ありふれた世界を救う為に来た最強のカードバトラー 作:異界見聞録
〜第24話「香織の目覚めと現実」〜
「…………」
あの後ダンは王宮内を移動していた……そこへ…………
「あ、ダン……」
「あ、馬神君」
恵里と鈴が一緒にいた。
「恵里……谷口……?」
ダンは呼ばれた事に反応して二人に近づいていく
「出てくるの遅かったけど……どうかしたの?」
「嗚呼……国王とな……今後について話していた」
「そうなんだ……」
「なんだか……馬神君って頼りになるね〜〜」
ダンと恵里がそう話していると鈴がそう言っていく
「……そうか?」
「うん!迷宮の事でもそうだし……さっきの事もそうだしね〜〜怖かったけど……」
「あはは……確かに……」
鈴は今までの事を思い出しながらも特にダンが怒り出した事にもそう答えると恵里は苦笑して頷いていく
「すまない……怖がらせてすまない……」
「ううん〜〜鈴達の事思ってそう言ったんでしょう?凄く嬉しかったよ!それに南雲君の事を馬鹿にした人達を懲らしめられたの見てスカっとしたし♪」
「まあ……ボクも思ったしね……ダンがあんなにも怒るのも無理無いし気にしないでよ?」
「そっか……ありがとうな二人共……」
そう言いながら二人に笑いかけると二人もダンにどういたしましてと言いながら微笑み返していく
「ところで二人はこれから香織のところに行くのか?」
「うん!そうだよ?カオリンが目覚めてくれると嬉しいんだけど〜〜」
「ダンも香織のところに?」
「嗚呼……一応様子をな……もし起きてるなら話さないといけない事があるからな……」
「「話さないといけない事?」」
ダンは二人にそう言うも二人は首を傾げて聴いていくと三人は香織の部屋に向かうのだった。
ハイリヒ王国王宮内、召喚者達に与えられた部屋の一室にて……
「香織…………」
そこには未だ目を覚まさない香織と香織を心配そうに看病している雫の姿があった。
「今回の一件……ダン君が色々としてくれたの……ハジメ君の事についても……そしてハジメ君を奈落に落とした檜山君の処遇についても…………」
淡々と雫は眠っている香織に話しかけていく
「もし……彼がいなかったら……きっと結末は最悪な方向に進んでいたかもね……考えたくはないわね…………」
雫はそう呟くが、首を横に振って考えるのをやめた
「…………んっ………………」
ピクっと指が動き小さな声も漏らしていく
「っ!?香織!聞こえる!?香織!!」
雫が必死に呼びかけに香織はゆっくりと目を覚ました。
「香織!!」
「雫ちゃん……?」
ベッドに身を乗り出し、目の端に涙を浮かべながら香織を見下ろす雫。
「ええ、そうよ。私よ、香織……身体はどう?どこか違和感ないかしら?」
「う、うん。平気だよ。ちょっと怠いけど……寝てたからだろうし……」
「そうね、もう五日も眠っていたのものね……怠くもなるわ」
そうやって体を起こそうとする香織を補助し、苦笑いしながら、どれくらい眠っていたのかを伝える雫。
しかし、それはある意味禁句だったかもしれない。
「五日? そんなに……どうして……私、確か迷宮に行って……それで……」
『五日』というワードを聞いた瞬間、徐々に焦点が合わなくなっていく彼女の目を見て、マズイと感じた雫が咄嗟に話を逸らそうとする。しかし、香織が記憶を取り戻す方が早かった。
「それで…………あ…………ハジメくんは……?」
「っ……」
香織の問いに雫が思わず目を逸らしてしまう。
「雫ちゃん……?「(コンコンコン)雫……俺だ。ダンだが……今大丈夫か?」ダンく……ん……?」
「っ!?え、ええ……大丈夫よ?」
香織が再び雫に聞こうとするも突然ノックがしてダンの声が聞こえたので香織は首を傾げた。雫もとりあえず返事をして入っても大丈夫だと言うことを伝えてはダンはそうか……入るぞ?と言い入っていくと恵里や鈴も入っていく
「カオリン!?目覚めたんだね!」
「良かった……目覚めて……」
鈴と恵里は喜んで香織に近づいて抱きしめていくと香織も思わず抱きしめ返していく
「えっと……心配かけてごめんね?二人共……」
「ううん……カオリンが無事目覚めてくれて鈴は嬉しいよ!」
「ボクもだよ。身体の調子はどう?」
「うん。大丈夫だよ?寝過ぎて身体が怠い以外はね……。ところで二人共……ハジメ君は何処?無事なのかな?」
「「っ!?」」
二人は息を飲むように黙ってしまう
「どうしたの二人共?雫ちゃんも同じ反応していたけど……ハジメ君に何かあったのかな?」
「「そ、それは……」」
「か、香織!じ、実は「雫…俺が伝える……」だ、ダン君……」
鈴と恵里が言葉を詰まらせる中…雫が勇気を出して香織に伝えようとするとダンが手で静止し自分が伝えると言って香織に近づいていく
「あ、ダン君……」
「香織……とりあえず遅いおはようだな?身体は大丈夫そうで良かった。」
「うん!それでダン君……ハジメ君は?あの後の事よく覚えてないんだけど?ハジメ君は何処かな?無事なのかな?ダン君と一緒にいたから場所分かるよね?」
ダンの言葉にニコニコと微笑んで答えながらハジメの居場所を聞き出そうとダンに聴いていく
「ハジメはオルクス大迷宮でベヒモスと共に奈落に落ちて行った………」
ダンは嘘偽りも無しに香織にそう伝えていく
「……えっ?」
香織はダンが言った事に思考が理解出来ないまま首を傾げダンを見つめてそう呟く
「ちょっ!ダン君何を!」
「馬神君!?カオリンになんてことを言うのっ!?」
「二人共落ち着いて……」
雫と鈴がダンに言い寄ろうとするも二人の肩を恵里が掴んで止めたのだった。
「ちょっ!?エリリン!?」
「なんで止めるの恵里……」
二人は恵里が止めてきた事に対して目を向けていく
「落ち着いて……ダンに任せて大丈夫だから……」
「「…………。」」
恵里は真剣な表情のまま二人にそう言っていくと二人は黙って静かにダンと香織のやり取りを見守る事にするのだった。
「……う、嘘だよ、ね。そうでしょ?ダン君……?雫ちゃん、恵里ちゃん、鈴ちゃん。私が気絶した後、ハジメ君も助かったんだよね? ね、ね? そうでしょ? ここ、お城の部屋だよね? 皆で帰ってきたんだよね? ハジメ君は……訓練かご飯かな? 訓練所か食堂にいるよね? うん……私、ちょっと行ってくるね。ハジメ君にお礼言わなきゃ……「いい加減現実逃避はやめたらどうだ香織……」っ!?」
何を言っているのか理解出来ないまま戸惑ってはダン達に聞くも段々とハジメが生きているとみんながいるなら何処に居ると言うように香織の目から光が消えたままそう言って立ち上がりハジメを探しに行こうとするが………ダンの冷たい一言によってその足が止まってしまったのだった。
「げ、現実逃避……?な、何言っているのかな?かな?私は現実逃避なんてしてないよ?ハジメ君は王宮に帰って何処かにいるんだよね?私探さなきゃいけないn「ハジメがベヒモスと落ちたのを見ていただろう?いい加減現実から背くのはやめろ」違うっ!!ハジメ君は落ちてなんか「お前が何故気絶したのかはハジメがベヒモスと共に落ちて取り乱したお前がハジメを助けると言って奈落に飛び込もうとしたところを俺が気絶させて止めたからだ。」っ!?どうして!どうして止めたの!!あの時私が行けば!「いい加減にしろ。駄々をこねても現実は変わらない」っ!!じゃ、じゃあ……ハジメ君は……本当に……?本当に落ちて……っ!嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だうそだうそだうそだうそだウソだウソだウソだウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダ!!!」
ダンの容赦ない言葉を浴び続けられてに香織は壊れるように耳を塞ぎ込んで否定し続けていく
「か、香織!!」
「カオリン!?」
「二人共まだダメ……」
雫と鈴が慌てて香織に駆け寄ろとするも恵里が二人の腕を掴んで止めていく
「エリリンどうして止めるの!?」
「あのままじゃ香織が壊れるわよ!?それでもいいの!!?」
「大丈夫……ダンを信じて……」
再び止めた途端雫と鈴は恵里に詰め寄っていくも恵里は只々ダンを信じて欲しいと二人に伝えていく
「なんで!?なんでそんな酷いことが言えるの!!ダン君はハジメ君の友達なんでしょ!?どうしてそんな冷たい態度が取れるの……!?どうして……っ……」
ダンに掴み掛かってはダンの胸部を叩きながら光が消えた瞳でダンを見つめながら叫んでそのままダンの胸の中で泣き出していく
「それでも俺は立ち止まらないと決めた……例え現実が酷くとも……ハジメが落ちたことでも……それでも俺は前へ進まなきゃいけないんだ……お前も……生徒のみんなも……メルドや騎士たちも……それが人間なんだ……挫折もする……けど…前を向いて生きていかなければ未来を掴めない!!香織……お前は現実逃避をしても現実は待っちゃくれない……変わらないんだ……それを受け止めた上で強くなれ!それでも辛いなら……挫折し続けるなら!仲間を!友達を頼れ!!」
香織の両肩を掴み香織をしっかりと見つめながらそう真っ直ぐな意見を言っていく
「だ……ダン……君……っ……!わ、私……私……!!わぁぁぁぁぁっ!!」
光が戻った瞳からダンを見つめて大粒な涙を流しながら強くダンを抱きつきながらダンの胸の中で思いっきり泣き始めたのだった。
「カオリン……良かった……良かったよぉ〜グスっ……」
「鈴……泣きすぎよ……グスっ……」
「シズシズだって〜〜」
二人は香織とダンのやり取りを見てもらい泣きしていたのだった。
「もう……二人共ったら……(良かったね香織……)」
二人の泣いている姿を見て苦笑しながら香織を見て優しく微笑むのだった。
次回ダンが香織達にある報告と今後についてるお話します。