中川菜々と優木せつ菜、時々アクセントで俺   作:蒲鉾うどん

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何回も同じようなことを言ってる気がしますが、お久しぶりです。




「・・・なんで菜々が俺の部屋に居るのさ」

 

「・・・スースー」

 

「しかも寝てるし。・・・あ、ご丁寧に布団敷いてる。しかも俺ですら使ってない羽毛布団で寝てやんの、羨まし。・・・いやいや、どういう状況?」

 

 今日は復帰後初の公式戦登板の次の日、俺は遅めの起床だった。というのも、試合前からあんまり寝れなかったし、気が抜けない緊迫した試合内容だったため、試合後の疲労感はとてつもないものだった。多分その辺が原因だろう。ちなみに目覚ましもかけ忘れた。そんなこんなで現在昼前。時計を見なくてもお日様の位置を見ただけで遅刻を確信した俺はすぐにサボることを心に決め、学校に連絡しようとスマホを開く。その時ふと思い出した。

 

「・・・今日祝日じゃん」

 

 しっかり寝ぼけていたため思い出すのに数十秒掛かったが、今日は祝日。そういえば昨日監督も明日は1日しっかり休めってミーティングで言ってたような気がする。ラッキー

 それならそれで一つの疑問が浮かんでくる。横で寝ている幼馴染だ。わざわざ布団が敷いてあるのも不思議だし、試しに菜々が被っている掛布団を軽く捲ったら制服を着ていた。・・・?

 一体どういうことなのか分からないけど、考えるのが面倒になった俺はとりあえず二度寝を決め込むことにした。そして気づいたら夕方になっており、菜々は俺の勉強机でPCを開き、動画を見ていた。そしてこちらからの視線に気付いたのか彼女はこちらを向き、話しかけてきた。

 

「あ、おはようございます」

 

「ん、おはよう」

 

「結構眠りましたね。やっぱり1試合投げるのって疲れるものなのですか?」

 

「うーん、まあ疲れもあるけど単純に寝やすい気候になったからっていうのが大きい気がするなぁ。夏大もここまで寝て無かったと思うけど」

 

「では祐介は根っからの怠け者なのですね」

 

「言い方よ。もっと他にあったでしょ」

 

「例えば?」

 

「・・・ものぐさ太郎?」

 

「あまり心象変わってないですけど・・・大丈夫ですか?」

 

「正直、学校だと問題児扱いになってるからなんでもいいみたいなところはある。ちなみに生徒会長の力でどうにかなんないの?菜々の絶対的な権力でこう、ちょちょっと」

 

「流石に人の印象まで変えれませんって。私をなんだと思っているのですか?」

 

「んー偽装系スクールアイドル?人を欺くのが得意だから噂広めるのもチョチョイのちょいだと思ってた。テヘペロ」

 

「なっ!?ちょっと酷くないですか!?あとその可愛くないテヘペロも止めてください!」

 

「それはさておき」

 

「さておかないでください!まだじっくり話したいのですが!?」

 

「菜々、しつこい。シャラップ」

 

「えぇ・・・」

 

 とまあ冗談はこれくらいにして、今日の彼女は色々と説明不足な点が多すぎる。とりあえず疑問を投げつけることにした。

 

「3つ聞きたいことがあるんだけど良い?」

 

「次の中間テストの範囲ですか?」

 

「・・・ごめん、やっぱ4つで」

 

「ふふっ!ええ!構いませんよ!」

 

「完全にあしらわれてるのなんか腹立つなぁ。・・・話が脱線しそうだから後でテストについてはあとで触れるね。・・・えっと、まずなんで俺の部屋いるの?しかも制服で。今日休みでしょ?」

 

「そうですねぇ。端的に言うと、今日学校がある日だと思ってました」

 

「へぇー珍しいね、俺みたい」

 

「ええ、実は昨日夜更かししてしまって」

 

「それも珍しいね。何してたの?」

 

「侑さんたちでお喋りしてました」

 

「へぇ、女子会ってやつか、楽しそ。今度俺も混ぜてよ」

 

「ええ、良いですよ。今度同好会で集まりがあるので一緒に来ましょうか」

 

「・・・ごめん失言だった。今のは無しでよろしく頼む」

 

「別に祐介ならいつでも大歓迎ですよ?みんなもきっと喜んでくれますよ」

 

「それでも、何となく超えてはいけない一線のような気がするからダメ、絶対」

 

「個別では会ってるのに?」

 

「・・・ノーコメントで」

 

 1:1とか1:2とかで会う分には大丈夫なんだけど、複数人だと何となく居た堪れなくなると言うか、気を使って貰ってる感じがあると言うか。元々出来上がってるコミュニティに入るのって結構苦手なんだよな

 

「いつでも待ってますからね〜」

 

「はいはい。・・・それでだいぶ話が脱線したけど、女子会やってたんだっけ。話題は美味しいラーメンの作り方とか?」

 

「女子会で豚骨の煮出し方とかを話し合うわけないでしょ!私たちが盛り上がったのは野球ですよ!貴方の!」

 

「女子会で野球の話も珍しいと思うけどなぁ・・・。そんで俺?昨日の試合でも観に来てたの?」

 

「そうですよ?気付きませんでした?」

 

「全く。自分のことで一杯いっぱいだったからなぁ。全然気づかなかった」

 

「見知った顔は結構観客席に居ましたよ?」

 

「え、そうなの?」

 

「ええ。同好会のメンバーは私が声を掛けたっていうのもあるのですが、」

 

「ちょっと待て、菜々以外の同好会の人もいたの?」

 

「ええ、誘っておきました!」

 

「・・・マジか」

 

 正直、一昨日菜々に発破を掛けてもらったとはいえ、昨日の試合前のメンタルは過去最低だったし、俺のせいで負けるような試合展開も十分に有り得たんだよなぁ。・・・あっぶな

 

「もうっ!頑張ってる祐介をみんな応援しようと駆けつけてくれたんですから、例え昨日負けたとしても、堂々としとけば良いんですよ!」

 

「・・・俺が何考えてるかお見通しか。」

 

「ええ、もう14年の付き合いですから!」

 

「・・・そうだなぁ、とりあえず昨日勝てて良かったよ、ほんと」

 

「そうですねぇ。そのおかげで侑さんと夜中までスクールアイドルの話と野球の話で盛り上がっちゃいましたもん。それで朝寝不足でしたし、どうせ祐介は起こさないと一生起きないだろうなって思ったので起こしに来たら、案の定寝ていましたし」

 

「昨日は流石に疲れたからなぁ。・・・ん?あれ、母さん下にいなかった?朝はリビングにいるはずだけど、どうやってここまで突破してきたの?」

 

「?祐介起こしに来ましたって言ったらすんなり通してくれましたよ?」

 

「今日祝日なのに?流石に声かけくらいはしたでしょ?」

 

「いいえ?もしかしたら私たちが学校に用があるって思ってたのかもしれませんね」

 

 まあ、学校行く時は休日でも制服着ていくもんな。・・・いや、

 

「普通に祝日って忘れてただけだろ。俺の親だぞ?」

 

「凄い言い様。お母様に伝えておきましょうか?」

 

「すぐ禁止カードを使うの良くないわ。飯が無くなるので勘弁してください本当に。・・・それで話を戻すけど、そこからどうしたの?」

 

「ええっと確か、どうにか起こそうと試行錯誤したのですが祐介はうんともすんとも言わなくて。多分結構時間が経過してたんでしょうね。お母様が様子を見に来て、『菜々ちゃんも寝ちゃえば?布団出すよ?』って言われました」

 

「『適当』と『いい加減』って言葉が擬人化したら母さんになるのか。勉強になった。普通そんな選択肢出す??」

 

「・・・ふふっ!ノーコメントで」

 

「別に笑いを堪える必要もないでしょうに」

 

「・・・流石に失礼ですから。・・・それにしても祐介のお母様は面白いですね〜」

 

「菜々にはいい顔してるだけだぞ。いやほんとに」

 

 とりあえず菜々が俺の部屋で、しかも制服で寝ていた理由が判明した。菜々も母さんの悪いところがバッティングしただけだったようだ。いや、8割母さんがぶっ飛んでたのが悪いか。

 

「それにしても・・・今何時?」

 

「16時ですね。あれ?もう質問は良いのですか?」

 

「昨日の疲れも相まって結構どうでもいいや。全身痛いし、整体行ってくるよ。菜々はまだ俺の部屋いる?」

 

「いえ、流石に帰ります。作業もひと段落付いたので」

 

「生徒会関係?」

 

「ええ、そうですね。生徒会の引き継ぎ資料の作成ですね。意外に引き継ぐことが多くて大変なんですよ」

 

「うわ、聞きたくもない。・・・腹減ったなぁ」

 

「唐突ですね。何か作りましょうか?」

 

「コーヒーですら空きっ腹に飲んだら辛いんだから、菜々の料理なんて食べたら胃に穴が空くよ」

 

「なっ!最近はそこまで酷くないですよ!誤った認識は改めてください!!」

 

「はいはい。彼方さんに2人でお礼言いに行こうねー。そんなことより」

 

「あ、流された」

 

「近所に喫茶店出来たって言ってなかったっけ?」

 

「ええ、出来ましたよ」

 

「もう行った?」

 

「はい!ケーキとコーヒーが美味しかったです!!」

 

「へぇそうなんだ。じゃあナポリタン食べよ」

 

「・・・絶対わざとでしょう?」

 

「さあ?ちなみに菜々も一緒に行く?」

 

「・・・祐介の奢りなら」

 

「へーへー。ありがたく奢らせていただきます」

 

「あ、本当ですか?少々割高でしたけど、ありがたく奢っていただきますね〜」

 

「うーん、悪魔みたいな女だなぁ」

 

「別に自分で食べた分は払いますよ?」

 

「いいよ。一度言った手前取り下げるのもみっともないし」

 

「・・・いじっぱり」

 

「うっせ、ほっとけ」

 

「でもそこが祐介の良いところでもありますよね。あと何個勝てば甲子園なのですか?」

 

「多分2か3」

 

「じゃあ残り全部勝って行きましょうね、甲子園」

 

「もちろん。意地は張ってこそだから。死ぬ気で勝つよ」

 

「ええ、楽しみにしてますね」

 

 そんな話をしていると突然菜々のお腹からぐぅ〜っと小さい音が鳴った。一瞬お互い視線が合ったが、すぐに菜々がプイッとそっぽを向いた。それに思わず俺は笑ってしまった。

 

「・・・あははっ!昼ご飯食べてないの?」

 

「・・・お恥ずかしながら。・・・っもう!そんな笑うことないじゃないですか!!」

 

「ごめんごめん!じゃあ甲子園の前に行こっか、喫茶店。一緒にナポリタン食べようね?」

 

「・・・パエリアがいいです」

 

「・・・絶対メニューにないでしょ、それ」

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