ありふれた世界を救う為に来た最強のカードバトラー 作:異界見聞録
〜第35話「激突!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX飛翔!!」〜
「“聖絶”!」
「デルタバリア!」
光の障壁と三角形に結んだ三つの魔法陣がダン達を包み、三角形の魔法陣が炎から護っていく
香織の防御魔法とダンの十八番である。
以前…二十階層の転移罠に掛かった時、騎士団の人たちが2m四方の最高級の紙に描かれた大きな魔法陣と四節の詠唱、さらに三人同時発動で作り出した障壁でベヒモスの突進を受け止めたらしいけど、香織はその時を遥かに超える強固な障壁を魔法陣も詠唱も使わずにノータイムで構築した。そしてダンはいつも通り使っているカードだ。防御としての性能はリミテッドバリアより劣るが、それでもダンを支えていたカードの一枚な為、活躍も大きいのだ。2人の防御が大蛇……ヒュドラ擬きの攻撃を防ぎ続けていく
「ありがとう香織!ダン!」
「……助かった!」
恵里とユエが2人にお礼を言っていく。
そして同時に、ハジメとユエ、それからナイト・ブレイドラをハジメが出して
ハジメが右、ユエが上、ナイト・ブレイドラが左に散らばる。
ヒュドラは6つの頭の内、赤がハジメに、緑がユエに、青がナイト・ブレイドラに対処する行動を見せていく
すると、赤が火炎弾を、緑が無数の風の刃を、青が冷気の息を吐いた。
何とも分かり易い色と属性の関係……しかし、ハジメは駆け抜けながらその火炎弾を避けて流れるような動きでドンナーを向け、ユエは更に上昇することで風の刃を躱し、ナイト・ブレイドラは跳躍することで冷気の息から逃れる。
その直後、
「はぁっ!」
お返しとばかりにハジメがドンナーを数発発砲して
「“凍雨”………!」
ユエが氷の刃を無数に降らせていき
「キュッ!!」
ナイト・ブレイドラが紫色の炎のブレスを吐き……
更には…………
「いっけぇぇぇぇっ!!」
恵里が駄目押しとばかりにナイト・ブレイドラの援護をする形で炎の魔法攻撃を放っていくと……
弾丸が赤い頭の鱗を貫き、氷の刃が緑の頭に突き刺さり、炎の合体攻撃により青い頭に直撃していくと……黒い頭が攻撃を放とうとするが……
「生憎攻撃はやらせない……!フラッシュタイミング!マジック、トライアングルトラップを使用!!」
そのまま緑色のピラミッド状が黒い頭を包囲しては麻痺で動きが止まって攻撃行動を中断させていく
前に出てきた巨大蠍の様な理不尽な防御力は持っていない為かそれぞれが十分なダメージを与えている。
総合的なステータスは巨大蠍よりもヒュドラ擬きの方が上だが……あの時よりもハジメ達のステータスが倍以上になっている分、楽に倒せるところまでは来ていたのだ……
しかし……此処は最下層にしてこのヒュドラ擬きはオルクス大迷宮のラスボス……門番であるため、簡単に倒れる訳にはいかないのだ!そう何故なら……
「クルゥアン!」
白い頭が鳴くと、白い光が傷付いた頭達を包み、傷付いた頭を癒していくのだった。
「ちっ!白は回復役か!」
ハジメは舌打ちしながらそう叫んでいくが……
「だったら! 白いのを先に潰すまでだ!」
ハジメが白い頭にドンナーを向け、引き金を引いた。
でもその瞬間、黄色い頭が白い頭の前に立ち塞がると、まるでコブラの様に横幅を広げると、弾丸を全て受けきった。
しかも周りの頭よりも防御力があるみたいで、無傷ではないけど傷が小さい。
「ちっ! 盾役か。攻撃に盾に回復にと実にバランスのいいことだな!」
ハジメが吐き捨てるようにそう言ってどうするか考えていく
「………………」
ダンが何か考えるように辺りを見回していた。
「どうしたの?」
恵里が不思議そうにダンに尋ねていく
「いや………どうやらこの階層はあのボスと戦う事を想定しているだけあって、他の階層より頑丈に作られているみたいだと思ってな…………」
「えっ?」
恵里はダンの言葉に首を傾げていき
「だったら…………ちょっとぐらい暴れても問題無いな………!」
ダンは不敵な笑みを浮かべて1枚のカードを取り出していき……
「出し惜しみする理由も無いから、遠慮なくやらせてもらうぞ?」
カードを構えては別のスピリットの絵柄が描かれていた。
そして……
「太陽よ、炎をまといて龍となれ!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX召喚!!」
ダンがそう唱えるとダンの背後から赤いシンボルがゆっくりと現れてパリィィィィィン!!!と砕けると同時に赤い龍……太陽を象徴としたドラゴンが地面に着地してゆっくりと前に歩き始めていきハジメはマジかって顔をしていき香織はすごい……と呟いていき恵里はよく似合うなぁ〜とジーク・アポロとダンを見ておりユエはカッコイイ……と興奮気味で目を輝かせていく羽を広げて羽ばたきながらヒュドラ擬きの前に降り立って咆哮をグオオオオオッ!!!っと上げて対峙していく
それに対してヒュドラも威嚇しながらそれぞれの首がジーク・アポロドラゴンXを狙うように攻撃していくが……
「アタックステップ!ジーク・アポロドラゴンX白い頭を指定アタック!!」
ダンがそう言うとグオオオオオッ!!とジーク・アポロドラゴンXは飛翔しながら躱してヒュドラの首達も突然止まって白い頭は取り乱すように首を動かしていくが攻撃手段が無い為無防備な状態になっていく。そのままジーク・アポロドラゴンの攻撃が白い頭に直撃するとともにヒュドラ擬きは吹き飛んで壁にめり込むようにブチ当たって白い頭は衝撃で千切れて崩れた壁に埋もれたのだった。
ヒュドラ擬きは痛々しい身体を起こし何が起こったか理解出来ずにいたが、とりあえず大量の出血を止めるように慌てて千切れた首の部分の傷を自己回復で治し始めたが……首は再生されなかった。
多分治癒魔法と同じで傷は治せても欠損部位は再生できないでいた。
「「「「「クルゥゥゥッ……クルァァァァァァン……!!!!」」」」」
残ったヒュドラの頭は一瞬戸惑う様な声を上げつつも目の前の人間と自分の首を奪ったドラゴンだけは決して許さないと理解して威嚇の咆哮を上げていく
「へっ!これで心置きなく倒せるぜ」
ハジメはドンナーを構えていき
「んっ……ダンお兄さんの活躍……」
「そうだね!一気に倒そう!!」
「ダンのおかげで倒しやすくなった……此処で一気に決める!!」
三人はハジメに続いて自信満々にヒュドラ擬きを見ていくがダンだけ無言のまま何やら考えていた……
「(あの黒い頭はまだ……攻撃をしていない…俺が止めたからな……それでも油断は出来ないし……あのヒュドラ擬きは何か隠している……)」
ダンは考えつつ今まで以上の警戒を持ちながらヒュドラ擬きを睨んでいくのだった。
次回ヒュドラの逆襲が始まる。