中川菜々と優木せつ菜、時々アクセントで俺   作:蒲鉾うどん

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前置きが長いとはよく言われる


②-1

ファミレスで話してから2週間、今日は学校の屋上で会う約束をしていた。が、普通に寝坊した。甲子園が終わってからは気が抜けてるとは思ってたけどまさかここまでとは思ってなかった。心の中で謝罪を繰り返しながらようやく屋上に行くための階段を全て登り切った。扉の前で息を整える。…よし、戻った。行こう。そう思い扉を開けたら知らない女の子が歌っていた。

 

 扉を開けた音が聞こえたのだろう。彼女はこちらを見た。そして、クスリと笑ってこう言った

 

「待ってましたよ。お寝坊さん」

 

 一瞬フリーズした。そして脳をフル回転させる。こんな美人知り合いだっけと。ただ、声の質だったりお寝坊さん、という今日会う彼女しか知らないことを言ってるあたりで、なんとなく察しがついた。けれど確信は持てなかった。

 

「もしかして、菜々さん?」

 

「むむ?もしかして気づいていなかったのですか?」

 

「まあ、ハイ。お恥ずかしい限りで」

 

 どうやら予想は当たってたらしい。眼鏡と髪型を変えればこんなにも違うのかと驚いたが、言われてみれば確かに菜々だった。

 

「でも一体どういう心境の変化だ?」

 

「えーっと、まあその辺は追々話そうと思います。それより今日は貴方の話ですよ!」

 

 あ、はぐらかされた。でもまあ、後で話すと言ってるんだから話す気はあるんだろう。とりあえず今日は俺の話を聞いてもらうことにしよう。

 

「そうだね、流石に今日は俺の番だよね。一体何から話そうか」

 

「うーん、あ、ネットとかテレビは凄い騒がれてましたよ」

 

「あ、ほんと?2回戦で負けたのに?」

 

「ええ、やはり初戦が劇的だったからですよ。私も応援席で見てて鳥肌が立ってしまいました」

 

「生徒は任意で応援に来るか選べるけど、生徒会は現地での応援が強制だったんだよね。わざわざ応援しに関西まで来てくれてありがとうね、ほんと」

 

「いえいえ!そんなことないですよ!あんな試合を観れて本当に最高でした。他の生徒会の方々も来てよかったと口をそろえて言ってましたよ?」

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

 少々興奮しがちに伝えてくる菜々。そこには気を遣って言っているようには全然感じないので普通に楽しめたのだろう。

 

「ちなみに、任意で来た生徒ってどのくらい?」

 

「うーん、ちゃんと考えてはないのでおそらくになってしまうのですが、全校生徒の2/3くらいですかね?」

 

「あーなるほど」

 

「?、何かあったのですか?」

 

「連絡先が欲しいっていう子がめちゃくちゃ増えた。応援してくれるのは嬉しいんだけど、ここまで増えると正直鬱陶しい」

 

「それ、うちの副会長もぼやいてましたよ。連絡先欲しいなぁって。伝えておきましょうか?正直鬱陶しいらしいですよって」

 

「...いくら欲しいんだ?」

 

「冗談ですって。そんな警戒しないでくださいよ」

 

 そう言いながらニコニコ笑う。それにしても...眼鏡と髪型も違うってだけでこれだけ違うのか。俺もイメチェンしようかな。のんきなことを考えていると再び彼女が口を開く。

 

「あの、試合しているとき、どうでしたか?」

 

「どう、というと?」

 

「えっと、何考えていたのか、とか」

 

 何考えてたのか。どうだったけな。そう言われてあの日のことを思い返してみる。

 

「…多分だけど、何も考えてなかった」

 

「え?」

 

「何も、というか余計なことは考えてなかった、が正しいかな。スタンドから見てたらハラハラする場面もあったと思うけど、すべてひっくるめて素直に楽しんでいた」

 

「緊張とかしなかったんですか?」

 

「試合前は流石に。なんなら吐きそうだったけど、試合中は全部気にならなくなった。始まったのなら貫くだけ、と思ってたし」

 

「...凄いですね」

 

「勇気をくれたのは菜々の言葉だよ。あれがなければ多分終わってた」

 

「でもそれをやり遂げたのは祐介ではないですか」

 

「...楽しんでただけなんだけどなぁ」

 

「それでも、観ていた私たちに感動をくれた事実は変わりません」

 

「そんなに感動した?」

 

「ええ、とっても。正直鳥肌が止まりませんでしたし、頑張る貴方を見て勇気も貰いました。...私、決めました。好きややりたいを貫こうと。そして、ラブライブに出て、私の大好きを皆に伝えたいと思います!!」

 

「私...スクールアイドルになります!!」

 

 

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