ありふれた世界を救う為に来た最強のカードバトラー   作:異界見聞録

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熊の魔物の名前爪熊って言うんだね〜〜知らんかった……


〜第22話「対価と神結晶の奇跡」〜

〜第22話「対価と神結晶の奇跡」〜

 

身を呈して大熊からハジメを守ったブレイドラはハジメの足元で瀕死の状態のまま痙攣していた

 

「あっ……ああ……」

 

ハジメは震えつつブレイドラを見ており震えた手でブレイドラに触っていくとブレイドラの体温が冷たくなっていくの感じてしまったのだった。

 

「や……やだよ……ブレイドラ……!ブレイドラ……目を…目を開けてよ……!」

 

ハジメはブレイドラにそう言っては目から涙を流していくのだった。

だが、この場所で泣いているひまなどないのだ……何故なら…………

 

 

グルルルルル…………

 

 

大熊が目を光らせながら唸るようにしてハジメを見下ろしていたのだった。しかしその唸りはハジメ自身にとって嘲笑うようにしか聴こえなかったのだった。そのため……

 

「許さない……!お前だけは……お前だけは絶対に許さない!!」

 

ハジメは涙を流しながら大熊を睨みつつ怒りながら肉体強化と錬成で作ったダガーを持って大熊に襲い掛かっていく

 

しかし今のハジメにとってはどうしようもない壁があった……それは……

 

グルアァァァァッ!!!

 

バキッ!!と大熊は襲い掛かってくるハジメを一撃で地面に叩きつけたのだった。

 

「がぁっ!?」

 

そう奈落の底の魔物はレベルが高いため高レベルと言う理不尽な壁に阻まれたハジメは容赦なく無様に地面に叩きのめされたのだ。

 

「うぐっ!!ま、まだだ!!」

 

無理矢理身体を起こしたハジメはそのまま大熊を睨みながら手を出そうとした瞬間……ザシュッ!!!とハジメは鋭い爪に引き裂かれたのだ。

 

「…………えっ?」

 

ハジメは理解出来ないでいた宙に舞ったナニかがボトッ!と落ちたのだった。それはハジメがよく知るモノで、そして左腕に違和感を感じてからしばらくして激しい痛みが襲ってきたのだった。

 

「うがああああああっ!!!う、腕が……!僕の腕がぁ…………!!!」

 

ハジメはその場に膝を着きながら激しい痛みに襲われて取り乱していく

 

グルルルルルゥ……

 

しかしそんな痛々しいハジメを無視するようにある場所に歩き出した其処には血だらけのまま瀕死となっているブレイドラの姿だった……そう大熊は取り乱しているハジメより先に仕留めたと思っているブレイドラを食そうと言うのだ。

 

「うぐ……はぁ……はぁ……や、やめろ……!!」

 

それに気づいたハジメは大熊に絞り声で言うが大熊は知らんそぶりでブレイドラに近づいていく

 

「(はぁ……はぁ……ブレイドラは食べさせない……!なんとか奴の気を……そうだ……)」

 

ちらりとハジメは自分の目の前にある切断された左腕を掴む

 

「僕の腕をやる代わりにブレイドラは返してもらうぞ!!爪熊!!」

 

そう言って自分の左腕を思いっきり右で投げては大熊改め……爪熊の顔にぶち当てたのだった。そのためか血と人間の肉の匂いを直で嗅いだためその腕が落ちた瞬間がっつくように食し始めたのだ。それに合わせて強化した肉体でブレイドラを優しく右腕で抱き抱え込んで急いでその場から去っていった……敗北とブレイドラという代償……そして自分の左腕を対価にその場から急いで離れていったのだ爪熊は我を忘れたまま味わうように左腕の血肉を食し続けていく骨もバリボリと砕きながら洞窟内に響き渡っていく

 

「はぁ……はぁ……はぁ……!!!」

 

必死に走って走って兎に角走り続けては近くの大きな岩に身体を預けて息を整えていく

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……ここまで来れば大……丈……夫……」

 

ハジメは痛みを忘れブレイドラを右腕で抱えながら只々ひたすら走っていたため一気に疲れがきたのだった……無意識に肉体強化を解除していたため後に来る副作用は来なかった……

 

「逃げ切れた……逃げ切れた……なのに……なのに……」

 

ハジメは逃げ切れたことが嬉しいはずなのに涙を流してしまったのだ……

 

「ごめん……ごめんよ……ブレイドラ……!!僕の所為で……僕の……「キュ……ィ……」ブレイドラ!?」

 

ブレイドラを右腕で抱きしめながらひたすら涙を流し謝罪していくと瀕死のブレイドラが小さく掠れる声で鳴いたのだ。

 

「ブレイドラ……まだ生きてる……まだ生きてるんだ……!何か……何かブレイドラを助ける方法は……!!」

 

ハジメはなんとかブレイドラを助けたいと思い辺りを見渡し始めていくすると水滴の音が聞こえたのだそこに重い足を引きずりながら移動していく……すると……水が岩から溢れていたのだ……

 

「水……?」

 

そしてその水に近づいては上から落ちてくる水滴がブレイドラの身体に当たっていくするとブレイドラは目を覚ましていき思わず舌を出していく

 

「水……飲みたいんだね?」

 

ハジメは優しくブレイドラを抱えながら水が溢れている場所にブレイドラを近づけるとブレイドラは弱々しく舐めていくするとブレイドラの身体が光出した……

 

「えっ……!?」

 

そして一瞬の内に光が消えると身体が元の状態に戻っているブレイドラの姿がそこにあったのだった。

 

「キュッ……?」

 

ブレイドラは首を傾げていた

 

「ブレイドラ……!よかった……よかった……本当に……」

 

ハジメはただただブレイドラが無事になのに安心していく…そしてそのまま右手で水を掬って口にすると少し元気が出てきたのだ

 

「凄い……何故か知らないけど元気が出た気がする……」

 

どうしてブレイドラの身体が元に戻ったのか?どうしてハジメの傷ついた左腕と体力が回復したのかそれはこの石から流れる液体が原因なのだ。治癒作用がある液体。幻肢痛は治まらないが、他の怪我や出血の弊害は、瞬く間に回復していく。

 

ハジメは知らないが、実はその石は〝神結晶〟と呼ばれる歴史上でも最大級の秘宝で、既に遺失物と認識されている伝説の鉱物だったりする。

 

神結晶は、大地に流れる魔力が、千年という長い時をかけて偶然できた魔力溜りにより、その魔力そのものが結晶化したものだ。直径三十センチから四十センチ位の大きさで、結晶化した後、更に数百年もの時間をかけて内包する魔力が飽和状態になると、液体となって溢れ出す。

 

その液体を〝神水〟と呼び、これを飲んだ者はどんな怪我も病も治るという。欠損部位を再生するような力はないが、飲み続ける限り寿命が尽きないと言われており、そのため不死の霊薬とも言われている。

 

「だけど左腕の切断されたところがまだ痛い……」

 

ハジメが切断された左腕を強く右手で握るとブレイドラが近づいていき

 

「あはは……ごめんよブレイドラ……左腕を失って痛くて痛くて……「キュッ!」ブレイドラ?」

 

ハジメの瞳から光が消え始める……痛みが治まらないので現実逃避しようとしたハジメの前でブレイドラは目を閉じるするとハジメは首を傾げていく

 

「…………」

 

ブレイドラ身体が光っていくとハジメの左腕からくる痛みがどんどんひいていくのだ。

 

「痛みが消えていく……」

 

ハジメはその現象にビックリしてしまった今じゃもう左腕の痛みはないただ左腕が無いと言う現実は変わらないのだ……それでも……生きた心地とブレイドラが元気になったのに対して安心すると眠気が襲ってきたのだった……

 

「ごめん……ブレイドラ……少し……疲れた……から……ちょっと……休む……よ……」

 

そう言ってハジメはブレイドラに笑いかけると目を閉じて眠りに入っていく……その様子を見たブレイドラはハジメの膝の上に乗って身体を丸めながら一緒に眠り始めていく今この時間だけは……静かで……安心出来る空間だった……。

 




はい!ブレイドラさん復活したぞ!みんな安心してね!
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