中川菜々と優木せつ菜、時々アクセントで俺   作:蒲鉾うどん

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完全に捏造だからどうかなって思ったけど、ここに小説書いてる時点で今更だった


②-1

 GW最終日、今は夕方。午前中から甲子園常連校の強いところとの練習試合を行い、帰ってきてからずっと寝ていた。投げた後は数日体中が痛いし何より疲れる。自分が投げて勝った試合の後だと満足感や充実感があり、なんとなくダメージは少なくなるように感じるのだが、自分が投げて負けた試合だと悔しさや不快感が勝り、余計疲れる。今日は後者だった。

 こんな日は時間が許す限り寝てそこから次に向けて切り替えるのだが、今日はいつもと違かった。というより、幼馴染からの一件のメッセージが原因であった。

 

『優木家にて待つ』

 

 いや、果たし状かよ。しかも優木家って・・・お前の苗字『中川』だろ。心の中でツッコミを入れる。ボケの二段構えだった。普段だったら試合後の睡眠中にメッセージなんて気付かないし、気付いても返信なんて惰眠を貪りつくした後に行う。

 しかし、今日は何故かメッセージに気付いてしまったし、これを読んでもう一回寝るという選択肢も頭には無かった。一回でもこの果たし状の内容が一体何なのかを気になったらもう無視はできない。ベッドから起きて、スマホに文字を打ち込む。

 

『今から行く』

 

 返信は無かったけど、既読が付いた。呼んだのは菜々なので、まあ、行っても大丈夫だろ。支度をして道路の向こう側の彼女の家へ向かう。

 

~~~~~

 

「(相変わらず近いなぁ)」

 

 菜々の家に来るたびに思う。それから目の前の道路で学区が区切られたせいで、友達作りに苦労した菜々の話を思い出す。何か持ってるよなぁ。そんなことを考えながらインターホンを鳴らし、彼女を待った。扉は開いたが、出てきたのは菜々のお母さんだった。

 

「あら、誰かと思ったらゆう君じゃない。男前だったから誰だか分らなかったけど、久しぶりね。甲子園見たよ」

 

「あ、おばさんこんにちは。甲子園のおかげでいつの間にか校内で有名人になってるんですよね。・・・菜々いますか?」

 

「菜々はまだ帰ってきてないみたいよ?どうしたの?」

 

 家に呼んでおいて家にいない?どういうことだ?とりあえずは言葉を濁すことにした。

 

「あ、大した用事ではないんです。居ないなら居ないで。また出直してきます」

 

「あ、ちょっとちょっと・・・うちで待っていけば?近すぎてまた来るのも逆に面倒じゃない?」

 

 

 帰ったら間違いなく二度寝をするだろう。そうなったら今日中に中川家へ再び訪れることは無いと断言できる。

 

「それは・・・そうかもしれないです」

 

「でしょ?じゃあうちで待ってなよ。ゆう君の甲子園の話も聞きたいし」

 

 もう断れる雰囲気でもなかったし、おばさんに対しての苦手意識は今更特にない。話すのが数か月ぶりなだけですぐに気まずさもなくなるだろう。そんなことを楽観的に考えながら、俺は中川家のリビングに通された。

 

 

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