ありふれた世界を救う為に来た最強のカードバトラー 作:異界見聞録
〜第4話「ハイリヒ王国と王女との会話」〜
〜ハジメside 〜
馬神君の事とかで色々あったけど初めましてもう一人の主人公の南雲ハジメって言うんだ。えっ?メタい?大丈夫バレなきゃ問題ないよ?話を戻すけど……王宮に着くと、僕達は真っ直ぐに王座の間に案内された。
教会に負けないくらい煌びやかな内装の廊下を歩く。道中、騎士っぽい装備を身につけた者、文官らしき者、メイド等の使用人とすれ違うのだが、皆一様に期待に満ちた、あるいは畏敬の念に満ちた視線を向けて来る。自分達が何者なのか、ある程度知っているようだ。
美しい意匠に凝らされた巨大な両開きの扉の前に到着すると、その扉の両サイドで直立不動の姿勢をとっていた兵士の二人がイシュタルさんと勇者一行が来たことを大声で告げ、中の返事を待たずに扉を開け放った。
イシュタルさんはそれが当然のように悠々と扉を通る。天之河君等一部の者を除いて生徒達は恐る恐るといった感じで扉を潜った。馬神君はうん……堂々し過ぎて逆に凄いよ…………
扉を潜った先には真っ直ぐ延びたレッドカーペットと、その奥の中央に豪奢な椅子ーー玉座があった。玉座の前で覇気と威厳を纏った男が立ち上がって待っている。
その隣には王妃と思われる女性、その更に隣には十歳前後の金髪碧眼の美少年、十四、五歳の同じく金髪都眼の美少女が控えていた。更に、レッドカーペットの両サイドには左側には甲冑や軍服を纏った者達が、右側には文官らしき者達が三十人以上並んで佇んでいる。
玉座の手前に着くと、イシュタルさんは僕達をそこに止め置き、自分は国王の隣へと並んだ。
そこで、おもむろに手を差し出すと国王は恭しくその手を取り、軽く触れない程度にキスをした。どうやらこの世界では、国王よりも教皇の方が立場は上のようだ。僕は内心呆れていた。
(やれやれ、国を動かすのは人ではなく“神,,の意思で決めているということか……)
そう思っていると馬神君も同じような事を考えていたのか顔を顰めていた。うん……分かるよその気持ち……でも、流石に顔に出し過ぎだと思うよ馬神君……
そこからはただの自己紹介だ。国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。
後は騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がなされた。ちなみに、途中、ランデル王子の目が白崎さんに吸い寄せられるようにチラチラ見ていたことから彼女の魅力は異世界でも通じるようだ。
〜〜ハジメside out〜〜
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その後は異世界料理を振る舞われた。見た目は洋食と変わらないが、たまに出てくるピンク色のソースや虹色の飲み物に生徒達は興味深々のようだ。
ランデル王子はしきりに香織に話しかけているのをクラスの男子はやきもきしながら見ていた。
また、この晩餐会には貴族等も参加しており、少しでも“神の使徒,,である自分達にお近づきになりたいのか、生徒達に積極的に話していた。彼らも悪い気がしないのか、男子は可愛い令嬢に言い寄られ鼻の下を伸ばしていたり、女子はイケメンの貴族がスマイルを見せると顔を赤くしていた。
ダンは、そんな彼らの様子を少し離れたテラスから眺めていた。
「(本当にわかっているのか?あいつらは、こんなことをしている暇がある訳無いのにな……まあ…少しは、心に余裕を持たす事も良いが……壊れたら元もこうも無いもんな……)」
最初は彼らの様子を見て怪訝な表情をするも溜息をしながら仕方ない事だと無理矢理頭の中で納得させていく
クラスメイト達に呆れた視線を注ぐとともに、ダンは貴族達が嵌めている指輪やネックレスなどの宝石に注目して興味がなくなると外に出て夜空を眺めていくすると……
「何か用か?リリアーナ王女」
振り向かずにそう言っていく
「っ!?気付いていらっしゃったんですか?」
リリアーナは驚きながらダンの背後を見つめており近づいていく
「別に……それでなんのようだ?」
「パーティーには参加されないのですか?」
「柄じゃ無いんでね……いや、寧ろ好きじゃないか……」
そうはっきりと伝えていき
「そ、そうですか……」
「……。」
「……。」
「…………。」
「…………。」
気づけばお互い無言になってしまうも勇気を振り絞りリリアーナはダンにある質問をしていく
「その……お名前を教えて下さいませんか?」
「馬神弾だ……」
「では、その………馬神様は私達のことがお嫌いですか?」
「……何故そんな事を?」
「その………先程から私達を見る目が疑ってるような視線で…それで………」
「…………嫌いというより……呆れと失望した感じだな」
はっきりとリリアーナにそう答えていく
「っ!?ど、どうして……」
あまりの言葉にショックを受けてしまって震えた唇で言葉を絞りながら聴いていく
「あれを見てだ……」
ダンはそう言いながら今も晩餐会で盛り上がっている会場を指差す。
「まず、俺達(召喚された愛子達)は神の使徒と呼ばれているが、元は人も殺したことがない自分の将来のために勉強していただけの子供……それなのに突然この世界に連れてこられて戦争を強要させるなど呆れて言葉が出ない」
「そ、それは………」
彼女が何か言おうとしたがダンは更に言葉を続けていく
「しかも彼らは俺達を“選ばれた者,,と呼び持ち上げることで自分達は特別なんだと思わせようとしている。その証拠に見ろ……」
ダンが続けて指を指した方向には貴族達に言い寄られて幸せそうな表情をしている生徒の姿だった。
「それに正直に言ってこの世界の人々は本当に存亡の危機にあるのかどうか信じられない」
「そんなことはありません!実際私達は魔人の脅威に晒されていて「ならば何故、貴族達はあんなにも心の底からパーティーを楽しんでいる?」!!!それは………」
何故そんなことがわかるのか?ダン自身が既に経験した事だからだ
ちなみに今の貴族達の表情からは(これで自分達は魔人族と戦わなくてすむ)という完全に戦争を召喚された者達に丸投げするき満々なのもダンは丸分かりで呆れもして失望もしていると思っているのだった。
「あの貴族達は自分達の世界の問題だというのに召喚された者達に押し付ける気だ。実際戦争をしているのにあんなにも宝石を着けている時点で不自然でしかない。」
「・・・」
彼女は反論の仕様がないのか黙っていた。
「つまり、この国の人達にとってアイツらは“神の使徒,,という名前の便利な戦争の道具ということで「申し訳ございません!」!!!」
続けてダンが事実を言おうとした瞬間、なんとリリアーナ王女が王族でありながら自分に頭を下げたのだ。
「………なぜ、頭を下げたんだ?」
ダンは王族に頭を下げさせたことに、内心焦りながら質問をした。
「私達が不甲斐ないばかりに皆様をご家族から引き離してしまい、そればかりか私達の世界の事情に巻き込んでしまったからです」
「だが、アンタに責任があるわけでは「それでも、このトータスに生きる者として、ましてや王族として謝罪しなければならないのです!」………!!!」
そう言ってガバッと顔を上げた彼女の目には涙が溜まっていた。ダンが感じたのは王女を泣かせてしまったという焦りではない、彼女の表情からは決して嘘をついていない。本当に自分達に申し訳ないと心の底からそう思っているのだ。
ダンはリリアーナならば他の者達よりも自分達の手助けをしてくれる、確信めいた物を感じた。
「……アンタが本当に申し訳ないと思っているならばお願いがある」
「私ができることであればなんなりと!」
ダンのお願いを彼女は即答する。これならば安心だろうと考えたダンは優しくリリアーナに語るように言った。
「頼む……もしも戦争で心に傷ができた者がいればその子達には戦争には参加させないようにしてくれないか?」
ダンが彼女にこれを頼んだのには理由がある。戦争は人を殺すための場所だ、いくら自分達がこの世界の人の数倍、数十倍の力を持っているとはいえそれはあくまでも
では、魔人族が人族よりも数倍、数十倍の力を持っているとすれば戦ってもこちらにも恐らく死人がでるだろうし彼等が殺された光景を目にすれば心が壊れる者が出るだろう。普通ならばその者達には戦争に参加しなくてもいいのだが、あのイシュタルやそれに従順している国王が素直に療養させるとは思えない。下手をすれば、無理矢理にでも戦争に参加させる恐れがある。契約はしても破って来る可能性があると……
だが、自分の意思で謝罪してくれたリリアーナならばそんな者達を戦争に参加させることはないだろう。
ダンが優しく自分に語りかけている事に驚いたのか
彼女は一瞬固まったがすぐに復活して慌てていた。
「わ、私でよければ全力でご支援いたします!」
「そうか……それとさっきは言い過ぎたなすまない……」
彼女が了承してくれたのがよほど嬉しかったのかダンは謝罪をしながら優しくリリアーナに微笑んでいくのだった。
そろそろダンのヒロイン達を書くべきか……