ありふれた世界を救う為に来た最強のカードバトラー 作:異界見聞録
〜第40話「反逆者の住処と休息」〜
〜〜ダンside〜〜
オルクス大迷宮の最深部のガーディアンの役割を持つヒュドラを倒してから俺たちは倒れて気を失っているハジメを運んで行き……更に扉の奥に進むと、予想外な場所にたどり着いた。そこは迷宮の最深部だというのに外と勘違いさせる程の空間があった。更には反逆者の住処と思わしき屋敷があった。
「ここは……そうかこの迷宮を作った反逆者の住処みたいだな……それにしては中々凝った趣味をしているな?」
「これじゃあまるで……何処かの森林にある村を見つけた様な感じだよね?見てダン、天井近くの壁から川と思わしき水が流れているよ?川には魚が生息しているし…それに家畜部屋や大きな畑もあるよ?家畜部屋には動物の気配はないけど、ある程度なら自炊できそうかも……」
「そうだね!それにしても此処がこの世界の反逆者達が作り上げたんだよね?それなりの技術力があると見ていいのかな?でも、なんで技術力や迷宮を作れる人が世界を手に入れようとしたのかな?」
「その辺はボクも知りたいところだけど……ダンはなにかわかった?」
「嗚呼……大凡の見当はな?だが、今はハジメを休めさせないとな……丁度寝所と思われる場所を見つけたし…そこでハジメを休ませよう」
「うん、そうだよね……早くハジメ君を連れて休めさせなきゃね!」
俺の案に三人は頷くとそのままハジメを連れて寝所のある場所に移動してハジメをベッドにゆっくりと寝かせていく
「ダン兄さん…私は……?」
「……ユエは出来るだけハジメの看病を頼む。万が一ハジメが起きたとしてもまだ動けない筈だ…ユエはハジメの側にいてやってくれ」
そうユエに伝えるとユエは嬉しそうに俺の頼みを了承した。もちろん香織は頰を膨らませながら私も!というから交代制な?って言えば香織はパァッ!と明るい表情になってはありがとうダンお兄ちゃん!と言って抱きついて来ようとするが恵里が素早く香織の首根っこを掴みながら引きずって部屋から出て行った。うん……そっとしておくか……それにしてもやっぱりあの迷宮での出会いからハジメはユエに気に入られたんだなと思った。そう思いながらも俺もハジメが目覚めるまでしばらく此処で滞在することになった。その後はユエにハジメのことを任せて俺はこの屋敷を探索していく中……俺は考え事をしていた……そしてやっぱりこの場所と屋敷は俺の読み通り、反逆者の一人が所有していた場所だ。その証拠に屋敷の三階にある奥の部屋に白骨化した人影の骸があった。その白骨化した骸には黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っていたとのことだ。恐らく、その骸こそ例の反逆者の骸の様だ。
……しかし、気になることがあった。この屋敷にある暖炉や柔らかな絨毯、ソファのあるリビングらしき場所、台所、トイレなどがありながらも、長年放置されていたような気配は無かった。……例えるならば旅行から帰った時の家の様と言えば分かるだろうか?しばらく人が使っていなかったんだなと言う感じの空気だ。まるで、人は住んでいないが管理維持だけはしているみたいの様で何かしらと気味が悪かった。そしてその後の調べによると、この世界の“ゴーレム”と呼ばれる物がこの屋敷を長年掃除を繰り返していた様だ。まるで帰らぬ者となった主の帰りをずっと待っているかの様に……。そう考えながらも俺はハジメが目を覚ますまで、屋敷を探索しながらハジメたちに俺の事を話さないといけない約束があったな……っと思いながら移動していく
〜〜ダンSide out〜〜
〜〜ハジメside〜〜
俺は……いや、俺たちはどうなったんだ?覚えているといえば俺たちはヒュドラを倒したのはいいが、その時に俺の身体が限界が来てその場で倒れてしまった。その後の記憶が全くねえ。今わかる事といえば、体全体が何か温かで柔らかな物に包まれているのを感じた。随分と懐かしい感触だ。これは、そうベッドの感触だ。頭と背中を優しく受け止めるクッションと、体を包む羽毛の柔らかさを感じ、俺のまどろむ意識は混乱する。
「(どういう事だ?ここは迷宮の筈じゃ……それ以前に何で俺はベッドに……)」
俺はそんなことを考えたその時……
「……ぁん……」
何やら艶かしい喘ぎ声が聞こえた。
「ん?……ぅわっ!?」
その瞬間、まどろんでいた俺の意識は一気に覚醒する。慌てて体を起こし、シーツを捲ると隣には一糸纏わないユエが俺の右手に抱きつきながら眠っていた。そして、今更ながらに気がつくが俺自身も素っ裸だった。
「……んぁ……ハジメ……ぁう……」
「ユエ!起きてくれ、ユエ!」
「んぅ~……」
俺はユエに声をかけるが愚図るようにイヤイヤをしながら丸くなるユエ。それに対して俺は短気を起こし……
「…いい加減に起きやがれ!この天然エロ吸血姫!!」
俺は纏雷を発動させ、バリバリと右手に放電が走る。
「!?…アババババババアバババ!?」
俺はユエにそのまま纏雷を食らわせて感電させていくと……
「……ハジメ?」
その時にユエが纏雷による感電から
「あぁ、ハジメさんだ。ねぼすけ、目は覚め……「ハジメ!」!?」
目を覚ましたユエは茫洋とした目でハジメを見ると、次の瞬間にはカッと目を見開き俺に飛びついた。もちろん素っ裸で。動揺する俺だったがユエが俺の首筋に顔を埋めながら、ぐすっと鼻を鳴らしていることに気が付くと、仕方ないなと苦笑いして頭を撫でた。
「わりぃ、随分心配かけたみたいだな」
「んっ……心配した……」
「悪かっ「ユエちゃん?交代の時間だよ〜〜?」お、よう香織…「ハジメ君!?」ぐふっ!!?」
香織が部屋に入って来たから俺は香織を呼んだ途端に香織が物凄いスピードで俺にタックルして来た所為で俺のライフが砕ける音がしたぞ!?つうか!俺一応怪我していたのにこの暴走特急娘は!!さっきのユエみたいに纏雷を食らわせてやろうか?
「うぇ〜〜んっ!!ハジメ君が目が覚めてくれて本当に良かったよぉ〜〜!!」
大泣きし始める香織にたくっ……と呆れつつユエの頭を撫でた右手を香織の頭に乗せて優しく撫でて慰めてやる……これじゃあ纏雷食らわす気も失せるな……まあ、心配してくれたんだしいいか……と思っていると……
「……カオリ。いつまでハジメにあまえているの……?」
そう言ってそこにはジト目で尚且つ不機嫌なユエが頰を膨らませながら俺が撫でている香織を睨んでいた……こりゃあ……ヤバくねぇか?
「何……?ユエちゃんだって頭ナデナデしてもらったんでしょう?なら別に怒る事じゃないよね?」
対する香織は無表情のままユエを見つめていく……いや怖いって!その無表情!!
「それ以上にその無駄な肉でハジメに抱き着く事じたい不愉快……」
すまん……一瞬気持ちいいって思ってしまった……
「ふふ♪ユエちゃん羨ましいんだ〜〜そうだよね〜〜ユエちゃんは“お子様”体型だから気にしちゃうもんね〜〜」
ニコニコと勝気な表情で香織は胸を張っていく……
確かに……魔物の肉を食べた分身体が成長していて柔らかさが……そう思っていると……
ーーーゾクッ!ーーー
急に寒気が……
「黙れ無駄肉女……」
ドス黒いオーラを纏ってユエは真っ赤な瞳で香織を睨むと同時にそう言っていく……怖っ!?
「む、無駄肉!?べ、別に太っていないよ///!?」
何を勘違いしたのか香織は顔を真っ赤にしてユエを睨んでいく
「その無駄な塊を持っても戦闘に邪魔……足手まとい…それに私より弱い……ハジメの隣に相応しいのは私……これ確定。私こそが正妻……」
勝ち誇った笑みで顔真っ赤になっている香織に胸を張って言い返していく
……よくよく思えばユエの方は幼いが柔らかくて安心感あったな……俺ってロリコンなのか?フッと俺はそう思っていると……
「ふふふ……♪可笑しい事を言うね〜〜ユエちゃんは……ユエちゃんが強い?ユエちゃんが正妻?確かに前の私と比べたらユエちゃんに敵わないよ?でも今ならユエちゃんにだって勝てる自信があるよ?それに正妻は一番ハジメ君の事を見てた私だよ?ぽっと出のユエちゃんなんかに正妻は務まらないよ?わかった?」
香織がユエにそう言うと二人の目がバチバチと火花を散らして背後に龍と般若の幻影が現れていくのだ……って!完全にこれ修羅場じゃねぇか!!?
「ふっ……無知過ぎる……ここで決着をつける……」
「上等だよ!ハジメ君の正妻の座は渡さないもん!!」
そう言って二人の周りに魔力が集まっていって……じゃない!ここで暴れる気かコイツ等は!?
「いい加減「おい……二人共……」(ゾクッ!)だ、ダン?」
二人が暴れようとする瞬間冷たい声が部屋に聴こえるとドアの方からダンがユエと香織を鋭く睨み付けてはこちらに向けて話しかけてきた
「目が覚めたんだなハジメ……」
「あ、嗚呼……」
俺が戸惑いながら頷く“そうか……”と返しては再びユエと香織にダンは睨んでいくと二人は抱き合いながらガタガタと顔を真っ青になって震えていた。わかる……分かるぞ二人共……今のダンには絶対に逆らってはいけないと!
「で?二人は何をしているんだ?ハジメは一応怪我人なのにその側で今から暴れようとしていたが……それ相応の理由があるんだよな?」
「あ……え、えっとね?ダンお兄ちゃん……」
「これは…その……海より深い理由がある……」
「ハジメの正妻を賭けて勝負しようとした事だろう?」
「「な、何故それを……!?」」
いや、マジなんで分かったんだよ……エスパーかよ………俺がそう思っていると……
「二人が思っている事ぐらいわかっているさ……けどな?時と場所を考えろ。ハジメは今は休養しなきゃいけない……そんな中ここで暴れて再びハジメが怪我をしたらどうなる?ハジメに嫌われるぞ?」
ダンのその一言でユエや香織はガタガタと震えつつ涙目になって俺の方を見た……これは……うん……
「あー……二人が争って俺が怪我したらー…二人の事嫌いになっちゃうかもなー」(棒読み)
「「は、ハジメ(君)ゴメンナサイ!!!」」
俺がそう言うと二人は勢いよく土下座をして俺に謝ってきた。
「あー……とりあえず二人共……?喧嘩はやめてくれよな?今だけは争わないでいてくれると俺は嬉しいから……」
正直に言えば金輪際争って欲しくないんだが……おい、ダンその「イヤ無理だろ?」と言う目線はやめろ!というかどうして俺の考えが分かるんだ!?やっぱりバグキャラだろうコイツ!!
「……とりあえず二人は仲良くハジメの世話をしていてくれ……」
「「う、うん……わかった……後、ごめんなさいダンお兄ちゃん(兄さん)」」
二人はダンの言葉に頷きながら謝っていくとダンは苦笑しながら近づいていき
「別に気にしてないよ……ただ本当に時と場所を考えてくれて欲しいだけだからな……?後、怖がらせてごめんな?」
そう言って優しい表情で二人の頭に両手をおいてナデナデとあやすように撫でていく……随分と優しいお兄ちゃんをやっているな……ダンの奴。
俺は三人の様子を見てそう思ってしまうのだった。
〜〜ハジメside out〜〜
今日はちょっと長めです。