ありふれた世界を救う為に来た最強のカードバトラー 作:異界見聞録
〜第29話「愛する者の為に強くなる者と決めた少女達」〜
「ほう……どんな理由だ?」
ハジメはダンが呟いた言葉に聞き返していくのだった。
「いずれ話す……今は取りあえず此処を出ることだが……」
「あ〜〜……その事なんだが…………俺はこのままダンジョンを攻略しようと思っている……」
「えッ!?どうしてハジメ君……?」
「この先この世界で生きる為にも力が必要になってくる……それに俺自身別の方法でダンジョンを攻略しながら元の世界に還る方法を探そうと思う……」
「分かった……俺もハジメの旅に同行していいか?」
「いや……それはそれでありがたいが……いいのか?」
「嗚呼……頼む」
「ボクも同行するよ?ダンが行くなら絶対付いていく!」
「私も絶対行くよ!!」
「お前等…………たくっ!分かったよ……よろしく頼むぜ?ダン、恵里、香織……」
「「「うん(嗚呼)!!」」」
こうしてハジメに新たな仲間が出来たのだった。
「そんじゃ……話も纏まったし……俺はこの魔物の肉を食うわ……「あっ!待ってハジメ君!!」あぁ?なんだ香織?」
「魔物の肉でハジメ君は強くなれたんだよね?」
香織はそう言う。
「まあ、簡単に言えばそうだが…………」
すると、香織は決意をした表情をして、
「ハジメ君、私にも魔物を食べさせて!」
「なっ!?」
香織の言葉にハジメは驚愕の声を漏らした。
「何言ってる!? 聞いてたのか? いくら神水があると言っても想像を絶する苦しみなんだぞ! 香織がそんな目に遭う必要は無い!」
ハジメはそう言うが、
「私、さっきは何も出来なかった………このままハジメ君の足手纏いになるのは嫌だから」
「例えそうだとしても、お前は必ず俺が護ってやる! だから………!」
ハジメの言葉に白崎は首を横に振る。
「ハジメ君の気持ちは嬉しい。だけど、ハジメ君が私を護ってくれるように、私もハジメ君を護りたいの……………今度こそ…………!」
ハジメは何か言いたげだが、香織は一度言い出したことは決して曲げない意志の強さも持っている。
言っても無駄だという事を理解しているのだろう。
「くっ………正直反対だが、言っても聞かねえだろうな…………寧ろ、俺に隠れて魔物の肉を喰いそうだ………」
ハジメはそう言う。
ニコニコしている白崎さんの笑顔がその言葉を肯定しているように思えた。
「あっ、もちろんボクも食べるからね?ハジメ君。」
すると恵里も手を挙げながらそう言っていく
「はぁっ!?ちょっと待て!ダン!いいのか恵里がこんなこと言っているが!!」
「……恵里が何を思って言ったのか分かっているつもりだ……「ダン……」だけど……恵里……本当に食べるのか?「うん!決めたんだ!ボクは強くなるって!ダンの隣に立ちたいから……」そうか……分かった。」
恵里の言葉に反対する事もなくダンは了承したのだった。
「たくっ……女って怖いもの知らずだな……」
そう言ってハジメは香織と恵里に爪熊の肉を渡していく
「さっきも言ったように魔物の肉は毒だ想像絶する痛みが身体を襲っていく一応神水でなんとか出来るが……覚悟して食えよ……」
「「うん!分かった!!」」
「ハッキリ言うが味もクソ不味いからな、そっちの方も覚悟しておけよ?」
ハジメは一応注意をしておく。
そして、手に電気を纏うとそれを利用して肉を焼き始めた。
その瞬間、酷いにおいが鼻を衝き、思わず後退りながら鼻をつまんだ。
「うげっ………」
しかし、ハジメは気にせず肉を焼き続ける。
少しすると、
「クソ不味いのは変わらねえが、ちったあマシだ。肉を口に入れたら神水で流し込め。いいか? 肉を喰ったら絶対に神水は飲め! 死ぬぞ!」
重ねて注意するハジメ。
錬成で作ったコップで神水の溜まり場から神水を掬って肉の傍に添える。
香織と恵里は肉の酷い臭いに顔を顰めていたが、恵里が先に意を決して魔物の肉に手を伸ばす。
それを見た香織も少しおっかなびっくりに肉に手を伸ばした。
2人は口元に持ってきた肉に一瞬躊躇したが、思いっきり目を瞑って、ほぼ同時に肉に噛みついた。
肉の塊を口に含み、口を押さえながら咀嚼。
度々吐きそうな表情を見せながらも、コップに入った神水を煽ると、無理矢理飲み込んだ。
呑み込んでから少しは何ともなかったが、
「………あ゛っ!?」
「………うぐっ!?」
ほぼ同時に2人に異変が起こった。
「あ゛あっ…………!? ゔあああああああああああああああああああっ!!!???」
「いぎっ………!? ぎぃぁああああああああああああああああああっ!!!???」
女性らしからぬ悲鳴を上げる2人。
体の各所から血が噴き出し、更に体中の骨が砕けるようにバラバラになりながらも、神水の効果で即座に修復され、それがまたバラバラになる。
「ハッ、ハジメくっ…………! うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!??」
香織の手が求めるように宙を彷徨う。
「香織!」
ハジメがその香織の手を握る。
「頑張るんだ! 香織!」
「ハジメ君っ…………! んんっ………!」
その声に安心したのか、香織の表情が少し穏やかになった様に見えた。
だが、
「ぎぁっ…………!? ああああああああああああああああああっ!!!???」
恵里も苦しみ出してダンに助けを求めるように手を伸ばしてはダンは恵里の手を掴みながら自分の方に引き寄せていき
「だ、ダンっ…………! んんっ………!!」
そのままダンは恵里を強く抱きしめて暴れ回る恵里を落ち着かせるように頭を優しく撫でていく
「大丈夫だ……俺が側にいる……だから負けるな恵里……」
ダンが恵里の耳元でそう囁くと恵里は徐々に大人しくなっていく
「はぁ……はぁ……うんっ……!!負けないよボク……!」
やがて、徐々に彼女達の悲鳴が小さくなっていき、やがて落ち着いた。
「はぁ………はぁ…………」
「はぁぁぁぁぁ………ふぅぅぅぅぅぅ…………」
それぞれが息を整えている。
改めて見ると、2人にもハジメと同じような変化が起こっていた。
香織は髪がハジメと同じように白く染まり、瞳も赤くなり、恵里は髪の色が紫に変化して瞳の色は薄め紫色となっていく更に2人共通の変化が体付きがより女らしくなり、大人の色気と言うべきものが出てきているのだ。
スタイルも良くなっており、雫に迫るほどだ。
「はぁ……はぁ……ダン……ボク……頑張ったよ……?」
恵里は弱々しくそうダンに言っていき笑顔を向けていく
「あ、嗚呼……良く頑張ったな……」
ダンは戸惑いつつ恵里に笑いかけていく
「(恵里を見た瞬間まゐと思ってしまった……それに…恵里は恵里…まゐはまゐだろう……何を思っているんだ俺は……)」
ダンは心の中で想い人と恵里を重ねてしまった事に戸惑いつつも無理矢理考えるのをやめた。
「それよりダン……お前身体大丈夫なのか?」
「何がだ?」
「いや……普通の人間なら身体の骨が折れていると思うぞ?」
「そうなのか?気が付かなかった……と言うより痛くないぞ?」
ハジメのその言葉にダンはキョトンとしながらそう返した。
「改めてお前が規格外と分かったわ……」
「それはそれで酷い言われようだな……」
こうして香織と恵里は魔物の肉を食べて強化されハジメも更に強くなったのだった。
〜〜ありふれ劇場〜〜
香織)それにしても……身体がすごい成長しちゃった。
恵里)うん……見た目だけどもボク達まるで別人みたいで違和感ありまくりだよ……
香織)うんうん!でも、これなら!
恵里)もしかしたら……
香織/恵里)ハジメ君(ダン)を思う存分満足出来る!!
そう言って二人は燃えていく
ハジメ)オイオイ……
その二人を見てハジメは冷めた目で見るのだった。
〜〜つづく〜〜