ありふれた世界を救う為に来た最強のカードバトラー   作:異界見聞録

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巨大蠍戦!遂に来るダンとバローネの絆のカード!!


〜第31話「ユエを守れ!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ咆哮!!」〜

〜第31話「ユエを守れ!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ咆哮!!」〜

 

五人を狙うように巨大蠍は威嚇し続けていく

 

「上等だ。……殺れるもんならやってみろ」

 

ハジメは香織とユエを降ろすと、ポーチから神水を取り出すとユエの口に突っ込んだ。

 

「うむっ!?」

 

神水の効果で衰弱していたユエの体力を回復させる。

ハジメはそのままユエを背中に背負うと、

 

「しっかり掴まってろ! ユエ! 香織には悪いがここまで来てこいつを見捨てるのはカッコ悪いからな!」

 

「分かってる! ハジメ君はしっかりユエちゃんを護ってあげて!」

 

ギチギチと音を立てながらにじり寄ってくる巨大蠍にハジメはドンナーを向ける。

 

「邪魔するってんなら……殺して喰ってやる」

 

ハジメがそう叫んだ瞬間、巨大蠍が2本の尾内の1本の先から紫色の液体を噴出させた。

飛び退いたハジメが居た場所にその液体が当たると、ジュワーっという音と共に地面が溶けてしまう。

所謂溶解液という奴だろう。

ハジメは溶解液を躱すと巨大蠍に発砲する。

だが、巨大蠍の甲殻に当たった瞬間、それが弾かれた。

今までほとんどの魔物を一撃で屠ってきたその弾丸。

その弾丸が通用しなかった事に、ダン以外香織達は驚いた。

すると、巨大蠍はもう一本の尾をハジメに向けると、凄まじい速度で無数の針を撃ち出した。

 

「うおっ!?」

 

ハジメは驚きながらも天歩の縮地と空力を使ってそれを躱す。

その時、

 

「フラッシュタイミング!マジック、サジッタフレイムを使用!!」

 

ハジメとユエを主に狙う巨大蠍へダンはサジッタフレイムを発動させて無数の火の矢が巨大蠍に炸裂して怯み始めていく

 

「ッ!ダン!!」

 

「ハジメこっちだ!!」

 

ダンはハジメにこちらに来るように指示してハジメはダンの言葉に頷いていくと巨大蠍はそのまま追ってくるようにハジメとユエに巨大鋏で遅い掛っていく

 

「フラッシュタイミング!マジック、サイレントロック!!」

 

しかしダンは更にサイレントロックを使用して巨大蠍の身体を無数の鎖で拘束していく

だが、巨大蠍は暴れたり引っ張って鎖を引き千切ろうとしていく

 

「くっ!!これでも喰らいやがれ!」

 

ハジメはナニかを投げて……巨大蠍の足元に円柱状の金属の塊が転がってくる。

次の瞬間、それは爆発して巨大蠍を炎で包んだ。

ハジメお手製の焼夷手榴弾だ。

「ギィィィィィィッ!」と苦しむ声を上げる巨大蠍。

そこに、

 

「キュッ!!」

 

「キュッ!!」

 

「これで!!」

 

ナイト・ブレイドラとブレイドラXはブレスを吐いていき恵里は火の上位炎魔法で巨大蠍に放っていくと更に巨大蠍は苦しそうに悲鳴を上げていく。

 

…………しかし

 

 

「ギギィィィィィィィィィィィッ!!」

 

と巨大蠍は怒りの咆哮の様な叫び声を上げると2つの尾から針を乱射してきたのだ。

 

「ッ!!フラッシュタイミング!マジック、リミテッドバリアを使用!!」

 

無数の針が乱射したのですぐにダンはリミテッドバリアを使って防御をしていく香織や恵里、ブレイドラXはそのバリアによって防がれたが、ハジメとユエはそうはいかなかった。

滅茶苦茶に放たれた針がハジメの体勢を崩し、更に飛来する針がハジメを貫いたのだ。

正に下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる状態である。

 

「ハジメ!!」

 

「ハジメ君!!」

 

ダンが叫び、香織もほぼ同時に声を上げるが、香織は直後に回復魔法を使い香織の傷を回復させる。

離れた所からでも十分な回復力を持たせる所は流石は治癒師である。

しかし、傷は回復しても血だらけになっているハジメを見て、ユエは問いかけた。

 

「……どうして?」

 

「あ?」

 

「どうして逃げないの?」

 

自分を置いて逃げれば助かるかもしれない、とでも考えているのだろう。

それに対して、ハジメは呆れたような視線を向ける。

 

「何を今更。ちっとばっかし強い敵が現れたぐらいで見放すほど落ちてねぇよ」

 

何ともハジメらしい言葉だ。

 

「大丈夫かハジメ、ユエ!!」

 

そこにダン達がハジメとユエに駆け寄っていき

 

「ああ……大丈夫だ。香織がすぐに回復魔法をかけてくれたからな……」

 

そう言ってハジメは香織を見ると香織はえへへ///と頰を赤らめて嬉しそうに微笑んでいく

 

「そうか…さて…アイツを攻略する手なんだが……「待って……」うん?」

 

 

ユエはダンの案を出す前に待ったを掛けていきなりハジメに抱きついた。

 

「ああっ!?」

 

その行動に香織が声を上げる。

 

「お、おう? どうした?」

 

状況が状況だけに若干動揺するハジメ。

だが、ユエはハジメの首に手を回し、

 

「ハジメ……信じて」

 

「ッ!?」

 

そう言ってユエは、ハジメの首筋にキスをした。

 

「ユエちゃん!? どさくさに紛れて何やってるのかな!?」

 

香織が巨大蠍そっちのけでユエの行動に怒り狂っている。

巨大蠍はサイレントロックの鎖を引き千切って壊しながらハジメ達の方に近寄っていた。

直接鋏で叩き潰そうとしていく

香織と恵里はハジメとユエを連れて行こうとしたがダンがそれを止めてよく見るように香織と恵里に言う。そして、よく見ればユエはキスではなくハジメの血を吸っているように改めて見えるのだった。

ユエ自身は吸血鬼だとさっき言っていたのだ。

吸血鬼のイメージは血を得ることで力を増大させる事……。

つまり、吸血することによってユエは力を得ようとしているのではないか?とダンは思っていき…

そして先程の『信じて』という言葉。

ユエは決してダン達を裏切ろうとしているのではない。

この場を打開する方法をユエは持っているという事だ。

 

「ユエの秘策の為…その時間は俺達が稼ぐ!」

 

そう言うとダンは一枚のカードを出していき……

 

「(いくぞバローネ!!俺達の絆で二人を護るぞ!!)蒼白なる月は、赤き希望に染まる!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ召喚!!」

 

ダンがそう高らかに叫ぶと共にダンの背後から稲妻と共にデカイ赤のシンボルが現れて砕けると同時に紅いドラゴンが登場したのだった。

 

それを見た香織と恵里やもちろんハジメと吸血していたユエは固まっていた

 

「グォォォォッ!!!」

 

ジークヴルム・サジッタが咆哮と共に飛んで巨大蠍を掴みそのまま放り投げていったのだった。

 

巨大蠍はその勢いで壁にドゴォォォォォッン!!!とブチ当たっていきフラつきながらジークヴルム・サジッタを威嚇するように巨大蠍をジョッキン!!ジョッキン!!と鳴らしていく

 

「グルルルルッ……」

 

ジークヴルム・サジッタはそのまま唸りながらゆっくりと翼を動かして地面に着地しながら巨大蠍を睨んでいく

 

どちらも威嚇をしつつゆっくりと動き始めていき……

 

 

 

 

 

 

そして……

 

「グォォォォッ!!!」

 

ジークヴルム・サジッタが吼えるのと同時にキシャァァァッ!!と巨大蠍がジークヴルム・サジッタに襲い掛かっていく。自慢の巨大蠍でジークヴルム・サジッタを捕らえようとするが、それより先にジークヴルム・サジッタが飛翔しながら躱し大きく両腕を振り上げながらその爪で引き裂いていく。その攻撃が巨大蠍に当たって火花が散り上がって攻防が二体の間で起きていた。

 

 

 

 

やがて、意識を取り戻したユエがハジメの首筋から口を離し、ペロリと唇を舐めると、

 

「………ごちそうさま」

 

そう言うとユエは立ち上がり、巨大蠍に向けて片手を掲げる。

 

「っ!ストライク・ジークヴルム・サジッタ!!」

 

ダンが指示を出すとストライク・ジークヴルム・サジッタは尻尾を大きく振って巨大蠍を吹き飛ばして飛翔しながらその場から離れてそして……

 

「〝蒼天〟」

 

その一言を呟いた。

その瞬間、巨大蠍の頭上に直径六、七メートルはありそうな青白い炎の球体が出現する。

ユエがそのまま掲げた手を振り下ろすとその炎の球体が落下、巨大蠍に直撃する。

 

「グゥギィヤァァァアアア!?」

 

絶叫を上げる巨大蠍。

やがて、魔法の効果時間が終わったのか青白い炎が消滅する。

そこには、背中の外殻を赤熱化させ、表面をドロリと融解させて悶え苦しむ巨大蠍の姿があった。

 

「ユエ、無事か?」

 

「ん……最上級……疲れる」

 

「はは、やるじゃないか。助かったよ。後は俺達がやるから休んでいてくれ」

 

「ん、頑張って……」

 

ユエを香織が支えていくとハジメは巨大蠍を見据える。

表面が溶けたとはいえ、まだあの防御力は健在だろう。

ダンやハジメが突破方法を考えていると、

 

「………そうだ!」

 

するとダンはある事を考えて一枚のカードを取り出していき

 

「恵里!ブレイドラ 、ナイト・ブレイドラ !!俺の後に炎魔法とブレスを頼む!!」

 

「っ!分かった!!」

 

「キュッ!!」

 

「キュッ!!」

 

「勇貴……!再び力を借りるぞ!!フラッシュタイミング!マジック、ブリザードウォールを使用!!」

 

ダンがそう言うと猛吹雪が突然来て、巨大蠍の甲殻が冷えていき次々と身体が凍り始めていき巨大蠍は動かなくなっていき

 

「急激な温度変化……!」

 

理解した恵里は魔力を込めて攻撃系の炎魔法を放つと同時にナイト・ブレイドラとブレイドラXがブレスを吐いて攻撃が当たり、巨大蠍の甲殻が壊れて脆い部分が剥き出しに…ダメージを受け過ぎた巨大蠍は弱々しく鳴いていくのだった。

 

「ハジメ君!!」

 

香織がハジメに呼びかける。

 

「コイツで終わりだ……蠍野郎!!」

 

そうハジメは言い、ドンナーを穴の開いた箇所に向け、引き金を引いた。

その穴から内部に飛び込んだ弾丸は、巨大蠍の体内を蹂躙し、その生命活動を停止させたのだった。

崩れ落ちた巨大蠍の姿を見てホッと一息吐くハジメ達……そしてジークヴルム・サジッタの咆哮が部屋中に響いたのだった。

この戦いの功労者は間違いなくユエだろう……そう思ったハジメはニッコリ笑う彼女を見て手を差し出し、ユエはハジメの手を嬉しそうに取ったのだった。




〜〜ありふれた劇場〜〜

ユエ)カッコイイ……

キラキラとストライク・ジークヴルム・サジッタを見つめていくユエはそう呟いていく

ハジメ)まさかドラゴンを呼び出すとは思わなかったぞ?

ダン)言ってなかったからな……

恵里)でも、いいなぁ〜〜ボクは降霊だからなぁ〜〜はぁ……

ダンのジークヴルム・サジッタを見て落ち込んでる恵里

ダン)…………。(恵里の天職を考えるとシンボルは紫だよな?)

ダンは落ち込んでる恵里の頭を撫でながらそう心の中で思って恵里を慰めるのだった。
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