはただの冗談だった思ってもらえるかもしれない。後者は、何も伝わらない可能性があるが、何か致命的な何かが伝わる可能性がある。……それこそまだ放置しているアルが勘違っているアレのように……。
いや、ここは下だ。
彼女たちの良識を信じよう!
「…………」
「これほど真剣だったとは……」
「純愛ってやつかい」
「でもライカちゃんのパン――」
「――そんなわけないじゃん!! そもそも男同士だぜ? 俺はそっちじゃないっての」
サンディの口から出かかっていたパンツの話題を無理やり塞ぎに行く。
それは俺の黒歴史だ……!
「でもリィン教官って誰彼構わず手を出しそうで、男だろうと気にしなさそうだけどな」
「確かに……」
「さ、流石にそんなことは……」
神妙な顔でレオノーラのとんでもねえ発言に頷くマヤだったが、唯一の良心のサンディが異を唱えた。
「ノクスも気をつけなよ?」
「ありえねえと思うけど、忠告感謝するよ……」
ありえないでいてくれよ……。
そしてその場は、消灯時間10分前だぞというトワ教官の声の放送によって解散となった。
明日起きたらクロスベルだ。
そして俺にはオルキスタワーの機能を停止させるというミッションがある。
まだ全てを忘れられても許されるうちに、寝てしまおう。
・・・・・・
――猫視点
やっときたか……。
全く焦らしてくれるわね。
こんな時期に来たのが吉と出るか、凶と出るか。
兎にも角にも”あの女”ね。
手分けしてでもなんとか探さなくちゃ。
――道化師視点
あれ? おかしいなぁ。何かいたと思ったんだけど。
――なぁんてね。
ウフフ……。役者も揃い始めたみたいね。
……招かれざる客も、何人かいるみたいだけど。
だけど、まだまだ足りない。
せっかくだから勢揃いしてから、”宣言”させてもらおうかな?
………………。
それにしても邪魔だな。
なんなんだろうね――。
――この霧は。
――白蘭竜視点
そういえば、彼がクロスベルに来るのは今日でしたね。
……このタイミングでこの地とは、彼もつくづくついてない……。
ですが、彼がここにきたというのに、顔を合わせないわけにもいきません。
彼というカードは是非とも手にしておかなければなりませんからね。
そして、そんな不運な彼が辿り着くだろう場所。
そこで感動的な再会劇を演じてみるのも、いいですね。
――??視点
副長からの連絡でわざわざきてやったってのに……。
なんだこの魑魅魍魎蔓延る大都会は……。
蛇どもや黒の関連の気配だけならいいが、人工の至宝とやらに
手早く片っ端からぶっ飛ばして用を片付けてえが、そういうわけにもいかねえのが面倒だぜ。
ったく、ここは第九位の管轄だってのに、なんでわざわざアタシが出張ってこねえといけねえんだ……!
……はぁ。
めんどくせえ大司教相手にこそこそ隠れるのも性に合わねえ。
とりあえず、この前の
――劫炎視点
おいおい……。
こりゃあなんだ……?
ガワは確かにあの緋の騎神――紅き終焉の魔王ってやつだが……。
……違ェ。
外ですらねェ。
ここまで得体が知れねえのは見たことがねえぞ。
……ぶっ壊してみれば何かわかりそうなもんだが、こいつはそういうわけにもいかねえだろうな……。
チッ。 癪だが、カンパネルラか《博士》が来るまでは放置だな。
――白銀視点
へぇ……! ここが噂の龍老飯店!
これでノクスの料理の味がわかる……!
いつも感想・評価・誤字訂正ありがとうございます!
正確に自分の技を覚えられてるので、ノクスの反応速度を超えるレベルで技を磨き上げるか、新たな剣技を作り出し続けないとまともに相手できない奴を相手に、挨拶がわりに毎日稽古を続けたクルトその他朝稽古勢がまともな成長曲線に乗るわけもなく……。
それにゼシカが参戦することになりました。黒キ聖杯での戦いが楽しみですね。
あと、??とかって書いたけど、口調でバレバレですね……。
プロットではこの後かなりシリアスな展開になりそうですが、選択肢には頑張ってシリアルくらいにまで和らげてもらいたいですね!
ノクスvs全部さんが起きたら、ノクスくんどうなる?
-
塵芥残らず燃やし尽くされる
-
全部さん火力抑えめで備長炭に
-
なぜか生き残る
-
ありえないことにいい勝負しちゃう
-
全部さん、まさかの敗北